TRICK2のちょっとイイ話

episode2 【予言者鈴木吉子】

episode1 episode2 episode3 episode4 episode5(前編)(後編

episode2

予言者
鈴木吉子

2.5〜5話

【演出】

堤 幸彦

【脚本】

蒔田 光治

【撮影】

斑目 重友
志村 泰史

【照明】

池田ひろ子

『・・・左に回ればあなたは大きな不幸に見舞われますよ。』

予言者・鈴木吉子が名もない男に告げた予言。

男はこの直後、吉子様の占いを無視して十字路を左に曲がり
突然、正面から現れた居眠り運転の車に撥ねられてしまう。

しかし、これが吉子様一味の仕業だったとしても、十字路を
左に曲がったら、居眠り運転の車が直進してきたという事は
右に曲がっても後ろから轢かれたのではないかという気がする。

『週刊純情女性』

財布の中には小銭しかない奈緒子だが占いを読むために
雑誌を買ったりしてる辺りに年頃の女の子らしさを感じる。
が、たぶんこの雑誌はどこかで拾ったか貰った物だろう。

徹底したリアリストのようで、占いを気にしてたりする所は
『ケイゾク』の柴田純と、どことなく通底する部分がある。

『蟹座の人』

6/22〜7/22(6/23〜7/23)生まれの人がこれに当たり
『TRICK』の放送開始(2000年7月7日〜9月15日)当時
23歳という設定だった奈緒子は現在24歳という事になる。

ちなみに上田の誕生日は1965年11月4日の蠍座で

阿部 寛さん    1964年 6月22日  (蟹座)
仲間 由紀恵さん 1979年10月30日  (蠍座)

という主演のお二人の星座が真逆になって採用されている。

『週刊純情女性の占いコーナーの全文』

恋愛運、金運ともに最高。

今週はあなたの人生で最高の1週間になるでしょう。

宝くじを買えば1等賞、馬をやれば万馬券。

口を開けば棚からぼたもち、道を歩けば棒にあたる。

今週のあなたの辞書にはギブアンドテイクの文字はありません。

世界があなたにひれ伏す1週間です。

ただし、失せ物には注意。

失ってからその大切さに気付くでしょう。

『この前もそんなこと言って
 六つ墓村なんか行っちゃったしナァ・・』

絶好調の占いを読みながら、奈緒子がつぶやいた言葉。
堤監督の日記によると、episode2は2001/8〜9月に撮影。
episode1は11〜12月頃に撮影された事になっているのだが。

去年の夏の時点でepisode1〜2の脚本が出来上がっていたとは
ちょっと考えづらい気がするので、このシーンはepisode1の
脚本が出来た後に撮影されたものだと考える方が自然。

と、思ったらひょんなところから9月6日の撮影である事が判明。
episode1,2の脚本は去年の夏の時点で出来ていた模様。

『産廃業者のカワダさんに言ってクレーンで持ち上げてもらう』

奈緒子がガメてきた米俵を見てハルが思いついたアイデア。
つくづく怪しげな人物と交流の深い大家さんだが
このシーンの注目すべきポイントは話の内容ではなく
池田荘・入り口の住居表示が『7丁目21』になっている事。

第1話の上田の手紙では間違いなく『東尾久9丁目21−3』に
なっていたし『TRICK』10話では『東尾久8丁目』だったので
どうやら撮影のたびに住居表示の看板を変えている模様。

