木曜ドラマTRICKのちょっといい話。

episode1

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【第1話】

密室の謎
言霊で人を操る男

ON AIR
2003/10/16

(視聴率)
 関 東 17.8%
名古屋 ????
関 西 16.0%

【第2話】

言霊で
人を操る男の謎
解決篇

ON AIR
2003/10/23

(視聴率)
関 東 16.4%
名古屋 11.4%
関 西 10.6%

【主題歌】

「私とワルツを」

鬼束ちひろ
作詞・作曲/鬼束ちひろ
編曲/羽毛田丈史
(東芝EMI)

【脚本】

蒔田光冶

【音楽】

辻 陽

【キャスト】

仲間由紀恵

阿部 寛

生瀬 勝久

野際 陽子

姜 暢雄

大島 蓉子

アベディン
モハメッド

森本レオ

矢島 健一

佐戸井けん太

甲本 雅裕

嶋 大輔

荒川 良々

六平 直政

半海 一晃

斉藤 清六

ガッツ石松

瀬戸陽一朗

渡辺火山

安達秀子

佐藤宗二郎

稲田芳寛

高橋永剛

佐々木綾乃

ズィーナオオマエ

美月麻帆

放映プロジェクト

芸 優

稲川素子事務所

劇団ひまわり

セントラル子供劇団

【撮影】

斑目 重友

【照明】

川里 一幸

【VE】

中村 寿昌

【音声】

中村 徳幸

【美術】

稲垣 尚夫

【装飾】

山田 好男

牧野 誠

【小道具】

杉本 和代

【スタイリスト】

富樫 理英

【着物コーディネート】

河野 仁子

【ヘアーメイク】

宮内三千代

小林 真由

西村佳苗子

【タイトルバック】

熊坂 出

【ダンサー】

松田菜々子

【CGプロデュース】

西村 敬喜

【CGディレクター】

小関 一智

【イラスト】

千原 櫻子

【イラスト構成】

東條 政利

【イラストナレーション】

森山周一郎

【DC制作】

西 勇哉

鈴木さやか
(テレビ朝日)

【HP制作】

前田 秀彦

松崎 みどり

【スチール】

堀 和宏

高島 一夫

【編集】

大野 昌寛

【オフライン編集】

山口 牧子

【M A】

中村 徳幸

永井 純

【音楽プロデュース】

志田 博英

【選曲】

渡邊 朋子

【音楽コーディネート】

川原崎 秀樹

【効果】

中村 友美

【協力】

NICE・DAY

江戸川橋スタジオ

グリップアソシエイト

CPルーム

ベレッツァスタジオ

阿ウン

光映新社

【音楽協力】

テレビ朝日ミュージック

【技術協力】

池田屋

【美術協力】

Colemon?

BOOTH

えんぎ屋

(株)水晶院

NOMAD

メガネドラッグ

Karrimor

【衣装協力】

Eddie Bauer

IMAGE

UNIQLO

大中

【車両】

日本照明

【カースタント】

スーパードライバーズ

【ファイティング
コーディネート】

FCプラン

【ロケ協力】

長野県北御牧村

学校法人立正大学学園

アードヴィレッジ明神館

浅草花やしき

浅草ひさご通り商店街

長野県立科町

長野県丸子町

信州上田フィルム
コミッション

ホテルイートイン上田

【助監督】

丸毛 典子

【記録】

奥平 紋子

【マジックアドバイザー】

藤原 良雄

【制作管理】

三井 孝俊

【プロデューサー補】

上田 直彦
(テレビ朝日)

【ラインプロデューサー補】

大形 美幸

吉田 拳雄

【宣伝】

小久保 聡
(テレビ朝日)

【ラインプロデューサー】

渡邊 範雄

【制作担当】

朝比奈 真一

【プロデューサー】

桑田 潔
(テレビ朝日)

蒔田 光治

山内 章弘

【演出】

堤 幸彦

【制作協力】

オフィスクレッシェンド

【制作】

tv asahi

東宝株式会社

『TRICK-Troisième partie-』

放送時間が従来の金曜23時枠から木曜21時枠に移動となった今作。
テレビシリーズでは3作目になる作品だが、タイトルに『3』の文字は無く
『木曜ドラマ TRICK』や『
TRICK-Troisième partie-』が用いられた。

『木曜ドラマ〜』というタイトルは本作が『金曜ナイトドラマ・トリック』の
単なる続編ではない、という製作者の意気込みを感じさせるものの
一方の『-Troisième partie-』は、物語のキーワードとなるフランス語で
『Troisième』は第3の、三番目のという意味で『partie』は、作品、章を
意味しており、要訳するとタイトルは『トリック−第3章−』という意味になる。

番組開始前からタイトルにもフランス語を使っているところから観て
ドラマの内容にもどこかでフランス語を反映させよう。という意図が
企画の当初からあったのではないかと思われる。

ちなみに、シリーズ第1作『TRICK』の企画段階のタイトルには
『上田と山田』、『魔術の法則』、『仮面の告白』、『錯覚』などがあり
最終的な(仮)タイトルは放送開始直前まで『最後の審判』だった。

『花やしき』

『トリック』シリーズに必ず登場しているのが花やしきのマジックショー。
ほとんどの作品で奈緒子の初登場シーンは、このステージになっており
今回もチャイナドレス姿の奈緒子が得意のゾンビボールを披露している。
昨年・経営破たんしたそうだが、現在でも営業は継続されている。

