トリック2のちょっとイイ話。

episode5 【来さ村妖術使い伝説】

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episode5

10〜11話

来さ村
妖術使い伝説

【演出】

堤幸彦

【脚本】

蒔田光治

【撮影】

斑目重友
志村泰史

【照明】

池田ゆき子

『目を開けているのも怖い・・・・閉じるのも怖い』

怪しげな森、毛糸帽の男、ハンディーカムと
いきなり『ブレアウィッチプロジェクト』ネタ。

『ブレアウィッチプロジェクト』は1999年に全米で公開されて
大ヒットとなったが、その内容が賛否両論を呼んだホラー映画。

内容は、魔女伝説のあるブレアの森に3人の学生が乗り込んで
行方不明になる様を、ドキュメンタリータッチで描いた作品で
『森』『妖術使い伝説』がキーワードの今回のエピソードと丸かぶり。

調子に乗って『パート2』が制作されたが散々な興行成績で
『TRICK劇場版』は・・・・・そんな事ないと思いたい。

『書道教室』

1話以来、久々に登場した里見の書道教室。
今回も子供たちの作品は小ネタ満載な内容になっている。

【金の熊】

『なんどめだナウシカ』の宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が
ベルリン国際映画祭で『金の熊賞』を受賞した事がネタ元。

【居酒屋】

恐らく、今回のエピソードに登場する地名等を予言したもの。

【叶姉妹人形】

大手玩具メーカー『タカラ』から今年の2月に発売された人形。
価格は2体セットで19,800円で、1500セットの限定生産との事。
叶姉妹といえば『巨乳』だが・・・・【
参照

【ダイエー3点セット】

危機的な経営状態に陥った大手スーパー『ダイエー』が所有する
プロ野球チーム『福岡ダイエーホークス』と、そのホームグラウンドの
『福岡ドーム』と、ドームに隣接する『シーホークホテル&リゾート』を
指して『ダイエー3点セット』と称するらしい。が、、、、だから何?

【女の涙】

今回の奈緒子の涙の事なのか
小泉首相の発言に引っ掛けたものなのか?

【ねぎぬた】

『ねぎぬた』自体は居酒屋などでおなじみのメニューだが
公式HPの『堤幸彦の謎はとべてすけた』を読むかぎり
山内章弘プロデューサーの好物のような感じ。

『・・・・・ここまで来れただけでも奇跡よねぇ・・・』

長野の実家で里見が感慨深げにつぶやいた言葉。

相変わらず意味深な事をつぶやく里見さんだが
現時点では何の事を言っているのかイマイチ意味不明。

『シャー!!コノヤロウ!』

奈緒子が帰ってくると、アパートの前で大家のハルが
ジャーミー君に、この声と共に四の字固めを掛けている。

石原の『ありがとうございます!!』と言い、このネタと言い
何気に今回のシリーズは、猪木がらみのネタが多い。

『尾久七丁目19 34−3?』

episode2の第1回で『東尾久七丁目21』になっていた
池田荘の住居表示が今回は『七丁目19』に変わっている。

ちなみに地図で確認すると、荒川区、東尾久7丁目は
1〜4までしかないので、明らかに東尾久ではない。
西尾久なら七丁目1〜60まであるのだが・・・・

『あ〜あ、もう死んじゃおっかな〜も〜〜(怒)』

帰ってくるなり、玄関先でプロレスしている大家とジャーミー。
そして、当然のように家に上がり込んでる、巨根上田。

しかも、帰ってくるなり、どんと来い教授の上田は

『・・・君は重力を断ち切る板というのがある事を知ってるか?』

と、またも手に余る厄介事を持ち込んできた様子で
奈緒子が死にたい気分になるのも分からなくもない。

『死ね!コノヤロウ!!』

と、奈緒子が言いたくなるのも分からない事もない。

『橋本孝雄(村役場建設部長)』

橋本を演じるのは市川勇さん。
劇団、東京ボードヴィルショーの結成当時からのメンバーらしく
これまで出演されたドラマ、CM、舞台は数え切れないほど。
『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』にも出演。【
参照

