木曜ドラマTRICKのちょっといい話。

episode3

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第5話】

絶対死なない
老人ホームの謎

ON AIR
2003/11/13

(視聴率)

関 東 15.5%
名古屋 10.9%
関 西 17.0%

【第6話】

絶対死なない
老人ホームの謎
解決篇

ON AIR
2003/11/20

(視聴率)

関 東 17.0%
名古屋 14.9%
関 西 15.8%

【脚本】

林 誠人

【音楽】

辻 陽

【主題歌】

「私とワルツを」

鬼束ちひろ
作詞・作曲/鬼束ちひろ
編曲/羽毛田丈史
(東芝EMI)

【キャスト】

仲間由紀恵

阿部 寛

生瀬 勝久

野際 陽子

姜 暢雄

大島 蓉子

アベディン
モハメッド

高嶋 政伸

近藤 芳正

下川 辰平

杉本 彩

浅野 和之

瀬戸陽一朗

横山 あきお

庄司 永建

森 康子

市川 千恵子

美月 麻帆

土居 由佳理

原 金太郎

依田 昇

福原 秀雄

横山 直子

市川 達也

三沢 一世

佐々木 綾乃

ズィーナオオマエ
(芸優)

楢原 啓明

門 秀一

太田 琴音

【撮影】

斑目 重友

坂本 将俊

【照明】

川里 一幸

【VE】

中村 寿昌

【音声】

清水 良樹

【美術】

稲垣 尚夫

【装飾】

山田 好男

飯沼 明広

【小道具】

杉本 和代

牧野  誠

【スタイリスト】

富樫 理英

【着物コーディネート】

河野 仁子

【ヘアーメイク】

宮内三千代

小林 真由

【タイトルバック】

熊坂 出

【ダンサー】

松田菜々子

【CGプロデュース】

西村 敬喜

【CGディレクター】

小関 一智

【イラスト】

千原 櫻子

【イラスト構成】

井上 雄介

【DC制作】

西 勇哉

鈴木さやか

【HP制作】

前田 秀彦

松崎 みどり

【スチール】

高島 一夫
(文化工房)

【編集】

大野 昌寛

【オフライン編集】

山口 牧子

【M A】

村山  巧

【音楽プロデュース】

志田 博英

【選曲】

渡邊 朋子

【音楽コーディネート】

河原崎 秀樹

【効果】

中村 友美

【協力】

NICE・DAY

江戸川橋スタジオ

TAMCO

グリップアソシエイト

CPルーム

ベレッツァスタジオ

阿ウン

トライアムズ

光映新社

ステップ

JAAA

【音楽協力】

テレビ朝日ミュージック

【技術協力】

池田屋

【美術協力】

BOOTH

えんぎ屋

(株)水晶院

Karrimor

銀座ボーグ

NOMAD

メガネドラッグ

GRAHAM

Aprica

【衣装協力】

HANJIRO

GoldenBear

RAPTY

Eddie Bauer

Per Gram Market

L'EST ROSE

IMAGE

OTTO

【車両】

日本照明

【カースタント】

スーパードライバーズ

【ファイティング
コーディネート】

FCプラン

【ロケ協力】

パークヴィラ陽春館

コーヒー店MAX

学校法人
立正大学学園

東京共済病院

ホテルルートイン北松戸

第一ホテル新松戸

【助監督】

中西 正茂

【記録】

田中 小鈴

【マジックアドバイザー】

藤原 良雄

【エアロビクス指導】

江口 有紀

【制作管理】

三井 孝俊

【プロデューサー補】

上田 直彦
(テレビ朝日)

【ラインプロデューサー補】

大形 美幸

吉田 拳雄

【宣伝】

小久保 聡
(テレビ朝日)

【ラインプロデューサー】

渡邊 範雄

【制作担当】

朝比奈 真一

【製作主任】

坪井  力

【プロデューサー】

桑田 潔
(テレビ朝日)

蒔田 光治

山内 章弘

【演出】

丸毛 典子

【制作協力】

オフィスクレッシェンド

【制作】

tv asahi

東宝株式会社

『丸毛 典子(まるも のりこ)』

今回のエピソードで「TRICK」の演出を初めて担当された監督さんの名前。
「TRICK」には「1」から参加されており、小道具→助監督を経て監督という
異色の経歴の持ち主、日大芸術学部卒、いつもサンダル履きが特徴との事。
主な作品は『学校の怪談2,3』『ekiden』『らせん』『千里眼(映画)』など。

『千里眼の男』(TRICK第8話)を、この方の作品と紹介しているデータもあるが
あれは木村ひさしさんの『トリック』初監督作品であり、丸毛さんは助監督なので
『千里眼の男』を丸毛典子作品というのは、いささかムリがあると思う。

ちなみに『TRICK1』の撮影中、奈緒子のアパートの前で夜のロケを行っていた時に
撮影にならないほどの数の暴走族が集まって来て困っていたところ、堤監督から
トランシーバーで『仲間さんから離れるな!ずっと付いてろ!』と連絡が入ったらしい。
”私も一応女なので、かなり怖かったですが・・”とはご本人の弁。(堤っ:角川書店より)

『林 誠人(はやし まこと)』

今回のエピソードの脚本を担当された脚本家の方のお名前。
トリック以外では『京都迷宮案内』『チープラブ』『もう誰も愛さない』などが代表作。
蒔田氏によれば”論理派で守備範囲が広い”(TRICK完全マニュアル:光進社より)

実はこの方『TRICK1』の中では”真のファン”の皆様に最高傑作の呼び声も高い
『遠隔殺人』(6〜7話)と『千里眼の男』(8話)の脚本を全て担当された方なので
この方の事を”さすがは『千里眼の男』の林誠人!!”と言うのは間違っていない。