『あらしわ商店街』

奈緒子が住むアパートの近所の商店街で
正式名称は『荒川しあわせ通り商店街』。

福引では、自前の『金の玉』を使った奈緒子に
イカサマで一等の『越後くそう津米』をゲットされる。

ロケ地は東京都、北区志茂の『スズラン通り商店街』。
よく見ると遠くの看板には名前がそのまま書いてある。

『金の玉事件!!さぁご一緒に!!金の玉事件!!』

依頼を断ろうとする奈緒子をイカサマをネタに脅す上田。

奈緒子がイカサマで米俵を手に入れた事を非難しているが
独身女性の家に勝手に上がり込んで『金の玉』を連呼する
上田の言動も立派なセクハラ犯罪である。

『石段、、、2段、、、3段、、、余談ですが?』

ロケ地は、北区王子1丁目『音無橋』のたもとの階段らしい。

吉子様から『石段を登ってはいけない』と言われた奈緒子が
一段づつ確かめるように階段を上っている時の言葉。

さすがに最初はおっかなびっくりという感じだったが
結局は『バカバカしい!!』と駆け足で登りきってしまう。
さすがはサイキックハンター山田剛三の娘である。

上田だったら確実に途中で気絶しただろう。

『やったぞ!上田!見てるか!?』

鈴木吉子様の予言を試すため、占いに反して階段を
登った奈緒子が、階段を登り切って思わず発したセリフ。
上田に報告する奈緒子が妙に可愛いと各地で評判。

『頑張ったよ!褒めて!』と言っているようで可愛いが
初めて『逆上がり』ができた子供が父親に快挙を
報告しているようにも聞こえる。

『・・・まったくいい加減なヤツですね。』

観察していると言いながら、姿をくらました上田の行方を
矢部に確認するために電話を入れた奈緒子のボヤキ。

文句を言いながらも『何かあったんですかね?』なんて
矢部に聞いてみたり、家に帰って来て、まず最初に
上田が来ていないか確認してたりする奈緒子が可愛い。

矢 部 『お前が無くした大事なものっていうのは
      上田先生の事じゃないかなぁ?』

奈緒子 『なに・・・・・何バカな事を(苦笑)』

失踪した上田の行方を探るべく矢部に電話をした奈緒子が
妙に爽やかな東京弁で語る矢部の推理をキッパリと否定。

『貢ぎ芋・長部』

演じるのは『ショムニ』で有名になった伊藤俊人さん。
仲間さんと伊藤さんは『友子の場合』以来の共演のハズ。

後半の鬼気迫る演技は新境地開拓という感じの名演技でしたが
「ショムニ・ファイナル」の撮影を1週間後に控えた2002年5月24日
くも膜下出血で急逝され、早すぎるお別れとなってしまいました。

「TRICK2」出演者から阿部寛さんがお通夜に駆けつけました。

『占い秘書・清水』

演じるのはドラマのバイプレイヤーとして活躍する升毅さん。
episode3のスペシャルゲスト佐野史郎さんと升毅さんは
CX系サイコサスペンス『沙粧妙子−最後の事件』でも共演。

『この世は、現在・過去・未来の世界が
 常に平行して進んでいるらしいのです渡辺真知子・・』

吉子の家に移動するバスの中で清水が奈緒子と矢部に
『時間の穴』の説明をしている時に挟んだ渡辺真知子の
デビュー曲『迷い道(1977年)』の歌詞からの小ネタ。

『吉子の家』

これも『堤幸彦演出研究序説』で紹介されていますが
ロケ地は埼玉県寄居市にある10年前に廃業した旅館。
この旅館を数日間借り切って撮影されたらしい。

『磁場の影響/フェーン現象』

劇中で「フェーン現象」と説明されている異常気象は
撮影が前年の8〜9月頃に行なわれた事をネタにしたもの。
『堤幸彦演出研究序説』を見ると撮影の苦労がわかる。
ちなみにepisode1の撮影は2001年12月頃らしい。

『予言者・鈴木吉子』

鈴木吉子を演じるのは銀粉蝶さん。
この方も『ケイゾク』の『泊まると必ず死ぬ部屋』に出演。

 男 『貴様ァ・・・下らない言いがかりつけると!・・・』

奈緒子 『・・・・・やっぱり』

大内マツが自分の金を盗んだとしてマツを縛り上げていた男が
金を入れていたと主張しているバッグに、実際はドライアイスが
入っていたのではないか?という推理を展開した奈緒子。

