木曜ドラマTRICKのちょっといい話。

episode4

episode1 episode2 episode3 episode4(前篇)(解決篇) episode5(前編)(解決篇

【第8話】

死を呼ぶ駄洒落歌
旧家の呪いに潜む謎
解決篇

ON AIR
2003/12/04

(視聴率)

関 東 14.6%
名古屋 12.9%
関 西 16.9%

【脚本】

蒔田 光治

【音楽】

辻 陽

【主題歌】

「私とワルツを」

鬼束ちひろ
作詞・作曲/鬼束ちひろ
編曲/羽毛田丈史
(東芝EMI)

【キャスト】

仲間由紀恵

阿部 寛

生瀬 勝久

姜 暢雄

羽田美智子

黒部 進

山口美也子

IZAM

松澤 一之

丸岡 奨詞

岡 まゆみ

入江 雅人

宝積 有香

井上 碧

ガッツ石松

ダンプ松本

由起 艶子

波多江 清

神 雅喜

栗原 一

放映プロジェクト

【撮影】

斑目 重友

坂本 将俊

【照明】

川里 一幸

【VE】

中村 寿昌

【音声】

中村 徳幸

【美術】

稲垣 尚夫

【装飾】

山田 好男

飯沼 明広

【小道具】

杉本 和代

牧野  誠

【スタイリスト】

富樫 理英

【着物コーディネート】

河野 仁子

【ヘアーメイク】

宮内三千代

小林 真由

西村佳苗子

【タイトルバック】

熊坂 出

【ダンサー】

松田菜々子

【CGプロデュース】

西村 敬喜

【CGディレクター】

小関 一智

【DC制作】

西 勇哉

鈴木さやか

【HP制作】

前田 秀彦

松崎 みどり

【スチール】

高島 一夫
(文化工房)

【編集】

大野 昌寛

【オフライン編集】

山口 牧子

【M A】

中村 徳幸

永井 純

【音楽プロデュース】

志田 博英

【選曲】

渡邊 朋子

【音楽コーディネート】

河原崎 秀樹

【効果】

中村 友美

【協力】

NICE・DAY

江戸川橋スタジオ

TAMCO

グリップアソシエイト

CPルーム

ベレッツァスタジオ

阿ウン

トライアムズ

光映新社

ステップ

グリフィス

【音楽協力】

テレビ朝日ミュージック

【技術協力】

池田屋

【美術協力】

BOOTH

えんぎ屋

(株)水晶院

Karrimor

NOMAD

メガネドラッグ

【衣装協力】

mila schoen

HANJIRO

GoldenBear

RAPTY

Eddie Baure

IMAGE

OTTO

【車両】

日本照明

【カースタント】

スーパードライバーズ

【ファイティング
コーディネート】

FCプラン

【ロケ協力】

茨城県 水海道市

水海道風土博物館
坂野家住宅

水海道フィルムコミッション

水海道第一ホテル

水海道あすなろの里

茨城県水府村

(琴指導)

生田流★牡丹会★
佐野 恵子

【演出補】

木村ひさし

【記録】

奥平 紋子

【助監督】

神徳 幸治

【制作管理】

三井 孝俊

【プロデューサー補】

上田 直彦
(テレビ朝日)

【ラインプロデューサー補】

大形 美幸

吉田 拳雄

【宣伝】

小久保 聡
(テレビ朝日)

【ラインプロデューサー】

渡邊 範雄

【制作担当】

朝比奈 真一

【製作主任】

坪井  力

【プロデューサー】

桑田 潔
(テレビ朝日)

蒔田 光治

山内 章弘
(東宝)

【演出】

堤 幸彦

【制作協力】

オフィスクレッシェンド

【制作】

tv asahi

東宝株式会社

『その歌を見てください・・・』

亀山家の一族のフリ真似をして亀山歌を読む奈緒子。
亀山歌を読む時に、亀山家の人がやっている振り付けは
SHAZNAの『すみれSeptember Love』の振り付けという説もある。

清三郎 『つまり・・・現代の言葉で言うと恋文よぉ〜』

奈緒子 『渡部篤郎の!!』

なぜ”ラブレター”を現代の言葉で言うと”恋文”になるのか理解に苦しむが
奈緒子が言っているのは渡部篤郎主演の連続ドラマ『
恋文』(TBS)の事。
これは”時代劇好きの奈緒子がなぜ恋文を見ていたのか?”なんて事を
考えても意味はなく、単なる”言葉遊び”だと考えた方が良いだろう。

『すぐ行く』

千春の回想シーンの3回目、今回は千里の顔は映っていない。

けっきょく、都合三回、別バージョンで放送されたこの回想シーンだが
千里のセリフがアフレコだったり、顔が映っていなかったり、喋っていたり
わざわざパターンを変えていたワリに、それ自体には何の意味も無かった。

