木曜ドラマTRICKのちょっといい話。

episode2

episode1 episode2 episode3 episode4(前篇)(解決篇) episode5(前編)(解決篇

【第3話】

不可能犯罪の謎
〜瞬間移動の女

ON AIR
2003/10/30

(視聴率)
関 東 13.9%
名古屋 14.0%
関 西 15.8%

【第4話】

スリットに潜む罠
〜瞬間移動の謎
解決篇

ON AIR
2003/11/06

(視聴率)
関 東 13.9%
名古屋 12.4%
関 西 13.7%

【脚本】

蒔田光冶

【音楽】

辻 陽

【主題歌】

「私とワルツを」

鬼束ちひろ
作詞・作曲/鬼束ちひろ
編曲/羽毛田丈史
(東芝EMI)

【キャスト】

仲間由紀恵

阿部 寛

生瀬 勝久

野際 陽子

姜 暢雄

大島 蓉子

アベディン
モハメッド

瀬戸陽一朗

高橋ひとみ

黒田アーサー

浜田 晃

木村 靖司

中西 良太

山村 紅葉

半海 一晃

ガッツ石松

三箇 一稔

伊藤 雅子

和田 周

松田章

安藤信二

飯尾 武人

浅香 美香

高橋 愛

川北 純也

池田 耀

野口 三邑

佐々木綾乃

ズィーナオオマエ

加藤 学

放映プロジェクト

芸 優

稲川素子事務所

劇団ひまわり

セントラル子供タレント

【撮影】

斑目 重友

坂本 将俊

【照明】

川里 一幸

【VE】

中村 寿昌

【音声】

清水 良樹

【美術】

稲垣 尚夫

【装飾】

山田 好男

飯沼 明広

【小道具】

杉本 和代

牧野  誠

【スタイリスト】

富樫 理英

【着物コーディネート】

河野 仁子

【ヘアーメイク】

宮内三千代

小林 真由

【タイトルバック】

熊坂 出

【ダンサー】

松田菜々子

【CGプロデュース】

西村 敬喜

【CGディレクター】

小関 一智

【イラスト】

千原 櫻子

【イラスト構成】

井上 雄介

【DC制作】

西 勇哉

鈴木さやか
(テレビ朝日)

【HP制作】

前田 秀彦

松崎 みどり

【スチール】

高島 一夫
(文化工房)

【編集】

大野 昌寛

【オフライン編集】

山口 牧子

【M A】

村山  巧

【音楽プロデュース】

志田 博英

【選曲】

渡邊 朋子

【音楽コーディネート】

河原崎 秀樹

【効果】

中村 友美

【協力】

NICE・DAY

江戸川橋スタジオ

TAMCO

グリップアソシエイト

CPルーム

ベレッツァスタジオ

阿ウン

トライアムズ

光映新社

【音楽協力】

テレビ朝日ミュージック

【技術協力】

池田屋

【美術協力】

PUMA

BOOTH

えんぎ屋

(株)水晶院

NOMAD

メガネドラッグ

Karrimor

【衣装協力】

Eddie Bauer

HIGH STREET

OTTO

GALSVILLE

【車両】

日本照明

【カースタント】

スーパードライバーズ

【ファイティング
コーディネート】

FCプラン

【ロケ協力】

信州上田フィルム
コミッション

長野ダイハツモーターズ

長野県北御牧村

日本道路公団
佐久工事事務所

長野県武石村

小諸高原ゴルフコース

ホテル ルートイン上田

東京証券総合運動場

ホテル上田山荘

学校法人
立正大学学園

民宿はしづめ

【助監督】

東條 政利

【記録】

金丸 律子

【マジックアドバイザー】

藤原 良雄

【制作管理】

三井 孝俊

【プロデューサー補】

上田 直彦
(テレビ朝日)

【ラインプロデューサー補】

大形 美幸

吉田 拳雄

【宣伝】

小久保 聡
(テレビ朝日)

【ラインプロデューサー】

渡邊 範雄

【制作担当】

朝比奈 真一

【製作主任】

坪井  力

【プロデューサー】

桑田 潔
(テレビ朝日)

蒔田 光治

山内 章弘

【演出】

木村 ひさし

【制作協力】

オフィスクレッシェンド

【制作】

tv asahi

東宝株式会社

『オープニングナレーション』

『TRICK』では毎回オープニングに挿入されていた森山周一郎さんのナレーションだが
「TRICK2」ではエピソード1、2で2,5話編成という変則的なスタイルを採用したためか
その後もナレーションは割愛され『TRICK』以来の熱烈なファンを落胆させた。

2002年11月、『トリック劇場版』劇場公開初日の有楽町東宝では、映画の冒頭で
森山周一郎さんのナレーションが流れると、会場にどよめきが起こった事からも
このオープニングナレーションに対するファンの思い入れが意外に高い事が分かる。

今回の『木曜ドラマ・TRICK』では、このオープニングナレーションが1話で復活し
熱心なファンを喜ばせたが、なぜかこのエピソード2で奈緒子のナレーションに変更。

『トレビの泉』

奈緒子の横に立つノボリとペットボトルに書いてある文字。
”トレビの泉”とはローマにある遺跡の事で、教皇クレメンティウス12世の命により
1762年に完成。建築家ニコラス・サルヴィがデザインを担当したバロック噴水の傑作。
二人のトリトーンと海神ネプチューンなど神話上の人物の彫像が並ぶ様は壮観との事。