『照喜名 保(てるきな たもつ)』

「TRICK」では奈緒子の行く先にたびたび出没し、黒門島にも現れた
世界でただ一人の奈緒子ファンで、演じるのは
瀬戸陽一朗さん

『TRICK2』には一度しか登場しなかったが、今回は第一話から登場し
また奈緒子をストーキングするのかと思ったら3回しか登場しなかった。

『明日から来なくていいよ。君は今日で・・バイ・なら。』

「TRICK2」エピソード2で持ちネタだけが登場していた斉藤清六さんが
今回は”浅草・花やしき”のステージのマネージャーという役で登場し
持ちネタの『バイ・・なら』を使って奈緒子にクビを宣言する。

客にバカウケしている『村の時間の時間でございますぅ〜』というネタは
20年以上前にテレビ朝日で放送されていた大ヒット・バラエティー番組
『欽ちゃんのどこまでやるの?』の中で斉藤さんが言っていたセリフで
斉藤さんは、このキャラクターで一躍お茶の間の人気者になった。

『池田荘』

映画『トリック劇場版』では建替えの話も出ていたが今回も無事登場。
しかし、現実のロケ地周辺では新交通システムやら再開発的な工事が
ガンガン行われており、「1」の当時と較べると変化が著しい模様で
このスタジオがいつまで奈緒子のアパートして使えるか微妙な状況。

『習字ネタ』

半身浴、くるぶし、ウァルクァンバ、不況克服、六本木ヒルズ

ロケ村大募集、こうなりゃ年一

お馴染みの習字ネタ。
ウァルクァンバは『STAND UP!!』(TBS)に登場した宇宙人の名前。
六本木ヒルズは、この年の秋『テレビ朝日』の社屋が六本木ヒルズに
移転した事をネタにしたものだと思われるが、トリックファンにとっては
『こうなりゃ年一』の文字の方が、よっぽど重要に感じてしまう。

『政治家』

奈緒子の母・里見に看板を頼みに来た政治家は半海一晃さん。
ここのところ堤監督作品の常連さんでテレビドラマ『ハンドク!!!(TBS)』
『愛なんていらねぇよ、夏(TBS)』のほか、映画『ピカ☆ンチ』にも出演。

『国会落雷』

奈緒子の母:里見が政治家に頼まれた看板に書いてあった文字。
2003年の9月3日に国会議事堂の中央塔の外壁の御影石が
落雷のために剥落するという事故があり、その事を書いた物だろう。
いずれにしても選挙の当落とはあまり関係無さそう・・・というか不吉。

『ゴミバケツ』

またステージをクビになり、意気消沈してアパートに帰った奈緒子に
追い討ちをかけるように登場した大家・池田ハルの家賃請求から
逃れるために奈緒子がとっさに隠れようとしたのは生ゴミのポリバケツ。

雑誌グラビアやCMでは、神々しいばかりに美しい姿を披露しながら
一方ではゴミバケツに潜り込むような演技でも躊躇なくやってのける
振幅の大きさも女優:仲間由紀恵の魅力のひとつであろう。

『ブラジルの宝くじがもうすぐ当たるんで、来週には必ず・・・』

遅れている家賃を請求された奈緒子が苦し紛れに言ったセリフ。
日本では『年末ジャンボ宝くじ』でも前後賞合わせて3億円が上限だが
海外の宝くじには、一発逆転の高額当選が期待出来る物が多くあり
モノによっては当選金が数十億円に届くものもあると言われている。

しかし、奈緒子に宝くじを買うような遊び金があるとは思えず
咄嗟についたウソであると考えて間違いないだろう。

『全国トイレ水洗化計画っつーのに業者が駆り出されて』

これは映画『トリック劇場版』で、日本を動かせる官僚となった
上田の同級生たちが私利私欲のために立案した計画の事。

『18,000円を21,000円に』

建替えで家賃を5倍にする予定だったが、建替えできなくなったので
家賃だけを上げると、無茶苦茶な事を言い出す大家・池田ハル。
フツーに考えて、こんな不当な値上げは認められるワケも無いが
このハルさんのセリフで池田荘の正確な家賃が初めて分かった。

たとえボロアパートとはいえ、都内に存在する2Kの部屋で月あたりの
家賃が18、000円というのはべらぼうに安いのではないかと思われる。

『ハーミーとジャル』

いつの間にかデキていた池田ハルとジャーミーの双子の子供の名前。
二人の名前をくっ付けただけのいかにも安直な命名と言える。
どっちがジャルで、どっちがハーミーかは分からないが佐々木綾乃と
ズイーナオオマエというのが赤ちゃんの名前のようだ。

『新しい鍵』

ある人のアドバイスにより部屋の鍵を新しいものに付け替えたというハル。
新しい鍵を要求する奈緒子に『家賃を払ったら渡す』と鬼のような返答。
後に、この顛末が”ある人物”の姑息な計画の一部である事が判明。

『次郎号』

『トリック劇場版』で奈緒子にフェンダーミラーをへし折られた上田の愛車。
折られたフェンダーミラーをガムテープで補強して再び登場している。
相変わらず1966年式のトヨタパブリカだが今回は意外な進化を遂げる。

『なぜベストを尽くさないのか』

上田次郎の第四作目に当たる著書のタイトルだそうな。

タイトルは第39代アメリカ大統領であるジミー・カーターの自叙伝
『Why Not the best(邦題:なぜベストを尽くさないのか)』からの
引用ではないか?と言われているが原題の方は一致していない。

なぜ英題が『Why don't you do your best』になったのかについては
タイトルの中に『ドンと』を入れたかったからでは?という説が有力。

上田 『渋谷や道頓堀の若者達の間ではね、「なぜベス」と
     呼ばれてバイブルになっているらしいんだよ。
     なぜベス、どん超、どん超2、どん超3、青デニ、ってな』