『・・・・・・・・・・・高速道路は養老市から魚民村をかすめて
 私どもの白木の森の真ん中を通って笑兵衛に抜けます。』

来さ村の橋本が上田に事のあらましを説明したくだりだが
これだけで「TRICK」のセリフだと分かるほどふざけた地名。

『六つ墓村の石碑』

いつの間にか、上田の研究室に増えていたもの。
この他に『トリーックキューの騙し絵』などもコレクションに追加。
過去に関わった事件に関する物を必ずパクって来る上田。

『うっぷだるか(・・・・ウソ!)』

上田が持ってきた妖術使いの絵を見た奈緒子の叫び。
正直、聞き取りはかなり適当なので信じないように(笑)

堤監督が演出を手掛けた『ケイゾク・特別篇(99年・TBS)』で
遠山金太郎(生瀬勝久)が初登庁する際にバスの中にいた
宮古島出身という設定の受験生が同じセリフを言っているので
どうやら宮古島の方言と考えて良いようだ。

『一緒に行ってくれって話ならお断りです。
 帰ってください!!・・・ほら・・ジョワッって。』

今回も上田の依頼を一旦はキッパリ断る奈緒子。
そして奈緒子の言う通りに『ジョワッ』と飛んでいく上田。

このウルトラマンネタだけは最後の最後までよく分からないが
堤監督によると映画ではCG合成で空を飛ぶ予定らしい。

『私はね、お前のお母さんが生まれた島から来たんだ。』

上田が持って来た妖術使いの絵を見て只ならぬ反応を見せる奈緒子。

実は幼少の頃に、この絵とそっくりな装束を着た人物に出会い
不思議な現象を見せられていた事がこの回想シーンで判明。

どうでもいいが妖術使いの声が明らかに桔平。何歳なんだよ?

上 田 『・・YOU・・俺と一緒にいたいならいたいって
      最初から言えばいいのに・・・フフフ。』

上 田 『テレやがって・・・・ハッハッハッハ。』

奈緒子 『・・・・・・・スイマセン。』

上 田 『・・・!!』

結局、またもや上田に同行する事になった奈緒子。

妖術使いの事が気になって仕方がない様子の奈緒子は
上田の挑発的な言葉に喧嘩を買う余裕もない生返事で
奈緒子の予想外のしおらしい反応に逆に上田が驚いている。

上田も本気でそう思っていたワケでもないだろうし
奈緒子も本気で謝ったわけではないだろう。

『橋本マリア(橋本の妻)』

公務員・橋本の妻を演じるのはルビー・モレノさん。
代表作は数々の映画賞を受賞した崔洋一監督の映画
『月はどっちに出てるか?』でフィリピン人の風俗嬢を好演。

その後はテレビドラマやバラエティー番組などにも多数出演し
フィリピン人女優として一定の地位を確立するかに見えたが
借金問題が騒がれ、借金返済のためにヘアヌード写真集を
出版したり、借金苦をネタにしたVシネマに出演したりと
ライク・ア・ローリングストーンな転落人生を送る。

今回のドラマ出演は久々ではないかと思われる。

『来さ村の看板』

数ある看板の中で気になったのは『フルヤ牛乳』と『ミノル石油』。
二つの看板を繋げると『行け!稲中卓球部』『僕といっしょ』
『ヒミズ』などの代表作がある漫画家・古谷実の名前になるのだが・・

『アラン井上/秘境探険家・俳優』

胡散臭い探険家アラン井上を演じるのは手塚とおるさん。
デビュー作が『黒いチューリップ』(作・唐十郎 演出 蜷川幸雄)で
劇団健康→ナイロン100℃と著名な小劇団に所属した本格派。

仲間さんとも意外に縁があって、共演しているシーンはないものの
仲間さんも出演した『ラブ&ポップ』と『ガメラ3』の2本に出演している。

ちなみに劇団健康・ナイロン100℃の主催者でありインディースバンド
有頂天のリーダー兼伝説のインディースレコード会社ナゴム社長という
肩書きを持っていたケラは堤監督と親交の深いアーティストでもある。

『柳田黒男(民族学者)』

インチキ民俗学者・柳田を演じるのは寺田農さん。
舞台、映画、TVドラマだけでなく、特撮、Vシネマ、アニメなど
ジャンルにこだわらずに幅広く活躍されている名優である。

ちなみに『なんどめだナウシカ』の宮崎監督の代表作のひとつ
『天空の城ラピュタ』には『ムスカ』という悪役で出演している。

公式HPでは柳田の名前が『柳田国男』になっているが
これは実在する民俗学者と全くの同名なので少々問題ありか?