この回想シーンに意味があるとすれば”何か意味があるんじゃないか?”と
視聴者にアレコレ考えさせる。という事そのものだったのではないかと思う。

「ケイゾク」に登場した『金魚』のように、意味の無いものに意味を持たせるのは
堤監督の得意技だが、同じく「ケイゾク」に登場した『巨大な招き猫』のように
まったく意味の無いものを意味ありげに見せるのも堤監督の得意技(笑)

清三郎 『哲也!!なんばしとっと!!』

このセリフは1973年のヒット曲『母に捧げるバラード』(海援隊)の歌詞から。
この曲は「3年B組、金八先生」こと、武田鉄矢の母親の事を唄った歌である。
2003年6月から武田鉄矢主演で同名の舞台が東京・明治座で公演された。

上 田 『・・・・誰になってんだ?』

頭をかきむしったりフケを掃いたりする奈緒子の様子を見た上田の言葉。
推理をする時に、頭をかきむしったり、フケを飛び散らせたりするのは
横溝正史の生み出した名探偵・金田一耕助の特徴として有名。

これまで石坂浩二、古谷一行、田辺誠一、豊川悦司などの二枚目俳優が
名探偵・金田一耕助としてテレビやスクリーンでフケを飛び散らせてきたが
2004年4月からはSMAPの稲垣吾郎が、フケを飛び散らせてくれている。

上 田 『それなら出来ない事はありませんよ・・・・ここのヒューズは
      古くてあまり容量が大きくありません・・せいぜい15アンペア
      タイマーで電化製品をいくつか・・例えばアイロン・電気ストーブ
      ヘアドライヤー他、それらを同時に一度にセットしておけば・・
      ヒューズを”プチッ!”と飛ばす事が出来る!』

文 子 『ウチにはどれもこれも無いわ』

奈緒子 『明かりが落ちた後、私たちは千里さんを探しに・・・』

古いヒューズを飛ばす方法を解説する上田だが文子が可能性を完全否定。
そして、そんな事にはお構いなしに推理を先に進める奈緒子・・・という展開で
結局、誰がどうやって最初に電源を落としたのかは分からないままである。

しかし、最初に電源を落としたトリックは上田の説明通りの方法でも十分なのに
あえて文子にそれを否定させておいて謎解きを放ったらかしにしているのは
”トリックを思いつかなかった”というよりも、あえて放ったらかしにする事の方に
このシーンの文子のセリフの意味があったのだと考える方が妥当であろう。

『なるほど・・・それで一度明かりが点いてからすぐ消えてしまったんだ・・
 ハッハッハ・・最初から分かっていました・・私の目は誤魔化せない!』

犯人は、いったん電源のブレイカーを落としてから千里が入っていた浴槽に
電源コードを投げ込んで感電死させた。という奈緒子の推理に便乗する上田。
とすると結果的に千里を殺したのはブレイカーを上げた上田になるのだが。

いずれにしても、最初にブレイカーが落ちた時に蔵まで移動して千里を襲い
それを風呂場まで運んで・・・という作業を灯りが落ちた真っ暗闇の中で行う
という奈緒子の推理にも、そもそも無理がある。と言えない事も無い。

『菊地のイレズミ』

前回のエピソードに続いて、またもや矢部と菊地の入浴シーン。
派手な手ブレ演出に加えて菊地の背中に『東大理III』の文字が浮かぶ。
菊地の東大出という経歴に対する偏執的なこだわりの滑稽さを表現している。

『ど〜なってんだよこのウチは!?・・・ムチャクチャでごじゃります!!』

”ムチャクチャでごじゃります”は『TRICK2』エピソード3でも名前が登場した
『しゃべくり漫才の元祖・花菱エンタツ・アチャコ』の有名なフレーズらしい。

『いよっ!!・・・・重いし!!』

”この重石 動かすべからず 動かせば大きな災いが訪れる”という
注意書きの下に置いてあるのは”名石 袋田の滝 重石”という文字。
この”重石”を持ち上げようとした奈緒子のセリフで、またもやダジャレ。

『上田の書いた家系図』

なぜか似顔絵つきの家系図。千鶴の周りには無数の星と『結婚』の文字。
かなり”味”のある絵で、たぶん阿部さんの直筆ではないかと思われる。

麗香の下には●●タンという謎の生物が描いてあるが、これは麗香役の
岡さんが出演していた「まんがはじめてものがたり」の『モグタン』の事だろう。

上 田 『これだけの家だ、遺産だって小さな国の
      国家予算ぐらいはあるでしょう!!』

千 鶴 『小さな国って・・・例えば?』

上 田 『・・・・・・ひょうたん・・島?』

上田の言う『ひょうたん島』というのはひょっこりひょうたん島の事だろう。
『ひょっこりひょうたん島』は1960年代にNHKで放送されていた人形劇だが
2003年からリメイク版の再放送が開始され『ひょうたん島』に登場する人形は
「NHKアーカイブス」のマスコットキャラクターとして現在も活躍中である。