実際に学習研究社から発売された『どん超』は大ヒット作となったが
ドラマ上の『どん超』が渋谷や道頓堀の若者のバイブルになっている
とは考えづらく、例によって上田の駄ボラの類であろうと思われる。

ちなみに『青デニ』とは外苑通りにある『デニーズ南青山店』の略称で
TBSやテレ朝に近いため業界人御用達のファミレスになっているらしい。

このドラマに入る直前までTBSで『STAND UP!!』を撮っていた堤監督も
おそらく打ち合わせなどで、頻繁に”青デニ”を利用していたと思われ
上田の著書の中に『青デニ』が紛れ込んでいるのはそのためだろう。

ちなみに「TRICK」DVD最終巻に収録されていた”TRICK座談会”でも
堤監督は『青デニ』の他に『オモロイ』(表参道ロイヤルホスト)『ファッキン』
(ファーストキッチン)という通称を持ち出して”流行アンテナ人間”ぶりを
アピールしていたが仲間さんに『ウソ!?』と疑惑の目を向けられている。

『相沢 即史 (あいざわ そくふみ)』

演じるのは『ごくせん』『顔』などでもお馴染みの甲本雅裕さん。

肩書きは日本国中開発株式会社・営業企画リゾート開発一課課長。
名刺に書いてある会社の略称はNHK、所在地は東京都千代田区
霞ヶ関と書いてあるようにも見えるが郵便番号は港区のもの。

上田に『相沢・・そくし?』と読まれて『そくふみです』と言い直すが
今回のエピソードで最初の犠牲者となる不憫なキャラクター。
なぜ眉毛を太く描いているのかはイマイチ不明。蛾眉村だからか?

『蛾眉村 (がびむら)』

今回の物語の舞台となる村の名前で、ロケ地は長野県某所。
ロケ協力のテロップを見る限り”長野県北御牧村”が中心の様子。

相沢によると、所在地は長野県ダニ郡蛾眉村字アブとの事。
やたらと”昆虫”がキーワードとなる今回のエピソードなので
村の名前にも”虫”を連想させる言葉が使われている模様。

ちなみに『蛾眉』とは”蛾の触角のように美しい眉”という意味で
中国では主に”美人”を形容する言葉として用いられている。
また、中国・四川省・峨眉県には”峨(蛾)眉山”という名山があり
この山は、李白の『峨眉山月の歌』という漢詩に詠まれている。

また、芥川龍之介の作品『杜士春』にも”蛾眉山”は登場し
日本にも北海道、函館市に蛾眉野町という町があるそうな。

『バッタ丼、コオロギ丼、カブト虫丼、あわ丼、どんぐり丼、ひえ丼』

蛾眉村に行く途中で上田と奈緒子が立ち寄った”めし処・家族亭”の
壁に貼ってあったメニューの短冊に書かれていた商品名。
その他にも”虫蒸し”や”どんぐり焼き”といった名前がチラホラ。
名前は全国チェーンの”
うどん・そば家族亭”とは関係無さそう。

パッと見て食べたいと思わせるようなメニューはひとつも無いが
『山田奈緒子の全部まるっとお見通しだ!』(ワニブックス)によると
奈緒子は、この時食べた『どんぐり丼』が大変お気に召したらしい。

ノベライズ本(角川書店)には『どんぐり丼 200円』と書いてあるが
オンエアされた画面を見ると、短冊の下の方に書かれた値段は
吉野家の牛丼が軽く100杯は食べられそうな価格設定になっている。

このシークエンスも「TRICK1」第一話で『母の泉』に向かう途中に
同じような場所に立ち寄り”しいたけ丼”を食べていたのと似ている。

上田 『ここに・・・五つの玉があります。ブルー・・・イエロー・・
     グリーン・・パープルレイン・・・赤・・・フフフッ』

本業はマジシャンである奈緒子の前で手品を披露する間抜けな上田。
もちろん奈緒子にはアッサリ見抜かれて赤っ恥をかく事になるのだが
「2」あたりから上田が奈緒子に手品で挑戦するパターンが増えている。

”パープルレイン”というのは上田役の阿部寛さんのアドリブだそうで
1980年代にマイケルジャクソンと人気を二分した、デトロイト出身の
アーティスト”PRINCE”のヒット曲『パープルレイン』の事だと思われる。

同名映画のサントラアルバム『パープルレイン』が発売された1984年は
阿部寛さんが、ちょうど大学生兼モデルとして人気絶頂だった頃なので
ネタというより、阿部さん自身がいろいろ思い出深い作品なのだろう。

『ふたご、ふたご、ふたご!!』

次郎号がリゾートホテルではなく、蛾眉村に向かっている事に
ようやく気づいた奈緒子に上田が勝ち誇ったように言ったセリフ。
たぶん、これも阿部寛さんのアドリブじゃないかと思われます。

この前のセリフで、奈緒子を部屋に帰さないために鍵を替えるように
大家・ハルに指示したのが上田であった事が判明しているので
この「ふたご」はハーミーとジャルの事を指しているのであろう。

『くま牧場』

一見、何と言う事はない可愛いクマの絵が描かれた看板。
堤監督で”熊”と言えば木彫りの熊とか「千と千尋の神隠し」の金の熊賞とか
連想されるネタはいくつかあるが、ここではあまり関係無さそう。

『倫倫(リンリン)、乱乱(ランラン)』

蛾眉村神社の鳥居に描いてある文字。
『リンリン・ランラン』とは、1974年に『恋のインディアン人形』という
曲でデビューした双子の白人女性歌手の事を指していると思われる。
『リンリンランラン龍苑♪』という中華飯店のCMソングも一部で有名。

彼女達は『ロッカーシスターズ』という名前で香港・アジアを中心に
活躍していたところをスカウトされたのだが、ネイティブアメリカンの血を
全く引いていないのに『インディアン姉妹』として売り出された【
参考