『日本人は椰子の実だ〜〜っ!!』

自己紹介の時、柳田黒男が叫んだ言葉。

ネタ元は1957年に発表され1961年に刊行された日本を
代表する民俗学者・柳田国男の晩年の著書『海上の道』。

刊行当時、考古学において古代文明は中国大陸や朝鮮半島などの
北方から直接、九州地方へ南下したとする説が一般的だったが
1898年伊良湖岬を訪れた柳田は、海岸に椰子の実が漂着している
のを見て、日本の古代文明は中国大陸や台湾から南方の島々(沖縄)
を経由し、海流に乗って九州地方に伝播したのではないか?

という着想を得て、後年それを著書『海上の道』にまとめたが
この『海上の道』の中で柳田本人も『やや奇矯に失した。』と
記しているように、当時の学会からはこの説は完全に無視された。

しかし1996年、宮古島の城辺町で巨大構造物のドルメン(支石墓)が
30基以上も発見され、このうち一つを調査した徳島文理大学教授が
このドルメンを『ヨーロッパ・アジアに分布するもので九州地方では
稲作文化の渡来とセットにして考えられるものだ。』と発表したため
柳田の『海上の道』を再評価する動きが高まり、考古学だけでなく
遺伝学的な見地からも、熱心な検証が行われている。というもの。

と、いうワケで、柳田黒男が学会を追放される事になった原因も
この『古代文明南方渡来説』なのではないかと思われる。

ちなみに、宮古の城辺町と言えば仲間さんの
お父さんの出身地というウワサもある所である。

『日向榮一(やる気建設・社員)』

どこかCW・ニコル風な日向を演じるのは佐藤二郎さん。

オンエア当時は堤監督の作品『溺れる魚』『ハンドク』に出演していた事
『自転車キンクリートSTORE』の舞台などに出演していた事ぐらいしか
分からなかったが、このドラマの後で急に売れっ子になり「真夜中の雨」
「ケータイ刑事・銭形○シリーズ」「人間の証明」「Mの悲劇」「はるか17」
「雨と夢のあとに」「てるてるあした」「電車男」「危険なアネキ」などに出演
特に「ケータイ刑事」では脚本も手がけマルチな活躍をみせている。

『小松純子(ルポライター)』

胡散臭いルポライター小松純子を演じるのは石野真子さん。
70年代後半にアイドル歌手として一世を風靡し、人気の絶頂で
当時はフォーク歌手だった長淵剛さんと衝撃的な結婚→引退。

が、わずかな期間で結婚生活は破綻し、間もなく芸能界に復帰。
以降は、ドラマ、バラエティーなどを主な活動の場にされている。

公式HPでは小林になっているがテロップでは小松に改名。

『どんとこ〜い!!』

橋本に紹介された上田がいつもの調子で叫んだ言葉。
『ワイド・スクランブル』の上田のコーナーは奈緒子の地元
「あらしわ商店街」では、けっこう好評だったようだが
この村の村人たちの反応は薄いどころの騒ぎではない。

橋 本 『・・・・そちらの方は・・・?』

上 田 『付け人の山田です。』

橋本から問われた上田が奈緒子の言葉を遮って答えたセリフ。
せめて助手とかアシスタントとか他に言いようがなかったのか上田。

『大橋大三郎(村長)』

大橋を演じるのは悪役商会の八名信夫さん。
いきなり『青汁』のCMでおなじみのセリフ『まず〜い』を連発。
いかにも悪企みしていそうな村長で見たまんまのキャラクター。
名前は来賓として出席した成人式でスピーチを妨害した新成人に
「帰れ!」と言って名を上げた高知県知事:橋本大二郎のパロディ。