後ろ向きに泉にコインを投げると再びローマに戻って来られる。という伝説があるため
”スペイン広場””コロッセオ””真実の口”と並ぶローマ観光コースの定番になっている。
ちなみに、CX系人気バラエティー『トリビアの泉』とは全く関係ない。

『日暮里』

赤いチャイナドレスを着て奈緒子が立っているのは『トリック2』最終話で
上田、奈緒子、里見の3人が別れたJR日暮里駅・駅前広場の噴水の前。

奈緒子 『この水は長年観光客が投げ入れたコインが溶けたものなのです。
      このハンカチを入れてそのお金がどんどん湧いて出てくるという
      スグレモノだ!今日はこの水1リットルを何とたったの一万円で』

水の中にハンカチを入れ、何も無い水中からコインを取り出す。という
デパートの手品グッズ売り場でも売ってるようなベタな手品を使って
子供相手にセコイ詐欺をはたらこうとする奈緒子だったが・・・・

実際のところトレビの泉に投げ込まれたコインは、カソリック協会の職員によって
2〜7日間隔で根こそぎ回収され、赤十字だか何だかに寄付されているため
奈緒子の言うように水に溶けているヒマなどは無いのであった。

また、ローマのトレビの泉には奈緒子よりも上手の”コイン拾い”が数名いたそうで
トレビの泉から”コインをくすねて”結構な収入を得ていたとか。そんなのと較べれば
奈緒子のやっているチンケな詐欺商法など、まだまだ可愛いものと言えない事もない。

女子1 『だったら、アンタこんな商売する必要ないじゃないか』

奈緒子 『私は!・・・皆さんのために我が身を投げ打って・・・』

あさはかな思い付きの論理的破綻を小学生に指摘される奈緒子。

「TRICK1」の一話では、上田から騙し取った30万円の小切手を
返しに行こうとしていた奈緒子が、子供相手に詐欺をはたらこうと
しているのを見て、全国の熱心なトリックファンの皆さんからは
あの正義感の強かった奈緒子が・・・”とお嘆きの声が上がった。

女子2 『代金は・・・・この水から取り出して、後で払うわ』

奈緒子 『ハイ?』

ようやく『買うわ!』という子が現れて気を良くしたのもつかの間
一休さんの”とんち問答”のような事を言われて面食らう奈緒子。
というか、照喜名は見てないで一個ぐらい買ってやってはどうか?

矢 部 『お前インチキはいかんぞ〜、この水〜さっき・・・』

菊 地 『さっきそこの枯れた噴水に残った水を汲んでただろ?』

奈緒子 『・・・・!何でそんなところを見てるんだ』

なぜか、奈緒子のインチキの一部始終を監視していたバカ刑事コンビ。
また矢部のセリフを菊地が途中で取ってしまうという演出になっているが
矢部のリアクションに”噴水の水を汲む奈緒子の再現VTR”が重なるため
リアクションがほとんど見えず、ネタとしては消化不良な印象が拭えない。

今回は、新キャラクター菊地愛介のキャラを早く定着させたいためか
矢部が押さえ役に回る事が多いせいで、矢部の印象がイマイチ薄い。

『・・・・ながしましげお』

枯れた噴水からバケツで水を汲んでいた奈緒子が口走っていたセリフ。
「TRICK」エピソード1、母の泉篇で、霧島澄子のセリフ『流しなさい・・・』の
ダジャレネタで登場した奈緒子の「ながしましげお」が、ここで唐突に登場する。
たぶん「1」からのファンに”ニヤリとしてもらう”ためのサービスネタ。

『ドロン!』

これも「TRICK1」エピソード3『遠隔殺人』で初登場となったネタで
たぶん、これも「1」からのファンに”ニヤリとしてもらう”ためのネタ。

奈緒子 『ウワァ!!・・・・気をつけろ!この・・・』

上 田 『YOU・・・・危ないじゃないか、傷がついたら弁償だぞ』

バカ刑事コンビを振り切って逃げる奈緒子とぶつかったのは
なぜか愛車・次郎号の運転席のドアを持って移動する上田次郎。
今回のシリーズからドアが着脱可能になる進化を遂げた次郎号だが
ただ単に、どんどんスクラップ化しているという見方もない事は無い。

奈緒子 『それより、お前!なんでこんなとこにいるんだ!?』

上 田 『いやぁ・・・このへんでね・・お金が湧き出てくる水というのを
      売っている者がいるという通報が警察にあってね・・・
      怪しんで、確かめて欲しいと言われたんだが・・・』

奈緒子 『イヤァ・・・そういう女の人は・・』

上 田 『・・・・なんで女だと知ってるんだ?』

奈緒子 『・・・へっ?』

上 田 『確かに犯人は女だ・・しかも・・稀に見るド貧乳だったらしい(笑)』

セコイ詐欺師の確認のために警察から依頼を受けたと言う上田だが
なんぼなんでも、そんな事でイチイチ上田に依頼が行くとも思えないし
奈緒子の詐欺現場に、バカ刑事コンビと上田が偶然いるのも不自然。