『ブラックジャック?』

2003年に『ブラックジャック』と聞くと、つい『よろしく』の方を想像してしまうが
堤監督は『ブラックジャック』(原作:手塚治虫)をこれまで3回ドラマ化している。
堤版B・Jではブラックジャックを本木雅弘、Dr.キリコを森本レオが演じていた。

『パン屋』

ショーウィンドウに張り付いて、店主にムリヤリ手品を披露する奈緒子。
仕事がない時の食糧確保の方法が登場したのは初めてだろう。

『人間ポンプ』

ここでは、一度飲み込んだものを口から自在に取り出す演芸の事。
『TRICK1』第8話『千里眼の男』で『ラドンびっくり人間コンテスト』にも
同じ芸を持つオッサンが登場していたが、オッサンの方は失敗していた。

奈緒子 『・・・三日は持つかな(笑)』

『御告者』(『TRICK2』エピソード4)に初登場した奈緒子の主食・パンの耳。
両手にパンの耳が目一杯入ったビニール袋を抱えて笑顔一杯の奈緒子。

奈緒子 『す・・・すりすりすりっとぉ!!』

帰ってきたところに、また大家・池田ハルと出くわしてしまう奈緒子。
スリット美香子のネタ『すりすりすりっと』を唱えながら洗濯物の後ろに身を隠すが
あっさりハルに発見されてしまう。しょせんインチキはインチキといったところか。

奈緒子 『すっぽん!?』

池田荘の前になぜか置いてある生きたスッポン。
スッポンといえば日本では古来より貴重な蛋白源として珍重されているが
強精剤としてもつとに有名で、池田ハルがスッポンを手に入れて来たのは
主にジャーミーとの”夜の生活”を充実させるためのようである。オエ。

ジャーミー 『カメクッテコメクッテシアワ〜セ〜カゾク〜♪』

ジャーミーといえば『雨の法善寺横町』を粉々に変形した『貧乳の歌』が
トリックファンの間では有名だが、今回は元ネタも分からない珍曲。

奈緒子 『家賃なら明日!!・・・オーストラリアの宝くじが当たったら必ず』

ハルに家賃を催促されると思い、また宝くじが当たったら払うと言う奈緒子。
第一話ではブラジルの宝くじだったが、今度はオーストラリアの宝くじ。
『母の泉』篇では『母からギャンブルは禁じられているので・・・』と言っていたが。

上 田 『大家さんにカメパーティーに呼ばれてな』

奈緒子 『カメパーティ?』

前回のエピソードで、部屋の鍵を新しいものに替えているはずなのだが
またも、まんまと留守中に勝手に奈緒子の部屋に上がりこんでいる上田次郎。
上田の意味不明な『カメパーティー』という言葉には、またも卑劣な企みが・・・

上 田 『大家さん、家賃の事気にしてたから、オレが上手くやっておいてやった』

奈緒子 『気が利くじゃないですかガラにもなく
      ・・・・ってだから何でパネルなんですか!』

上 田 『YOU・・・・・世の中は持ちつ持たれつだろ?』

なぜか等身大のパネルの後ろから奈緒子に話しかける上田次郎。
奈緒子の言うとおり”なぜパネルなのか?”意味がまったく分からない。
上田の「もちつもたれつ」は、この後に続く”いつものお願い”の前フリだろうか?

上 田 『ところで君はこんな話を知っているか?』

奈緒子 『イヤだ!!聞きたくない!!』

これまで何度となく上田のおかげでやっかいな事件に巻き込まれてきた奈緒子。
そのきっかけが大抵「ところで君はこんな話を〜」という上田のセリフである事を
学習した奈緒子は『上田の話を聞かない』という抵抗を試みるが・・・・

上 田 『あ、そうそう・・・洗濯物取り込んでおいたぞ』

奈緒子 『・・・・何をたくらんでいる?』

また、奈緒子の洗濯物(貧乳ブラ)を勝手に取り込んでいる上田。
いつもながら完全にセクハラで告発できる犯罪行為を繰り返す上田だが
すでに奈緒子の関心はそこには無く、上田の悪巧みの方が心配な様子。
しかし、もうちょっと下着を勝手にいじられている事に反応してもいいと思う。

上 田 『ある少年が一万年生きるカメというのを飼っていた・・・・』

奈緒子 『イヤだってば!』

上 田 『ところが買った翌日に亀は死んでしまった・・どうしてだと思う?』

奈緒子 『食べちゃったんだ!!・・・エヘへへへ!』

上 田 『寿命だったんだよ、翌日が亀の生まれてから1万回目の誕生日だった』

奈緒子 『なるほどね・・って誰が亀の歳を数えていたんですか?一万年もの間』

上田 『・・・・細かい事はいい。いいか、この話から導き出される教訓はひとつ。
     どんな長生きな生き物でも必ず死は訪れる。という事だ』

『1』では四桁の四則演算とかベルヌーイの定理とか学者らしい発言が多かったが
最近は手品だったりクイズだったり、助教授時代よりも退化している感じの上田。
しかし奈緒子をたくみに誘導する話の進め方は上手くなっているような気がする。

『京国屋書店』

奈緒子によると”日本でいちばん大きな本屋さん”の名前。
実際、日本で一番大きな本屋さん”紀伊国屋書店”から名前を取ったものだろう。

『京 明日香(きょう あすか)』

京国屋書店の社長夫人、京明日香を演じるのは杉本彩さん。
1968年7月19日生まれ、京都市出身。特技:ダンス(アルゼンチンタンゴ、ソシアル)
1987年に東レキャンペーンガールとしてデビューして以来、グラビアモデル、歌手
女優と、幅広いジャンルで活躍し
昨年は”セックスレス”を理由に離婚して話題に。
近作には『美少女戦士セーラームーン(実写版:TBS)』や映画『花と蛇』がある
日本人離れしたプロポーションと言動で、ラテンの匂いを漂わせる女優さん。

