TRICK2ちょっとイイ話
episode5(後編) 【妖術使いの森伝説】

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episode5

第11話

妖術使いの森

【演出】

堤幸彦

【脚本】

蒔田光治

【助監督】

東條政利

神徳幸治

鶴岡慎一郎

向井 澄

井上雄介

崎浜秀作

【撮影】

斑目重友
志村泰史

【照明】

池田ゆき子

奈緒子 『・・・・・・上田さん?・・・上田さん!!』

上 田  『・・・・・・・・・・・・(無反応)』

奈緒子 『・・・・・・・・・・・・・死んでる。』

上 田  『・・・うおぅ』

奈緒子 『うわあぁぁ!!』

妖術使いを見た場所で倒れている橋本と上田を発見した奈緒子。
橋本はすでに死亡、どうやら上田も意識がない様子なので
あっさり死んだことにした奈緒子だったが上田が起きてビックリ。

上田の事を心配して探しに来たワリには薄情な反応。

『・・・・何してるんですか?こんなところで!!』

上の発言に続いて奈緒子の口から飛び出した言葉。

実は、ワリと頻繁に奈緒子の口から飛び出す言葉で
5話『鈴木吉子編』で上田が鎧を着て奈緒子の前に現れた時や
『TRICK』10話で上田と奈緒子が黒門島で再会した時に
奈緒子が上田に最初に言ったのも同じ言葉だった。

『いいえ!仮面じゃありません!私が見たのは・・・・椎名桔平』

あくまで妖術使いは椎名桔平だと言い張る奈緒子。

結局、なぜ奈緒子には妖術使いが椎名桔平に見えたのかは
最後まで謎のままになってしまったが、この際どうでもいい感じ。
単に、奈緒子が椎名桔平のファンだったからかもしれない。

『それだったら釈由美子や井川遥の顔をつけて
 来てくれれば良いじゃないですか?
 何で釈由美子や井川遥の顔で来てくれないんですか?
 ・・・・もう一回やって欲しいな〜!!』

妖術使いは、人によって見える顔を変えることが出来る。
という柳田の説明に、大いに不満を漏らす上田教授。

『TRICK』の第2話『母之泉編』では、上田が鏡を見ながら
『私は釈由美子が好きである?私は釈由美子が嫌いである?』と
自問自答するというシーンがあったところから見て
どうも上田は釈由美子さんがお気に入りという設定だったようだし
井川遥さんは『TRICK2』の後番組『九龍で会いましょう』に出演。
episode1の習字ネタ『井川遥』はこの番組の事だったらしい。

ちなみに、二人とも『巨乳グラビアアイドル』である。

『この世の物とは思えない恥ずかしい寝言、言ってました』

小松に暴露される奈緒子の寝言ならぬ寝歌。

「の〜・・の〜のの〜・・・の〜・・の〜のの〜・・今日は〜私の〜♪」

この曲は1978年10月5日にリリースされた
石野真子さんの代表曲『失恋記念日』。

ちなみに、この『失恋記念日』がリリースされたのは
仲間由紀恵さんが、この世に生を受ける約1年前の事。
仲間さんより、2歳上の設定になっている奈緒子でも
リアルタイムで聴いた可能性は、ほぼ皆無と言ってよい。

『村山富市みたいになってますねぇ。』

柳田のボウボウに伸びた眉毛を見た矢部の一言。
村山富市は第81代内閣総理大臣で立派な眉毛が特徴。

矢 部 『・・・とすると、残るは上田先生。
      あなたのアリバイを証明してくれる人間は
      だ〜れもいない。・・・で、バツ!!』

上 田  『早いだろ!!』

奈緒子 『あっ!!思い出しました!!』

奈緒子 『・・・・・・・・・私たち
      2階の同じ部屋にいて、私は寝てたんです。
      ・・・私・・・夜中に突然目が覚めたんです。
      それで・・・上田さんが出て行くのを見て
      一緒に・・死人が生き返る棺桶に行って
      一緒に・・・死体を見つけたんです。』