ひょうたん島は移動島で、上田の言うとおり独立国という設定になっているが
住民の数はライオンを入れても11人という、せいぜい家族程度の人数なので
莫大な遺産を表現するためのたとえ話としてはあまりにスケールが小さい。

『心配しなくていい・・・私が必ず・・・貴女を・・・貴方達を守ります』

「TRICK2」エピソード1でも、推理作家・来栖禎子(犬山イヌコ)の
助手・藤野恵子(堀つかさ)に同じような事を言っていた進歩の無い上田。

『先生がおズボンの中にこん棒を隠してる事は誰にも言いません』

かっこいいセリフを言った口とは正反対な反応を見せる上田の下半身。
千鶴が本当に気付いていないのか、ただ惚けているだけなのか分からないが
上田のシルエットを見る限り”こん棒”と思われても仕方のないサイズではある。

『練炭 (れんたん)』

奈緒子が閉じ込められた小屋に置かれた七輪で燃えていたモノ。
密閉された空間で練炭を燃やすと、一酸化炭素中毒を起こして死に至る。
入手が容易で苦痛を伴わない事から03年は練炭を使った自殺が流行した。

奈緒子 『よかったぁ・・ホッとするね♪・・・・・・これが燃えているという事は
      ここ密室だし・・・オイッ!消えろ!!消えろ!!フーッ!!
      ・・・って余計燃えてる!!・・・空気が薄くなるじゃないか!!』

閉じ込められた小屋の中。ここから、延々と奈緒子の一人芝居が始まる。
”ホッとするね♪”は、HOTSPARのCMのようでもあるし、20年ほど前の
CABIN(JT)のCMがネタ元ではないかという説もあるが詳細は不明。
誰の力も借りられないシーンで、しっかり笑いを取るように頑張る仲間さん。

矢 部 『簡単な解決方法があるんですよ・・・このまま放っておくんです。
      ほしたら犯人は次々と邪魔な人間を殺していく!!
      そして、一番最後に残ったのが!!・・・・・犯人です。』

菊 地 『文字通り消去法という事ですね!合理的だぁ!!』

矢 部 『そうやぁ〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

上 田 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな無茶苦茶な』

矢 部 『ながっ!!・・・・どうもツッコミが遅いと思ったら、あのツッコミの
      早い女はどこ行きました?・・あ!・・・インチキマジシャン。』

全然解決になっていない解決法を得意げに披露するヅラ刑事・矢部。
しかし、後の方のセリフを聞く限り、矢部はツッコミを待っていたようなので
少なくとも矢部は本気で”簡単な解決法”と、思っていたわけではなさそう。

しかし”ツッコミが遅い”から奈緒子がいない事に気付いたというセリフには
シリーズ1で矢部に完全無視されたりしていた事を考えると時の流れを感じるが
矢部に言われるまで奈緒子がいない事に気付かない上田の薄情さからは
上田と奈緒子の関係に、何の進歩も無い事がビシビシ伝わってくる(苦笑)

『ダミよ!!』

哲也を誘惑しようとする千春に注意する方言丸出しな千鶴のセリフ。
方言を喋るキャラクターが必ず一人は登場するのも堤作品の特徴で
「TRICK」のレギュラーにも矢部、ハル、石原といった方言キャラがいるし
毎回登場するゲストキャラも方言丸出しのキャラクターである事が多い。

『池袋ウェストゲートパーク』『TRICK』『溺れる魚』と、数々の堤作品に出演し
その都度、様々な方言を喋るキャラクターを演じていた前原一輝さんなどは
堤幸彦監督から”方言役者”などと称されていた程である。

通常のドラマや映画では通行人や脇役はなるべく個性を抑える物だが
堤監督は、主人公に負けない強烈な個性を持つ脇役を登場させる事で
初めて日常に近いレベルで現実感を出せる。という持論を持っているため
”普通のセリフを方言で喋らせるだけでキャラクターを鮮明に出来る。”
という理由から、好んで方言キャラクターを使う傾向があるらしい。

『哲也さんだって・・・それで得する一人だって事よ』

手ブレと並んで堤流演出の特徴である”極度のドアップ”が使われている。
しかし『愛なんていらねぇよ、夏』や『ケイゾク』でも、ここまで極端な撮り方は
していなかったハズなので、これもセルフパロディという感じだろう。

『そういえばしばらく静かで過ごしやすいと思ったら・・・』

相変わらず、奈緒子に対して露骨な敵視政策を取る千鶴。
千鶴の”俗世間の方”に対する本当の姿勢は、こちらの方なのだろう。

「死に桶」

また、新しい闇十郎の亀山歌を発見した文子の悲鳴が屋敷に響いた時
哲也が途中まで書きかけていた亀山歌の書き出しの文字。
”死に桶”の後に一体どんな言葉が続くのか?続きが読みたい。