『芝川 玄奘 (しばかわ げんじょう)』

”言霊を操る男”芝川玄奘を演じるのは森本レオさん。
1943年2月13日生まれ、名古屋市出身で堤監督と同郷。

堤作品には『ブラックジャック3』『愛なんていらねぇよ、夏』に出演。

2003年は女優:水沢アキとの”異文化交流”が話題になったが
俳優としてもナレーターとしても、独特の”いい声”で存在感を示す。

ちなみに『玄奘』というのは604〜664年、中国、唐代の僧侶で
長安から西域を経て、インドより経典を持ち帰った実在の人物。
小説『西遊記』の三蔵法師のモデルとなった人物でもある。

『鬼頭 理三(きとう みちぞう)』

玄奘の秘書、鬼頭を演じるのは『ケイゾク』にも出演した矢島健一さん。
鬼頭は『TRICK』エピソード1『母の泉』篇における津村と良く似た役柄。

そもそも、鬼頭理三という名前は『トリック2』エピソード4『御告者』の
演出も手がけた”オフィス・クレッシェンド”の演出家・鬼頭理三氏の
名前を頂いた物で、矢島氏が演じる鬼頭理三というキャラクターは
鬼頭氏が演出を手がけた『堤幸彦・演出研究序説』という作品にも
登場しており、公式HPには”同一人物説”を匂わす記述があった。

鬼頭理三さんの『理三』という名前は、理三さんが誕生した時に
ご両親が『東大の理三に入学できるような子になるように』という
願いを込めて名づけられたものらしく(実際は横浜国大経済学部卒)
菊地が『東大・理三卒』という設定になったのと無関係ではないかも。

ちなみに上田次郎はTBSの植田博樹プロデューサーから苗字を貰い
山田奈緒子も『ケイゾク』第7話に山田菜穂子という名前が登場しており
当時、TBSでアルバイトをしていた女性の名前が元になっている。

トリックファンにはお馴染みの瀬田一彦も、実は『学校の怪談シリーズ』や
『青の炎』や『明日があるさTHE MOVIE』や『g@me.』にもプロデューサー
や製作委員会メンバーとして関わっている東宝のお偉いさんと同姓同名。

さらに、矢部謙三は東宝の阿部謙三プロデューサーから、池田ハルは
照明担当の池田ゆき子さんから、名前を一部拝借しものだと思われ
『ケイゾク』の斑目刑事にいたっては『TRICK2』以降トリックシリーズを
撮影している斑目重友さんの名前をそのまま役名として使用しており
堤監督は登場人物の名前には、あまりこだわらないタイプのようだ。

『井上 真一(いのうえ しんいち)』

井上兄弟の兄、真一を演じるのは嶋大輔さん。
1964年5月22日生まれ、神奈川県出身。

『T.C.R横浜銀蠅R.S』の弟分として、1982年に『Sexy気分の夜だから』で
歌手デビュー、3rdシングル『男の勲章』でツッパリアイドルとしての
地位を確立し、独特のリーゼントヘアーで一躍スターダムにのし上がる。

ドラマデビューは『茜さんのお弁当(TBS)』で歌手デビューの1年前。
俳優としても数多くの作品に出演されており『超獣戦隊ライブマン』
『ウルトラマンコスモス』『木更津キャッツアイ』などが代表作となっている。

なんと、仲間由紀恵さんがデビュー2年目に出演していた
『坊ちゃんちゃん(1996年TBS)』にも出演されていたそうな。

『井上 真二(いのうえ しんじ)』

井上兄弟の弟、真二を演じるのは荒川良々(アラカワヨシヨシ)さん。
1974年1月18日生まれ、宮藤官九郎さん、阿部サダヲさんなどで
お馴染みの
劇団大人計画に所属している俳優さんだそうです。

堤作品には『池袋ウェストゲートパーク』『愛なんていらねぇよ、夏』に
出演し、他にも『やんパパ』『東京ラブ・シネマ』等のドラマに出演。

映画にも『ピンポン(2002年)』『突入せよ!あさま山荘事件(2002年)』など
話題の作品に出演し『血を吸う宇宙(2001年)』では阿部寛さんと共演。

『江藤』

蛾眉村周辺の地主・江藤役を演じるのは佐戸井けん太さん。
1957年5月14日生まれ、千葉県出身。『
SISカンパニー』所属。
最近では『踊る大捜査線』の魚住課長代理役が有名。

『ガッツ石まっ虫』

蛾眉村に生息する羽虫で”甘い汁に寄って来る特性を持つ”そうな。
トリックシリーズには珍しく、イチからCGで制作されたキャラクターで
このネタのためだけにガッツ石松がキャスティングされている。

深夜枠当時ならメインゲストでもおかしくないクラスのゲスト出演者が
このエピソードだけで、7〜8人もキャスティングされているのには
放送枠が移動した事で、制作費が大幅に増えた事を感じさせるし
この無駄遣いぶりが、いかにも『トリック』らしい気がしないでもない。

『大日本赤斑吸血角虫(だいにほんあかまだらきゅうけつつのむし)

蛾眉村に生息するといわれている恐ろしい毒を持つ虫の名前。

モチロン実在はせず、名前は西ナイル熱、日本脳炎などを媒介する
アカイエ蚊や、マラリア、デング熱を媒介するマダラ蚊あたりの名前と
マダニによって媒介される”日本紅斑熱”という感染症の病名等を
適当に混ぜて作ったものではないかと思われる。

上 田 『彼女はこのように貧乳ですけど・・・』

奈緒子 『オイ!!』

上 田 『心も貧しく捻じ曲がってましてね。今までに人の言葉を
     素直に聞いた事などただの1度もないんです。
     ましてや人の言いつけどおりに動く事なぞにおいてをや!』