”京明日香”という役名は上田が名刺を見て『今日・・明日?』と言っているように
『今日か明日か』という死にかけの老人の様子を表しているのだろう。

『絶対に死なない老人ホーム』

京明日香によれば最低でも10億円の入会金が必要な老人ホーム。

ネタ的には、放映当時、真裏の枠で放送していた高級老人ホームを舞台にした
老人の生態を描いたドラマ『エ・アロール(TBS)』(原作:渡辺淳一)のパロディらしく
上田の”一万年生きる亀のナゾナゾ”は、この話に繋がる長いマクラであった。

『上田次郎フェアー』

絶対死なない老人ホームの謎を解き明かしたあかつきには、その謝礼として
”書店の一階中央アプローチ台の平積みで『上田次郎フェア』を大々的に行う”
と、上田に約束する京明日香だが、日本では学術書や一部の書籍を除いて
一般に市場に流通するほとんどの書籍は”再販売制度”の対象となっているため
たとえ何冊仕入れようと”売れなければ出版社に返本する事が出来る”のである。

日本一の書店で『上田次郎フェア』を組まれる事は確かに名誉かもしれないが
本が売れて増刷でもされなければ、上田にとってはまったく収入にならないし
仮に上田の本が買い取り扱いだったとしても40億の資産があるワリにはセコイ謝礼。

奈緒子 『上田次郎ヘア?・・・つんつんって・・』

『上田次郎フェアー』という言葉を聞いた奈緒子が上田の頭を見ながら発言。
実は今回の『木曜版TRICK』が始まった時から上田次郎の毛髪力が『1』の頃より
落ちているのではないか?と、上田ヘアーの矢部化が一部で心配されている。

『社団法人 魯人老人ホーム』

”絶対死なない老人ホーム”の正式名称。
名称のネタ元は思想家、革命家としても名高い日本と縁の深い中国人作家:魯迅か?

【魯迅】 本名・周樹人。1881年9月25日生まれ、中国南部・浙江省紹興市生まれ。
     1902年に来日し仙台医学専門学校(東北大学医学部の前身)で学んだが
     「中国の民族性の改造には文学が必要」と決意して帰国、文学活動に専念した。

     小説「狂人日記」は口語体による儒教批判で当時の文学界に衝撃を与えた。
     主な作品に「阿Q正伝」「彷徨」「故郷」「藤野先生」など。

中国人で”不老長寿伝説”言えば、秦の始皇帝の密命を受けて不老長寿の秘術を
探すために日本に渡って来たと言われている”徐福”が有名だが、魯迅と徐福の間に
特に繋がりは無いし、魯迅自身は1936年10月19日没(享年55歳)で、当時としても
長寿というワケでは無く、魯人老人ホームの名は”単なるゴロ合わせ”の可能性が高い。

『万田 亀太郎 (まんだ かめたろう)』

魯人老人ホームの理事長、万田を演じるのは近藤芳正さん。
1961年8月13日生まれ、愛知県出身。
(株)ユマニテ所属

近年は多数のドラマに出演し、バイプレイヤーとして引っ張りだこの俳優さんで
仲間由紀恵さんとは『顔』(2003年:CX)『武蔵』(2003年:NHK)などで共演。

『5年後には名誉教授の上田です』

2002年はノーベル賞受賞のニュースで小柴東大名誉教授の名前を聞く事が
多かったが”名誉教授とは何か?”と聞かれると正確に答えられる人は少ないだろう。

大学の教官には定年があるので、定年を迎えた教官は退官しなければならないが
その際に一定の基準を満たした年数(10年とか)教授職に就いていた教官に対して
”名誉教授”の称号が授けられる事になっている。しかし、あくまで”称号”なので
別に大学から報酬が出るわけではなく”名誉”といった程度の意味しかない。

上田次郎は30代後半で教授就任という異例のスピード出世を果たしているが
通常は”長い助教授時代を経て40代後半〜50代でやっと教授”という人も少なくなく
”定年を迎えるまでに名誉教授の称号を得る基準を満たせない”という場合も多くあり
定年まで教授を勤め上げれば、黙っていても名誉教授になれる事が確実な上田が
5年で名誉教授になる必要は全く無く”何となく偉そうなので言ってみた”だけだろう。

『うどん』

魯人老人ホームにやたらと貼ってあるお習字に書かれている文字。
他にも『医食ピーマン』『カラオケ魂』『若返り太極拳』『ラヂオ体操』等がある。

『増毛の湯』

魯人老人ホームにある温泉で”ますものゆ”と読むらしい。”まるも”ではない。
どう見ても看板には”三月つかれば途絶えてしまった毛も甦る”と書いてある
ように見えるが、実際は文字の一部が消えているだけで”三回”が正しいそうな。

奈緒子 『・・・って、なに食ってんですか?』

上 田 『・・・・懐かしいだろ?』

パンの耳をかじる奈緒子の目の前で上田が食べ始めたのは”わらび餅”。
「TRICK」では上田の好物という設定になっていて、上田の初登場シーンでも
わらび餅を食べるシーンが登場したが「2」以降で登場するのは久しぶり。
これも”原点回帰”とかマニア向けのサービスネタという事だろう。

ちなみに”わらび餅”は上田役の阿部寛さんの好物でもある。

『田園調度病院』

古川良平が一度死んだ時に入院していた病院の名前。
全国的に高級住宅地として有名な”田園調布”から名前を取った事は明白。
検索してみたところ”田園調布病院”は無いようだが”田園調布中央病院”は
実在しているので、ネタというより実在の病院と名前が被らないための配慮だろう。