「おしゃべりすずめは しゃべり過ぎ。 桂の下に迷い込み
 息もつかせぬ 生きては帰さぬ」

麗香の時と同じ”おしゃべりすずめ”から始まる闇十郎の亀山歌。
亀山家に伝わる家宝”三雀の絵”にまつわる話でもあれば面白いのだが
そういう話はどこにもなく、ただなんとなく2回おしゃべり雀が登場しただけに
なっているので、この歌に関しては、もう一工夫欲しかった気がする。

『案内(あない)して下さい!』

案内(あんない)を亀山家に合わせてワザワザ古い言い方で言う上田。

『ワダシは、ここでみんなをみはってまずぅ』

取ってつけたような、ワザとらしいズーズー弁を喋る菊地。
石原と違ってちっとも可愛くないのも、ある意味、菊地の個性。

『三枝の桂?・・・・・オヨヨ』

『オヨヨ』というのは70年代に落語家:桂三枝さんが流行らせた言葉。
「TRICK」第9話でも奈緒子の部屋を訪れた上田が一度だけ口にしている。

元々は丹下左膳で有名な往年の名優:大河内伝次郎のモノマネから始まり
ビックリした時に使う言葉として大流行したのだが、作家:小林信彦の小説に
『オヨヨ大統領』シリーズという作品がある事を問題にされ、盗用騒ぎに発展。

最終的には小林氏の小説の方が先に出版されていたという理由で
三枝さんが以後『オヨヨ』を使わないという事で決着がついた。らしい。

『いないならいないって言え〜!!』

「TRICK」エピソード2、「TRICK2」エピソード5でも登場したセリフ。
”いない時はいないとは言えません。”というギャグでございますね。

今回、特にこの手のベタなギャグが増えた感のある「TRICK」ですが
堤監督は作品中に登場する”笑い”についてこう語っています。

【トリック完全マニュアル:光進社より】

堤 『狙って笑いを笑いとしてやるほどつまらない事はないと思うので。
   もちろんベタベタにやることも必要だと思うんですよ。
   だけどそれはベタベタにやってるんだっていう作りが笑いになる。

   くだらないダジャレ自体が面白いワケではないと。ダジャレを
   この環境この空気で言うっていうのが面白くありたい。そういう
   倒立した興奮みたいなものが作れないかなと思ってしまうワケです。』

たまには倒立してない興奮も・・・と言ってしまってはダメかしら?

『ガッツ石まっ虫』

ストーリーとは全く関係ないのだが、また登場したガッチュ石まっ虫。
せっかく作ったCG だから何度も使い回す。という”貧乏臭い感じ”が良い。

千 鶴 『!!・・・・ハゲ!?』

矢 部 『・・・お前、直接すぎひんか!?それ』

「TRICK2」エピソード4では恵美(小橋めぐみ)に色目を使っていた矢部が
今回、千鶴に色目を使わないのは、菊地と同じく千鶴も本心では自分の事を
見下しているという本質に気づいているからなのかもしれない。

『つまり・・・・カツラの下にあるのは薄い毛?』

ただのダジャレだと思われていた『臼池、鬼首池、井毛池、チョイ沼』が
実はただのネタではなく、しっかりトリックの中に組み込まれていた。

『くそっ!・・・誰も来ないのか?・・・よし・・絶対に目だけはつぶらないぞ!
 ・・・つぶってるぅ〜!!くそう!・・・よし・・絶対に・絶対に寝ないぞぉ!
 なっ、寝てる!!寝てるぅ〜!!・・・・頑張れ!!奈緒子ぉ〜〜!!』

奈緒子の密室一人芝居がいよいよクライマックスを迎える。
誰の助けも借りられない、かなり厳しいシチュエーションだったと思うが
キッチリ笑える芝居をして、成長ぶりをうかがわせる仲間由紀恵さん。
伸び盛りの美人女優として、それがプラスなのかどうかは別として(笑)

『雷』

上田、矢部、千鶴の3人が山田を探していると山の向こうで雷が鳴る。
この雷は当然、後から合成したCGで、この手のCG処理は「TRICK」当時から
橋を消したり、山を消したり、昼を夕方にしたりと色々活用されている。

堤監督は、『金田一少年の事件簿』で、まったく別の場所で撮影した映像と
CGで空と山と館と川を合成し、一つの風景として作り出した事もあるそうな。

『逆さ泳ぎ・・・・・古式泳法か・・・』

無論そんな泳ぎ方は無く、湖から二本の脚が突き出ている印象的な映像は
映画『犬神家の一族』(監督:市川崑)のポスターにも使われた有名な絵。

ある意味、今回のエピソードで最も分かりやすい”ヨコ溝”ネタだが
これはスカッと無視して次に行くあたりは堤監督らしい演出である。

上 田 『山田奈緒子は貧乳だ〜!!』

千 鶴 『山田奈緒子は頻尿だ!!』

奈緒子 『頻尿じゃなくて・・・貧乳だ・・・ホントの事・・言うな!!』

貧乳と頻尿のどっちがホントの事なのか気にならないでもないが
どっちが本当だったとしても悲しい事に変わりはない。
貧乳は病気ではないが頻尿は医師に相談した方が良いかもよ?

