木曜ドラマTRICKのちょっといい話。

episode5

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【第9話】

最終章
念で物を
生み出す女

ON AIR
2003/12/11

(視聴率)
関 東 17.3%
名古屋 13.4%
関 西 16.9%

【脚本】

蒔田 光治

【音楽】

辻 陽

【主題歌】

「私とワルツを」

鬼束ちひろ
作詞・作曲/鬼束ちひろ
編曲/羽毛田丈史
(東芝EMI)

【キャスト】

仲間由紀恵

阿部 寛

生瀬 勝久

大谷 直子

成宮 寛貴

六平 直政

ガッツ石松

鷲尾真知子

大島 蓉子

姜 暢雄

デビット伊東

アベディン
モハメット

村木 仁

久保田 篤

赤池 公一

岡田 正
浅田医師

加瀬 竜彦
千賀子の恋人

前原 実

俵 広樹

屋良 学

湯沢 勉

ベンジャミン
アイッソウ

グシュ・オルガ

佐々木綾乃

ズィーナ・オオマエ

森山周一郎

田中 亮一
学者(声の出演)

放映プロジェクト
芸優

野際 陽子

【撮影】

斑目 重友

坂本 将俊

【照明】

川里 一幸

【VE】

中村 寿昌

【音声】

戸田 直之

【美術】

稲垣 尚夫

【装飾】

山田 好男

飯沼 明広

【小道具】

杉本 和代

牧野  誠

【スタイリスト】

富樫 理英

【着物コーディネート】

河野 仁子

【ヘアーメイク】

宮内三千代

小林 真由

西村佳苗子

【タイトルバック】

熊坂 出

【ダンサー】

松田菜々子

【CGプロデュース】

西村 敬喜

【CGディレクター】

小関 一智

【イラスト】

千原 櫻子

【イラスト構成】

東條 政利

【DC制作】

西 勇哉

鈴木さやか

【HP制作】

前田 秀彦

松崎 みどり

【スチール】

高島 一夫
(文化工房)

【編集】

大野 昌寛

【オフライン編集】

山口 牧子

【M A】

戸田 直之

永井 純

【音楽プロデュース】

志田 博英

【選曲】

渡邊 朋子

【音楽コーディネート】

河原崎 秀樹

【効果】

中村 友美

【協力】

NICE・DAY

江戸川橋スタジオ

TAMCO

グリップアソシエイト

CPルーム

ベレッツァスタジオ

阿ウン

トライアムズ

光映新社

ステップ

【音楽協力】

テレビ朝日ミュージック

【技術協力】

池田屋

【美術協力】

BOOTH

えんぎ屋

(株)水晶院

Karrimor

NOMAD

メガネドラッグ

【衣装協力】

UNIQLO

HANJIRO

GoldenBear

Eddie Baure

L'EST ROSE

IMAGE

OTTO

ark.pro.net

SUNCLOVER

【車両】

日本照明

【カースタント】

スーパードライバーズ

【ファイティング
コーディネート】

FCプラン

【ロケ協力】

常陸 風土記の丘

学校法人
立正大学学園

スナック 富士

佐竹商店街

茨城県 畜産センター

【演出補】

木村ひさし

【記録】

奥平 紋子

【助監督】

丸毛 典子

【制作管理】

三井 孝俊

【プロデューサー補】

上田 直彦
(テレビ朝日)

【宣伝】

小久保 聡
(テレビ朝日)

【製作主任】

坪井  力

【ラインプロデューサー】

渡邊 範雄

【ラインプロデューサー補】

大形 美幸

吉田 拳雄

【制作担当】

朝比奈 真一

【プロデューサー】

桑田 潔
(テレビ朝日)

蒔田 光治

山内 章弘
(東宝)

【演出】

堤 幸彦

【制作協力】

オフィスクレッシェンド

【制作】

tv asahi

東宝株式会社

『オープニングナレーション』

「TRICK」シリーズ1以来、久しぶりにテレビシリーズで復活したかと思ったら
一話で一度登場したきりだった森山周一郎さんのナレーションが最終話で復活。
すっかり忘れかけていた「シリーズ1の雰囲気に戻す」という放映開始当初の
コンセプトを思い出させる演出で、物語の構成も「TRICK」最終話と似ている。

『御船千鶴子』

千里眼の女、御船千鶴子と福来友吉博士といえば『リング』シリーズにおける
貞子の母:山村志津子と養父:伊熊平八郎博士のモデルとしても有名である。

福来友吉は東京帝国大学(現:東京大学)で催眠心理学の研究をしていたが
やがて超常現象、心霊現象に傾倒するようになり、明治43年・千里眼婦人として
当時、新聞などで評判を呼んでいた熊本在住の御船千鶴子に興味を持つ。

福来博士は、何度も千鶴子の透視能力をためす実験を繰り返したのち
千鶴子の能力が本物であると発表して一大センセーションを巻き起こす。
そして、この発表により全国から何人もの自称超能力者が名乗りを上げたが
福来はその中で愛媛県在住の長尾郁子という女性の能力に注目した。

長尾郁子の能力は頭の中で念じた文字を写真乾板に転写するというもので
この”念写能力を帝大博士(福来)が認めた”という報道は物理学者たちの
反発を大いに買う事となり、これがのちの悲劇に発展する引き金となる。

そこで翌、明治44年、前帝大総長の物理学者・山川健次郎博士をリーダーとした
チームを編成して長尾郁子、御船千鶴子の能力に対する実証実験が行われたが
山川博士は、千鶴子の透視能力・郁子の念者能力がトリックであると発表したため
福来友吉、長尾郁子、御船千鶴子はマスコミから一斉に非難を浴びる事となった。

山川の発表後まもなく千鶴子は重クロム酸を飲んで服毒自殺を遂げ、その2ヵ月後
千鶴子の後を追うように長尾郁子もインフルエンザにかかってこの世を去ったが
福来は東京帝大を辞職後も心霊現象の研究を続け、昭和27年にこの世を去った。

千鶴子らの能力の真贋については本人が死んでしまったので確かめるべくも無いが
”真の超能力者が偏狭な科学者たちの犠牲になった。”という擁護論もある反面で
福来友吉と御船千鶴子が山川らの前で行った透視実験には数々の不手際があり
”透視能力の存在を客観的に実証できる内容に無かった。”というのも事実である。

ちなみに御船千鶴子のエピソードは『TRICK』8話『千里眼の男』でも紹介された。

『パート4有乎』

オープニングのイラストレーション、透視実験の紙に書かれていた文字。
もちろん実際の透視実験に使われた文章ではなく「TRICK」のパート4の事。
これまで、続編、映画化、パート3をことごとく現実の物としてきた”文字の力”。
果たして柳の下にもう一匹ドジョウはいるのか否か?