『小山 信子 (こやま のぶこ)』

古川良平の最期を看取った田園調度病院の看護士の名前。
常識ハズレの”秩父山脈”の持ち主で、出身地不明の訛りが特徴。
テロップには出ていないが、どうやら演じているのは土居由佳里さん。
土居さんは仲間由紀恵さんと同じ(株)プロダクション尾木に所属している。

上田 『・・・・貧乳のYOUには実に羨ましい話だろ』

奈緒子 『・・・ただのスケベジジィじゃないですか!』

またも貧乳ネタ。さすがに、こうも連発されるとオナカ一杯。

『しょう油、マヨネーズ、ドレッシング?』

上田の話を聞いている間、奈緒子がパンの耳につけていた調味料。
”ドレッシング”はノベライズ本に”ソース”と書いてあるのでソースかもしれない。

『古川 良平 (ふるかわ りょうへい?)』

巨乳好きのエロジジィ古川のじいさん役を演じるのは横山あきおさん
1930年9月26日生まれ、富山県出身。
堤監督の作品には『ケイゾク・特別篇』(1999年TBS)にも出演している。

場末のラーメン屋のオヤジとか、貧乏公家だとか結婚詐欺師なんて役が
妙にハマる横山あきおさん、元々は”青空あきお”という芸名の芸人さんだとか。

『大隈のばあさんな、元スクールメイツなんだよ!』

大隈のばあさんこと、大隈重子を演じているのはたぶん市川千恵子さん。

スクールメイツというのは1960年代後半から『紅白歌合戦』『レッツゴーヤング』など
数々の歌番組、バラエティ番組でダンスやバックコーラスを担当していた団体の事。
渡辺プロダクションが設立した東京音楽学院の生徒で構成され、布施明、森進一
太田裕美、キャンディーズ、川島なお美、森口博子などが在籍していた事もある。

『千田 鶴次郎 (せんだ つるじろう)』

魯人老人ホームの副理事長・千田を演じるのは浅野和之さん。
1954年2月2日生まれ、東京都出身。
SISカンパニー所属

この方も近年の連続ドラマには欠かせない役者さんだが、堤作品はこれが初出演。
千田が初登場の時から、しきりに首を捻っている理由は後に明かされる事になる。

『赤地 洋司(あかち ようじ)』

なんでも物を元通りにできる力を持つ男、赤地洋司を演じるのは高嶋政伸さん。
映画スター、高嶋忠夫と元タカラジェンヌ、寿美花代の子供というサラブレッドで
1967年10月27日生まれ、東京都出身。
東宝芸能所属

赤地洋司という役名には”赤ちょうちん?”など、諸説が飛び交ったが「HOTEL」
(1990〜TBS)で高嶋さんが演じた赤川一平の役名から来ているのではないかと思う。

赤 地 『上田先生のご本は全て拝読しています』

上 田 『・・・・・ドンと来いを?』

赤 地 『もちろん!』

上 田 『おぉ〜〜!!・・・・あの冒頭は私も気に入っていましてね・・・』

毎度の事だが”先生のご本の読者です”という言葉に弱い上田次郎。
今回も赤地に著書の話を持ち出されると急に上機嫌になって語りだす。
上田のおだてに乗りやすく、おっちょこちょいな性格が良く現れているシーン。

『どんな物でも、この世に存在する物なら全て元通りに直す事が出来ます』

赤地洋司が持っていると主張している特殊能力。
老人をターゲットにしているという点は『千里眼の男』桂木弘章と近いモノがある。

『戻れ〜・・・・もどぉ〜れ〜もどぉれ〜』

赤地洋司がこの呪文を唱えるとアラ不思議。物が元通りになってしまう。
BGMでフラメンコギターの音(ラスゲアード奏法とかいうらしい)が流れる。

上 田 『テロメア、ナノテクノロジー、ヒトゲノム計画・・・』

奈緒子 『エロメカ?なんて奥手の老人?、何気に無計画?』

テロメアとは染色体の末端に相当し、線状ゲノムDNAの末端部分に当たる。
細胞は分裂する際に必ずDNAの複製を行い遺伝情報を二倍にコピーしてから
それぞれ一つずつ娘細胞に渡すのだが、このDNA複製の際にテロメアDNAの
末端部分は完全に複製される事は無いためテロメアは複製を繰り返すほど短くなる。
そのためテロメアDNAは”生物の寿命を決定する老化遺伝子”とも言われている。

ナノテクノロジーとは”小型で、新しい特性を持った、材料とデバイスに統合された技術”
の事だそうで、例えば1mmの百万分の一(ナノメートル)単位の医療器具の開発により
脳や血管に直接機械を送り込み、人の手では不可能な治療を行う。といったものが
次世代のビジネスとして、世界中の研究者、企業などで研究が進められている。

ヒトゲノム計画とは、ヒトゲノム細胞のDNA(遺伝子)解析を進める事により
老化や細胞再生を司る遺伝子を解明し、その遺伝子情報を書き換えることにより
遺伝病や、老化現象を防いだりしようという夢のような計画の事。

どれも長寿と密接な関係がある研究だが、まだ本格的な実用段階には至っていない。

奈緒子 『だしガメ?』

”鍋にだしガメを入れますよ〜”というハルの言葉でようやく可愛がっている
ペットのカメたちが部屋の中から姿を消している事に気づいた奈緒子。

日本ではスッポンや海ガメ以外の亀の肉や卵を食べる習慣はなく
ハルに上田が善からぬ入れ知恵をしたと考えて間違えないだろう。

『チキンラーメンどんぶり』

奈緒子の部屋のテーブルの上に、さりげなく置いてあったインスタント食品。
「TRICK2」第7話『人面タクシー殺人事件』でも段ボール箱だけ登場した
仲間由紀恵さんをCMタレントとして起用している(株)日清食品様の製品。