『裂けてぇ〜〜〜!!』

またまた登場、スリット美香子ネタ。
堤監督は木村監督に『何度もやる事が笑いだから』と言った事があるそうだが
この『裂けてぇ〜〜!!』というネタなどでは、まさにそれを実践している。

奈緒子 『・・・でも、スイマセンでした・・・心配かけて』

上 田 『礼だったら矢部さんに言え・・矢部さんのカツラがなかったら
      ここにはたどり着いていなかった』

めずらしく上田に素直に謝る奈緒子だが、この「すいません」というセリフは
直前の『吐いて〜吐いて〜』という上田のセリフに掛かっているダジャレだろう。

「かみなり鳴りて 我は神なり 明神様と手をつなぎ
 崖のうえより 天に舞う 空の上より 訪れしかな」

奈緒子が閉じ込められていた臼池のほとりの小屋に貼ってあった亀山歌。
俳句程度の長さの物もある亀山歌の中では長い方に属する作品で
前半と後半の文章的な繋がりがもう一つな印象を受けるのだが・・・

矢 部 『布施明神・・・・・シクラメン?・・・布施あ・・』

”布施”で”シクラメン”とくれば当然、布施明の『シクラメンのかほり』だろう。

布施明さんと言えば、1965年に『君に涙とほほえみを』でデビューして以来
圧倒的な声量と3オクターヴ以上あると言われる音域を生かした歌唱力で
『霧の摩周湖』(1966年)『これが青春だ』(1967年)『そっとおやすみ』(1970年)
『積み木の部屋』(1974年)など数々のヒット曲を持つ日本を代表するシンガー。

『シクラメンのかほり』(作詞・作曲:小椋佳)は、当時の音楽界で絶対的な
権威を持っていた日本レコード大賞を受賞した布施明さんの代表作である。

元々は渡辺プロダクション(通称ナベプロ)の看板タレントだったが
現在は仲間由紀恵さんと同じ”プロダクション尾木”に所属されており
『ウソコイ』(CX)や『ミュージカル・スター誕生』などで仲間さんと共演。

上 田 『ち・・・千春さんだ!!・・・遅かったか!!』

布施明神の崖の下で千春が死体となって川に浮いているのが発見される。

主演の仲間由紀恵さんも阿部寛さんも、ついでに演出の堤幸彦監督も
このドラマの撮影が始まる直前まで他の映画やドラマの撮影をしていたため
「木曜ドラマTRICK」の撮影が始まったのは9月半ば以降になるハズである。

そして、それから毎週一話程度のペースでコンスタントに撮影されてたとしても
このエピソードの撮影は、11月前半から11月半ばあたりという事になるので
千春役の井上碧さんは、とても寒い思いをされたのではないかと思われる。

ちなみに、千春が浮いているのは設定上”行座の川”という川らしい。
これも餃子ネタ、宇都宮ネタ、そして栃木ネタ。

『庭に棺桶が4つ』

千春の棺桶の蓋を閉める時に、なぜか揉めている哲也と菊地。
誰も見ていない時に棺桶が一個動いているが深い意味はなかった。

意味の無い物を、さも意味ありげに撮るのは堤監督の得意技だが
これは”いくらなんでもズルイ”のではないかという気がする(笑)

『警察には難しい試験をパスした菊地さんのような超エリートがいて
 あっという間にアンタのような●●より、偉くなるそうね!』

文子が矢部に言ったセリフ。●●の部分は”下っ端”とも聞こえるし
”ヅラ”とも聞こえるが、どっちにしても音声に修正が入っている模様。

『たぶんミー』

上田の『YOU』に対抗するかのような宏のセリフだが登場するのは1回だけ。

 宏  『一緒にいたじゃないっすかぁ〜!!』

このセリフも、なぜか武田鉄矢風。
「TRICK」エピソード1にも「上田さんは死にましぇん」というセリフがあったが
武田鉄矢さんは堤監督の『プリズンホテル』(1998年ANB)に出演している。

『闇十郎とやらの仮面をつけて・・・』

仮面の男といえば『犬神家の一族』に登場する犬神佐清(いぬがみすけきよ)。
佐清は戦地で酷いケガを負ったという理由でゴムの仮面を被っていたが
実は仮面の人物は・・・・というお話であった。