『商店街』

シリーズを通じて、必ず1度は登場する商店街の風景だが今回の商店街は
東京都台東区台東にある「
佐竹商店街」、台東4丁目から3丁目に至る
全長330mの全蓋式アーケード商店街。ハイカラなアーケード商店街ですが
日本で2番目に古い商店街だそうで、なんと”ふくろう”がマスコットキャラクター。

地下鉄大江戸線・新御徒町、JR山手線御徒町駅が最寄り駅で「TRICK」と
縁の深い谷中、日暮里、東尾久といった場所から、さほど離れていない
距離にあり、物語上の整合性といった意味でも不都合の無い場所である。

『JR大塚駅 持ち出し禁』

持ち出し禁止と書いてある時刻表を思い切り持って帰ってきている奈緒子。
駅名が「大塚駅」になっているが、アパートから一番近い「日暮里駅」にも
「佐竹商店街」から一番近い「御徒町駅」にも”みどりの窓口”があるので
わざわざ大塚駅まで行かなくても調べられたのではないかと思うのだが。

『スーパーあずさ2号・・・あっ、のぼりか?・・・・長野新幹線・・・
 うわっ!!高っ!!・・・・鈍行ないんか!?』

”特急あずさ”は1号〜70号くらいまであり、上り、下り線ともに存在しているが
6:50松本駅発→9:26新宿駅着の上り列車が”スーパーあずさ2号”である。
「狩人」のヒット曲「あずさ2号」では”8時ちょうどのあずさ2号で”と歌われているが
”スーパーあずさ2号”はダイヤ改変などで6:50発になっているようである。

ちなみに長野新幹線は東京発→長野着の便が多く、自由席で片道、約7500円。

『超朝市 糸節村名物 落花生』

「糸節村」とは「TRICK劇場版」に登場した因習に閉ざされた村の事。
名物の”落花生”と”肉厚椎茸”を売っているおじさんは赤池公一さん。

堤作品には「STAND UP!」「ピカ☆ンチ」「愛なんていらねぇよ 夏」などの他
「TRICK劇場版」にも「強めの村人」という役でちゃんと出演されている。

『なんでアンタ・・チが落ちてくるって分かったんだぁ!?』

おじさんの頭に看板が落ちてくる映像が事前に見えてしまった奈緒子が
慌てておじさんを引っ張り出すと、そこに看板が落ちてくるというシーン。
「TRICK」の最終話以来久しぶりに登場した奈緒子の”超能力”を暗示する表現。

『・・・・なんという恐ろしい』

”神の象の像”を探しているはずが商店街で呑気に買い物をしている南方熊作。
この人もエピソード1以来久しぶりの登場で、本編放送前に放送された番宣特番でも
”覚えてますか?”というテロップが流れていたが、南方熊作と神の象のエピソードは
シリーズ1に登場した”真の霊能力者はいるのですよ〜”というエピソードと較べると
あまりにも間が開き過ぎていたため、伏線としての役割をほとんど果たしていない。

『エロ工房・・・・』

チェロ工房という看板の『チ』が落ちて『エロ工房』になってしまった。というもの。
ロケ地に「チェロ工房」という店は無いので、撮影用に準備された小ネタの看板。

『あ〜〜〜〜疲れたなぁ〜・・・乗り換え8回113駅・・・おかぁさ〜ん』

けっきょく、鈍行列車を乗り継いで帰省した奈緒子。東尾久のアパートから
長野の実家まで奈緒子がどんな経路を使って帰ったのかちょっと調べてみたが

日暮里駅→JR山手線で上野→高崎線で高崎→信越本線で横川→連絡バスで
軽井沢→信濃鉄道で小諸→信濃鉄道で篠ノ井→JR信越本線で長野駅。

この経路だと乗り換え5回、6時間22分、4140円で長野までは行ける。

『続くわね』

奈緒子が実家に着いたときに里見が書いていた文字。
続くのは「黒門島の因縁」の事か、はたまた「TRICKの続編」の事か?
たぶん冒頭の『パート4有乎』に対応する言葉だと思うのだが・・・

里 見 『プレゼントを持ってくる男の子達で門前市をなしてたわぁ〜』

奈緒子 『・・・・門前仲町?』

里見が言っている”門前市をなしていた”というセリフは要するに
”門の前が市場のような人だかりで賑わっていた”という意味。
奈緒子の言ってる”門前仲町”は東京都江東区門前仲町の事。

『島の男の子達と違って・・・とてもハイカラなギャルソンだった・・』

母:里見の回想シーンに登場する若き日の里見と剛三の姿。
想い出は往々にして美化されるものだが里見の回想に登場している里見と剛三は
奈緒子の言う通りハイカラというより”まるっきり外人”で美化のレベルを超えている。
演じているのはベンジャミン・アイッソウ(剛三)グシュ・オルガ(里見)という方。

『ああ愛しい私のクロワッさん』

浜辺にシャンパンや暖炉を持ち込みフランス語で愛を語り合う若き日の里見と剛三。
”ギャルソン”は”男の子”、”クロワッサン”は”三日月”という意味のフランス語。
フランス語なのは里見役の野際さんと剛三役の岡田さんの経歴が関係している。

岡田眞澄さんはその甘いマスクで、戦後まもなく銀幕のスターとなり「太陽の季節」
「狂った果実」などの作品で石原裕次郎らと共に日活の黄金期を築いた俳優さん。
兄に昭和の名司会者・故E.Hエリックを持ち、ニックネームは”ファンファン”。