おそらく、仕事を頼もうと奈緒子を探していた上田が駅前で奈緒子を見つけ出し
奈緒子が何をしようとしているのか感づいた上田は、またまた奈緒子の弱みを
握って仕事を手伝わせる事を思いつき、網を張っていたというのが実態だろう。
バカ刑事コンビを呼び出したのも上田だと考えれば一番シックリ来る。

奈緒子 『なに見とれてるんだ!そんなにスリットが好きなら
      アタシの見せてやる。ホレ!見ろ上田・・・拝め・・・』

上 田 『そんなものを見てもオカズの足しにもならない・・・』

偶然通りかかった女性のスリットを見て、自慢の”大きな根っこ”で
肩から担いだ次郎号のドアを持ち上げる上田教授の巨根ネタ。

実際に見ると、同じ人間とは思えないほどスリムで整った顔立ちの仲間さんだが
その仲間さんが深いスリットの入った赤いチャイナ服を着て”生脚”を曝け出して
いるにもかかわらず、このシーンの奈緒子には見事に色気もそっけもない。
ある意味、女優:仲間由紀恵の演技力の賜物と言えるシーンであろう。

『芥川 呂都里下須(あくたがわ ろどりげす)』

神ヶ内村(かんがないむら)遺跡ミュージアム。の学芸員・芥川を
演じるのは黒田アーサーさん。1961年2月1日生まれ、アメリカ出身。
ドラマデビューは1982年「名犬ゴローの冒険、ビバ!カナダ」。
他にも、NHK大河ドラマ「信長」「徳川慶喜」などに出演している。

近作には「仮面ライダー龍騎SP 13RIDERS」などがあるが
メディアには安達祐実との熱愛報道で登場する事が多い(笑)
ちなみにオフィシャルHPでは
「トリック」の撮影日記が読めます。

上田 『ありえません(笑)・・・アインシュタインの一般相対性理論によれば
    光より速いものは存在しない・・・ただワタシはね、アインシュタインが
    致命的な見落としをしている事に、つい最近気づきました。
    たとえば100m前に出っ張った巨乳の女性が100m走に出たとします。
    その女性はスタートと同時にゴールのテープを切る事が出来るんですよ』

芥川から『瞬間移動』の可能性について質問された時の上田教授の回答。
一般相対性理論とは、簡単に言うと”重力によって時空は曲がってしまう”という事を
表す理論だそうで”ブラックホール”の存在を説明するのに不可欠な理屈だとか。
上田の言っている”光の速さ”に関する話は、どうやら”特殊相対性理論”の方らしい。

ちなみにノベライズ本によると上田が書いているのは”ローレンツ変換”の公式。
上田の解説に登場する”バスト100mの巨乳ギャル”は相対性理論もなにも
運動していないので、瞬間移動の説明にはなっていないような気がする。

『スリット美香子』

瞬間移動の女、スリット美香子を演じるのは高橋ひとみさん。
1961年8月21日生まれの東京都出身。

1979年、舞台「バルトークの青ひげ公の城」(演出:寺山修司)でデビュー。
翌80年7月、映画「上海異人娼館」(演出:寺山修司)で映画デビューし
1982年には「さらば箱舟」(演出:寺山修司)にも出演した。

テレビドラマは1983年の「ふぞろいの林檎たち(TBS)」がデビュー作で
国広富行の相手役を務め、独特のクールな雰囲気が話題を呼んだ。

デビュー当時は「寺山修司最後の秘蔵っ子」とも言われたが、寺山の死後は
トレンディドラマからウルトラマンまで幅広いジャンルの作品で活躍しており
近作では「ウォーターボーイズ(CX)」や『エースをねらえ!(ANB)』に
主人公の母親役で出演し、ドラマに欠かせない存在となっている。

ちなみに公式なスリーサイズはB78、W57、H81となっておりまして
オンエアされた時に、すでに気づいていた人もいるかと思いますが

実際は仲間さん以上に”アレ”のようです(笑)

『ミカリ様』

神ヶ内村付近一帯を昔支配していたと言われている豪族の娘の名前。
この「ミカリ様」という名前は、美香子役の高橋ひとみさんのデビュー作である
舞台「バルトークの青ひげ公の城(1979年)」で、高橋さんと共に初舞台を踏み
後に映画「さらば箱舟(1982年)」でも、高橋ひとみさんと共演した1980年代の
小劇団ブームを代表する女優、
美加里さんから取ったモノと思われます。

『出土ナンバー”ヲ−D2822” 通称 難玉弐高式土偶』

神ヶ内村遺跡から出土した時価数億円は下らないと言われているシロモノ。

芥川は、しきりにその名前を”なんぎょくにこうしきどぐう”と強調しているが
ネタ元がダッチワイフ『南極2号(なんきょくにごう)』である事は明白で
実はそのデザインも、南極2号の頭部のデザインを模したものである。
南極2号がどんなデザインかは、難玉弐高式土偶の乳毛の部分がまつ毛。
下のほうに開いている穴が”口”だと思って見れば、だいたい分かるハズ。

南極2号の名前の由来は、南極観測隊の隊員が南極に持参したため。
と、伝えられていますが実際のところ真偽の程は定かではありません。
ちなみに『ダッチワイフってなに?』という質問にはお答えできません。

『なぜベストを着ているのか』

上田の著書『なぜベストを尽くさないのか』のタイトルをワザと間違える奈緒子。
ベストは上田ファッションの基本アイテムで、夏でも冬でもベストを着ているので
『なぜベス』のタイトルは、『ドンと』と『ベスト』がダブルでかかっている事になる。