妖術使いが仮面を付けていた事から全員に犯人の可能性が
出てきたため、全員のアリバイを調べなおす事になった。

橋本と会う予定だった上田にはアリバイを証言してくれる人が
いないはずだったが、なぜか奈緒子が上田をかばって偽証する。

この辺りから上田と山田のラブラブモードが本格的に発動。

アラン 『お前はたしかに上田先生と一緒にいたんだな?
      嘘じゃないと誓えるか!?』

奈緒子 『・・・・ハイ・・・誓います。』

奈緒子の証言の真偽を確かめるため、マリアの提案により
『心を読む岩』に奈緒子の手を入れさせる事になったため
最後に奈緒子に意思確認をするアラン井上と奈緒子の言葉。

穴に手を入れた後の仲間さんの演技から見ても、奈緒子が
場合によっては手を焼かれる事も覚悟のうえだったのは明らか。

『村長の部屋の掛け軸』

村長の後ろの掛け軸に『取苦参弾希望撮再』と書いてある。

漏れもキボンヌ(笑)

『・・・ホントになんでもなかったのか?』

いちおう奈緒子の手の事を気にしている上田。
決死のチャレンジをした奈緒子と上田の温度差が泣ける。

『毛が伸びるテノール』

結局、あの『毛生えソング』を唄っていたのは
プロデューサーの山内章弘さん(東宝)だそうな。

公式HPの『堤幸彦の謎はとべてすけた!』にも
山内さんが歌が上手である事が紹介されている。

石 原 『・・・矢部刑事!!』

矢 部 『・・・しやから誰やねんオマエ!!』

髪が伸びて妙に普通っぽくなった石原とヅラ上司・矢部の会話。

前髪を下ろした石原が、実はかなりのイケメン(笑)であった事に
「TRICK」以来のトリックヲタからも驚きの声が多数寄せられた。

『・・・・その必要はないかもしれませんよ。』

柳田のテープに『毛生えソング』が入っていた事を
聞き逃さなかった上田が柳田殺害の時間を特定。

推理自体は犯人の思うツボの内容だったが
らしくない注意力を発揮して今回も冴え渡る上田教授。

上 田 『YOU!!どこへ行くんだ?』

奈緒子 『・・・妖術使いをみつけて来ればいいんですよね?』

上 田 『やめるんだ山田!!』

奈緒子 『・・・・ほっといてください!!』

何となく自暴自棄になっている感じの奈緒子と上田の会話。
奈緒子の理性が正常に機能しなくなると、とつぜん頑張る上田。
こういう時の上田は妙に頼もしく、頭の方も冴えている。

奈緒子 『とりゃぁぁあ!!』

上 田 (奈緒子に殴られて倒れている。)

奈緒子 『・・・上田さん!!・・・何してるんですか?』

上 田 『・・・何してるじゃないよ、YOUを一人で
      行かせるわけにはいかないだろ?』

奈緒子 『・・・・スイマセン、心配してくれるなんて
       気づかなかったんで・・・』

上 田 『フン・・・心配なんかしてないよ。』

後ろから忍び寄ってきた足音を『妖術使い』だと思い込み
手近な丸太を掴んで思い切りぶん殴ったら上田だった。

妙な侠気を見せる上田と、素直に謝る奈緒子。

上田は相変わらず素直ではないが心配してないはずがない。

上 田 『君はヘンゼルとグレーテルの話も知らないのか?』

奈緒子 『ハイ?』

パンを持って来たワケを奈緒子に説明する上田。
っていうかその話の続きは・・・・

『君はどうやって戻ってくるつもりだった?
 こうやって目印を残しておけば
 後で迷う必要もないだろう?ん?』

上の会話の続きだが上田の質問に奈緒子は無言のまま。
たぶん奈緒子は戻る事など考えていなかったのだろう。

どうでもいいが『迷う必要』ではなく『迷う心配』ではなかろうか?