2000年7月7日に「TRICK」の放送が始まるまでは、その”胸”については
チャームポイントとも欠点とも考えられていなかった仲間由紀恵さんだが
この『トリック』というドラマが人気を博し、山田奈緒子というキャラクターの
認知度が高まるにつれて、山田奈緒子=貧乳=仲間由紀恵という
ありがたくない認識も広く一般に認知されるようになってしまった(笑)

最近ではau/KDDI「それぞれの夏・北海道篇」、大塚製薬アミノバリュー
「バランスボール篇」などのCMにすら、”貧乳ネタ”が登場しており
”貧乳界の女王”という称号は返上できない雰囲気になりつつある。

『南方 熊作(みなかた くまさく)』

『トリック2』最終エピソードに登場した柳田黒夫の元で学んだ事も
あるという自称民俗学者で演じるのは、お馴染み六平直政さん。

柳田黒夫も実在する民俗学者・柳田國男の名前をもじった物だが
この南方熊作も、実在する博物学者・南方熊楠の名前をもじったもの。
柳田國男と南方熊楠は実際に交流があるのでそこからの着想だろう。

南方熊楠は粘菌の研究では世界的権威であり、博物学、民俗学に
止まらず広範な分野において異能の才を発揮した偉大な研究者だが
熊作の方がどんな人物なのかは、最終回になって明らかにされた。

『神の象の像』

南方熊作によれば黒門島に伝わる伝説。と言われているらしい。
大きな耳が願いを聞き、大きな足が世界を作り変え、後は鼻高々。
この像のおかげで黒門島は様々な災いから逃れる事が出来た。

と、いう事だが、まずカミヌーリだった里見が、その伝説について
知らないと言っている時点で、かなり眉唾な話である事は間違いない。

『柴咲香』

このお香の匂いを嗅ぐと地面がぐらぐら揺れているような感じになるらしい。
名前は『しばさきこう』と読むそうで、由来はもちろん”アノ女優さん”だろう。

仲間さんは、その女優さんと『PS.元気です、俊平(1999年TBS)』と
『FACE〜見知らぬ恋人(2001年NTV)』というドラマで共演している。
当時は仲間さんの方が遥かに格上の扱いだったが現在は微妙(笑)

奈緒子 『上田さん・・・・クラクラします・・・』

上 田 『柴咲香め・・・・・』

上田教授は”柴咲香”に、なにか恨みでもあるんでしょうか?
ワタシは正直言って”少し”ありますが(笑)

玄 奘 『分かりやすくこれを使って説明しましょう・・トランプです』

奈緒子 『・・・・なんでだ?』

現代人は言葉を軽んじるあまり、言葉の持つ力を失ってしまった。
という事を証明すると言って、なぜかトランプを持ち出す玄奘。

劇中のマジックは『トリック』シリーズの見どころのひとつでもあるが
回を重ねる毎に手軽なテーブルマジック主体になっている感は否めず
予算は増えても時間は増えない。”というもどかしさも感じさせる。

玄 奘 『左から・・・げんこつ山・・・の山・・・たぬき山』

奈緒子 『ゴロわるっ!!』

童謡『げんこつ山のたぬきさん』がネタ元でいかにもデタラメな名前。
ネタとしては別に面白くもないが、こういう”脱力感”も深夜枠の頃の
”ゆる〜い雰囲気”を壊さないためには不可欠なのかもしれない。

『ピカッ!!』

奈緒子が閃いた時に頭の上にCGで描かれた電球が光る演出。
ネーミングセンスなどには、常識ハズレのデタラメさも見え隠れする
『トリック』シリーズだが、この『ピカッ!』はドラマと言うよりアニメ風。

そのため『さすがにやりすぎでは?』との声も多く、堤幸彦監督も
『アレはあんまり面白くなかったので、もうやめますけど(笑)』と
雑誌(TV−LIFE)のインタビューでも答えていたが、なぜか以降も
バージョンアップを続け、けっきょく最終話まで引き継がれる事になった。

個人的には、技術と予算の無駄遣いぶりがトリックらしいと思う。

『メシの後は・・・・風呂だな・・エヘへへへへ!!』

「TRICK2」エピソード1にもほぼ同じセリフがあり
奈緒子は同じように風呂桶を小脇に抱えている。

『菊地 愛介(きくち あいすけ)』

『トリック劇場版』を最後に広島県警に転属となった石原に代わり
矢部謙三の新しい部下になった東大出身のキャリア候補生。

菊地愛介を演じるのは石原役の前原一輝さんと同じく、テレビ朝日系
特撮ヒーロー作品『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002年)出身の姜暢雄。
1979年3月23日生まれ、兵庫県出身。所属事務所は、生瀬勝久さん
藤木直人さん、中越典子さんと同じ
(株)CUBEとのこと。

お坊ちゃまで、東大・理三出身のキャリア候補生という、石原とは
真逆の設定で登場したものの『ありがとうございます!』のような
矢部&石原コンビと同じネタが使われる事も多かったため
キャラがイマイチ明確にならないままに終わってしまった感がある。

菊地 『ありがとうございます!!』

矢部 『あのな菊地、お前の生き方ってサァ・・・』

矢部&菊地コンビで初めての『バキッ!→ありがとうございます!』ネタ。
二人の演技を見てみると、実は菊地は本心から『ありがとうございます!』
などと言っているワケではなく、ただ単に処世術として石原のマネをして
ホントは見下している矢部のご機嫌を取っているだけである事が分かる。