ニックネームの由来は代表作「FANFAN LA TULIPE」にちなんで”ファンファン”と
呼ばれていたフランスの二枚目俳優、故ジュラール・フィリップ(1959年没)に
岡田眞澄さんが良く似ているという事から”ファンファン”と呼ばれるようになったとか。
岡田さん自身も1935年9月22日生まれで出身地はフランスの保養地ニースだそうな。

一方、野際陽子さんは1958年NHKに入社。アナウンサーとして活躍していたが
突然フランス留学を決意し、NHKを退職して単身フランスに自費留学を敢行。
フランスでは名門:ソルボンヌ大学で西洋美術を専攻し帰国後は女優に転身。

昭和43年のテレビドラマ『キーハンター』では主題歌『非情のライセンス』の中で
『アモ〜レ〜アモレミヨ〜♪』と得意のフランス語を色っぽく披露していおり
当時はインテリジェンスと大人の色気を兼ね備えた女優として人気を博した。

そんなワケで今回のシリーズの副題「-Troisieme partie-」がフランス語に
なっているのも岡田さん、野際さんの経歴と関係しているのではなかろうか。

『・・・門(もん)・・・火(ひ)?』

黒門島では”聖地”をあらわすと言われている”この世に存在しない文字”。
里見の”決して言葉に出してはならない文字”という言葉を聞いて、奈緒子は
慌てて口を押さえているが”もんひ”なんて読み方のハズはないと思う。
「漢字が苦手で良かった〜!!」といったところか。

『ボク以外・・誰も口にしてはいけない秘密の読み方だ・・・』

若き日の剛三が里見に告げた”絶対に口にしてはいけない文字”の読み方。
この言葉が剛三の里見に対するプロポーズの言葉になっていたのだが
野際さんの出演が決まった時、堤監督はこんな事↓を考えていたらしい。

(堤監督の野際陽子さん評)

野際さんは僕にとって『キーハンター』以降のインテリ美女の象徴だったんです。
だからシリーズ中どこかで1回”ミ・アモーレ”って言ってもらえればいいかなと
思っていたのにそれどころじゃない(笑) 【トリック完全マニュアル 光進社より】

『20世紀初頭ロベール・ウーダンは・・・・』

奈緒子の部屋の隣に住んでいたのはなんと森山周一郎さんだった!!
シリーズ1から劇場版を経て、第4作目にして初めて姿を現したお隣さんは
「刑事コジャック」などの吹き替えでも有名な日本を代表する声優さんである。

このロベール・ウーダンというマジシャンは近代奇術の父と呼ばれる人物で
世界で初めてシルクハットに燕尾服を着て、ステッキを持って手品をした事で
マジックを見世物小屋的な胡散臭い魔術から健全なショーに変えた人である。

「20世紀初頭・・」というセリフは「劇場版」のオープニングで使われたセリフ。
当時フランスの植民地であったアルジェリアで現地のシャーマン(呪術師)を
リーダーとした現地民の反乱が勃発していた時、時の政府の要請を受けた
ロベール・ウーダンは、現地民の見守る中でシャーマンが撃った銃の弾丸を
歯で受け止めるという”魔術”を披露し、現地のシャーマンより強力な魔法を
見せ付ける事で住民の反乱を阻止した、という武勇伝である。

また「TRICK」の第一話のオープニングで紹介されたハリー・フーディーニとも
縁の深いマジシャンで、インチキ霊能力者のペテンを暴き”サイキックハンター”と
恐れられたフーディーニ(本名:エリック・ワイス)の芸名はロベール・ウーダンを
敬愛していたフーディーニがウーダン(HOUDIN)の芸名に”I"をひとつ足して
フーディーニ(HOUDINI)と名づけていたのである。

『飛べねぇ豚はただの豚だ・・・・刑事コジャック』

このセリフ、実は刑事コジャックのセリフではなく、なんどめだナウシカの
宮崎駿監督の映画「紅の豚」(1992年 東宝)に登場するセリフである。
実は「紅の豚」の主人公・ポルコ・ロッソの声も森山周一郎さんが演じていた。

『梅干 百個、つまようじ 千本、洗濯液 1本、谷中のすあま?、へちま 10本
 長い棒 1本、ごとく、みじんこのえさ 1箱、大きな箱と中くらいの箱
 UAC?酒 2リットル、石、鎖かたびら、のぼり、しゅりけん』

奈緒子の部屋に貼ってあった奈緒子直筆の『買い物メモ』。
「すあま」は「STAND UP!」ネタだと思うが、全体的には何の脈絡も無いモノが並ぶ。
実はこの一瞬しか映らないメモが、事件の重要な証拠として機能する事になる。

『謹賀新年 荒川商店街組合の皆様 昨年も大変お世話になりました。
 つきましては格安で毎度おなじみの 大好評 超ファンタジックマジック・・・』

新年を目前にして奈緒子が荒川商店街組合向けに書いていた年賀状の下書き?
途中までしか映っていないが、内容を推理するに”商店街の皆様に初売りの時の
出し物として、マジックショーを格安でご提供しますよ”という売り込みのようだ。
貧乏マジシャン山田奈緒子の地道な営業努力に涙を禁じえない。

『舎人(とねり)』

上田が飲んでいた牛乳のビンに書いてある文字。
舎人と言えばまず天武天皇の第三皇子に”舎人皇子(とねりのみこ)”という人があり
その昔は天皇や皇族に近侍する下級官吏の事も舎人と呼んでいた。

足立区には舎人という地名があり「ハンドク!!!」の主人公:狭間一番(長瀬智也)が
住む、新聞配達所があったのも「舎人」。また、現在、舎人地区と日暮里を結ぶ
日暮里・舎人線”が建設中なのだが、まさにこの日暮里・舎人線というのが
現在、池田荘の目の前に着々と建設中の新交通システムの事だったりする。

『これはね・・・ただの筒だ・・・中はカラになってんだろ?』

また性懲りも無く奈緒子に手品で挑戦する上田。
良く考えたらエピソード4では一度も手品を見せていない奈緒子。
仲間由紀恵さんがシリーズ1の時のように手品の練習をしている暇が無いので
簡単でバカらしい手品を上田にやらせ、そのトリックをたやすく看破する事で
奈緒子の本職がマジシャンである事を間接的に表現しているのだろう。