『白木の森』

堤監督の日記によると今回のロケ地は千葉県内某所との事。

ロケ協力に名前の挙がっている『風の村オートキャンプ場』の
付近ではないかと思われるが、2月の末〜3月初旬に行われた
撮影は、零下4度という環境の下で連日深夜まで及んだため
阿部さんは全身にカイロを20個も装着して撮影に臨んだとか。

『その樹液や花粉は育毛に効果があると珍重されております。』

妖術使いが白木の森に持ち込んだという南方の植物の効能。
この森に乗り込んだ矢部の髪の毛が伸びる事を祈りたいが
悲しい事に伸びたのは石原の髪の毛の方だったりする。

しかし、例の媚薬の原料の花(カリボネ)もあったりするのだろうか?

奈緒子 『よく見ると・・・これ椎名桔平に似てますね。』

アラン 『へ〜〜・・・ってどこがだよ!!』

アラン 『・・・・どっちかって言うと渡辺哲だろ。』

森に点在する人面岩を椎名桔平に似ていると力説する奈緒子。

アラン井上から『TRICK』ファンにはお馴染み『哲この部屋』の
渡辺哲さんにクリソツ説が飛び出すが、正直どっちも似ていない。

『・・・ヘンナ島・・フデ島・・南方の島々の資料だ』

柳田の弟子、岸本が残した資料を手に取る上田。

よく見ると、資料の表紙に書かれている文字が『TRICK』で
登場した、この世に存在しない文字『門構えに火』になっている。

上 田 『・・・心を読む岩だ。』

奈緒子 『これも椎名桔平そっくりだ!!』

上 田 『どこがじゃ!?・・・どうかしちゃったのか!!?』

嘘をつくと手を噛まれるという『真実の口』は顔になっているが
この『心を読む岩』は装飾を施してあるものの単なる穴。
上田の言う通り、確かに奈緒子はどうかしちゃってるようだ。

奈緒子は何を見ても椎名桔平に見える状態に陥っているらしいが
この時点で、まだ妖術使いの素顔を見ていないはずの奈緒子が
なぜそこまで椎名桔平にこだわるのかは不明。

アラン 『・・・私は・・・イクラが嫌いだぁ。』

奈緒子 『・・・・・・・微妙だ。』

『心を読む岩』の穴に手を入れたアラン井上の3度目の言葉。
それまでアラン井上の名前などには派手な反応を見せていた
『心を読む岩』だったが、事が彼の嗜好に及ぶと微妙な反応で
いかにも事前に調べ損ねた情報である事を感じさせる。