そのため、矢部の『菊地、お前の生き方ってさぁ・・・』というセリフでは
実は矢部にも菊地の本心が良く分かっていて、上っ面だけの対応に
矢部も嫌気がさしている。という気持ちを表現しているのだと思われる。

そう考えると、菊地の『ありがとうございます!』は、石原のソレとは
まったく意味が違うネタとして解釈する事が出来るし、実は菊地の
”こざかしさ”や”嫌なヤツっぷり”を表現するためのネタとも考えられる。

矢部 『一年前東京の開発業者が大金を投じて、この村に
菊地  リゾートホテルを建てようとした、すると、それを
     邪魔するかのようにあんた達がここにやってきた。
     おかしな事件が色々とおき始めた、工事のクレーンが
     突然倒れて人が下敷きになったり、砂利を運ぶトラックの
     ブレーキが急に効かんようになって崖から落ちたり
     これ全部あんたらのせいじゃないかって
     言う人間がおるんですよ!!』

矢部と菊地が同じセリフを同時に言うユニゾンネタの第一弾。
正直、あまり評判も良くなかったが、最終話まで続くネタになる。
長ゼリフを覚える苦労やタイミングを合わせる苦労を考えると
役者さんの苦労のワリに実りの無いネタだったと言えましょう。

ノベライズ本の解説によると矢部の話に菊地がでしゃばって割り込み
お互い張り合ううちに”ユニゾン”になってしまう。という演出らしい。

『●●●〜・・・ボタン鍋ぇ〜・・・・う〜ん、ソーメンちゃんぷるー・・・・』

テントで寝袋に包まっている奈緒子の寝言で相変わらず食い物ネタ。
ボタン鍋は猪の肉の鍋の事、ソーメンちゃんぷるーはソーメンを使った
塩味の焼きそばのような沖縄料理。仕上げに”カツオだし”を入れるのが
本場沖縄の”家庭の味”を出すコツらしい。最初のは聞き取り不能。

菊地 『このコップに強い植物性毒物の”カワカムリ”が残っていました
     ・・・私は東大を出ています・・理三です!・・・あらゆる薬物
     毒物を舐めてたちどころに区別できるのです!!』

奈緒子 『・・・・・舐めたのか?!』

猛毒を舐めんなよ!!という以前に”カワカムリ”はないだろう(苦笑)
明らかに菊地ではなく奈緒子に言わせるために考えられた名前で
案の定、事件の解説で仲間さんは”カワカムリ”と言わされている。

*”カワカムウリ”説もあるようですがノベライズ本の表記を採用。

『あれは・・・茜さんのお弁当の頃だ・・・』

『茜さんのお弁当』(1981年TBS)は嶋大輔さんのTVデビュー作。

『相沢即史、殺害のトリック』

良く考えたら、誰も不在証明(アリバイ)などは立証されていないので
柴咲香を焚くよりも、武器でも持って追い回した方が確実な気もする。

上田 『私はな・・・日本の知的財産なんだよ!
    来年な・・・ノーベル賞を取る事になってんだよ!』

生命の危機を感じて、苦し紛れに適当な事を言う上田教授。

2002年は、小柴昌俊(物理学賞) 田中耕一(化学賞)のダブル受賞が
話題になったが、歴代の日本人ノーベル賞受賞者の顔ぶれを見てみると
湯川秀樹(物理学賞) 朝永 振一郎(物理学賞) 川端康成(文学賞)
江崎玲於奈(物理学賞) 佐藤栄作(平和賞) 福井謙一(化学賞)
利根川進(生理学、医学賞) 大江健三郎(平和賞) 白川英樹(化学賞)
野依 良治(化学賞)と、圧倒的に物理、化学分野での受賞者が多いので
何かの間違えで上田教授が受賞してしまう可能性もなくはないかも?

玄奘 『あなたは必ず黄色いカードを選ぶ・・・』

なぜか玄奘の言う通りに黄色いカードを選んでしまう奈緒子。
その衝撃の種明かしは第2話で行われる事になるが・・・

上 田 『磁石・・・磁石だよ・・・金属の指輪をはめていれば
      それを遠くから磁石であやつる事は可能だ。』

奈緒子 『普段なら、ダイヤとかルビーとかサファイヤとか、他にも
      色々はめてるんですけど、今日はたまたま外してて・・・・』

上 田 『持ってないだろ。そんなつまらない嘘ついてどうするんだ!』

なぜか玄奘の言いなりに黄色いカードを選んでしまった奈緒子。
『何かに操られるように・・・』という奈緒子の証言を元に上田が展開した
物理学者らしい推理に、つまらないミエを張って答える奈緒子・・・

というシーンなのだが、磁石に反応する”強磁性”を有する金属は
鉄、ニッケル、コバルトおよびその合金や酸化物などで、一般的に
指輪の台座に使われる金、プラチナ、銀などは磁石に反応しない。

奈緒子が磁石に反応する指輪しか持っていない可能性は高いが
上田の推理は常識的に考えると、やっぱり的外れ。との事。

『ふくろう』

玄奘一味から逃れ、森に逃げ込んだ上田と奈緒子の視界に入った鳥。
『TRICK2』最終話『妖術使いの森』にも同じようなシーンが登場したが
『ふくろう』のシーンは、小ネタとして全く同じフィルムを使っているそうな。

上 田 『昔、ソ連を徒歩で横断した時にデルス・ウザーラに会った』

デルス・ウザーラとは、ロシアの探検家アルセニエフが出会ったという
自然とともに生き、天候の変化を予知できるシベリアの少数民族の事。
黒澤明監督が晩年に、このアルセニエフの記した記録本を原作として
『デルス・ウザーラ』(1975年 アカデミー賞・外国作品賞受賞)を
映画化したため、名前だけは良く知られている。