上 田 『いい加減に教えてくんないか?何を隠してる?』

奈緒子 『・・・・・・・・・・え?』

上 田 『だいいち君は・・・・なぜこの森に来たんだ?』

奈緒子 『・・・・上田さん、もう帰った方がいいですよ。
      アタシといると危ないから・・・・・・・』

上 田 『・・・どうして?』

奈緒子が妖術使いと黒門島の関連性について知った事を
薄々感づいた上田が、奈緒子を詰問しているところ。

奈緒子は『私といると危ないから』と上田を巻き込むまいとするが
『TRICK』9話、10話あたりでも似たようなやり取りがあった。

上 田 『さっきの件なんだが・・・まぁ、後でも良いかと思って
      言い忘れていたんだが、いちおう君に・・・・
      礼を言っておこうと思ってね・・・・ありがと。』

奈緒子 『・・・・どの件?』

上 田 『え?・・あの〜・・・岩に手を入れてくれた件だよ。』

奈緒子 『なに言ってんですか・・・上田さんのためだったら
      私・・・・手なんかどうなったって・・・』

上 田 『・・・・・YOU。』

奈緒子 『・・・・なんて事あるわけねぇだろ・・・・このボケが』

奈緒子 『・・・・・・・・・・このボケが・・・・(涙声)』

『TRICK2』最大の萌え萌えシーンとなった森の中での会話。

奈緒子が『上田さんのためだったら・・手なんかどうなったって・・』
とまで考えていたとは、これまでの言動からは考えづらいのだが
奈緒子の取った行動から考えると、まんざら嘘でもなさそう。

思わず本音を言ってしまったので、なんとか否定しようと試みたが
言っているうちに今度は感極まって泣きそうになってしまった。

というような感じだろうか?

奈緒子 『妖術使いは・・・黒門島を追われた
      黒津の分家の生き残りなんです。
      だから・・ワタシを傷つけるハズがない。』

上 田 『妖術使いなんかどこにもいないんだ』

奈緒子 『・・・・・・・・・・・・・』

上 田 『オレを信じろ!君の百倍も千倍も
      頭の良い俺が言ってるんだ!!』

奈緒子 『・・・・・上田さんの顔まで椎名桔平に!!』

上 田 『・・・・よく言われる・・・心配するな』

奈緒子 『・・・・・・・』

上 田 『・・・・・戻ろう。』

またも奈緒子の運命に暗い影を落とす黒門島の黒津分家一味。

「TRICK」最終エピソードと同じく自暴自棄になった奈緒子を
叱咤激励する上田という滅多に見られない光景が蘇る。

ノベライズ本によると最初のセリフは『心を読む岩』に手を入れた時
妖術使いが本当に黒津の人間なら自分に危害を加えるはずはない。
と、奈緒子がひそかに確信していたという意味だそうで

自分が無事だった事で、妖術使いが黒津分家の人間である事が
逆説的にハッキリしてしまったので、奈緒子は逃れられない運命を
悲観して自暴自棄な言動を繰り返していた事が判明する。

そう考えると前のシーンの奈緒子の涙は、会話の流れから見ても
あの事で上田から礼を言われるとは思っていなかったようなので

あの涙は上田を想って流したモノではなく、逃れられない数奇な
運命に対する奈緒子の悲しみを表した物だとも考えられる。

が、上田の見え透いたウソに促され森を出る事にした奈緒子にとって
この時は上田が唯一の頼れる存在だった事だけは間違いない。

ものすごくシリアスなシーンなのに『椎名桔平』の一言で
間抜けな感じになっているのは堤監督の照れ隠しか?

『・・・ねぇ上田さん。ヘンゼルとグレーテルって
 その後どうなったんでしたっけ?』

童話の通り、鳥に目印のパンを食われて道に迷う上田と奈緒子。
ちょっとカッコいい所を見せた後には必ずオチがつく上田。

『YOU・・・寝たのか?・・・しょうがないヤツだ・・ホラ・・ったく』

仕方なく森の中で野宿する事になった上田と奈緒子。
寒そうに丸くなって眠る奈緒子にコートをかける上田。

episode4の御告者の屋敷の前で塚本恵美にコートを
差し出したときのような下心は微塵も感じられないが
奈緒子に、こんな優しさを見せるなんて上田らしくない。

『・・・・・寒いな・・・・』

一旦は奈緒子にコートをかけてあげたものの
自分が寒くなったのでコートを奪い返す上田。

この方が全然、上田らしい。

『丸太』

朝になって目を覚ました上田が、奈緒子に改めてコートを
かけるシーンで、奈緒子の足の上に乗っているもの。

上田を殴った丸太なのかと思ったら
夜のシーンでは置いてないように見える。なんで?