ちなみに、イクラが嫌いなのは仲間由紀恵さんである。

上 田 『・・・・・なんだ今のは?』

奈緒子 『・・・・・・ホーンテッドマンション?』

死人が蘇る棺桶から飛び出した謎の白装束を見た上田と奈緒子。

奈緒子が口走った『ホーンテッドマンション』とは
ディズニーランドの有名なホラー系アトラクションで
エンターテイメント性の高い演出は、よく映画とも比較される。

極貧に喘ぐ奈緒子がディズニーランドに行った事があるとは
思えないので、テレビや雑誌で得た知識だと思われる。

仲間由紀恵ヲタとしては『HAUNTEDじゃんくしょん?』と
聞き間違えそうになるが内輪ウケ過ぎるのでそれはないだろう。

『け〜が〜のぉ〜び〜〜る〜♪』

探検隊が森を進むうちに闇の中から唐突に聞こえてきた歌声で
アランの鼻毛、日向の耳毛、橋本の髭、小松の腕毛が伸び始める。

ちなみに上田はもみ上げが伸び、奈緒子は眉毛を触っているが
奈緒子の眉毛は、その後のシーンで全く変化を見せていない。
いったい何毛が伸びたんだ?・・・山田。

奈緒子 『先生の仰ってた南の島って、もしかしたら・・・』

柳 田 『地図にも載っていない小さな島だ。』

柳田が妖術使いが『南の島』から来たと言っていた事が気になる
奈緒子が柳田に尋ねた言葉。奈緒子の神妙な表情が印象的。

柳田によると100年ほど前、島を追われた一部の者たちが
黒潮に乗って日本各地に散らばった事だけは確か。との事。

アラン 『この渡辺哲岩はどうやって運んだんだ?
     夕べまでここには何もなかったんだぞ?』

奈緒子 『・・・椎名桔平だ!!』

橋 本 『・・・・でんでんにも似てますね。』

奈緒子とアランの椎名桔平岩・渡辺哲岩論争に橋本が参戦。
ハッキリ言ってこうなってくると、もうメチャクチャ(笑)

「でんでん」とは『お笑いスター誕生』という番組出身の芸人さんで
人気お笑い番組『オレたちひょうきん族』にも出演していたが
後に役者に転身し95年にラサール石井らと『星屑の会』を結成。
堤監督の作品『溺れる魚』にも刑事役で出演している。【
参考HP

奈緒子 『実は!!・・・・・今のは・・・・
      上田教授が皆さんを試しただけなんです。』

奈緒子 『・・・・・この椎名桔平岩は』

アラン 『渡辺哲岩だ!!』

橋 本 『でんでん。』

奈緒子 『・・・・・・椎名桔平岩は!!』

奈緒子 『確かに空洞なんですが・・・・・・・重いんじゃなくて
      電磁石かなんかで地面にくっついてるだけなんです。
     電源を切れば岩は簡単に動く・・そうですよね?教授』

柳田に重力消失板のトリックを理論的に説明しろと言われた上田が
その論理の綻びを、よりによってマリアに指摘されて絶句していると
奈緒子が助け舟を出して自説をみんなに解説してくれたところ。

イザとなったら、つい上田を見捨てて置けなくなってしまう奈緒子。
恋愛感情とまでは言わなくても、仲間意識は持っている模様。

普段は『上田!!』だの『お前なぁ・・』なんて言ってる奈緒子が
『そうですよね?教授。』なんて言ってるのを聞くとドキリとする。

『磁石とスコップ』

人面岩が金属でない事を証明するために柳田が持ち出した物。

ぐうぜん、小屋の中に磁石があるのがまず不自然だし
そもそも近づけた方が本当に磁石だったのかすら疑わしい。

あんのじょう、次のシーンでは上田が見ている方位磁石に
柳田が終始スコップを近づけていたため道に迷っている。

『私はお金のためにやっているわけではありません!!』

何かに引き寄せられるように、来さ村を訪れた里見。
村の看板を書いてくれと頼む村長に『断り』を言うと
今度は『金』の話を持ち出されて言い切った言葉。

実に毅然としてカッコイイが『episode2』の冒頭のシーンで

『私は、お金や食べ物なんかで転ぶような人間ではありませんから。』

と上田に啖呵を切っておきながら、吉子の寄付金を掠め取ろうと
インチキ予言者になりすましたのは他ならぬ彼女の娘である。

『ご料金表』

上のセリフを言った舌の根も乾かぬうちに里見が取り出した
『ご料金表』に書かれていた内容は以下の通り。

デラックス    一文字につき 金、百萬円也

エグゼクティブ 一文字につき 金、拾萬円也

一 般      一文字につき 金、伍萬円也

里見によると、何も言わないと『エグゼクティブコース』に
なってしまうそうなのでホントに『ご料金表』の通りの価格なら
長野にいた頃の奈緒子は優雅な生活を送っていたハズだが。