焦った男は凄んで見せるが、凍傷避けの皮の手袋を嵌めていた
左手を見せてしまったため、推理が当たっている事がバレる。
手袋の意味について特に何の説明もないので分かりにくいシーン。

『あの・・大きくてぇ・・・・股間の中に、大きくてぇ・・・』

大内マツに上田の特徴を説明する奈緒子のセリフ。
身振り手振りで上田の巨根ぶりをリアルに説明。

実は『TRICK2』では、ほぼ初めての『巨根』ネタ。
こんな説明をする奈緒子も相当だが通じてしまうのが凄い。

『やすし!!』

マツに関西弁でまくし立てる矢部を奈緒子が諌めた一言。
キャラはたしかに「やすし」だが見た目は「きよし」である。

生瀬さんは97年1月27日に放送されたスペシャルドラマ
『オレは浪花の漫才師(TBS)』という横山やすし追悼作品に
西川きよし役で出演されている。

『時間の穴の伝説』

『堤幸彦演出絵研究序説』によると、このシーンで村人を
演じているのはスタッフらしい。全員ノリノリだったらしい。

『嘘だと思うなら、後で拙者が同じ事をやってしんぜよう!』

吉子のトリックを見抜いた奈緒子が長部に言った言葉。
奈緒子の時代劇マニアっぷりをふたたび強調。

『・・・・・・・・なぁ、矢部!!ここに居る全員を
 私たちの味方にしちゃうってのはどうですか?』

またもゼニの魅力に目が眩み出した奈緒子。
吉子の寄付金を横取りする悪巧みを思いつく。
前半が無礼で後半が丁寧なのが2chっぽい。

『上手くいけば寄付金もアタシたちの手に・・・』

上の発言の続き。
この発言の後、矢部におでこをひっぱたかれる。
このストップリアクションの表情には、ある意味
仲間さんの女優生命がかかっていると思う。

『そ〜れは、まぁいろいろとありますよ(笑)
 ウヒャヒャヒャヒャヒャ!!』

ふたたび矢部におでこをひっぱたかれる奈緒子。
前回とまったく同じ表情で、可笑しさ倍増。
このドラマでは、おでこを叩かれまくる仲間さんだが
沖縄在住の中学生当時も、たまたま廊下ですれ違った同級生に
いきなりおでこをひっぱたかれたりした事が何度もあったらしく
つい叩きたくなるオデコである事はたしかなのかもしれない。

人生には、お金では買えない幸せがあるのですよ。

結局、欲に目が眩んで吉子の寄付金を横取りするべく
8掛けでニセの予言をする事になった矢部と奈緒子。

中野に痛いところを突かれた奈緒子が咄嗟に言った言葉。
実は『TRICK』第1〜3話『母の泉』編でビッグマザーが
言っていたのと、まったく同じ台詞である。さすがインチキ。