奈緒子 『スイマセン上田さん・・・これ(上田のコートを差し出す)
      ・・・・・・・寒くなかったですか?風邪ひいてません?』

上 田 『・・・・イヤ・・全然。』

目が覚めたら、上田の黒いコートが身体にかけられていたため
てっきり上田が一晩中コートをかけてくれていたと勘違いして
上田に感謝したり、上田の身体を気遣ったりする奈緒子が不憫。

奈緒子が寝た直後と、起きる直前しか掛けていないのだから
上田が風邪をひいてないのは当然なので、奈緒子にあまりにも
ストレートな感謝の気持ちを表された上田は少しバツが悪そう。

『上田の袋』

1、9話に続いて虎屋の袋。
単に物持ちがいいだけなのかもしれないが、事件関係のモノを
パクって来たり、上田には性質の悪い収集癖がある様子。

上 田 『フハッハッハッハ・・・・解決!!』

奈緒子 『・・・・・・何がだ?』

スピーカーが頭に落ちて、どこかの回路が繋がったのか
物理学者・上田次郎が学者としての本領を発揮。

呆気に取られる奈緒子を尻目に
自力で柳田殺害のトリックを解いてしまう。

『逆位相』

上田の説明によると、音は空気の波なので反対方向から
逆の位相の波をぶつけると、波と波が打ち消しあって
波が掻き消えてしまう、つまり音が聞こえなくなってしまう。

というトリックなのだが、この森のような自然環境下では
風や障害物による干渉があるため実現はまず不可能。

しかし『TRICK2』では珍しい上田の物理学者らしい解説。

上 田 『柳田さんは妖術使いの存在を
      俺たちに思い知らせようとした。
      そのために森の中にイロイロと
      細工をしておいたんだ・・・・・
      ・・・そして・・逆に誰かがそれを利用した。』

奈緒子 『・・・・可愛い?毛生えガエル』

ヒーロー気取りの上田が犯人の企みを説明している横で
上田の書いた『逆位相』の説明図に落書きをする奈緒子。

episode1の検死現場でもロープを使って
『馬!!干支だし(笑)』という場違いな
お絵かきを始めた奈緒子だが・・・。

『あの心を読む岩は・・どう考えても柳田さんが操作して
 火を点けたり点けなかったりしていたに違いない。』

引き続き柳田の仕掛けたと思われるトリックを解きに向かう二人。

奈緒子が柳田の足元あたりを探ってみるとスイッチが現れて
あまりにも単純なトリックに拍子抜けする二人であった。

『こんな物に引っかかるヤツの顔が見てみたいわ!!』

と言う上田の顔を、じっと見つめる奈緒子。
確かにその通りだが、奈緒子も人の事は言えない。

『おぉう!?・・・・・・・・・・・・コレはただの算数だ。』

心を読む岩でコインの裏表を当てたトリックの謎を
またもや自力で解いてしまった超天才な上田。

全て表にしたコインが偶数枚なら1度ひっくり返せば表は奇数。
2度なら偶数、3度なら奇数・・・となっていくので、上田がコインを
ひっくり返した回数を音で判断し、残りの表になっているコインの
枚数を見れば上田が持っているコインの裏表が分かる。というもの。

