溺れる魚

『溺れる魚』 2001/2/3 劇場公開作品

【製作】 東映株式会社ほか 【配給】 東映

【製作】 佐藤 雅夫 芳賀 吉孝

【企画】 遠藤 茂行 伊藤 満

【プロデューサー】 渡邊 範雄 出目 宏 菅野 賢司

【脚 本】 横谷 昌宏

【音 楽】 見岳 章

【撮 影】 唐沢 悟

【助監督】 木村 ひさし

【原 作】 戸梶 圭太(新潮文庫)

【監 督】 堤 幸彦

【主題歌】 『edge』

作詞・作曲 鬼束ちひろ 編曲 羽毛田丈史
(東芝EMI/VIRGINETOKYO)

【キャスト】

白州 勝彦 ・・・・・・・・ 椎名 桔平

秋吉 宗貴 ・・・・・・・・・ 窪塚 洋介

相川 真紀 ・・・・・・・・・・ 仲間 由紀恵

岡部 哲晃 ・・・・・・・・・・・・ IZAM

御代田警視正 ・・・・・・・・・ 渡辺 謙

石巻 修次 ・・・・・・・・・・・ 伊武 雅刀

保坂○太郎 ・・・・・・・・・・・ 勝部演之

成宮寛貴

田口理恵

小山田サユリ

犬山犬子

D J      ・・・・・・・・・ 松永弘二

緒方部長  ・・・・・・・・・・・・ 河原さぶ

竹○総務部長 ・・・・・・・・・ 三田村周三

嶋田広報部長 ・・・・・・・・・・ 保積ペペ

藤本経理部長 ・・・・・・・・・・ 岩崎ひろし

梅村副社長  ・・・・・・・・・・・ 丸岡奨詞

堀内特別監査官 ・・・・・・・・・ 高橋和興

○山特別監査官 ・・・・・・・・・・・・ 多田木亮祐

阿部特別監査官 ・・・・・・・・・・ 竹沢一馬

 長さん    ・・・・・・・・・・・・・・ でんでん
大田原信者 ・・・・・・・・・・・・・・ 川俣しのぶ
おたく社員   ・・・・・・・・・・・・ 村杉蝉之介
ファミレスの変態 ・・・・・・・・ 大倉孝二
取立屋    ・・・・・・・・・・・・・ 佐藤二朗
テコンドーのコウ ・・・・・・・・・ 池崎英洋

藤崎人事部長 ・・・・・・・・・・ 永幡 洋
西本第二部長 ・・・・・・・・・・ 柏井浩三
○野技術開発部長 ・・・・・ 名取幸政
会議室の女 ・・・・・・・・・・・ 渡辺妙子
踊りを教えるOL ・・・・・・・・ 氏家 恵
踊りを教えるOL ・・・・・・・・ 奥平紋子
踊りを教えるOL ・・・・・・・・ 福冨 薫
クスリの売人  ・・・・・・・・・・ 辰己佳太
クスリの売人  ・・・・・・・・・・ 渡辺慎一郎
ボロアパートの住人 ・・・・・・ 柴崎蛾王
タトゥーの男 ・・・・・・・・・・・・ 笹本昌幸
嶋田の娘  ・・・・・・・・・・・・・ 井端珠里
少年時代の岡部 ・・・・・・・・ 北村 優
アナウンサー  ・・・・・・・・・ 中村容子
アナウンサー  ・・・・・・・・・ 三田佐代子
 A D       ・・・・・・・・・・ 森田和伸
びびる刑事  ・・・・・・・・・・・ 伊東優次郎

 チャン ・・・・・・・・・・・・・・ さとうこうじ

 フェイ ・・・・・・・・・・・・・・ 邱 思維
司会者 ・・・・・・・・・・・・・・ ミスターちん
アシスタント ・・・・・・・・・・ 日高よう子

ワンギャル ・・・・・・・・・・・ 相沢真紀
ワンギャル ・・・・・・・・・・・ 竹下玲奈

沢 木 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 白 竜

サオ師 ・・・・・・・・・・・・・・ 前原一輝
バカ○ ・・・・・・・・・・・・・ 牧田圭史
ヘビメタ ・・・・・・・・・・・・ 森本武晴
ノーテン ・・・・・・・・・・・・・ 佐藤 裕
クチクサ ・・・・・・・・・・・・・ 中島啓介
カッパ   ・・・・・・・・・・・・・・ 柿澤隆史
テロ   ・・・・・・・・・・・・・・・ 大槻博之
ピグモン ・・・・・・・・・・・・・・ 三島 裕
ファッキン ・・・・・・・・・・・・・ 古矢和実
キース  ・・・・・・・・・・・・・・・ みずと良
恩田さん ・・・・・・・・・・・・・・ 高崎隆二

教 祖  ・・・・・・・・・・・・・・・ 野際陽子(友情出演)

エースのジョー ・・・・・・・・・ 宍戸 錠(特別出演)

【ストーリー】

警察組織の内部犯罪を調査するエリート部署。
警察庁特別監察室(通称:トッカン)では
大手フィルムメーカー『ダイトー』との癒着や
中国マフィアやロシアマフィアとの黒い疑惑から
警視庁公安部の警部・石巻修次をマークしていた。