『焼肉を腹いっぱい食べたいとか・・・
 しゃぶしゃぶを腹いっぱい食べたいとか(ウットリ)』

『人生には、お金では買えない幸せがあるのですよ。』
などと、もっともらしい事を言ったら『どんな?』と聞かれて
奈緒子が思わず答えてしまった奈緒子にとっての幸せ。

狂牛病騒動で高級ブランド牛肉の価格までもが暴落する中
『焼肉』とか『しゃぶしゃぶ』と言うだけで幸せそうな顔をする
奈緒子の極貧っぷりが、あまりに哀れで涙を誘う。

このままでは、奈緒子は本物の超能力者に
出会う前に餓死してしまうかもしれない。

『それは林家!!』

マジックの最中「紙・・・・ペーパー!!」と言った後の
矢部のリアクションを見た奈緒子の的確なツッコミ。

『TRICK』では矢部に存在を無視され続けた奈緒子だが
いつの間にかドツキ漫才をするまでに仲良くなっている。

ちなみに仲間さんと阿部さんは『六つ墓村』の収録現場で
ホントに林家ペーパーに写真を撮りまくられる事になる【
参照

『礼儀をわきまえない貧乳の女が
まもなく、ここに来ると思います。』

マツに手紙を託す時に上田が奈緒子の特徴を伝えた言葉。
実をいうと、これが『TRICK2』ではほぼ初めての貧乳ネタ。

episode1では、ほとんど使われなかった巨根・貧乳ネタ。
収録された順番は、このエピソードがいちばん古いので
これを撮り終えた後で「TRICK」で使っていたネタを
ある程度、封印するように方針を変更したのかもしれない。

『・・・・この大味な感じは・・上田さんですよ!!』

上田がマツに託した手紙を目にした奈緒子が言った言葉。
要するに何から何まで大ざっぱな男・上田次郎。

『君も・・・・・うぅ〜〜んんん・・・』

上田の手紙の『窮地』を読めずに半泣きになっている奈緒子。
どうも今回の奈緒子はホントに漢字が苦手というキャラらしい。
小声で教えてくれている矢部が何気に親切で気持ち悪い。

『・・・脅されてるんですね?後ろに誰かいるんですね?』

突然現れてワケの分からない事を口走る上田に
奈緒子が上田のことを気遣ってかけた言葉。

『後ろに誰かいるんですね?』という奈緒子のセリフは
『TRICK』第3話で、上田が『ビッグマザー』一味に
吊るされていたシーンで奈緒子が叫んだのと同じセリフ。

上田がイザとなったら自分だけ助かるために隠れていたとは
これっぽっちも思っていないので本気で心配している様子。
真相が分かった時に奈緒子が怒ったのも無理はない。

『ニャーッ!!』

奈緒子が、時間の穴からやって来た自称『侍』の
上田次郎に撲殺されかかった時に発した奇声(笑)

妙に可愛くて放送後に好評を博したが、放送前に
収録されていた第6話のマジックのシーンでも登場。
さすがに奈緒子ヲタのツボをわかってらっしゃる。

『キャー!!やめて!!堪忍してお侍さん!!』

上田に殴られた後、気絶していた奈緒子が目を覚ました時
目の前にいた矢部の顔を見て、思わずさけんだ言葉。
あの後、奈緒子は一体どんな夢を見ていたのだろうか?

『・・・お前、よう、こんな便所の前で寝れるな?』

便所の前で倒れていた奈緒子に矢部がつぶやいた言葉。
episode1では来栖の部屋の廊下で寝ていた奈緒子だが

起してくれるだけヅラ刑事・矢部の方が親切かもしれない。

『・・・・身ごもりジグラ』

矢部による「身ごもり地蔵」のワザとらしいまでの誤読。
自分の事を棚に上げて、見下すような視線の奈緒子。

『瀧山さん・・・・・どうぞ?』

瀧山とトランシーバーで会話する奈緒子と矢部。
2chでは『スネークマンショー』ネタという事になっている。

『・・・・なぜ叫ぶの箱だけないんでしょうか?』

瀧山が見つけたはずの『叫』の箱がない事を訝る奈緒子。
と言うか、そんな事を言ってる奈緒子と矢部が『04』と書かれた
箱を見て「もしかして、これの事?」と思わないほうが不思議。

『コップ・・・・・さっきの水差し!!』

吉子様のトリックを、負けてから見抜いた奈緒子。
毎度の事ながら、もっと早く気付け(笑)

『炊いたごはんがただのお米に戻る。
 昼ごはんがお金に変わる。
 時計の針が逆回転を始める。
 鎧武者がお前たちを成敗する。』

中野に挑発された奈緒子が並べ立てたデタラメな予言。

よりによって、こんなめちゃくちゃな予言をするあたりからも
奈緒子が負けず嫌いで無鉄砲な性格であることは明らかで
臆病者でプライドの高い上田と良いコンビなのも納得。