今回は日清食品様が番組スポンサーになったためか、晴れて商品が画面に登場。
しかし、そのせいで”奈緒子がパンの耳を食っている理由”が分からなくなっている。

『カメ1、カメ2』

カメは「TRICK」の頃から奈緒子のペットとして登場している動物だが
「1」に登場したカメ(トメ・タネ・ルネ)とは名前が違うので別ガメなのだろう。
『食べちゃったんだ!!・・・・エヘへへへ!!!』という事は無いと思うが。

上 田 『家賃の代わりに払っておいた、大家さんがカメでもいいって言うんでな』

案の定、カメを大家:ハルに明け渡したのが上田だったことが判明。
どうせハルに”カメがダシになる”とかそそのかしたのも上田だったのだろう。
今回のシリーズでは一貫して、卑劣な企みによって奈緒子に協力を強いる上田。

『カメナベ!カメナベ!!』

第一話の『ふたご!ふたご!ふたごー!!』と同じパターン。
阿部さんのセリフの言い方から”してやったり”という上田の”得意満面な感じ”が
ヒシヒシと感じられ、上田の”ガキっぽさ”や”無神経さ”も良く伝わってくるセリフ。

『返してくれカメ・・・頼む・・・友達いないんだ・・・』

部屋から去った上田にカメを返してくれるよう懇願する奈緒子。
”友達がいない”のは確かに奈緒子の基本設定だがこのセリフはあまりに切ない。

『品川 5 せ 40−68』

上田の愛車”次郎号”のナンバープレート番号で「TRICK1」以来変っていない。
テレビ朝日・六本木ヒルズ新社屋1Fロビーで行われた”トリック珍宝館”に展示された
この”次郎号”と”奈緒子のTシャツ”の小ささには会場を訪れた誰もが驚いたという。

『魚・・・・日・・・人?』

魯人老人ホームの看板を見て”魯”をわざわざ魚と日に分けて読む奈緒子。
そこまでムリをして変な読み方をする必要は無いような気がする。

上田 『赤地先生と午後2時にアポを取ってまして・・・』

奈緒子 『ア〜ポー!!アポー!!』

”アポ”というのは”アポイント(約束)”の略であるというのは社会人の常識。
アポの意味が分からずに、プロレスラー・ジャイアント馬場(1938〜1999)の
全く似ていないモノマネをする奈緒子に上田も万田もさすがに呆れ顔。

『サード助手の山田』

理事長・万田に奈緒子の事を聞かれて上田が答えた言葉。
前回の『三番助手』を英語で言っただけで内容的には同じ意味。
テレビや映画の世界ではファースト、セカンド、サードの方が一般的。

上 田 『カメカメカメカメカメブラッド・・・ごくごく・・・健康』

上田の『おじいちゃん好み』という言葉を否定しようとした奈緒子の耳元で
上田がささやいた言葉、なぜかメロディーがついており、即興の歌。
不気味な歌詞の内容からしてヘビメタ調のアレンジが似合いそうではある。

上 田 『オイ!!土足厳禁だろ山田!!なにやってんだ!!』

奈緒子 『靴箱もないのか?ここは』

実は前回、魯人老人ホームを訪れた時に同じ事を注意されていた上田だが
同じミスをした奈緒子に対して鬼の首を取ったように偉そうな注意をする。
奈緒子が気づいた些細な違和感が実は事件の真相に迫るキーワードであった。

古 川 『あんたからは秩父の山の匂いはせんなぁ』

奈緒子 『・・・ちち?』

上 田 『老人を悲しませる・・・罪な貧乳だな』

またも貧乳ネタ。さすがに貧乳ネタはもう飽きた。

『怖いニャー!!』

赤地が”粉々に砕いた後再生する”という招き猫の気持ちを腹話術で代弁する奈緒子。
番組前に放送されていた『トリック・この後すぐ!』でも6、7話で腹話術ネタが使われた。

赤 地 『ブラボー』

親指、人差し指、中指を立てて、顔の前で横に振る赤地。元ネタ不明。

上 田 『アレはただのナノテクノロジーさ・・・あの箱の中に
      分子レベルのロボットが無数に入っていて・・・』

奈緒子 『あれは・・・すり替えマジックです』

単純な事をわざわざ難しく考えてドツボにハマる上田とアッサリそれを否定する奈緒子。
『TRICK』第一話のオープニングに登場した『フーディーニ』のエピソードを思わせる
二人の、このキャラクターが『TRICK』という作品における基本設定でもある。

『魯人!!魯人!!』

老人ホームの広場で、老人たちと一緒になってダンスに興じる上田教授。
隣の婆さんに”スジが良い”と褒められて気を良くした上田が叫んだ言葉。

『じゃ・・・遠慮なく!!』

車椅子の老人が差し出した大福を皿ごと食べ始める奈緒子。
赤地が部屋に入ってくるまでに奈緒子が食った大福の数は、推定6個。

途中に何度もカットが入っているので、その都度食べたものを戻す事も可能だが
CMの撮影でチキンラーメンどんぶりを三食も完食したという仲間さんの事だから
ぜんぶ本当に食べていたとしても、まったく不思議は無い。

『赤地 茂蔵 (あかち しげぞう)』

赤地洋司の父親、赤地茂蔵を演じるのは下川辰平さん。
1930年12月11日生まれ、福岡県出身。

下川辰平さんと言えば、何と言っても70年代の刑事ドラマを代表する大ヒット作
『太陽にほえろ』(NTV)の”チョーさん”こと野崎刑事役が有名であろう。
その他にも数々のドラマに出演されているが堤作品は今回が最初で最後となった。