『幼稚だ・・・低レベルだ・・・最初から思ってた通りだな・・フン』

またもや調子のイイ事を言い出す上田の顔を
ポカーンと口を開けたまま見つめる奈緒子。

『アレ?・・・アタシたち・・・なんで帰って来れたんでしょうか?』

上田がなぜか持っていた、柳田の磁石を見た奈緒子の言葉。
案の定、磁石の形をしたモノは、ただの金属片であった。

『チョ→気のせいでした!!』

村の職員、石橋の言葉を受けて里見が発した言葉。
里見はクソまじめな顔をして、とんでもない事を言うので
ハマると恐ろしく笑える。

『重力を断ち切る板のトリック』

結局、奈緒子が推理したとおり電磁石を利用したトリックだった。
電気を切ると奈緒子が片手で押しただけで倒れる椎名桔平岩。

10話の冒頭で上田が奈緒子に見せた古文書にも
『重力を断ち切る板』が書いてあったような気がするが
電磁石のない時代に妖術使いは『どうやって重力を
断ち切っていたのだろう?』という疑問が残らないでもない。

奈緒子 『それは・・・オマエがバカだからだ。』

矢 部 『ハイ・・コラお前!言うてエエ事と悪い事があんねんど!』

石 原 『・・・バカ・・・・・バカヅラ!!』

矢 部 『・・・!!!』

矢部&石原 『オルァァア!!(殴り合い寸前)』

奈緒子 『・・・・・・・静まれ!!』

柳田が、磁石で上田のコンパスを狂わせていた事が
道に迷った原因だと説明した奈緒子に対して
コンパスがなくても道に迷ったバカ刑事コンビから反論。

それに対して、奈緒子が行った回答が最初の言葉。

ぶちきれる矢部に対して、キャラの変わった石原が
矢部に『バカヅラ』発言をしたため二人は一触即発に。

『マキタコイル』

奈緒子が倒した椎名桔平岩の下にあったもの。
ちなみにepisode5の脚本は蒔田光治氏。

『棺桶のトリック』

前回、上田と奈緒子が発見した秘密の通路を使ったトリック。
案の定、小松と柳田がこの時点ではグルであった事が判明。

『柳田が残したメッセージ』

古代文字が刻まれた古い石版の文字の法則性を逆手に取って
柳田が50音に並べ替えた暗号になっていた事を暴いた奈緒子。

奈緒子 『矢部、アラン!!・・・・解きなさい。』

矢部&アラン『ハイ。』

暗号を解く作業を、矢部とアランに命じる奈緒子と
なぜか奈緒子に素直に従う矢部とアラン井上だが
途中で暗号解読に夢中になっているバカ二人(笑)

母・里見には人を威圧するムードがあり、上田も含めて
なぜか里見の命令に従ってしまうシーンが登場しているが
奈緒子の場合、従うのは矢部やアランのような小物か
もう、反論するのもめんどくさそうな上田くらいのもの。

奈緒子 『・・・・・読みなさい。』

矢 部 『ハイ・・・・まはおふき』

奈緒子 『違う!!・・・・・・縦に読む・・・縦に。』

ま は お ふ き
つ い の く し
く な ぞ し も
ん い ん ゆ と
へ こ で う は

↑という、柳田の残した文章を横から読む矢部。

矢部のお約束の行動に、奈緒子の的確なツッコミ。

『岸本と小松が乗っている観覧車』

撮影協力に名前が挙がっている『あらかわ遊園』のもの。
今回のエピソードのロケは千葉の山中と荒川区近辺に集中。

奈緒子 『私を巻き込んだのも計算のうちですね?
      上田さんに妖術使いを信じさせるための。』

純 子 『アハハハハ・・・バカねぇ・・・能天気な、お嬢さん。』

奈緒子 『・・・?』

純 子 『私はその黒津分家の子孫・・
      あなたのお母さんとは敵同士というわけよ。

      あなたのお母さんから大事な
      あなたを奪い取りたかった・・・・・・』

上田のおまけとして巻き込まれたと考えていた奈緒子に
実は奈緒子を巻き込む事こそが目的だったと告げる純子。

『TRICK』を見た限り、代々「カミヌーリ」の家系であった
里見、奈緒子のシャーマン親子は、アナーキーの儀式で
目覚めた霊能力で、黒門島に平和と豊穣をもたらす事と
黒津本家の跡取り息子と婚礼(マグワイの儀式)を行い
その跡継ぎを産む事が「カミヌーリ」としての使命だった。