警察機構を根底から揺るがしかねない石巻の疑惑の
実態を掴むため、警察庁特別監察官室長・御代田は
腹心の部下・相川真紀に命じて、横領、窃盗の嫌疑で
懲戒免職寸前の白州、秋吉を内偵捜査に起用させる。

同じ頃「ダイトー」に『溺れる魚』と称する謎の人物から
奇妙な要求が書かれた脅迫メールが届いていた。

溺れる魚の要求はダイトー役員に街頭で裸踊りをしろ。
というもので、金銭の要求は一切なされなかった。

最初は、悪戯と一笑に付していたダイトーだったが
実際に犯行が実行されると事態は一気に深刻化。

簡単に実行できて、甚大なダメージを与えられる
『溺れる魚』の犯行に『ダイトー』役員は頭を抱える。

そんな中グラフィックアーティスト岡部哲晃の経営する
クラブの名物『ゲイ・ナイト』に石巻修次が現れる。

内偵捜査のため、ゲイカップルになりすまして店内に
潜入する白州と秋吉だったが、やがて事態は意外な
方向に展開していく事に・・・・・・・・

【感想】

『ケイゾク』『TRICK』『IWGP』の堤監督作品だけあって
かつての監督の作品に登場した役者さんが目白押し。
メインから脇に至るまで、恐らく半分以上の役者さんが
何らかの形で堤作品に出演した事があるハズ。

そんなワケだからなのか何なのか。

どうも、全体的に自己満足というか内輪ウケというか
自主制作映画のような『一人よがり』が目立ちます。

まず、岡部のクラブで演奏しているバンドですが
どう考えてもボーカルの一人が堤監督本人です。

まぁ、監督、自らが自分の作品に出演する事は
アルフレッド・ヒッチコックの例を挙げるまでもなく
映画の世界では別に珍しいことではありませんから
それについて、どうこう言おうとは思いませんが

何この曲?

こんな曲クラブでやってるの聴いた事ないんですが?

あんまりな曲だったのでエンディングのテロップ見たら

作詞:堤 幸彦 作曲:見岳 章

オイ!!(笑)

この映画は堤幸彦のプロモーションフィルムですか?
そんな物に金を払って見たがる人はいるんでしょうか?

商業作品である以上、神は監督ではなく
ゼニを払う観客だと思いますがどうよ?

さらにエンディングには原作者・戸梶さんらしき人物も
登場し、白州勝彦ではなく椎名桔平さんと堤監督?の
『素の会話』で終わるという実に白けさせられる演出。

『・・・面白かったよねぇ?』

なんて画面から聞かれてもどうしたものやら(笑)

何と言うか、スクリーンの中から出演者に

こんなのウソだぴょ〜ん!!

と、ワザワザ宣言されたような気分になります。

何でこんな演出にする必要があるんでしょうか?

全体的にどのキャラクターも実在感が希薄で
スクリーンの中にしか存在しないキャラクターで
ある事がミエミエなのも、評価しづらい部分です。

最初から最後まで通して何回も見てみても
秋吉以外の登場人物を見ていて、どんな環境から
こういう人物が育つのかが全く見えて来ないのです。

そのため、上っ面だけの安っぽいキャラクターが
カッチョイイ台詞をイカシタポーズでキメまくるという
自称ポップアーティストのイケテル漫画家が描いた
絵が綺麗なだけで、中身がまったくからっぽの
ナウな不条理マンガのような匂いがプンプンします。

自主制作映画っぽくするなら、徹底的に内輪ウケに
すればイイのに椎名さんと窪塚君のキスシーンとか
仲間さんのゲップ(本物)だとか、野際陽子さんや
宍戸錠さんの登場するシーンだとか

明らかにプレス向けの、ストーリーとあまり関係ない
なくてもいいようなシーンをワザワザ入れたりしてて
どうも全体的にチグハグな感じを受けます。

仲間さんに関しては堤監督から指示があったらしく
感情を抑えた抑揚のない演技をされています。

後半になって御代田と車中で会話をするシーンまで
あらゆるシーンで、一度もまばたきをしない事で
相川真紀のレプリカントのような無機質な感じを
表現されたようですが、狙いは当たっています。

おかげで相川がどういう人物なのか
最後の最後まで全くわかりませんが。

ラスト付近になって御代田の欺瞞に気づいた相川が
徐々に感情を取り戻していく様子が「まばたき」を
しはじめることで表現されているのでしょうが

感情を取り戻した相川真紀は
山田奈緒子になってしまいます。

まぁ、同じ女優さんが似たような演技をしたら
そう見えてしまうのは仕方ないんですが

声のトーンを下げて、抑えた演技をしていたのが
普通に喋りだしたら山田奈緒子風になってしまうのは
演出的にも、もう一工夫して欲しかった気がします。

まぁ、仲間さんがこれまでになくクールビューティーな
キャリアウーマンとして撮られてるのは良いのですが。

映像的には、いかにも堤監督という感じになってますが
映画館のスクリーンに映る事を特別に意識したという
感じは一切なく、いつも通りの半欠けアップの連発。

それほど笑えるギャグもないし、キャラ萌えするような
内容でもないし、ストーリーも薄っぺらで深みがなく
大画面ならではの迫力なんてものも全くないので
正直、ビデオ借りてテレビで見れば充分という感じ。

モドル

inserted by FC2 system