『誉れ高き牛乳』

奈緒子が盗み飲んだ上田の牛乳の商品名。
公式HP『週刊純情女性』によると巨乳100%らしい。
牛乳といえば「TRICK」エピソード3『遠隔殺人』で上田と奈緒子が
飲みまくった今は無き『雪印牛乳』(現:MEGUMILK) が思い出される。

『君の行動を操るのはとても簡単だという事が分かったよ
 やるなと言っておけば必ず君はそれをやる!!』

前回は、素直に従わないのは”反骨心”と良い方に解釈したが
奈緒子の場合は”単に天邪鬼”と考えても別に問題はないようだ。

『鶴子の涙』

この時点では、この鶴子の流した涙の意味は分からないのだが
一人、亀山家の運命を知る鶴子の哀しみを暗示しているシーン。

「熟し落つ 柿の音聞いて想いはせ 光の亀山 雲がたれこめ」

鶴子の死が判明する直前に千鶴が書いていた亀山歌。
鶴子の死を詠んだ歌とも取れる内容なので千鶴の仕業という暗示かも?

『次に狙われるのは・・・間違いなくあなただ!!』

と、上田に言われ、よろけて襖に寄りかかる千鶴。
千鶴の片足を上げるポーズにはなんか意味があるんでしょうか?

『全員でお母様の遺言状を開封するのよ!』

ここで、なぜ、実子でない宏が嬉しそうにしているのか不思議だったのだが
良く考えたら宏は婿養子なので、麗香の生死と無関係に実子と同じ条件で
鶴子が残す遺産の相続権を有しているのであった。

『千鶴が琴で弾いている曲』

千鶴が弾いているのは山口百恵の『秋桜(コスモス)』(作詞:作曲 さだまさし)。
最近のリバイバルブームに乗って、
宮地真緒がこの曲をカバーしている。
どう間違えても布施明さんの『シクラメンのかほり』ではない。

8話が放送された翌日、CX系で『神様何するの!?』という宮地真緒主演の
スペシャルドラマが放送され、この『秋桜』が主題歌として採用されており
松村役の松澤一之さんも医者役で出演していたが、特に関係は無さそう。

『千鶴が見た闇十郎』

実は、千鶴が目撃した闇十郎は上田が演じている”ニセ闇十郎”なのだが
このシーンで登場する闇十郎の仮面はホンモノの仮面が使われている。

『お前・・・・誰だ?』

このセリフだけ綺麗に訛りが消えて、お嬢様然としたおっとりした表情から
鋭い目つきに変わっており、ちょっと千鶴の本性が垣間見える感じの演出。

『ニセ闇十郎の衣装』

またもや上田のダンボール細工だが、公式HPのスペシャルコンテンツ
『週刊純情女性』によれば、この衣装の襟には、ご丁寧にタグがついていて
『Why don't you do your best J.UEDA』という文字が入っている。

『お前のやった事は全部すべてすりっとまるっとごりっとお見通しだ!!』

またちょっと長くなった奈緒子のキメ台詞。
追加されたのは赤地洋司の「もど〜れ〜」ではなく里見の「ごりっと!」でした。

【トリック完全マニュアル:光進社より】

堤 『金田一一の”じっちゃんの名にかけて”柴田純の”犯人わかっちゃった
   んです”に次いで、何だろうと考えた時にちょっと汚い手だったんだけど
   ”お前らのやってることはすべてお見通しだ”っていう。

   でもそれが全然相手に効いてないっていうのが、意味があるんですよ。
   そのセリフを言うときは自信がなくて、声が上ずっているんだけど
   その後、いざ解説を始めたら理路整然と説明するっていう。

   その落差がやっぱり、あの奈緒子というキャラクターを魅力的に
   見せていたと思うワケです。』

全然相手に効いていないのは変わっていないようだがシリーズ1の頃と較べて
キメ台詞が”いかにもキメ台詞的”な言い方に変化しているのは確か。

奈緒子 『・・・・私なしでは何にも出来ない上田は
      当然不安で、居ても立ってもいられなくなり
      ”みんなで山田さんを助けに行きましょう!”
      ”そうだそうだ〜”という話に・・』

上 田 『・・・・オイ!!』

亀山宏 『上田さんは心配しているようには見えなかったし
      言いだしっぺは千鶴さんだったでしょう〜』

自分に都合の良い状況をでっち上げる奈緒子にツッコミを入れる上田。
上田と奈緒子は漫才コンビのように、お互い分かっていてやっているのが
良く伝わってくるが、観客的立場の宏から冷静な指摘が入る。

奈緒子 『上田・・・地図』

上 田 『・・・・ハイ』

女王様のように命令する奈緒子に下僕のように素直に従う上田。
TRICK2エピソード3あたりから登場するようになったシチュエーション。

シリーズ1では奈緒子が上田の事を呼び捨てにする方が珍しかったが
シリーズ2以降は『上田さん』と呼ぶ方が珍しくなってしまっているため
ファンの皆さんには”奈緒子が変わってしまった”とお嘆きの声がある。