『看板なくし看護師増やせ!! 看板追放運動実施中』

神ヶ内村の入り口に立ててあった”看板をなくせ!”という看板。

『おことばの里 蛾眉村』

分岐点に立っていた看板の文字。直進すると神ヶ内村、左に曲がると蛾眉村と
二つの村が意外と地理的に近い位置にあった事を示すネタとなっているが
案の定、ロケ協力のテロップを見ると実際のロケ地もかなり前回と被っている。

『海藻とひじきとタバコと看板の里』

神ヶ内村役場の看板に書かれていた文字。海にまったく面していないワリに
”海藻”とか”ひじき”のような髪に良いと言われている海産物が名物らしい。
ちなみに、堤組の撮影現場では食事に”もずく”が出る事もあるらしい。

『いつもと較べると・・全く・・全然・・少しも面白みに欠ける名前ですね』

神ヶ内村の名前を見た奈緒子の感想で、たしかに仰るとおりではあるが
普通は、村の名前が面白い感じでなければいけないなんて事は全くないし
登場人物の奈緒子に、このセリフを言わせてしまうのはスゴイと思う。

しかし、直後に「神ヶ内村・・・髪が無い・・・村?」である事が判明し
やっぱり今回も村名がらみの小ネタが仕込まれていた事が分かる。

『助役の川端君と文化振興課長の三島!村民なんでも相談室の津田時子君』

川端は木村靖司さん、1962年4月4日生まれ東京都出身劇団ラッパ屋所属
三島は
三箇一稔(サンガカズトシ)さん、1978年5月1日生まれ富山県出身
津田時子は伊藤雅子さん、1978年7月5日京都府出身、
太田プロ所属

『今月のもう一品 アーサーの炒め物』

村長の部屋の黒板に書かれていた文字。
アーサーとは沖縄で取れる特産品の事で、あおさ海苔、ヒトエグサと呼ばれる海藻。
ちなみに沖縄でお祝い事があるときには”アーサー汁”が欠かせないものらしい。
当然、芥川役の”黒田アーサー”さんの名前とも掛かっていると思われるネタ。

『武者小路(むしゃのこうじ)村長』

神ヶ内村の大声村長・武者小路を演じるのはベテラン俳優の浜田晃さん。
1941年10月28日生まれ、神奈川県出身。
アルファエージェンシー所属。

武者小路(実篤)、芥川(龍之介)、川端(康成)、三島(由紀夫)、伊藤(左千夫)で
分かる通り、基本的に今回の登場人物の名前は文学者の名前から取ったものである。
ちなみに、このうち芥川(睡眠薬)川端(ガス)三島(割腹)の三名は自殺している。

『これは三番助手の山田です』

事ある毎に奈緒子に頼っておきながら『TRICK2』最終話では『付け人』と紹介し
『TRICK劇場版』では『よく知らない』ととぼけ、今回は『三番助手』と紹介する上田。

『民宿はしづめ』

芥川に『村で一番の高級ホテルのスイートを予約しておきました。』と言われて
ノコノコついていった上田と奈緒子が到着した民宿の看板に書いてあった名前。
ロケ協力にも同じ名前があるので、ロケ地となった民宿の本物の看板だと思われる。

他にも『ペンションおかしの家』『ロイヤルハシヅメリッチデラックスホテル』
という看板も壁に貼ってあるが、こちらは撮影用に製作されたものだろう。

『ムダな看板は村の警官を損ねます。』

民宿はしづめの壁に貼られていた看板のひとつに書かれていた文字。
特に意味はない誤字ネタで、ギャグとしては大して面白いとも思えないが
こういう一瞬しか映らない看板の文字にも必ず遊びを取り入れる姿勢が
『トリック』という作品世界を作り上げる要素の根幹を成しているとも言える。

『揺れてる?』

固定カメラで撮影するべきシーンを、あえてハンディカメラで撮影して
手ブレを演出として取り入れる方法は堤流演出の特徴のひとつだが
今回は民宿はしづめの女主人、トメが登場するシーンだけ派手にブレる。

最近は『顔』など、全く関係ないドラマでもパクられる事の多い”堤流演出”だが
今回のエピソードの演出は『千里眼の男』『人面タクシー』の木村ひさし監督で
この過剰な手ブレ演出は”堤流演出のセルフパロディ”といったところか。

『鈴木トメ』

民宿『はしづめ』の手ブレ女主人(笑)として登場する山村紅葉は
『京都〜』シリーズで有名な女流推理作家『山村美紗』の長女。
1960年10月27日生まれ 京都府出身。

推理作家の娘、官僚の妻、女優、作家というさまざまな顔を持ち
女優として舞台、ドラマ、バラエティと幅広い活躍を見せているが
通称『火サス』『土ワイ』と呼ばれる『2時間サスペンスドラマ』に
100本以上出演し『2時間ドラマの裏女王』とも呼ばれている。

特に、母、山村美紗の原作ドラマと母の愛人親友・西村京太郎の
原作ドラマには、ほぼ漏れなく出演しているのがなんとも。(苦笑)

『スイートポテトの間』

「最高級のホテルのスイートを!」と言うのでスイートルームだと思ったら
”スイートポテトの間”だった。という、しょーもない駄洒落ネタ(笑)
『ペンションおかしの家』という看板はこのネタのために作られたものだろう。