『先生、もしやそのプレートを見て言っているのでは?』

村長の部屋に飾ってある水墨画が贋作である事を指摘した
里見に村役場の職員・小橋?がつい言ってしまった言葉。

里見は責めるように小橋を見据えるが、プレートにハッキリと
『複製品』と書かれているし、娘の行動パターンを考えると
おそらく図星だったのだろうと思われる。

『・・・・』

マリアの提案で日向の死体を『死人が蘇る棺桶』に入れてみたが
やっぱり気味が悪いので、誰も棺の蓋を開けようとはしない。

そこで白羽の矢が立ったのが、どんと来いの上田先生。
小松純子にうまく口車に乗せられて扉を開けるハメになる。

扉の前まで来てためらう上田に一同は手ぶりで『早くしろ』と指図。
頼みの奈緒子までもが、顎で上田に『早く開けろ』と促したため
上田は扉を開けざるを得なくなる・・・・・。

『伝説の壺』

来さ村に伝わっていたという貴重な壺で、その名も『つぼ八』。

『・・・・・・あんた誰?!』

村役場に『つぼ八』の件で乗り込んできた矢部と石原が
『つぼ八』流出の件について大橋村長を問い詰めている時
当然のように会話に入り込んでくる里見に矢部が言った言葉。

実は『TRICK』で矢部が奈緒子に最初にかけたのもこの言葉。

里 見 『どんなに上手に装ったつもりでも
     ニセモノかぶった人間はすぐに分かります。』

矢 部 『・・・・ニセ物も何も、これ直に生えているもんですよ。』

石 原 『スイマセン!多めに見積もってやってもらえますかのぉ?』

里 見 『(矢部のヅラを掴んで)・・・・ズレた。』

複製品だらけの部屋の中で矢部の秘密に直接攻撃を加える里見。
矢部の神隠しに対して、本人にここまでハッキリ言い切ったのも
ヅラに直接攻撃を加えたのも、もちろん里見が初めてである。
里見の攻撃にオロオロしている石原がちょっと可哀想になる。

『岸本さん』

柳田の助手で、白木の森で『つぼ八』を発見したという学者。
欲に目が眩んだ日向に撲殺されたが『死人が蘇る棺桶』に
死体を隠してしまったばっかりに、生き返って日向と橋本に
復讐を企てている・・・・と、橋本は思い込んでいたのだが。

『すぐやる課』

橋本の職場である村役場に掛けられていた看板の文字。
堤監督の日記によると『ナウシ課』という課もあったそうだが
オンエアではカットされたのか今回の放送では登場していない。

『こんなにハネてなかったと思うし・・・』

ついに白木の森に乗り込んで来たヅラ刑事・矢部が突き付けた
闇ルートに流れている『つぼ八』の写真を見た橋本の感想。

最初に登場したものとは別物で複製品である事は明らか。
で、レプリカといえば里見が言っていたあの・・・・・・

『パパさん、ワタシ、アナタとはもうカンケイナイ』

橋本が岸本の殺害と『つぼ八』の横流しにも加担していた事で
罪に問われる事がハッキリした途端にマリアが言い出した言葉。

公務員の妻で外国人の女が同じような発言をしているのを
つい最近聞いた記憶が誰にでもあるはず。

上 田 『・・・・・行くぞ。』

奈緒子 『・・・ハイ。』

死人が蘇る棺桶の裏に隠し通路を発見した上田と奈緒子。

どこに繋がっているかは分からないが入ってみる事にしたようで
めずらしく会話をリードする上田と素直に従う奈緒子。

奈緒子 『やっぱり・・・・トイレの穴です!
      誰かがこの地下通路を通って
      死体を外に運び出してたんです!!』

地下通路を通ったら柳田が最初に入ったトイレに出てきた奈緒子。
ちなみにトイレには、ご丁寧に『使用禁』の張り紙がしてあり
最初から抜け穴として用意された物だと思われるので心配ない。

奈緒子 『・・・・あり?・・・・・上田さん?オイ!上田ぁ!!
      途中でつっかえちゃったのか?上田ぁ〜?!』

上 田 『・・・・思った通りだ。やっぱりここが出口だったか。』

奈緒子 『!!・・・・ついて来たんじゃなかったんですか?』

上 田 『・・・・・・何があるか分からない穴に
      なぜ二人も入っていく必要がある?』

奈緒子 『・・・・・・・・・この・・・・バカ上田っ!!』

上田がついて来ないので、心配になって穴の中に声をかけたら
いきなり背後から声を掛けられて、思わずビックリする奈緒子。

『行くぞ』と言った当の上田は危険な事は奈緒子にやらせておいて
自分は安全な外を歩いてきたと言うので、ちょっとでも上田の事を
心配してしまった自分と上田の身勝手さに奈緒子の怒りが爆発。