それにしても阿部さんの一人芝居はバカみたいに面白い。

上 田 『やっぱり飲まなくて良かった・・・こっちはただの牛乳なんだがな』

奈緒子 『・・・・・お前なに飲ませた!?』

シリーズ1の第九話ではカリボネの花から作った”媚薬”をジュースに混ぜて
奈緒子に飲ませようとして見破られ、自分で飲むハメになった上田だったが
今回はまんまと奈緒子に”怪しげな飲み物”を飲ませる事に成功。

前回のエピソード4で”やるなと言われれば必ずやる”という
奈緒子の習性を学習した成果が現れたと考えて良いだろう。

『そんな事より君は・・・何も無い空間から物や水を取り出すという
 霊能力者がいるという話を信じるか?』

毎度毎度、上田は『・・という話を君は信じるか?』と奈緒子に聞いているが
奈緒子が「そんなのインチキに決まってるじゃないですか」と答える事は
明らかなので、要するに奈緒子に興味を持たせるためのツカミというヤツ。

『北見紀明 (きたみ のりあき)』

御獅舞村分校の教師、北見紀明を演じているのはデビット伊東さん。
元・コントグループ”B21スペシャル”のメンバーで現在は主に俳優として活躍。
バラエティ番組「生ダラ」の企画で渋谷にラーメン店「でび」を開店した事もある。
北見は短髪にヒゲ、銀縁メガネ、ショルダーバッグと見た目も上田にそっくり。

「茨城県立 歌舞音玉中学校 御獅舞分校」

北見が勤務する御獅舞村の学校の正式名称。中学校の名前は自信なし。
名刺には茨城県立と書いてあるが、一般的に小・中学校は市区町村の管轄。
前回のエピソードに続いて今回も茨城県が物語の主な舞台となっている。

『長谷千賀子 (はせ ちかこ)』

御獅舞村に現れた霊能力者・長谷千賀子を演じるのは大谷直子さん。
1969年、NHK朝の連続テレビ小説「信子とおばあちゃん」でデビュー。
以降、時代劇、サスペンスとジャンルを問わずにドラマ、映画で活躍。
1983年にはロマンポルノ『ダブルベッド』(監督:藤田敏八)にも出演している。

近作には「つぐみへ・・・」(2000年 ANB)「Pure Soul〜君が僕を忘れても〜」
(2001年 NTV)「天体観測」(2002年 KTV)などがある。

『桃井かおり』

放送中2chでは、各エピソードのゲストの名前がなぜか事前にリークされていたが
最終話のゲストとして成宮寛貴君の他に桃井かおりさんの名前も挙がっていた。
しかし、実際に放送された最終話には桃井かおりさんの姿は影も形も無く・・・
今回の「木曜ドラマ TRICK」におけるシリーズ最大のミステリーとも言える(笑)

『何も無いところから霊験あらたかな水を取り出す』

25年前に千賀子が見せた超能力だが、回想シーンはどう見ても水芸。
たぶん、反対側の手で小型ポンプでも操作しているのだと思われる。
”あんなに沢山の水がどこから出るの?”という疑問は「TRICK」エピソード3の
『遠隔殺人』に登場した”大量の血”と同じ”イメージ映像”と考えて良いと思う。

『ミノル石鹸』

千賀子が御獅舞村を追われた時の映像で奥の小屋に貼ってある看板。
「TRICK2」最終エピソードで、来さ村役場にも同じ看板が貼ってあった。

『・・・あれ・・・なんかこう・・急に心臓がドキドキと』

どうやら上田に飲まされたモノが効き始めた奈緒子。

『奥アマゾンの超〜奥地からわざわざ取り寄せたピラニアから作った精力剤』

どうやら奈緒子が飲まされたモノの正体、一滴3万円もするらしい。
実際、上田の飲んでいた牛乳と較べるといくぶん茶色っぽいようにも見える。
やっと訪れた春に浮かれまくっている”ハル”のはしゃぎぶりが生々しくてツライ(笑)

『おかげで蓮田の工場まで、毎日走って行き帰りできるようになっちった♪』

蓮田の工場と言えばシリーズ1の第九話で黒津次男(鴻上尚之)三男(正名撲蔵)の
”超能力ブラザース”が、奈緒子をおびき出すために出した手紙に登場した工場。
ハルの『ジャーミー!!蓮田で爆発よぉ〜!!』というセリフが印象的であった。

『うぉ〜〜!!ベストピラニア〜〜!!』

ピラニアエキスが効きすぎてエネルギーが有り余っている奈緒子。
ポンコツ車の次郎号と併走、どころか追い抜いて御獅舞村に向かう。
仲間さんはお気に入りの『ベストマン』ネタを自ら演じる事になった。

奈緒子 『獅子とう(頭?)〜!!』

上 田 『なんでだ!?・・・・ハルクか!!』

奈緒子 『獅子歯〜!!』

東尾久から御獅舞村まで走って来ても、まだエネルギーが有り余っている奈緒子。
ワケの分からない事を口走りながら大暴れをする奈緒子に上田も持て余し気味。
奈緒子の後ろに映っている巨大な獅子頭は
常陸風土記の丘の獅子頭展望台。

『貧乳アタック』

金井家についても、まだ興奮が冷めない奈緒子が上田の背中に体当たり。
一部で”貧乳アタック”と名づけられていたが残念ながら当たっているのは肩。

『うなる奈緒子』

頭を下げ、低い声で唸りながら土を後ろに蹴り上げる様はまるで闘牛。
「TRICK2」DVD、エピソード1の『やむ落ち』でも上田が藤野(堀つかさ)に
デレデレしているのを見て奈緒子が唸っているシーンがあったがこれは別物。

『う〜〜〜〜、ウマ〜〜!!』

金井家の門柱にしがみついて、まだうなり声を上げている奈緒子。
門柱には”馬”という標識が貼ってあるが、同様の”飼い犬の標識”は市町村に
飼い犬の登録をしたときに発行されるもので、条例によって門柱などに貼る事を
義務付けている地方もあるが、馬の標識は存在自体が怪しい。たぶん小道具。

『岸本 誠 (きしもと まこと)』

岸本誠を演じているのは成宮寛貴君。現在各方面で引っ張りダコのイケメン俳優。
堤監督の作品には『溺れる魚』に出演経験があり「ごくせん」には生徒役で出演。
2004年の連続ドラマ『乱歩R』 (YTV)3話でも、仲間さんの弟役を演じている。