『三沢』

上田や奈緒子が到着する3日前から『はしづめ』に泊まっているという
頑丈そうな金庫を持った謎の男・三沢を演じるのは中西良太さん。
月曜ミステリー劇場(TBS)の十津川警部シリーズではレギュラーとして
山村紅葉さんと共演している。ちなみに三沢の部屋はバナナボートの間。

『この村に泥棒はおらん!』

部屋が無用心なので鍵をつけて欲しいという三沢にトメが憮然として言った言葉。

ちなみにトメ役の山村紅葉の母:山村美紗は小説のアイデアが盗まれないようにと
自宅のあらゆる扉に鍵をつけ、書斎に入るための扉にかけたナンバーロック式の
鍵の番号にいたっては、実の娘である山村紅葉にすら教えていなかったそうで
山村美紗が自室で死亡した時はナンバーロックの番号を誰も知らなかったため
やむなくドアを破壊して書斎に突入し、初めて死亡が確認されたという話である。

勢い良く閉めたふすまに上田が手を挟まれているのは阿部さんのアドリブだとか。
出演者もスタッフも、現場でこういう細かい事をずーっと考えているのだそうな。

『スキャット美香子』

廃校を”はっこう”、跡を”あし”、お待ちしていますを”おもちしています”と
「TRICK2」あたりから始まった、奈緒子のムリのある漢字変読ネタシリーズ。
今回は”スリット美香子”まで”スキャット美香子”と読み間違えるが
カタカナまで読めない筈は無く、意図的な間違えである事が分かる。

奈緒子役の仲間由紀恵さんは2003年秋頃から”漢字検定を受けたい”
アピールしていたが、このドラマのスタッフの影響なのか、”貧乳”に続いて
”漢字が読めない”なんてイメージが定着しないように予防線を張ったのか?

『廃校の人影』

美香子に呼び出されて村のハズレの廃校に向かった上田と奈緒子。
奈緒子と上田が廃校を見上げるカットの後、廃校の二階の窓際に
外を見て立っている男性の姿が一瞬だけ映っており、放映直後は
”幽霊か?!”とネット上で話題を呼んだが、後にスタッフと判明。

上 田 『おお・・・う』

奈緒子 『・・・・押すなって』

美香子のスリットを見て、つい自慢の巨根で奈緒子を押してしまう上田。
23時台から21時台に移ったワリに、この手のエロネタが増えているような?

『う』

上田が、美香子から手渡された500円玉に目印として書いた文字。
「TRICK1」第一話で奈緒子が一番最初に披露した『壁抜け手品』で
上田が100円玉に書いた文字も「う」だったというマニア・サービスネタ。

『裂けてぇ〜っ!!』

スリット美香子が不思議な力を発揮する時に叫ぶセリフ。
この美香子の『裂けてぇ〜っ!!』と『すりすりすりっとぉ〜!!』のセットは
なんだかんだ言って、今回のシリーズで最も強いインパクトを与えたセリフ。
不必要なまでに派手な安っぽいCGエフェクトもいい味を出していた。

『スリット美香子の水槽マジック』

奇しくも奈緒子が日暮里駅前で披露していたのと、ほぼ同じ手品。
『TRICK2』では二重封筒のトリックが2回も登場し、奈緒子の手品も
カードマジックとゾンビボールばかりと”ネタ切れ”を指摘される事も多いが
今回、奈緒子と美香子の手品のネタが被っているのは恐らく意図的なもの。

インチキ超能力で、村人を信じ込ませて時価数億円と言われる発掘品を
手に入れようとする美香子と、同じ手品を使いながら小学生にもバカにされ
バカ刑事から惨めに逃げ惑っていた手品師・奈緒子を対比しているのだろう。

『西村先生』

1年前にミカリ様のミイラを発掘した、西村博士を演じるのは和田周さん。

今、遺跡発掘と聞くとパッと頭に浮かぶのは2000年11月に発覚した”神の手事件”
神の手事件とは当時、遺跡発掘において驚異的な成果を挙げ、”神の手”と呼ばれる
考古学界のカリスマでもあった、東北旧石器文化研究所の副理事長・藤村新一氏が
実は発見した出土品の多くを、自分で埋めて掘り返していた事が判明したというもの。

藤村氏の不正が発覚したのが”上高森遺跡”で、今回の舞台は”神ヶ内村遺跡”。
博士の名前は”西村”と、藤村氏と1文字違いなので、当然”神の手事件”ネタが
入るものだと思ったが”博士が発掘品を捏造した”というようなエピソードもなかったし
西村博士の見た目も藤村氏というよりは、インディ・ジョーンズの出来損ない。

『ダメですね!いざという時何の役にも立たない巨根なんですよ、あの男は』

奈緒子の実に的確な上田評。今回も元気に”巨根”と叫ぶ仲間さん(苦笑)

『チキンラーメンどんぶり』

なぜか発掘品に混じって展示されている中華どんぶりとチキンラーメンどんぶり。
チキンラーメンは、今作のスポンサーでもある(株)日清食品のインスタント食品で
2001年から現在(2004年)まで仲間由紀恵さんをCMタレントとして起用している。