という内容だったはずなので、分家と本家の対立は
奈緒子たちには直接関係がないように思えるが・・

『あなたも狼に〜変わりますか〜♪』

妖術使いの森の中に消える小松純子が唄っていた曲。

またもや石野真子さんのアイドル時代のヒット曲から
1978年3月25日にリリースされた『狼なんか怖くない』。
ちなみにこの曲は、石野真子さんのデビュー曲である。

そして純子は奈緒子に危害を加える事なく行方不明に。

・・・・・結局、この人は何がしたかったのだろうか?

『アレ?』

藪で村に抜ける道が隠されていた事に気づいた奈緒子だが
このトリックは『TRICK』の『ミラクル三井編』でも使われていた。

2重封筒のトリックといい、今回はネタの使い回しが多いのは確か。

上 田 『事件はまだ、全部終わってないんじゃないでしょうか?』

奈緒子 『・・・・・どういう事ですか?』

奈緒子が忘れていた事件の真相に
またもや気づいた超天才な上田次郎。

『・・・・・まだ頭(に)効いてへんのやぁ・・・・戻ろ?』

毛生えテノールが、まだ髪の毛に効いていないので
もう一度、森に戻りたいとダダをこねている矢部だが
髪が伸びてキャラの変わった石原は、冷たくコレを無視。

里 見 『誰がすり替えたのかはわかっています!』

奈緒子 『・・・・お母さん!?』

矢部&石原『!!』

村長の部屋で会った謎の書道の先生が、実は手品小娘
奈緒子の母親だったと知ってビックリしているバカ刑事二人。

里 見 『お前たちのやった事は、すべてゴリッとお見通しだ!!』

上田&奈緒子 『・・・・・なんでや?』

奈緒子のキメ台詞の里見バージョン。

ゴリッと!!って・・・・・(笑)

里 見 『まぁだ、そんなまず〜い事言ってるんですか?』

里 見 『うぁぁ〜〜!!(つぼ八を持って振り上げる)』

村 長 『あ〜〜〜!!・・・マズイ!!』

上 田 『・・・・・・・・・・・・分かりやすい。』

あくまで『つぼ八』がレプリカだと言い張る村長に対して
ツボを割ろうとする里見と、あわてて里見を止めようとする村長。
慌てふためく村長のミエミエの行動に呆れる上田次郎。

奈緒子 『お母さん!!来ちゃだめ!!』

里 見 『大丈夫よ、奈緒子・・・・・・・私たちの力は
      森の呪いなんかよりも、ずっと強いんですから』

またもや、里見の口から語られる『カミヌーリの一族』
里見と奈緒子が持つ摩訶不思議な力の存在。

ここで里見は言葉の持つ『言霊の力』を利用し
村長一味の動きを見事に封じ込めて見せるが
これは科学的にも証明できる『暗示』による心理的トリック。

『このもみあげは・・・・・・ただの学者先生ではない!!
 幼少の頃、通信教育で空手を修められた武道の達人だ!』

上田の空手は『母之泉編』『ミラクル三井編』などで
奈緒子の危機を救っていて、ピアノ、書道、そろばんなど
数ある上田の特技の中では最も役に立っている。

『お守りです・・・母ほどじゃありませんが私の書く文字にも
 少しは力があるんです。・・・掲げなさい。』

↓と言って、奈緒子が書いたお守りに書いてあったのがコレ。

『森でうんこをしてもみあげでふいた』

「上田さんのためなら・・私・・・手なんかどうなったって・・・」と
言っていた人の書いたものとは到底思えない(笑)