しかし、奈緒子に面倒ばかり押し付けるくせに、手柄は独り占めしようとし
高慢ちきで、小心者、おまけに童貞という上田のキャラクターを考えれば
いつまでも尊敬を込めて『さん』付けで呼ぶ方が難しいと思う。

『とっさに歌を書き換える千鶴』

臼池の小屋で見つかった亀山歌の”雷鳴りて 我は神なり”の部分は
山田を探す途中で雷が鳴った事を受けて、千鶴が元々用意していた
亀山歌にとっさに書き加えたものである事が判明するというトリックだが
これは亀山歌が不定型詩でなければ成立しないトリックでもある。

ストーリー上も、そういう設定になっているのだが、確かに読んでみると
明神様と手を繋ぎ崖の上から天に舞う空の上から訪れしかな”の方が
歌としても内容的にも、まとまりが良いような気がするのは良く出来ている。

『そしてその上は、布施あ・・・・布施明神の祠のある崖でした』

矢部に続き、仲間由紀恵さんも「布施明(ふせあきら)」と言いかけている。

この布施明神というのは、落ち武者伝説がテーマの横溝正史の小説
六つ墓村・・ではなく『八つ墓村』の八つ墓明神から取ったものだろう。

『山田に暴行を加える矢部と上田』

最初の救出シーンでは映らなかった矢部と上田の衝撃映像。
おでこを叩く、腹部を拳で何度も殴打する。と、どう考えても
人命救助というよりも単に暴行を加えている映像に見える。

上 田 『千鶴・・・この事件が終わったら私の行きつけの箱根・強羅の
      プライベート露天風呂のある旅館に一緒に行こう・・・それとも
      もちろん・・・T・D・Lから始めても一向に構わないがな(笑)』

千 鶴 『・・・あの、大丈夫です。・・・あの、私の事より山田さんの事を』

上 田 『忘れてた!ちょっと待って!!・・・山田!!起きろ!!』

上 田 『私の愛を拒むなど・・・どう考えてもあの時の
      あなたの行動は不自然だったんだ!』

奈緒子 『不自然なのはお前だ!!』

奈緒子が酸欠で瀕死の状態の時に千鶴をデートに誘う上田次郎。
それまでの態度を考えると千鶴の冷たさは不自然に感じるかもしれないが
上田の下心まる出しな言動は、不自然というより不謹慎ではなかろうか。

清三郎 『ダジャレじゃないわよ・・・文学よ!』

奈緒子 『今はただの人殺しの道具だ!』

この清三郎と奈緒子のやり取りには堤監督の個性が良く現れている。
基本的に堤幸彦監督の作品の底流を貫いているテーマは一貫しており
どの作品を観ても『反体制』『反権威』という思想が貫かれている。ハズ。

奈緒子 『あなたは大きな勘違いをしてる・・・哲也さんと二人は
      いとこ同士なんですよね?・・・だったらいいじゃないですか?
      いとこ同士は結婚できるんですよ?』

千 鶴 『大馬鹿者ね・・・あなたは・・・私も好きだったの、哲也さんの事』

奈緒子が”哲也にちょっかいを出していた”事を理由に妹二人を殺した
千鶴の真意を理解できずに言った言葉で、奈緒子の鈍感ぶりに驚く。

普通にストーリーを追っていれば千鶴が哲也のために殺人計画を実行した
動機が”哲也に対する思慕の情”である事はすぐに分かるので、奈緒子が
哲也と千春、千里が”いとこ同士”である事にこだわるのか理解できないが

実は横溝正史の作品には『悪魔が来たりて笛を吹く』『夜歩く』『三つ首塔』
『女王蜂』など”近親相姦”が殺人の動機になっている作品が数多くあり
奈緒子が”いとこ同士なのになぜ?”という疑問を投げかけているのは
「ここは月琴島でも鬼首村でもありませんよ〜」という意味だと解釈できる。

『もっとも・・・私は人殺し・・・家を継ぐのは哲也さんか
 清三郎叔父様しかいないと思います』

たぶん相続人が自分より上位、または同順位の相続人を殺害した場合
その相続人は相続人としての資格を喪失する。という法律があるから。

『亀山の名を捨てよ』

鶴子の遺言状に書いてあった言葉。
社会の変化に対応する努力もせず、ただ先祖から受け継いだ遺産を
食い潰すだけの歴史を重ねてきた亀山家の財政はとっくに破綻していた。

彼らが気づかないうちに、先祖から譲り受けた土地を小作人に耕させ
貴族的な悠々自適の生活を営めていた時代はとうの昔に終わっており
彼ら自身が最も忌み嫌っていた俗世間の荒波に放り出される事となる。

”家屋敷を手放す”という話が出る時点で財政が逼迫している事は
明白だが、農地開放のエピソードも、ここで伏線として生きてくる。

『亀山家解散!!』

何かの作品の引用だろうと思うが元ネタは不明、『STAND UP!』か?