奈緒子 『古代の香りがします・・・・ハッハッハ』

芥 川 『・・・・それはただの灰皿です』

奈緒子 『・・・・・思ったとおりだ』

芥川に展示品の感想を聞かれ、上田のマネで答える奈緒子。
こまった事に、なさけない会話の流れまでもが上田風。

『硬いこと言うな!闇の市場にでも流したらいい金になるぞ。
 あ・・・・そういうことアンタ(芥川)の方が詳しいか?(笑)』

三沢と芥川の関係を暗示する、いかにも”伏線”といった感じのセリフ。

『ワカメご飯、昆布の漬物、アーサーの炒め物』

またも奈緒子が食いまくった『民宿はしづめ』の夕食のメニュー。
海藻類ばかりなので、髪の毛には効くかもしれないが味は不味いらしい。

『サボテンには手を触れぬこと、大きくなってこまります』

サボテンの上の張り紙に書いてあったセクハラ風味な注意書き。

上 田 『そうか・・・トレビの泉だ、直輸入の水
      とかいうのを売ってた女の手口もソレだ』

奈緒子 『ええ・・・・例の巨乳の』

上 田 『・・・貧乳だろ』

新規の視聴者に強く印象付けるためか、また”貧乳ネタ”の登場だが
”なんどめだ貧乳ネタ”という感じで、貧乳ネタはすでにいささか食傷気味。

上 田 『フェノールフタレインだ』

奈緒子 『上乗るブタ・・・・例?』

ここで上田が言うフェノールフタレインとはフェノールフタレイン溶液の事で
上田の説明にある通りアルカリ性の液体の中で赤く変色するPH検査薬。
誰でも中学校の理化の授業で名前くらいは聞いた事があるはず。

『暴れん坊・・・暴れん坊・・・・帰ってこ〜い暴れん坊〜!!』

1978年の放送開始から2003年の最終回スペシャルまで、実に25年にわたって
テレ朝の看板番組だった時代劇『暴れん坊将軍』の放送が終った事を惜しむ寝言。

『ぞ〜〜〜〜ん!!』

これも奈緒子の寝言だが、ネタ元は「TRICK2」エピソード3『人面タクシー』に
登場した深見教授(佐野史郎)の名セリフ。今回の『裂けてぇ〜!!』と同じく
非常にインパクトの強いセリフだったので後のエピソードでも頻繁に登場する。

『通称”なんきょくにごうしきどぐう”はいついただけるのかしら?』

ノベライズ本では、この美香子のセリフも”難玉弐高式土偶”になっているが
オンエアで”南極二号式”と言っているのは奈緒子のリアクションを見ても明らか。
以降も、美香子だけは最後まで”南極二号式土偶”と言い続ける。

『さすが公安の刑事さん!変装していらっしゃるとは!!』

矢部のヅラネタ。お馴染みのヅラネタも今回はコンスタントに登場しているが
これもやはり、21時枠の新規の視聴者に強い印象を与える為だと思われる。

『一人のキャリアは360人の一般警察官に優る!』

やっぱり菊地がエリート意識の塊である事を表現しているセリフ。
全国に26万人いると言われている警察官の中で毎年わずか10人程度しか
採用されない国家公務員I 種試験をパスした幹部候補生がキャリアと呼ばれる。

昇進など、あらゆる面で一般警察官と差がつけられているエリートではあるが
近年、警察の不祥事の多さが問題となりキャリア制度の見直しが検討されている。

『ゴルフ』

捜査にやって来たはずが、なぜかゴルフに興じる矢部と菊地のバカ刑事コンビ。
ロケ協力によれば、二人のプレーが行われたのは小諸高原ゴルフコース。
”なぜゴルフだったのか?”については、今のところ情報不足のため分からない。

『正確なスィングをすれば木の棒で裸足でもプロになれることはあまりにも有名』

菊地は”あまりにも有名”と言っているが木のクラブに裸足のプロゴルファーと
いうと、藤子不二雄・Aの漫画
プロゴルファー猿くらいしか思いつかない。

『くま牧場』

エピソード1の蛾眉村にもあった『くま牧場』の看板がなぜかミュージアム内部に。
こういう特にストーリーとはなんら関係のない小道具や人物(例えばジャーミー)を
不必要なまでにクローズアップするのも堤流演出の特徴のひとつである。

『非常口』

いくつもの頑丈な鍵で守られているハズの”難玉弐高式土偶”が保管されている
展示部屋の入り口の横に非常口がある。という事は”難玉弐高式土偶”が
保管されている部屋は、外に面している事になり、非常口が開いていると
芥川が用意した複数の扉も鍵も、ただの遠回りにしかならない。という事は・・

『ちょっと待て・・・・あんたどっかで会うた事ないか?』

スリット美香子の顔を見て、珍しくイイ事に気づいた矢部のセリフ。
気づいたまでは良かったが肝心な事を見落としているのは矢部らしい。

『白い首巻に男の勲章みたいなサングラスしたヤツ!』

矢部たちが三沢の見た目を伝えたセリフで”男の勲章”は当然、嶋大輔さんネタ。
確かに、当時の嶋大輔さんはキャッツアイをかけていたようだが、三沢の場合
ゴマ塩頭に無精ひげ、キャッツアイに黒服と、どちらかと言うとMr.マリック風。