『・・・・・面白いなコレは。』

奈緒子の言うとおり、お守りを掲げて歩くだけで
みんなが逃げるので面白がっている上田。

なぜみんなが『エンガチョ』と言って逃げるのかは
ちょっと考えてもいいと思うぞ上田。

『えっ?えっ?・・・・・なんでココォ?!!』

けっきょく『膝毛』というビミョ〜な毛が伸びた矢部。
実に悲痛な叫び声で、生瀬勝久さんの本領発揮。

『・・・クルクル・・』

事件が全て解決した直後、里見がつぶやいた言葉。
元はepisode1『六つ墓村』で上田と二人で温泉旅行に行っている事を
電話で里見に指摘された奈緒子が苦し紛れに叫んだセリフである。

(エンディング)

里 見 『あなた方もこの度、その目で確かめたように
      文字には不思議な力があります。

      私が心を込めて書いた文字が入っています。 

      ・・・・・・ハイ、上田先生。奈緒子。

      (手紙を開封しようとする上田と奈緒子)

      あっ!開けるな!!

      開けた途端にその力は消えてしまいます。

      もし二人が、それをずーっと開けずに
      持っている事が出来たら・・・・・・・

      二人はまた・・・・・いつかどこかで必ず会えるでしょう。

      でも・・・・もしどちらかが開けてしまったら・・・・

      二人は・・・・・・・永遠に会う事はありません。』

上 田 『何が書いてあるんですか?』

里 見 『・・・それじゃ、、アタクシこれから政財界の方と
      お食事会がありますので失礼します。』

奈緒子 『お母さん!!』

里見が奈緒子と上田に託した二人の未来を予知した手紙。

里見の手紙には母親の愛娘に向けられた
深い愛情に満ちたトリックが仕掛けられていた。

奈緒子 『・・・・・じゃあ、、、これで。』

奈緒子 『コレ・・後で開けちゃいますけど・・イイですよね?』

上 田  『・・・えっ?・・・・・・・・・もちろんだよ。』

奈緒子  『!!・・・・・・じゃ・・・上田さん・・・・お元気で。』

奈緒子から『後で開けちゃいますけど・・』と宣言された上田と
上田の返事を聞いた後の奈緒子の表情の変化が絶妙な演技。

上田は一瞬『何で?』という素の感情をあらわした後で
物理学者・上田次郎の仮面を付けて平静を装う。

一方、上田のつれない返事を聞いた奈緒子の方は
怒ったような表情をした後、ガッカリしたような表情になり
最後にどこか諦めたような、思い直したような表情になる。

阿部さんと仲間さんは、そういう演技を
しているように見えるがいかがか?

『さっそく手紙を開ける上田』

うつむき加減に立ち去る奈緒子の後姿を見つめる上田は
一瞬、奈緒子を追いかけようとして、複雑な表情をするが
物理学者・上田次郎は、知的好奇心には勝てなかった模様で
奈緒子を追いかける前に、手紙を開封してしまう。

恋愛ドラマの主人公としては、どう考えても
ダメ過ぎる行動だが、それでこそ上田次郎。

しかし、その行動も里見にはお見通しだった事が分かる。

『里見が上田に宛てた手紙の中身』

やはり開けてしまいましたね。

頭を坊主にしなさいと言われてている人の職業は何?

答えは奈緒子の持っている封筒に書いておきました。

山田里見

『里見が手紙に仕掛けたトリック』

『超能力なんてモノがあるわけが無い』と口癖のように言ってるクセに
『TRICK』9〜10話では黒津兄弟にまんまと騙されて黒門島へ向い
『TRICK2』10〜11話では小松純子にまたもや騙されかけた奈緒子。

基本的に奈緒子は、霊能力や超常現象といったモノに対して
根っこの部分で抗し切れないという『危うさ』を常に抱えているため
奈緒子が手紙を開封できない事は里見にはお見通しだったハズ。

そんな奈緒子を2度に渡って”あちら側の世界”から半ば強引に
引き戻した上田次郎という男の強い信念が、母・里見にとって
『娘の危機を救ってくれる頼もしい存在』である事は間違いない。

里見が上田に託した手紙は開封して初めて効力を発揮するモノで
上田が開封する事を里見が見越していたことは文面からも明らか。

むしろ上田は手紙を開封して初めて奈緒子に会う資格を得たワケで
上田は手紙を開封する事で黒門島に続いて、ふたたび里見から
奈緒子の将来を託されたと言ってよいだろう。