2002年ごろから糖尿病治療のために入退院を繰り返し、ちょうどこのエピソードが
放映された頃に生まれ故郷の福岡へ引越し、療養生活に入られていたらしい。

2004年2月には、壊死を起こしていた左足をひざ上5cmから切断されたそうなので
赤地茂蔵が、ほとんどのシーンで車椅子に座っているのは、撮影が行われた時点で
すでに立って演技をするのが難しいほど、病状が悪化していたという事なのだろう。
2004年3月25日、福岡市内の病院で敗血症のため逝去された。

『注意?・・・・生き返らせられるのに』

奈緒子の前で父:茂蔵に健康のために甘いものは控えるよう注意する赤地洋司。
その不自然な言葉に、鋭く目を光らせる奈緒子だが、どうやら赤地は奈緒子が
それに気づく事をあらかじめ予見したうえでワザと言ったようだ。

『紙相撲』

千田鶴次郎と万田亀太郎がツルとカメの絵を描いた紙人形で紙相撲。
カメは『トリック劇場版』で糸節村の能舞台に描いてあった絵にそっくり。

奈緒子 『・・・・え、どこがですか?』

古川の爺さんが『大変な事なことをやらかしちまった!』というので話を聞いてみたら
単なる老人の痴話ゲンカだったのだが、なぜか『そりゃ大変だ』と答える赤地。
要するに、古川のじいさんが話を持ってくるところから芝居だった事が良く分かる。

奈緒子 『上田・・・なにやってんだ?』

上 田 『うるさい!!今、人生を学んでるんだ!』

『千里眼の男』で登場した上田のマンションにあったのが”ツイスターゲーム”。
このゲームは本来2〜3人で行うものだが上田は1人遊びを得意としていた。

そして、今回ついに”一人ツイスター”を卒業する事が出来た上田教授。
対戦相手は上田の想像に登場していた”よね子”とは似ても似つかない
大隈のばあさんだが、上田自身はかなり楽しそうに見える。

『切った紐を繋げるマジック』

赤地洋司が仲直りのおまじないとして古川、大隈の前で披露した初歩的マジック。
今、テレビでこの芸を見せるプロのマジシャンは奈緒子とマギー司郎ぐらいだろう。

赤地 『じゃあ古川のおじいちゃんの大好きな歌をみんなで歌おう!』

古川のじいさんの好きな歌は童謡”ふるさと”(作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一)
ちなみに『もみじ』『春の小川』などの童謡唱歌も同じ作詞、作曲家の作品。

この歌が事件の謎を解く重要なキーワードになっているのだが、後の展開を考えると
ここで赤地がこの歌を唄わせたのも奈緒子に強く印象付けるためだったのだろう。

『でも・・・インチキはインチキですよ!』

赤地の紐を繋げるマジックの種明かしを見て”嘘も方便”的な感想を漏らす上田に
奈緒子が言った言葉で、このインチキ超能力を許さない姿勢は奈緒子の基本設定。
『トリック劇場版』や”トレビの泉”では自分でインチキを働いていたが基本は基本。

『弾も取り出しておいたから』

自ら銃で胸を撃った古川良平を甦らせた赤地が取り出したという弾を渡す。
しかし、このシーンで使われている銃は、ライフルでなくショットガン(散弾銃)なので
ショットシェルに収められた弾丸(数百発の小さな鉄球)は、発射と同時に銃口から
スプレー状にばら撒かれるため、赤地が手渡したような大きな弾丸が残る事は無い。

『見切った・・・お前らの悪事・・・』

すすんで自らに銃口を向ける古川、千田の様子を見て奈緒子が叫んだ言葉。
予告編に登場し、なぜか本編でカットされた奈緒子の『ボンゴレお見通しだ!』
衣装や背景の様子から見て、このセリフの後にあったのだろうと思われる。

『ボンゴレ』は赤地の『もど〜れ〜オーレィッ!』に対応したセリフだったのだろうが
『オーレィッ!』はフラメンコなのでスペインが起源、対してボンゴレはイタリア料理と
ネタとして微妙にズレているのもカットされた理由のひとつではなかろうか。

『ここにはね・・増毛の湯という温泉があるんです!』

案の定、増毛の湯に反応していた矢部。
今さらだが矢部のヘアースタイルは『TRICK』の時の髪型に戻っている。

『東大!!』

奈緒子に東大と言われた途端、真面目に働き出す菊地。
菊地の”東大出身”という妙なプライドが顔をのぞかせているシーン。

奈緒子 『肉の多い大乃国』

上田に『逆ですよ』と言った後に奈緒子が言った言葉。
逆から呼んでも同じ言葉で、いわゆる回文になっている。

奈緒子 『グルなんですよ・・・あの4人が』

矢 部 『あ、グルクンか?』

奈緒子 『それ・・魚じゃないですか』

グルクンというのは沖縄特産の魚の事で、沖縄の県魚にも指定されている。
沖縄では一年を通して捕れる白身魚で、から揚げ、刺身、かまぼこ、フライ
干物、燻製など、その利用範囲は幅広く、沖縄の海を代表する海産物。

『矢部の携帯の着メロ』

矢部の着メロのメロディーは「TRICK2」に登場した”六つ墓村の子守唄”。
テレビ朝日の携帯サイトでも有料配信されていたので持っている人も多い。

『お前達は人殺しだ!』

口々に『人殺し』と言いながら、矢部と奈緒子を取り囲む老人達。
トリックには教団ぐるみ、村ぐるみの犯罪という事件が良く登場するため
必然的に村人や信者に取り囲まれたり追い回される機会も多くなる。