『アノ人悪いヒトだなんて、ワタシもう妻じゃアリマセン。』

またもや、どこかで聞いたようなアニータマリアの台詞。
番組オンエア当時、青森県住宅供給公社の職員が14億円もの公金を
横領していた事が発覚した事件で、チリ人妻・アニータ・アルバラートが
その横領した金でチリに豪邸をおっ建てておいて「自分は無関係」だと
うそぶき、日本では非難轟々、現地ではスター気取りという事があった。

『・・・お侍さん・・・・・目医者はどこですか?』

奈緒子の寝言と奈緒子の足元で時計を気にしている上田。
最初は、またもや時代劇ネタだが『目医者』のネタ元は微妙。
『ねじ式/つげ義春』の『イシャはどこだ?』との説が有力。

episode1に続いて、また同室で寝起きしている上田と奈緒子。

上田がいるのを気にする様子もなく爆睡している奈緒子は
上田を信頼しているか、全く相手にしていないのかどちらか。

『・・・・・・上田!!』

『TRICK』における奈緒子の寝言は、『時代劇ネタ』か
焼肉などの『食い物ネタ』で、基本的に奈緒子の好きなモノ
しかなかったのだが最終エピソードになって上田が登場。

・・・・・・もしかして上田の事も?

『・・・・・・・ん?』

『上田!!』と叫んで目を覚ました奈緒子が辺りを見回すと
すでに上田は橋本との約束の場所に向かっており
橋本の死体を発見し、どうやら妖術使いにも会っている。

目が覚めて、とりあえず上田を探す奈緒子の様子から見て
彼女の夢もあまり良い内容ではなかったのだろうと思われる。

『上田?・・・・・上田?』

白木の森の闇の中を上田の名前を呼びながら彷徨う奈緒子。

奈緒子の声のトーンが、いつになく高く、か細くて今にも消えそう。

こういう弱々しいキャラは仲間さんの得意とするところなので
奈緒子の不安感や孤独感が非常に良く表れている。

『久しぶりだねぇ。忘れたわけじゃないだろう?』

ついに奈緒子の前に姿を現した妖術使い。

この妖術使いは間違いなく椎名桔平に似ている。って言うか本人(笑)

『妖術使い』

奈緒子と同じ力を持つという妖術使いを演じるのは椎名桔平さん。

アクの強いキャラクターや狂気を孕んだ男を演じさせると絶品だが
プライムタイムの恋愛ドラマやコメディもソツなくこなす器用な人で
数々の話題のドラマ・映画に出演されている超売れっ子俳優。

ANB系の、この枠の深夜ドラマでは95年に放送された
SFサスペンス『BLACKOUT』で山本未来さんと共に主演。

仲間さんとは堤監督の映画『溺れる魚』ですでに共演ずみで
阿部さんとも『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』で共演ずみ。

『我々は120年前、黒門島を追われた者たちの生き残りだ。』

奈緒子に自分が黒門島の人間である事を告げる妖術使い。

そもそも死人が蘇る棺桶や不思議な術で蘇生できるという話が
本物なら『生き残り』という表現自体がおかしいと思うのだが。

『奈緒子の涙』

子供の頃に聞いた妖術使いの台詞と、全く同じ言葉を
目の前にいる妖術使いの口から聞いた奈緒子の目から溢れた涙。

その涙の意味は、まだ知る由もない。

奈緒子の中に封印されていた悲しい記憶が蘇ったのだろうか?

『目医者はどこですか?』と関係あるなんて事は無いと思うが・・・

『・・・・・・しいな・・・・きっぺい。』

と、さんざん盛り上げておいて奈緒子の最後の台詞がコレ。
そりゃ、たしかに椎名桔平に違いはないんだが・・・・・

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