奈緒子 『反応しない!』

実は繋がっていない電話に向かって大声でアダルトチャンネルを頼む矢部。
それを聞いた上田は巨根でコタツ板を持ち上げてしまい奈緒子に諌められる。

『この金庫は4枚ディスクのダイヤル錠です。ダイヤルを回して4枚の〜』

菊地が金庫のダイヤル錠の歴史について長々と語っているところ。
菊地が優秀である事は良く分かるが上田とキャラが被っているような・・・

『口上の月岩』

れんたろうの滝に繋がる岩の名前。滝廉太郎といえば荒城の月。

矢部 『えらい器用に挟まっとんなぁ・・・・月の化身か?』

”口上の月岩”に挟まっている三沢の死体を見た矢部のコメント。
ここで矢部の言っている”月の化身”というのは1972年からテレビ朝日系で
放送された特撮番組
レインボーマンに出て来る”月の化身”の事だろう。

レインボーマンは悪の秘密結社”死ね死ね団”と戦うためにインドの高僧
ダイバダッタの元で修行を積んだ変身ヒーローで、7つの化身に姿を変えた。
ちなみに、月の化身はヨガの体術で自由に変形して狭い隙間に潜り込めるらしい。

『夏目鉱石で出来ているホンモノの岩です。』

口上の月岩の成分について解説する菊地。名前は文豪:夏目漱石から。

『夜明毛乃須脚ッ戸』

ミカリ様の起こした奇跡について記してある書物として芥川から渡された
『標柱神ヶ内村史 上』に書いてあった2ページ目の表題の文字。

これは『夜明けのスキャット』と読む事ができ、本文の方を良く見てみると
本文:留留留留留羅羅羅羅羅・・・・愛支合宇其時似子・・・
歌詞:ル〜ル〜ルルル〜ラ〜ラ〜ラララ〜・・・愛し合うその時に〜♪

と、由紀さおりのヒット曲『夜明けのスキャット』の歌詞が当て字で書いてあり
本文の後半には作詞、作曲者だけでなく、姉:安田祥子の事も書いてある。

ちなみに”スキャット”というのはジャズの歌唱法のひとつで、バンドの演奏に
即興でメロディーをつけ、意味の無い言葉を乗せて歌う事。らしい。

『荒上乃月之歌詞』

これも『夜明けのスキャット』と同じく『標柱神ヶ内村史 上』に書かれているもので
『荒城の月』(作詞:土井晩翠、作曲:滝廉太郎)の歌詞が全文漢字で書いてある。
ちなみに、ここで上田が開いているページは『夜明けのスキャット』の次のページだが
実は1ページ目にも全く同じ文章が書かれている。

”ヅラ”、”貧乳”、”巨根”などの分かりやすいネタばかりになってつまらない。
という批判を受ける事もあった今作だが、こんなダジャレネタのためだけに
誰も気づかないような手の込んだ小細工をしているのは相変わらずだと思う。
「TRICK」シリーズ全ての作品で美術を担当する美術監督:稲垣尚夫の力作。

『私の許可なく立ち入り禁止 東京警視庁 東京大学 ■■菊地』

謎解きのため、上田の指示で”口上の月岩”に向かう奈緒子だったが
岩の周りにはロープが張られ、上記のような注意書きが書かれていた。
文面を見ると、最初は『許可なく立ち入り禁止 東京警視庁 矢部』
書いてあったモノに、勝手に菊地が加筆修正したのだと思われる。

奈緒子 『・・・・パープルレイン?』

前回、上田が家族亭で披露した手品に使用した”パープルレイン”を再利用。
一話づつ順に撮影する民放の連続ドラマならではのシリーズネタと言えよう。

『私、山田奈緒子は貧乳で困っています』

「TRICK1」第一話ラストでビッグマザー霧島澄子に読まれてしまった奈緒子の悩み事。
文面もその時とほぼ同じモノで、これもマニア向けのサービスネタという事だろう。

今回は上田が実験のために流したハンカチに書かれ、奈緒子はそれを読むように
指示されたが、もちろんそんな屈辱的な文章を、そのまま奈緒子が読むワケもなく
『私・・上田次郎はデカイくせに弱虫でたびたび・・・』と読み替えて上田に殴られる。

奈緒子 『じゃあ・・・スキャット美香子も・・・』

上 田 『・・・・・もう、やめにしないか?』

考えてみたら一度もスリット美香子と呼んでいない奈緒子。上田もいい加減呆れ顔。
上田の「もうやめにしないか」という醒めたツッコミは新しいパターンで新鮮に感じる。
ちなみに矢部は”スリップ美香子”で、どちらもレベル的には大差ない。

奈緒子 『アホども・・・ちょっとは謎を解こうって気にはなんなかったのか?』

菊 地 『消えてしまったものはどうしようもないでしょ』

スリット美香子が目の前で消えたのに、そのままゴルフを続けたバカ刑事二人。
矢部はゴルフに夢中で美香子を気にも留めず、菊地に至っては気づいていながら
頼まれた事以外は一切無関心という、お役所的な対応に終始している。