北見によると半月ほど前、金井家の金庫から大金が無くなる事件が起こっており
その時家にいた岸本が源三夫婦から犯人ではないかと疑われているという話だが・・・

『金井 源三 (かない げんぞう)』

ついに本人が登場したガッツ石まっ虫!!・・・・・ではなく、ガッツ石松さん。

ガッツさんは、元プロボクシングWBC世界ライト級チャンピオンで、防衛回数5回。
生涯成績51戦31勝14敗6引き分け(17KO)、現役当時は見た目の印象と裏腹な
クレバーな試合スタイルで、その強烈な右カウンターは「幻の右」と呼ばれていた。

現役引退後は芸能界に転身し、その数々の”迷言”がネタにされる事が多いのだが
これまでガッツ氏が俳優として出演した映画には『戦場のメリークリスマス』(大島渚)
『太陽の帝國』(スティーブン・スピルバーグ)『ブラックレイン』(リドリー・スコット)という
超大作がズラリと並んでおり、意外と国際俳優なのである。全部チョイ役だけど(笑)

『金井 民代 (かない たみよ)』

金井源三の妻、民代を演じているのは鷲尾真知子さん。
1949年6月2日生まれ神奈川県出身、所属事務所は
(株)SISカンパニー
多作な女優さんだが、テレビドラマでは”近所の噂好きのオバさん”役が多い。

『奉公人の山田です』

奈緒子を源三に紹介する上田のセリフだが、ついに助手から奉公人に格下げ。

『がっちゅ・・・がっちゅ?・・・・やっぱりがっちゅーだ!!』

源三の話の内容はそっちのけではしゃいでいる奈緒子。

『お前、部屋にあったベネチアの花瓶どこへやった!?』

イタリアは水の都:ベニスで製造される優雅で繊細なデザインのガラス工芸が
ベネチアングラスと呼ばれ、華やかな彩色や金細工を施したデザインが特徴。
ムラノ島という島に閉じ込められて、何代にもわたって強制的にガラス細工を
作らされた人々が、この伝統工芸品を作り出したと言われている。とても高い。

奈緒子 『なんなんですか!!ガッチュー偉そうに!!』

北 見 『・・・・・がっちゅーってなんですか?』

上 田 『・・・・・・気にしないで下さい』

岸本に対する源三夫婦の仕打ちに、酷くハラを立てている奈緒子。
奈緒子にとっては”虫の親玉”みたいなモノでしかない源三が偉そうにしているのが
気に食わないのだろうが、役柄上はあくまでガッ虫とは無関係なのでガッチューと
言われてもピンと来ない北見と、特に説明もせずに流そうとする不親切な上田。

『酒盛りをする上田と北見』

落花生と日本酒(獅子頭という銘柄)で酒盛りをしている上田と北見の似たものコンビ。
その横で当たり前のように寝ている奈緒子は、良く考えれば凄い神経の持ち主だが
こういう人が突然”女っぽさ”を見せたりするのも堤監督的には極めて普通の事らしい。

上 田 『北見さん!北見さん!・・・あぁっ!俺のポスカに!・・・北見さん!』

奈緒子 『上田死ぬな!』

上 田 『北見さんだ!!』

長谷千賀子の予言どおりの時間に突然苦しみだして絶命した北見紀明。
突然、胸を押さえて倒れた北見の容態よりも、ご自慢の写真つきポストカードが
北見の頭の下敷きになっている事の方を気にしている上田のズレた感性と
真面目な顔をして北見と上田を間違えている奈緒子が笑いを誘う。

北見が上田のマネをしているという設定がようやくまともに生かされたシーン。
とは言っても、奈緒子も本気で上田と北見を間違えているとは思えないが。
相変わらず目の前で人が死んでいるのに全く緊張感が感じられない上田と奈緒子。

矢部 『オイ!・・・何でワシら、お前、こんなとこに来なあかんねや』

菊地 『仕方ないでしょ、地元の警察の手に負える事件じゃないと言うんですから』

珍しくまともな事を言う菊地と、いつも通りの矢部・・・と言いたいところだが
そもそも警視庁の公安部の刑事である矢部と菊地が地方のしょーもない事件に
イチイチ首を突っ込んでいる方が不自然なので、矢部の疑問は間違っていない。
が、それを言ってしまうと、これまでの事件もほとんどが管轄外なので・・・

『ま〜たまたまたお前らかいな〜、わ〜たわたわたわたしに気があるのか!?』

またバカ刑事コンビのユニゾンネタ。予想外のオチはちょっと面白い。
矢部にこういう事を言わせると妙に喜ぶ人がいる事を配慮したセリフか?

「ケイゾク」「IWGP」「トリック」「愛なんていらねえよ 夏」は堤監督の代表作だが
堤監督によると、その製作手法は作品ごとにそれぞれ微妙に変えていると言う。

同じ推理劇として事件を取り巻く環境が内面的なダークな世界に向かっていった
『ケイゾク』に対して、そういった深い部分を全て取り払ってウッディ・アレン的な
軽妙な人間関係だけで環境を作り込んでいったのが「TRICK」だったという。

また、計算もせずカット割らず、その場のアドリブと役者とのコラボレーションで
作り上げられた『TRICK』に対して、「いら夏」は堤演出の特徴と言われるアドリブも
シュールな演出も、笑いも排除して緻密な計算のもとに撮影された作品。との事。

『わ〜い!!映画だ映画だ〜!!』

北見のレントゲン映像を映し出すためのスクリーンを見て子供たちが大はしゃぎ。
昭和30〜40年代には、小学校の校庭や体育館で映画の上映が行われていた。

上田 『どうした?ヒバゴンか?クッシーか?人面魚か?』

千賀子のアジトに向かっている最中に”妖術使い”の幻影を見る奈緒子。

ヒバゴンは1970年代に話題になった広島県比婆郡で目撃された猿のような生き物。
クッシーは1973年に北海道・屈斜路湖で目撃された首長竜のような巨大生物。
人面魚は昭和60年代に貝喰み池で発見された人の顔のような模様がある錦鯉。
”人面魚”以外は存在が証明されておらず、いわゆる”UMA(未確認動物)”である。