あとで予言がすべて実現してしまったため窮地に陥るが
甲冑を着込んで鎧武者に扮した上田に助けられる。

撮影では、身長が2mくらい(1m89cm)ある阿部さんは
鎧のサイズが合わずに、かなりツライ思いをされたとか。

奈緒子 『無理だ!!』

マ ツ  『・・・・・(無言で頷く)』

奈緒子 『・・・えぇっ!!』

「優しく、しとやかで胸の豊かな女性になります。と誓うのだ!」
という上田の手紙の文句に即答した奈緒子の切ない言葉。

確かに胸の豊かな女性になるのは無理かもしれないが
優しくなるのは心掛けしだいのような気がしないでもない。

手紙に書いてある文句が上田の理想の女性像だとすると
どう贔屓目に見ても、奈緒子とは真逆のキャラクターなので
上田が奈緒子に対して冷淡な態度でいられるのも良く分かる。

『堪忍して・・・・やめてください・・・やめろ!』

迫り来る吉子様の信者に奈緒子が投げかけた言葉。
普通はこういう状況だと、だんだん弱腰になるものだが
奈緒子の場合はどんどん強気になっている。

ちょっと『リング0〜バ〜スデイ』を思い出させるシーン。

奈緒子 『今までどこにいたんですか?!』

上 田 『あっちこっちだよ。戸棚の中とか押入れの中とかね』

奈緒子 『どうりで何か気味の悪い視線を感じてたんですよ。』

奈緒子のヤケクソな予言を的中させるために登場した
上田と奈緒子が、ようやく再会して最初に交わした言葉。
助けてもらっておいて『気味の悪い視線』とはヒデェ言い草。

奈緒子 『じゃ何でサッサと出て来てくれなかったんですか!?』

上 田 『いろいろと・・・・・事情があったんだよ。』

奈緒子 『やつらに捕まったかと思ってたんですよ!!』

奈緒子 『・・・・・・・・・・どれだけ心配したか』

上 田 『ほう・・YOUが心配してくれるとは思わなかったな』

奈緒子 『・・・・・・そいじゃ!!』

上の会話の続き。

こうして見ていると、2人が恋愛関係に発展しないのは
圧倒的に上田の方に問題があるような気がしてならない。

『・・・・お前なぁ(怒)』

隠れていた理由を『いよいよという時に自分だけは助かるため』と
説明した上田に対して、奈緒子が思わずつぶやいた一言。
本気で上田を心配していたようなので怒るのも無理はない。

やはり、どう考えても上田に問題がある。

『恥を知れ!!』

吉子の寄付金を掠め取ろうとした奈緒子を上田が叱責した言葉。
減らず口の奈緒子も、さすがにこればかりは反論できず。

『なにすんねんワレ!しばくぞコラ!・・・・・・・ボケェ。』

上田の説明により、侍に殴られたのが夢でなかった事が
発覚し、怒りを爆発させた奈緒子の叫び。(矢部風味)
付け足しっぽい、最後の『・・・・ボケェ』が変に可愛い。

『フッ、、アベレージな日本人は数学的でさえある。』

中野の行動パターンを統計学的に導き出した上田。
またもや冴え渡る上田の推理だが、やっぱり上田らしくない。

『ご飯ならいくらでも食える。』

ご飯とお米を入れ替えたトリックを聞かれた上田の答え。
業務用の釜の飯を全部食うとは、いくらなんでもムチャだが
この台詞が、このエピソードのエンディングの伏線だとは・・・

『・・・あべ(阿部)?』

「アベレージな日本人だからな。」と断言する上田に対して
奈緒子がつっこんだ一言。ちなみに1/11日に放送された
『徹子の部屋』では阿部さんの名前をど忘れしていたらしい。