『ピカッ!』

頼りにならないバカ刑事たちを尻目に、美香子の消失トリックの謎を解く奈緒子。
一話で初登場した『ピカッ!』が、電球4個にパワーアップして再登場。

『具が大きい・・・・』

黒田アーサーと交際中との噂の安達祐実の代表的CM『ハウス加厘工房』の名セリフ。
当時10歳だった安達祐実は、このCMがきっかけで一躍天才子役として人気者に。

『応用自在!!』

姜暢雄さんの代表作『忍風戦隊ハリケンジャー』で、姜暢雄さんが演じる
”クワガライジャー”のキメ台詞のひとつが、この『応用自在!!』だったらしい。

クワガライジャーは雷を自在に操る迅雷流(いかずちりゅう)に属する忍者だそうで
今回、やたらと菊地が雷にうたれたりするのは”ハリケンジャーネタ”という事。
菊地のカバンにクワガタの模型がついていたのも”クワガライジャー”だからだろう。

『18年前の新聞記事』

美香子が18年前は100mを11秒3で走破する短距離ランナーだった事が判明。
記事を見る限り、マラソンの高橋尚子選手と小出監督を参考にしたような写真。

『実はね・・私はね・・・以前カールルイスに陸上を教えてた事があるんですよ』

シューマッハにドライブを、カールルイスには陸上を教えたと言い張る上田教授。
この調子だと”ベッカムにサッカーを教えたのもオレだ。”と言い出す日も近い。

『お前のやった事は!全部すべてスリっとお見通しだ!』

前回、基本に返ってやけにシンプルになったと思ったらやっぱりオマケをつけてきた。
この調子で、最終回頃には2倍くらいの長さになっていないかちょっと心配(笑)

『瞬間移動のトリック』

必死で意外に地味な作業をしている美香子の再現VTRが笑いを誘う。
今回のエピソードはシリアスな部分が全くないところが、ある意味新鮮。

『スリットの謎』

実は、見た目よりも動きやすい事がスリット入りのドレスを着ている理由だったのだが
せっかく奈緒子も、オープニングでスリット入りのチャイナドレスを着ていたのだから
そこらあたりを、謎解きに活かす演出があっても良かったような気がする。

『あなたは遺跡から出てきた品をこっそり横流ししてたんじゃないですか?』

このへんの展開は「TRICK2」の最終話”つぼ八”の件とあんまり変わらない。

『西村美香子』

警視庁から送られてきた18年前の新聞に書いてあったスリット美香子の本名。
矢部は気づかなかったが、スリット美香子は実は西村博士の娘だった。

『この村の誰かが父を殺しミイラを盗んだんです。自分ひとりの物にするために』

”殺された研究者の縁者が復讐に来る”という展開も『トリック2』最終話とほぼ同じ。
今回の『木曜版トリック』は、全体的に過去の作品をモチーフにしたものが多い。

父は生前、自分周りにそれを企んでいる人間がいる事に気づいていました。
 私への手紙の中にも”もし自分が死んだら犯人は発掘に携わった者たちの中に
 いるはずだ”と書いてありました』

美香子が語った事件の経緯。一見もっともらしい話だが時系列を追ってみると
西村博士が神ヶ内村に発掘に訪れたのが約1年前で、殺されたのもほぼ同じ時期。
その間に博士は娘の美香子に手紙を書き、手紙を読んだ美香子は村人の誰かに
父が殺された事を知って復讐を誓い、1週間程前にスリット美香子として村に現れた。

と、こうして見るとずいぶん忙しいスケジュールだし、博士が死んだ時に美香子は
遺体を引き取りに来て、神ヶ内村の村人たちと会ったりしていないのだろうか?
陸上選手だった美香子が、どういうきっかけでスリット美香子になったのだろうか?
それ以前に、一体いつ、どこで芥川と美香子は知り合ったのだろうか?

『走って逃げる美香子』

「TRICK1」から今作まで数々の犯人が登場したが逃走したのはこれが初めて。
悲惨な事件のあらましと、間抜けな逃走劇とのコントラストが余りにも激しいため
全国の”ダークな後味グルメ”の皆様から不満の声が多数寄せられたとか。

ファンの中には”ダークな後味こそトリックの真骨頂!”と主張する人も多いが
むしろ、これだけ人が死んでも笑えてしまうところが、『トリック』という作品の
トリックミステリードラマとして、新しい部分なのではないかと思う。

『おいしい話があるって言うから・・・』

結局、ただ単に三沢を亡き者にするために美香子の共犯になっていた芥川。

おかげで”村人の中の誰が父殺しの犯人だか知らなかった”はずの美香子が
”どうして芥川と共犯関係を結ぶ気になったのか?”も分からなくなってしまったし
”いつどこで芥川と美香子が出会ってお互いの目的を知ったのか?”とか
”なぜ芥川が発掘品を横流ししていたのか?”も分からないまま終わってしまった。

芥川と美香子が実は恋人同士だったとか、研究のために大金が必要だったとか
トリックミステリーとしては、もう少し詳しく事件の背景にある設定を整理する必要が
あったのではないかと思うが、一方で『トリック』だから仕方ないか(笑)とも思う。

『菊地に任せた・・・・あいつ陸上部やから』

学生時代、陸上部だったために、スリット美香子の追跡を押し付けられる菊地。
また菊地の意外な一面が紹介されたが、この設定が今後生かされる事は無さそう。

『オホホホホホホホ』

手錠をはめようとした矢部の手をあべこべに手錠にかけ、ついでに上田の手と
矢部の手を手錠で繋いで悠々と逃走する奈緒子のスリット美香子風の高笑い。
よく考えたら、エンディングで奈緒子が笑っているのは初めてかもしれない。

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