このセリフ自体は単に上田の大ボラシリーズのひとつかもしれないが
沖縄の『ユタ』や黒門島の『カミヌーリ』を思わせる素材ではある。

上 田 『何か燃やすものはないか?』

奈緒子 『・・・・これ』

暖を取るため、焚き火にくべる物を求めた上田に奈緒子が差し出したのは
上田の最新著『なぜベス』、相変わらず”いらないもの”扱いの次郎の本。

『間宮林蔵』

間宮林蔵(1775〜1844)は、カラフトが島である事を発見した探険家。
ロシアの南下政策に脅威を感じた幕府から蝦夷地の調査を依頼された
間宮林蔵は、蝦夷地の測量調査を行い、当時は未知の領域だった
カラフトが島であるという事を確認したほか、間宮海峡を発見した。

『森に緑を!!ウォ〜!!』

森の木々に向かって大放水。上田次郎には欠かす事の出来ない巨根ネタ。
『TRICK2』では控えめだった”上田の巨根ネタ”と”奈緒子の貧乳ネタ”が
今回のシリーズでは初っ端から連発され、ここでも”仕切り直し”の意図が
感じられる演出がなされていたが、全体としてはサービス過剰の感も。

玄奘 『本当の自分を知るのが怖いだけだ。だからムキになる。
   あのワケの分からん物理学者の先生とはいずれ敵同士になる』

放送が始まる前のテレビ雑誌のインタビューで、桑田プロデューサーが
「今回は”1”の雰囲気に戻したい」と語っていたのを象徴するようなセリフ。

奈緒子が真の超能力者で、いずれ上田と敵同士になる。という設定は
『トリック』がまだ正式タイトルになる前の、企画書段階からあったもので
『1』の最終話の展開には、この企画書段階の設定が色濃く反映されており
超能力を否定しながら真の超能力者の影に脅える奈緒子のジレンマが
物語の骨格を際立たせていたが、『2』、『劇場版』と、後になるに従って
だんだんと、そこらヘンがあやふやになり、熱心なファンを落胆させた。

そういう意味で、最初のエピソードに、このセリフを持ってきた事は
『木曜ドラマ・トリック』が”原点回帰”を目指している事の証明である。

と・・・・・思ったのだが(笑)

『信じる者は儲かる』

実は”信者と書いて儲かると読む”という話はワリとポピュラーなネタらしく
良く似たネタで”人の為と書いて偽りと読む”というのもあるらしい。

里見が親しく交流している政財界の皆様にはウケが良さそうなネタだが
玄奘の信者には”文字の力”のウケがイマイチだったため怒った里見は
”超ムカツク コロス”などという、ミもフタもない恨み言を書いている。

『なきたくなるよなつら〜い、とき〜もあるけど〜いつもおれたち〜』

真一が真二の亡骸に取り縋って泣きながら言っていた言葉。
このセリフは嶋大輔さんの代表曲『男の勲章』の歌詞からのもの。

『虫の知らせを聞きなさい』

井上真二が死んでいた小屋の入り口に貼ってあった看板の文字。
”虫の知らせ”というのは視覚、聴覚、触覚、嗅覚などによらない
”予感”によって何かの予兆を感じる、いわゆる”第六感”の事。
よって言葉の意味どおりに捉えると聞くものではない。

『ファブール団立ち入り禁止』

同じく、真二が死んでいた小屋の入り口に貼ってあった看板の文字。
『昆虫記』が有名なフランスの昆虫学者アンリ・ファーブルの事だろう。

菊地 『あ!死んでま〜す!!頭殴られてま〜す!!(笑)』

矢部 『・・・・・楽しいんかい?』

井上真二の死亡を確認した菊地のセリフで、普通の人とくらべて
菊地の感性や倫理観が、かなりズレている事を端的に表現している。

菊地 『よし・・・逮捕だ』

矢部 『ハイ・・・・・・・バキッ!!』

菊地 『ありがとうございます!!』

エピソード1にして2度目の『ありがとうございます!』ネタ。
良く観ると、今回も菊地が殴られるパターンは石原の時と全く違うのだが
ネタ的に全く同じものなので意味を考えないと同じギャグにしか見えない。

『クツ汚れるからイヤ!』

菊地愛介の”潔癖症”というキャラクターを感じさせるセリフ。
しかし”役にたたねぇ〜”という事くらいしか感じさせてくれない。

奈緒子 『間違って新潟まで行ってしまった・・・・さよなら日本海!』

長野県の蛾眉村から、新潟まで歩いて行ってしまったという奈緒子。
ロケの行われた北御牧村、丸子町、蓼科は実際は群馬県の県境に近い。
『さよなら日本海!』は堤監督の映画『さよならニッポン!(1995年)』ネタ。

奈緒子 『何で自分は舐めない!?』

奈緒子に謎の液体を舐めさせておいて自分は匂いをかぐ上田。
『TRICK2』エピソード5でも同じようなネタがあった。

上 田 『君は三万円と俺の命を天秤にかけ、三万円を選んだ』

奈緒子 『誤解です!もうちょっと大きな金額かと思って!』

玄奘が奈緒子に選ばせた黄色いカードの正体は3万円の金券だった!!
たった三万円のために命を奪われかけた事に気づいた上田は怒り心頭。
”金目のもの”に対する執着には、ますます磨きがかかっている奈緒子。

『これを売れば1千万だ!牛角のギアラ、牛の第四胃袋食べ放題だ!』

謎の女を棒で殴りつけて神の象の像を強奪した奈緒子の喜びの一言。
牛角HPによればギアラ1人前の値段は税込410円(2004年4月現在)
1000万円あれば・・・・・という発想が、まず考えるほどに不憫。