『アタシの力は本物です・・・証拠を見せて差し上げましょう』

やっと奈緒子たちの前に登場した自称霊能力者:長谷千賀子の言葉。
これまで「TRICK」に登場したインチキ霊能力者が、ほぼ必ず言うセリフで
奈緒子自身も、初めて上田と会った時に同じ事を言っていた。

『幸せという字です・・・幸福の”幸”』

岸本が千賀子に促されて思い浮かべた文字だったが、実は深い意味があった。

『想像断面図』

千賀子が見せた証拠のインチキをアッサリ暴いてしまう奈緒子。
今回のトリック解説は、断面図つきでミョーに親切になっている。
千賀子の手の動きに頭の動きをシンクロさせている阿部さんの細かい演技が見もの。

『私の思った通りだ・・・・お前のやったことは全て丸出しだ!!』

千賀子が霊能力と言い張る”あぶり出し”のトリックを暴いた奈緒子に便乗する上田。
ついでに奈緒子のキメ台詞も真似しているが”まるっと”が”丸出し”とは(笑)
ちなみに後半のセリフはノベライズ本には載っていないので現場で増えたものだろう。

『あなたはただ・・・霊能力がこの世に存在するのを認めるのが怖いだけよ!!』

千賀子のインチキ霊能者らしいセリフだが、表向きは霊能力を否定しながら
心底から、それを否定し切れないでいる奈緒子の”心の闇”を突いた言葉。
どんなにポーカーフェイスを装っている人でも図星を突かれると弱いモノ。

上 田 『その辺に落ちているものとか・・・道で怪しげな人間が売っている
      たこやきとかを、買って食べさえしなければ大丈夫ですから』

源 三 『ワシがそんな事するか!!』

と、源三はいきり立っているがガッチューならやりそうな気がするのは確か。
ノベライズ本では上田のセリフは”たこやき”では無く”お菓子”になっており
エピソード5は今までのエピソードの中でノベライズ本との相違点が最も多い。
原稿の締め切りが、エピソード5の撮影終了に間に合わなかったためだろう。
という事は、脚本に最も忠実な内容になっている可能性が高い。とも言える。

『うさぎおいしあのかわだ・・・・』

ウサギを調理する岸本を見て”ギョッ!”とする奈緒子を諭した上田のセリフ。
エピソード3にも登場した童話「ふるさと」の歌詞からの引用で、エピソード3では
『ウサギ追いし』を『ウサギ美味しい』と間違えていたというネタだったのだが
「ウサギ追いし」なのは『あの川』ではなく『あの山』なので上田のセリフも間違い。

『毒見っ!!・・・・毒見2!!』

「TRICK」エピソード1で「キジ汁」を「TRICK2」エピソード4では寿司をムシャムシャ。
今回も「毒見」と称して他人の「ウサギ汁」まで食いまくってしまう意地汚い奈緒子。
必死でお椀を奈緒子から取り返そうとしている阿部さんの演技がなかなかいい味。

『水差しとコップ』

ついに今回のシリーズで3度目の登場となった、水差しとコップのトリック。
これまでの水差しと較べて異様に豪華で、水差しの優雅なフォルムといい
縁に細かく施された金細工といい、ベネチアングラスの特徴を備えている。

『E.Tだぁ〜!!』

源三の殺害現場の現場検証のために布団の上に張られているロープの形が
映画「E.T」に登場する宇宙人のシルエットのように見えるため子供が大騒ぎ。
「E.T」は1982年、スティーブン・スピルバーグ監督によって制作されたSF映画。
偶然地球に降り立った宇宙人の子供と地球の子供達の交流を描いた大ヒット作。

菊 地 『ロシアの猛毒ゾスロコですね・・・かの有名なロシアの怪僧
     ラスプーチンも恐れていたという事で有名な猛毒です。無色透明
     無味無臭のゾスロコは急激に血流量を減少させ末梢血管の収縮さらに
     肺毛細血管の閉塞を引き起こし呼吸困難に陥らせ死に至らせます』

今回は毒を舐め損ねた菊地の毒解説。菊地の長いまつ毛が印象的なシーン。
怪僧ラスプーチンといえば、帝政ロシアのロマノフ王朝末期に呪術を用いて
皇帝ニコライ2世の皇后アレクサンドラに取り入り、宮廷内で権勢を振るった僧侶。

ついにラスプーチンの振る舞いに業を煮やした反対派が彼の暗殺を企てた時も
毒入りワインは効き目が無く、ピストルで4発撃たれ、こん棒で頭を砕かれたうえに
簀巻きにして川に投げ込まれたが、3日後に引き上げられた死体の両肺には
水が一杯だった。つまり川に投げ込まれた時も生きていた。と言われている。

毒を飲んでも死なないと言われたラスプーチンが恐れたと言われるほどの猛毒
「ゾスロコ」ですが、あえて説明するまでも無いですね。逆から読んでみましょう。

奈緒子 『・・・・・あれ?』

矢 部 『山田ァ〜!!お前ジャマや!どけ!お前は〜!!』

現場保持に努めようとする鑑識官員と現場を滅茶苦茶に荒らす奈緒子と矢部。
「TRICK2」エピソード1でも、鑑識のロープを使ったネタが登場したが
この時も奈緒子は勝手にロープを動かして”馬”を描いたりしていた。

『なんとかしてやってくれよ刑事さん・・・・同じ仲間じゃねぇか!』

どう見ても矢部と同じヅラをつけているオジサンに”仲間”と言われてドッキリ。
矢部が御獅舞村に入ったときに、いちばん最初に挨拶したのもこのオジサン。
結局”貧乳”、”巨根”、”ヅラ”ネタの中でヅラネタが一番多く登場している気がする。

菊 地 『あの・・・靴が汚れるんでこっから先は矢部さん一人で行ってください。
      これ・・・討伐隊のリストです・・・・じゃ・・・・・しっかりな!!
      くさっ!森くさっ!あぁジンマシン!!・・あ〜しんじらんなぁ〜い!!』