奈緒子 『できますん』

”私は死を選ぶおそれなどない”以上に紛らわしい奈緒子のセリフ。
元ネタは『IWGP』のキング『死にますん』マコト『どっちだよ!?』から。

『なぜベストを尽くさないのかの上田教授の物理学研究所−天才の間−』

上田の研究室の扉に貼ってある看板に書いてある文字。

『めでたい』

初めて『魯人老人ホーム』を訪れた時に赤地洋司が披露した芸。

実は”死んだはずの魚が泳ぐ”という芸は別に珍しいモノでもなんでもなく
実際は死んだのではなくて気絶した魚が息を吹き返しただけに過ぎない。
板前には骨だけになった鯛を泳がせるというスゴイ技術を持つ者もいるとか。

『入会希望者が殺到した』

入会希望の老人達が持っているのは金のインゴット、つぼ八、金の分銅など。
今回のエピソードは監督、脚本が『千里眼の男』のスタッフだった関係で
『千里眼の男』がらみの小ネタが多くなっているようだ。

『矢部と菊地の入浴シーン』

イケメン俳優・姜暢雄、入魂の全裸入浴シーン(修正あり)だが、残念ながら
これまでのシリーズ作品に登場した矢部&石原の入浴シーンと大差ないため
”菊地と矢部で”このシーンを撮影する意味はあまり感じられない。
まぁ、ネタ的には矢部のためのシーンなのは確かだが。

奈緒子 『上田さんそれですよ!原因は・・・借金!!』

千田の死因の謎を解く奈緒子のセリフで、千田がずっと首を傾げていたのは
”借金でクビが回らない”というネタだった事が、ここでようやく分かるようになる。
アコム・レイク・プロミスなどの消費者金融業者がスポンサーに名を連ねていた
『TRICK2』までなら、絶対に考えられない千田の死の原因である。

考えてみれば23時枠当時、あれだけスポンサーに消費者金融が名を連ねていながら
極貧マジシャンの奈緒子が一度も借金をした事が無いのも不思議と言えば不思議。
奈緒子じゃサラ金の審査も通らないって事だろうか?

上 田 『老いてなお、お盛ん・・・羨ましいですな』

奈緒子 『今なお、童貞・・・・羨ましいだろ』

良く考えたら、今回のシリーズで初めて登場した上田の童貞ネタ。
上田=童貞ネタの初出は林誠人さんが脚本を担当した『TRICK』第6話らしい。

『お前のやった事は、全部すべてスリットお見通しだ!・・・オーレィ!!』

奈緒子のキメ台詞、さっそく赤地のネタ”オーレィッ!”をパクッている。

『もどーれー秋の特別スペシャル、あなたはこの衝撃に耐えられるか?』

赤地の”もど〜れ〜”の秋の特別スペシャルバージョンらしい。
名前は、春・秋の番組改変期の特別番組にありがちなタイトルって感じ。

奈緒子 『・・・おてもやん?』

”招き猫”に続いて、赤地が持ち出してきたのが”おてもやん人形”。
”おてもやん”は熊本県に伝わる民謡で、不細工な女性を表す言葉でもあるが
ここで登場した人形の姿形が一般的な”おてもやん像”というワケではない。

上 田 『上田次郎にノーベル物理学賞を!!』

奈緒子 『カルビ・・・ロース、タン塩、ミノ・・エヘヘヘ・・ギアラ・・食わせろー!!』

”おてもやん”を破壊し始めると、原始の記憶が甦ったのか凶暴化する二人。
口々にむき出しの欲望を口走りながら興奮気味に破壊行動を続けているが
名誉欲の上田と食欲一本槍の奈緒子の対比がキャラクターの違いを表している。

『元に戻れ〜〜、もど〜れ〜もど〜〜れ〜〜〜〜オーレィッ!!』

赤地洋司のもど〜れ〜秋の特別スペシャル。いつもよりかなり長い(笑)

奈緒子 『・・・・上田さん・・・何か言ってくださいよ』

上 田 『・・・・・・・・・・ギャフン』

赤地たちに”ギャフン”と言わせてやると意気込んで乗り込んできた奈緒子だったが
あべこべに赤地洋司一味にやり込められて、上田が”ギャフン”と言わされてしまう。
自分で手も足も出なくなると、最終的に上田に助けを求めてしまうのも奈緒子らしいし
肝心な時にまったく頼りにならないのも上田らしい(笑)

奈緒子 『動かないで下さい』

上 田 『なんだよ?・・・!!・・・・君も・・・ついに』

上田の股間にくっついていた”おてもやん”の破片を手に取ろうとする奈緒子と
何か、とてつもない勘違いをして一人で興奮している上田(笑)
「・・・ついに」って事は、上田的には心に期するものがあったという事だろうか?

『おてもやん復元のトリック』

実際に行われていたのは奈緒子の想像すら超えた常識ハズレの人海戦術トリック。
しかし”ついたてに隠れて移動できるなら、破片を持って帰ればいいのでは?”とか
”破片を組み合わせるより新しいものを持ってきた方が早いのでは?”という疑問が。

『ですから、お婆ちゃまには少しでも長く・・出来たら永遠に生きていて貰いたい』

実は今回の事件の謎を全て言い表している京明日香の言葉。
考えてみれば犯罪の動機が”怨恨”や”因習”のようなエモーショナルなモノではなく
”節税”だとか”保険金”という純粋に経済的な理由なのも[TRICK]としては異色で
このあたりにも、脚本を担当する林誠人さんの特徴が現れているのかもしれない。

『ひじきパフェー、巨根ケーキ、貧乳プリン、焼肉パフェー、しょうが焼きプリン』

上田と奈緒子がフルーツを食う、古風な喫茶店に貼ってあるメニューの数々。
店の奥で”ひげのマスター”がグラスを磨いているのは、脚本:宮藤官九郎のドラマ
『マンハッタンラブストーリー』(TBS)が元ネタ。ロケ地はコーヒー店MAX。

『ピカ!』

堤監督は雑誌のインタビューで”1回でやめる”ような事を言っていたのだが
結局、堤→木村→丸毛と3人の監督に引き継がれている今作初登場のネタ。
今回は電球が四個着いて一個消えており、またもやバージョンアップ(笑)

奈緒子 『チ・チ・チ・チ・・・・・秘密は巨乳とウサギが握っています』

赤地一味の悪巧みを解き明かした奈緒子。チ・チ・チ・チは”乳”の掛詞か?