『ニャーッ!!』

謎の女から強奪した”神の象の像”を隠すために穴を掘る奈緒子の叫び。
『TRICK2』以来、奈緒子の口から頻繁に登場するようになったネタで
元々は女優:犬山犬子さんの口癖だという説が現在のところ有力。

『あの脂っこい男をみつけ出して・・・・銀行の口座を開いて・・・・』

象の像を南方熊作に売りつけた後に一千万円をどうするか考える奈緒子。
このセリフで重要なのは奈緒子が銀行口座を持ってないのが判明した事。

『おまえさーふぁーがーるおいらろっくんろーらー』

”井上真二の日記”の4ページ目に書かれていた文字。
1982年2月24日にリリースされたT.C.R横浜銀蝿R.Sの第5弾シングル
『お前サラサラサーファー・ガールおいらテカテカロックン・ローラー』の
サビの部分の歌詞の一部で、これは嶋大輔さんの曲ではない。

『お前たちのやった事は全部お見通しだ!』

『シリーズを重ねるごとに長くなっていった奈緒子のキメ台詞だったが
今回は”原点回帰”の意味からか、シリーズ1のパターンに戻っている。

『”いい声”で生徒達に聞かせていたんです』

森本レオさんといえば、日本を代表する”いい声”の持ち主である。
その声には、聴く者に高い”癒し”の効果を発揮すると言われている
周波数(F)に反比例する揺らぎ”1/Fの揺らぎ”が含まれているらしい。

日本音響研究所・鈴木松美氏によれば、この”1/Fの揺らぎ”を持つ
有名人には、他にも”美空ひばり”、”宇多田ヒカル”、”元ちとせ”などが
いるそうだが、正直言って、後づけのような気がしないでもない(笑)

ちなみに何年か前、テレ朝のバラエティー番組『人気者でいこう』?で
”1/Fの揺らぎの歌声を持つ新人歌手をオーディションによって発掘し
ミリオンヒットを狙う”という企画があったが成功したという話は聞かない。

『今でもあの男は自分を超能力者だと思い込んでいるんですよ(笑』

全体的に『TRICK1』の『母の泉篇』と良く似た構造・演出になっていた
このエピソードではあったが、母の泉の秘書・津村(山崎一)が
霧島澄子(菅井きん)を、いちおうは教祖として扱っていたのに対して
鬼頭は玄奘の事をハナから金儲けの道具としか考えていない。
という点で、玄奘の悲哀がよりいっそう伝わってくるようになっている。

『ハルクだ〜!!ベストマンだ〜!!』

奈緒子に『なぜベストを尽くさないのか?』と聞かれただけで
突然、超人的な力を発揮して縛ったロープを引きちぎり、ついでに
服も引きちぎり、玄奘の手下を手当たり次第になぎ倒す上田次郎。

”ハルク”は1970年代後半から放送されたTVドラマ『超人ハルク』(米)の事。
2003年8月に『超人ハルク〜最後の戦い』というDVDが発売されているので
ここでハルクが登場するのは、そこらへんが関係しているのかもしれない。

仲間さんは、この『ベストマン』がなぜかお気に入りのネタらしく
最終話直前の雑誌インタビューで『もう一度見たい』と語ってた。

奈緒子 『これを探していたバカな人間がもう一人います。
      ウチのあの強欲な母親ですよ。アレに売りつければ・・・』

上 田 『”あれ”って・・・・』

『トリック1』から不思議な因縁を感じさせるカミヌーリの血を引く母娘。
・・・・のハズなのだが、回を重ねるごとに強欲ぶりがエスカレートして
ついに里見を『あれ』呼ばわり(笑)これを聞いた熱心なファンの間では
”奈緒子がただの強欲な女になってしまった”とお嘆きの声が多数。

『ドロップキック』

神の象の像を独り占めにするため奈緒子が上田に食らわせたプロレス技。
シリーズを重ねるごとに”強欲ぶり”だけでなく”粗暴性”もパワーアップ。
今や上田に殴る蹴るの暴行を加えるのは珍しい事ではなくなったが
少なくとも”恋心”を抱いている相手にする事ではないと思う。

『ICレコーダー』

『TRICK2』エピソード4『御告者』では役に立たなかったICレコーダーだが
今回は奈緒子の強欲極まりない悪巧みを暴くために大活躍(笑)

奈緒子 『上田!!』

里 見 『奈緒子!!』

上 田 『上田・・・奈緒子』

奈緒子と里見の言葉から、あらぬ妄想にふける上田先生。
憤然とする奈緒子と較べて、上田はまんざらでもない様子。

『今すぐ!特大の五右衛門風呂を備長炭で沸かしますので・・』

備長炭とは、一般的にウバメガシやアラカシを原木とする白炭で
炭質が硬く、火持ちが良いので主に暖房や料理に使われている。

五右衛門風呂というのは鉄製の風呂釜を直接熱して湯を温める風呂で
安土桃山時代の盗賊・石川五右衛門が釜煎りの刑にされた事から名前が
付けられたと言われており、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』にも登場。
入浴する際は熱された釜に直接触れて火傷をしないように底板の上に
木の蓋を敷いたり、高下駄を履いて入浴しなければならない。

最近ではミネラルが溶け出すとか、不純物を吸着するとか遠赤外線が
どうとかいう事で、浴槽や炊飯器に備長炭を入れる人も増えているが
”備長炭で五右衛門風呂を沸かす”という話は聞いた事がない。

高級燃料で火付きの悪い”備長炭”で”特大の五右衛門風呂を沸かす”
という、里見の言葉の意味は”贅を尽くした最高のもてなしである。”
というぐらいしか解釈のしようがないと思う。

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