千 鶴 『・・・・その必要はありません』

堤×蒔田コンビでは、おなじみの『犯人服毒死パターン』である。
今のところシリーズ中、一度は必ず登場するパターンになっているが
元々『金田一耕助シリーズ』も犯人の自殺で終了というパターンが多い。

「月も見捨てし この夜は 鐘つき 餅つき 嘘をつき
 夜明けは見えず 命つき」

千鶴が死の直前に詠んだ亀山歌で”辞世の句”と言っても良い歌。

最初の”月”は、運の”ツキ”と掛かっていて、鐘つきは”真実寺の鐘”と
”お金”の”カネを表し、餅つきは”月”に掛かる言葉で”嘘をつき”は
意味の違う”つき”を繰り返しながら、自ら行った犯罪を表している。

”夜明けは見えず”には月も、夜明けも見えない暗闇を読み込む事で
亀山家の未来を暗示し、最後をまた意味の違う”つき”で結んでいる。

画面上では大きな満月が映っているが歌の内容にはあまり関係がなく
月で統一しているワリに”夜明け”と詠んでいるのも唐突な気もするが
これまで出てきた亀山歌の中では、完成度の高い歌ではなかろうか。

『悲しい事件でしたね・・・・あの・・・・それはそれとして・・報酬の方は?』

悲しい事件は悲しい事件として、報酬の事は絶対に忘れない奈緒子。
食事の少なさに文句を言った時は殊勝な事を言っていた上田だが
報酬の話を切り出した時に、特に何も言っていないところを見ると
意外と似たもの同士なところがある上田と奈緒子。

『契約書』

上田が最初に千鶴にサインをねだられた『なぜベス』だったが
実は”報酬は一切請求しない”という旨の契約書になっていた。

この事からも千鶴がハナから上田を利用するつもりだった事が良く分かり
要するに千鶴の上田に対する一見好意的な態度も”事件の証人にする”
という目的と、上田の”大学教授”という地位に対する物だった事が分かる。

『私の妹だったんですよ』

亀山家の人間に無理やり藤二郎との仲を引き裂かれて自殺した
小豆相場と千姫グッズで一山当てた茨城の実業家の娘というのは
亀山家の顧問弁護士、松村の妹(ダンプ松本)だった。

”世を儚んで自殺”というキャラクターと外見のギャップが笑いを誘うが
これは『TRICK2』エピソード1の”お美しい美佐子”と同じパターン。

『それ以来、私はこの家の顧問弁護士として入り込んだんです。
 呪われた一族が自分達の手で滅びていくのが見たかったんですよ』

非常に聞き取りづらいかすれ声で喋る弁護士・松村のセリフ。

実を言うと、松澤一之さんは普段からこういう喋り方をするワケではなく
むしろ普段は甲高くて通る声の持ち主なので、この喋り方は演技の一環。
たぶん映画『犬神家の一族』(1976年)に登場する青沼静馬の真似だと思う。

愛した人を失って復讐の鬼と化した男が復讐のために潜入する。
というパターンは「TRICK2」エピソード2の貢ぎ芋(伊藤俊人)と同じ。

『市松模様の扉ってもしかしてこれの事じゃ?』

廊下の隅に放置されていたタンスに市松模様があった事を思い出した奈緒子。
”鍵も掛かってないのに、誰も見なかったのだろうか?”という疑問が浮かぶが
たとえ奈緒子以前に、このタンスの市松模様の扉を開けた人物がいたとしても
おそらく誰も”遺言がそんな下らない物の事”だとは思わなかったのだろう。

上 田 『これは・・・江戸時代の春画だ!!』

奈緒子 『つまり・・・エロ本!?』

上 田 『イチモツ模様!!』

実に『トリック』らしい、脱力オチ。

「TRICK」らしさ、については『ダークさ』が特徴として語られがちだが
シリーズ1終了直後の堤監督のインタビューを読む限り(下記参照)
製作者側の視点から見ると、実際はそういうワケでもないようである。

堤 同じような構造で『ケイゾク』は、犯人を捕まえてもね、被害者の痛みという
   視点でこの犯人を捕まえる事が本当に正しいかどうか分からないっていう
   ダークサイドに引っ張っていった部分もあるんですよ。

   今回はそんなダークサイドもライトサイドもなく、とにかく何も解決しなかった
   という底抜けに明るい馬鹿馬鹿しさみたいなものがあって僕は非常に好き
   なんです。 【トリック完全マニュアル:光進社より】

episode1 episode2 episode3 episode4(前篇)(解決篇) episode5(前編)(解決篇

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