矢 部 『ニッポンのためにあいつ殺して俺も死ぬか・・・』

エピソード1の「靴汚れるからイヤ!」以来なので唐突に感じた人もいたようだが
菊地の「潔癖症」という特徴が久しぶりに現れている矢部と菊地のやり取り。
石原と違って、かなり本格的に矢部を不愉快にさせている菊地であった。

『だるま弁当』

だるま弁当」は高崎名物で、高崎駅や高崎線の車中で販売されているらしい。
関越道の上信越横川SAでも買えるらしいので、千賀子のアジトにある空の容器は
ロケ地に向かう途中に、スタッフがSAで買った弁当の空箱ではないだろうか。

『秋川渓吾(28)、池袋郎(46)、伊東 寿楽(30)、愛媛みかん(4?)
 金井省吾(44)、鎌倉爆風(31)、吉 祥寺(28)、日比谷東宝(2?)
 長崎今日雨(2?)、六本木ヒルオ(2?)、鰐田ラコステ(2?)』

矢部が千賀子の前で読み上げた討伐隊メンバー全員の氏名。
秋川渓吾は東京都あきる野市、秋川渓谷のこと、池袋郎は豊島区池袋のこと。
伊東 寿楽は静岡県伊東温泉にある
ホテル聚楽、愛媛みかんは読んだまま。
鎌倉爆風は鎌倉幕府、吉祥寺も読んだまま。日比谷東宝は千代田区有楽町にある
日比谷東宝ビルの事で、長崎今日雨は、内山田浩とクールファイブのヒット曲
「長崎は今日も雨だった」、六本木ヒルオはテレビ朝日新社屋がある六本木ヒルズ
鰐田ラコステは、ラコステのシンボルマーク「ワニ」を名前に盛り込んだもの。

ちなみに『TRICK』に登場した黒津次男、三男の自称・超能力ブラザースが
着ていたポロシャツのメーカーは、ラコステと良く似たマークのクロコダイル。

『ヅラ刑事!!』

矢部に対して千賀子が吐き捨てた言葉。千賀子も矢部とは初対面のはずだが
初対面でヅラ呼ばわりしているという事は”見るからにヅラ”という事だろうか?

『これ・・やっぱり変なんですよ』

源三の部屋においてあった水差しの不審な点に気づいた奈緒子。
戸棚の上にあるのはエピソード3に登場したおてもやん人形の小型版?
ひときわ目立つ金の仏像は「TRICK2」最終話で『来さ村役場』にあった物らしい。

『隙間に入っちゃったよ〜〜濡れると大変なんだよ乾かすの〜・・・怖い』

千賀子が指先から出した水がヅラの隙間に入ってしまって泣きそうな矢部。
ヅラネタ自体は正直、食傷気味だが生瀬さんの情けない演技につい笑わされる。

『あれ・・・あんたら山海塾か?』

山海塾は1975年に天児牛大(あまがつうしお)によって設立された舞踏カンパニー。
いわゆる”暗黒舞踏”の劇団の中では「TRICK2」エピソード1にも名前が登場した
麿赤児の率いる「大駱駝鑑」と双璧をなす存在で、海外でも高い評価を受けている。

全身白塗り、禿げ頭で、フンドシだけを身につけてくねくねと体をくねらせたり
紐に吊られて登場したり、普通の感覚で言うダンスとは一線を画す舞台を見せる。

『金井省吾 (かない しょうご)』

串刺しで発見された金井源三のドラ息子、金井省吾を演じているのは久保田篤さん。
1982年にお昼のバラエティー「笑っていいとも」(フジテレビ)が放送開始された時に
初代「いいとも青年隊」(久保田篤、野々村真、羽賀研二)のメンバーとしてデビュー。

1985年3月まで「いいとも青年隊」として活動した後にはパッとした芸歴が無いが
「俺はパチンコでマンションを買った」という著書のタイトルからも分かるように
現在はタレント業より、パチプロやパチンコ雑誌のライターとして活躍している。

久保田さんが金井省吾役に起用された理由は斉藤清六さんや見栄晴さんと同じく
どこと無く漂う”昭和の匂い”と「あの人は今!!」的な可笑しさがあるからだろう。
”討伐隊のリーダーがいいとも青年隊”というのが一番大きな理由かもしれないが。

『ぼくんちの雨戸だよ!!・・・雨戸をかえせ!!』

惨たらしい姿になって村に帰ってきた省吾の死体の脇で子供が叫んでいた言葉。
昔、怪我人や死人を運ぶ”タンカ”が無かった頃は雨戸が代わりに使われていた。
時代劇で死人や重傷者を表す時に”戸板に乗って帰ってきた”と言うのはこのため。

『だって・・・討伐隊の他の人たちは近くの村から集まった
 ボランティアの人たちだったんだでしょう?』

千賀子が矢部に省吾の名前を書いた封筒を渡したトリックを解き明かした奈緒子。
タネを明かしてみればバカバカしいほど単純なトリックだが、仕掛けが単純なほど
人は”そんな馬鹿な事はしないだろう”と思い込んで騙されるものらしい。

『ハルクとかやなぁジェイソンとか人間としても吉村道明のみたいな力強いヤツが』

木の幹に串刺しにされた状態で発見された金井省吾の死体の状況を分析し
千賀子のような女一人の力では到底無理な犯行だと主張する矢部刑事。

吉村道明とは、日本プロレス界の黎明期を支えた人気プロレスラーの事。
昭和30年代から48年まで息長く活躍した選手なので矢部が知っていても変ではない。
力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木らとタッグを組んで、血だるまになりながら
外人レスラーに向かっていく様は「火の玉小僧」「突貫小僧」などの愛称で親しまれた。

『軽い頭痛』

場面が切り替わって奈緒子の実家、また里見が書いている意味深な言葉。

『長野市市議会議員 瀬田一彦』

どのシーンで映ったのか分からないが公式HP『週刊純情女性』で紹介されていた
長野の実家の玄関のコルクボードに貼られていた瀬田一彦の名刺。
しばらく姿を見ないと思っていたら、念願の市議会議員に当選していたらしい。

瀬田一彦はシリーズ1にレギュラーで登場した奈緒子の幼馴染の自称・婚約者。
役名は矢部謙三と同じく、東宝の偉いプロデューサーからいただいたモノだが
奈緒子ばかりか里見にも無視されただけでなく、シリーズ1の最終回に行われた
選挙では見事に落選し、近所の子供たちからもバカにさせれる始末であった。