『お前らのやった事は、全部すべてすりっとまるっとお見通しだ!』

また、ちょっと長くなった奈緒子のキメ台詞で”まるっと”は「2」から登場したもの。

上 田 『お前はすでに・・・死んでいる』

古 川 『ケンシロウ?』

あえて書くまでも無いと思うが人気漫画『北斗の拳』の名ゼリフネタ。

『とうとう正体を現したな・・・この・・・・ニセモノめ!』

古川の不用意な発言を聞き逃さなかった奈緒子。ニセモノめ!が妙に可愛い。

『兎(うさぎ)美味しいかの山』

ホンモノの古川の爺さんが額に入れて飾っていた”ふるさと”の間違った歌詞。
正しくは”ウサギ追いし”で、ウサギを追いかけて野山を駆け巡った想い出を詠っている。
確かに間違いやすい歌詞だが良く見ると”小鮒吊りし”も間違っている。正しくは”釣り”。

赤 地 『時給560円』

奈緒子 『・・・高ぁい』

赤地洋司の『時給560円』という言葉を聞いて奈緒子はウットリとしているが
2003年度の東京都の最低賃金は708円、最も低い沖縄県でも604円である。
魯人老人ホームの560円は明らかに最低賃金法に違反しており、ここでも違法。

『先生ありがとう!!さようなら〜』

奈緒子に秘密を暴かれたので、家に帰っていく老人達のセリフ。
全員、知っていて詐欺の片棒を担いでいたのだから詐欺罪が適用されそうだし
古川良平に関しては、千田の殺人幇助の罪に問われてもおかしくないので
矢部と菊地は老人たちを、あっさり家に帰してはいけないはず。

『それは任意同行です!!刑事しょそうほう・・・・』

ホントは『刑事訴訟法』と言うべきところだが、上手く言えてない姜暢雄クン。
別に”菊地滑舌悪いぞネタ”というワケでもないようだが、そのままオンエア。

『あなたが、この老人ホームを作った本当の目的は・・・』

実は、いずれインチキ超能力が暴かれる事も計算の上だった赤地。
その赤地が魯人老人ホームの計画に関わった、真の目的とは・・・・

赤 地 『あの人が聞いた”戻れ!戻れ!”という声は死の世界から
     呼び戻そうとした声じゃなく海の中につき返そうとした声だった』

おしどり夫婦に、親の跡を継いで俳優になった二人の息子(政宏、政伸)と
理想的な家族のように見える高嶋家だが、実は暗い事件の被害者でもある。

実は、高嶋家で最初に生まれた男の子は当時、住み込みで働いていた
家政婦の手で、高嶋夫妻の留守中に自宅の浴槽で殺害(溺死)されており
本当なら高嶋政宏、政伸の兄弟の上にもう一人お兄さんがいたのである。

そんなワケで赤地の”父殺し未遂”のエピソードは結構シャレになっていない。

茂蔵 『こいつらにもお前の力を見せてやれ!』

茂蔵が持ち出してきたのはまたしてもショットガン。
千田が自殺した時に使った銃は当然警察に証拠品として押収されているはず。
いったい、この老人ホームには何丁ショットガンが置いてあるんでしょうか?

『ムリですよ・・・・・この人たちが言ってることは本当です。
 僕にはそんな力は無い・・・・インチキですから』

命を懸けて息子の潔白を晴らそうとした父:茂蔵に対する赤地の突き放すような
言い方と表情がダークな後味グルメの皆様には大変な好評を博した、このセリフ。

実は、ノベライズ本には”赤地はあの人懐っこい顔で精一杯そう答えた”と書いてあり
脚本から撮影の段階でセリフの意味が正反対に変わった可能性があることが分かる。
少なくとも、この変更でラストシーンがより不気味で後味の悪いものになったのは確か。

ところで『絶対死なない老人ホームの謎』というエピソードは、トリヲタの中でも
”ダークな後味グルメ”の皆様には今シリーズ最高傑作との呼び声も高いお話で
中には”堤・蒔田はさっさと引退して林・丸毛コンビでパート4を!”なんて事を
言い出す人もいましたが↓を読むとそんなに単純なものじゃない事が分かります。

(TRICK完全マニュアル:光進社より)

−『千里眼の男』の最後のシーンで子供を冷たく突き放すとこなんか
  後味が悪くて逆に良かったと思うんですけど。

林   プロットの段階では違うんですよ、もっとベタベタな人情芝居だった。
    でも、この作品はちょっとブラックな部分もあるんで、最後はベタベタな
    人情で終わらせるよりはね、最終的に出来上がった段階で堤さんが
    ウーンってうなり出したこともあって。

蒔田 これじゃ、あまりに普通だろうと堤さんが。あの場面、人情で終わっちゃうと
    全体のリアリティがその瞬間に崩れちゃいますから。
    あと、一話も教団の正体を奈緒子が暴くんだけど、結局は何一つ変わらない
    方がいいんじゃないかと。これも堤さんのアイデアです。

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