カミヌーリの一族として数奇な運命を背負う奈緒子にとって
超常現象に対して父・剛三と同じくらい強い信念を持つ人物が
常にそばにいて彼女を引き止めてくれる必要があるのである。

もし、奈緒子が里見の言葉に囚われずに手紙を開封できていたり
上田が里見の言葉に囚われて手紙を開封できなかったとしたら
それは上田次郎という男が、奈緒子にとって必要の無い存在に
なったという事の証明だと里見は考えていたのだと思われる。

『手紙を仕舞う奈緒子』

上田と別れた後、やはり手紙を手にとって開封しかかる
奈緒子だが、少し考えて手紙を籐のカバンの中に仕舞う。

十中八、九、上田の方は宣言通り手紙を開けるだろうと
思っているが「もしかしたら。」に期待してみる事にした
という感じで、奈緒子のいじらしさがヒシヒシと伝わってくる。

友達も少なく、笑い方も知らず、他人に心を開くこともなく
数奇な運命を背負いながら孤独に生きてきた奈緒子にとって
ズケズケと家や心に入り込んでくる上田に振り回された期間は
実は、これまでの人生で最も人と触れ合った期間だったのだろう。

このエンディングを見て『鈴木吉子編』で
奈緒子が考えていた『一番大事なもの』は
やっぱり上田次郎の事だったのだろうと思えてきた。

『JR日暮里駅』

ラストシーンの撮影が行われたのはJR日暮里駅。

奈緒子のアパートがある東尾久からは、それほど近くもないが
遠くもない場所にある複数の路線が交差するターミナル駅で
奈緒子のアパートから都心に向かうには、ふさわしい場所。

本当に、こういう場所を選んでロケを行っているところに
スタッフの、この作品に対するこだわりと愛情を感じる。

里見と別れるシーンは東口広場の噴水の前で
トリックのポスターが張ってあるのは北口の壁。

夕焼けの赤い空が別れの切なさを演出しているが
この夕焼けはデジタル処理で着色した物らしいので
実際の撮影は日中に行われている模様。

ちなみに、奈緒子が歩いていくのは谷中墓地の脇の道で
あのまま歩いていくと上野方面に向かう事になるため
奈緒子のアパートがある東尾久とは反対方向になる。

とぼとぼ歩く奈緒子と、奈緒子を追う上田。

そして、すれ違う奈緒子と上田。

予言のとおり二人は永遠に会えなくなってしまったのか?

二人が再会できたかどうかは、ここでは全く分からない。

奈緒子はどこに向かったのだろうか?

墓地の横を歩く奈緒子のカットが不吉な未来を
暗示しているような気がしないでもない。

『トリック劇場版ポスター』

総天然色娯楽巨篇、全国ロードショウ、煙る砂塵、うなるコルト
オールスタア決死の活劇、同時上映『大江戸ビジュアル系』・・・

どうやら、さっそく再会する事になりそうな上田と奈緒子(笑)

『クイズの答え』

答えは『けいかん毛いかん・・・・』

この答えが本当に奈緒子の手紙に書いてあったのかは
上田と奈緒子が、もう一度再会するまで分からない。

が、その事は映画でも続編でも触れられないと思う・・・・

『相々傘』

「うえだ&なをこ」と書いてあるがテレビシリーズ『ケイゾク』の
最終回のインチキ映画予告編でも同じような物を見た気がする。

「TRICK劇場版」が『ケイゾク・映画』のような
ベタな恋愛モノにならない事を祈るばかり。

『謎の落書き』

TRICK劇場版の隣のポスターに書いてある落書き。

犬のような謎の生物の絵と堤監督と思しき似顔絵。
『いぬにかまれるぞー。』という謎のメッセージにヘンな鳥の絵。

監督の似顔絵の上に描いてあるサインは恐らく仲間さんのもの。

episode1 episode2 episode3 episode4 episode5(前編)(後編)

モドル

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