「TRICK2」が製作される頃に瀬田役の遠藤直哉さんがちょうどアメリカに
行っていたせいもあってか、シリーズ1以降の作品には全く登場していない。
しかし、習字の続編ネタを最初に書いたのはこのキャラクターである。

『いでぃくぅー!!』

庭に隠れていた南方熊作に里見が一喝。沖縄の方言で”出て来い”という意味。
里見は南方の言う”神の象の像”の事を未だに”聞いた事も無い”と言っているが・・

『どんな奇跡でも、こじつければ・・・最後は説明がつく・・・・
 それに何の意味がある!それで霊能力を否定した事にはならない』

あくまで自分は霊能力者だと言い張る千賀子。
どちらかというと”どんなデタラメでもこじつければ奇跡になる”と言う方が正しい。
霊能力があると言い張る事と、無い事を証明する事の難しさは比較にならない。

千賀子 『不思議な事に彼は少しずつ良くなって行った・・・』

奈緒子 『それは・・・ただの暗示の力です』

心理学で言うところの”プラシーボ効果”というヤツ。
人体の自然治癒力というのは不思議なもので、ただのビタミン剤を風邪薬だと言って
飲ませると、何人かに一人はそのニセ薬でホントに治ってしまう人が現れるという。
そのため、医薬品を開発する時は新薬に”偽薬”を混ぜて何度も臨床実験を繰り返し
本当に効き目があるのかどうかを確かめてから承認やら発売やらに移るらしい。

しかし、この恋人の病気に関するくだりの千賀子のセリフの意味をよく考えてみると
”千賀子の霊能力がインチキである”という事を告白しているようなものである。

『あなたとアタシには同じ力がある・・・なぜなら貴方は黒門島のシャーマン
 カミヌーリだからよ・・・・カミヌーリの役目は島にとってジャマな人間を
 呪い殺す事よ!!そうやってあんた達は島を守ってきた・・・・
 あんたが怖がってるのは・・・ホントは自分自身でしょ?』

また”新説”が登場した、里見と奈緒子と黒門島とカミヌーリの因縁話。
シリーズを重ねるごとに役割が増えたり立場が変わったり忙しいカミヌーリである。

シリーズ1の牧歌的なシャーマンとしての役割から、ブゥードゥーの魔術師のような
怪しい役割に変化しているが、奈緒子がカミヌーリの事を良く知らないのをいい事に
黒津分家の人間が、自分たちに都合のいいようなカミヌーリの役割を、そのつど
適当にデッチ上げているだけなら”いい加減ムリがある”のも理解できないではない。

『25年前の千賀子の記事を読む上田』

御獅舞村の駐在所で、千賀子の事が載っているスクラップ記事を読む上田。
この時の新聞をなぞりながらキーボードに内容を打ち込むような仕草が
漫画「MONSTER」(浦沢直樹・小学館)の「ルンゲ刑事」の真似ではないか?
という説があるが、阿部さんが「MONSTER」を読んでいるかどうか分からない。
2004年4月からNTV系でアニメが放映されるので気になる方はご確認あれ。

『木の檻』

駐在所にある留置場は「トリック劇場版」で上田と奈緒子が閉じ込められた
糸節村の牢獄と大変良く似た木製の檻で、たぶん同じ物じゃないかと思われる。

『沖縄県黒門島13』

履歴書に書かれていた北見の出身地(本籍地)は因縁の島:黒門島だった。
これまでずっと”地図にも載っていない南の小さな島”とは言われていたが
黒門島が沖縄県に属している事がハッキリ書かれたのは初めてではなかろうか。

本編では省略されているが、ノベライズ本で北見は赴任して”まだ1ヶ月足らず”と
言っており、北見が赴任した時期と千賀子が村に現れた時期はほぼ一致している。
そして金井家の金庫から大金が消えたのは、それから約半月後の出来事。

『あなたは・・・・私のお母さんですね?』

25年前、恋人が死んだ時に千賀子が身篭っていた子供は自分だと言う岸本。
なるほど、岸本が25年前に村を追い出された千賀子の子供だったのだとすれば
ガッチュー夫婦が岸本に対して虐待を行っていたのも納得が行く・・・・・・が。
だとすると、なんでガッチュー夫婦が岸本を引き取ったのか良く分からない。

『あ、ホントだ・・・・どちらも横棒が1本多い』

岸本が最初に千賀子に書いてもらった”幸”というあぶり出しの文字は
岸本に母親から残された唯一の物である”お守り”の中に封じられていた
紙に書いてあった文字と全く同じ”幸”という文字であった。

が、こういう”感動の””ハートウォームな”シーンで”字が間違っている”という事が
推理のポイントになるという間抜け加減が、いかにも「TRICK」という感じである。

『よくごらん・・・・これが・・・アンタがアタシにかけた呪いの力よ・・・
 これにアタシの名前を書いただろ?アンタは賢い娘さんだねぇ
 この呪いを証明するだけのために自分は殺せない。
 その時に・・・アタシのウソが立証される・・・そう思ったんだろ?』

金井省吾を殺した時に使った”呪いの封筒”の力を証明するために千賀子が
奈緒子に自分で呪い殺したい人間の名前を書かせたところ千賀子が苦しみだす。
千賀子は奈緒子が自分の名前を書いたと言っているが果たして・・・

『お前の故郷、黒門島から我々は来た』

近くの村からボランティアで集まった事になっていた討伐隊のメンバーだったが
実は近隣の村には、吉祥寺だの池袋郎なんていう住人はいないことが判明。
討伐隊のメンバーが黒津分家の一味だった事が分かったところで後半に続く。

『薬を嗅がされる奈緒子』

シリーズ1では、まんまと黒津次男、三男(と母・里見)の仕組んだトリックに引っかかり
自らの意思で黒門島に向かった奈緒子だが、さすがに何度も同じ手で騙されるのは
芸がないと考えたのか、今回は薬を嗅がされて拉致される。という画期的な新展開。
しかし、拉致するぐらいなら、こんな手の込んだ事をしなくても・・・という気もする。

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