『清水さん捻じれてるじゃん!!』

時間の穴から現れた清水の死体を発見した奈緒子の言葉。

『TRICK』と『TRICK2』で変わった事のひとつが
目の前に現れた死体を見た時の奈緒子の反応。

『TRICK』で大森美和子やニセ上田の死体を見た時は
『イヤァ〜〜〜〜〜!!』と貞子ばりの絶叫をしていたのに
「2」になってからは、死体を見てもそれほど驚いた様子もなく
冷静に死体や殺人現場の状況を分析している場合が多い。

要するに慣れちゃったって事なんだろうが
こういう状況には、あまり慣れたくないものだ。

上 田 『彼女には!すべてを見通す力があるからだ!』

奈緒子 『・・・・・・・ハイ?!』

奈緒子 『・・・・お前がやった事は全てお見通しだ!!』

吉子様の毒のトリックを見抜いた上田が切った啖呵。

突然、自分に話題を振られた奈緒子は、困惑しながらも
『お前がやった事は全てお見通しだ!』と調子を合わせている。

なんだかんだ言いながら助けあっている、この二人。

『・・・・上田!!だからお前は!!』

案の定、読みが外れていた上田に奈緒子が毒づいた言葉。

これまでの経歴を考えれば一瞬でも上田を信じた奈緒子の方が
正直どうかしているのだが今回の上田は妙に冴えているので
奈緒子が信じてみたくなる気持ちも分からなくはない。

結局、上田の推理も的外れだったわけではなかったので
上田、奈緒子、長部の3人でトリックを解いた形になった。

『あなたが僕の恋人にやったのと同じ事を
 僕はあなたにやっただけですよ!!』

断末魔の吉子に復讐鬼と化した長部が投げかけた捨て台詞。
「TRICK」ファンからは、この後味の悪いエンディングが好評。

『・・・・・結局、吉子様の占いは当たらなかった訳ですね。』

事件を振り返っている時に奈緒子がつぶやいた一言。
結局、奈緒子の『いちばん大事なもの』は何だったのか?

『占いは当たらなかった』と言い切っているという事は、奈緒子が
『大事なものがなくなっていない』のを確認している事になるのだが
この時点で、奈緒子は『越後くそう津米』がなくなっている事を
確認していないので、奈緒子が考えている「一番大事なもの」は
少なくとも『越後くそう津米』の事ではない。という事になる。

と、なると直後の会話の流れから考えて・・・

などと、ロマンチックな妄想を膨らませてみたり。

『何でわたしが怒るんですか(笑)
 心配してたに決まってるじゃないですか。』

これも上田の車で事件の事を振り返っている時のセリフ。

結局、上田を心配してたあたりに上田に対する
奈緒子の淡い気持ちが感じられる・・・気がする。

『あ・・・・そうだ忘れてた。』

このシーンの彼女の微笑は、あまり山田っぽくない
優しい表情で、奈緒子の女性的な一面が垣間見られる。

と、思いたいが、奈緒子はこれから上田を殴る事を
想像してニヤけていただけかもしれない。

『夢で殴られた仕返し・・・・・バイなら』

夢で上田に殴られた事を執念深く覚えていた奈緒子が
ぶん殴った後で、気絶した上田に告げた別れの言葉。
オリジナルは『欽ちゃんのどこまでやるの?』の斉藤清六。

仲間さんが生まれる前に放送された(76年〜)番組なので
彼女が、この番組を見ているハズもなく、そのためか
オリジナルの『バイなら』とはアクセントが逆になっている。

『山田ァ、なにスキップしてんだぁ?嬉しい事でもあったのか?』

アパートに戻ってきた奈緒子にハルがかけた言葉。

奈緒子が思わずスキップするほど嬉しかったのは
吉子の占いがインチキだった事がハッキリしたからだろう。

女性週刊誌の占いページをチェックしているくらいだから
それなりに吉子の予言の事は気になっていたんだろうし。

上田に復讐できてスッキリしたからではないと思いたい。

episode1 episode2 episode3 episode4 episode5(前編)(後編

モドル

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