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2005年 7月 1日 日々進化・変化・努力
【ごくせん2・DVD化難航?】

6月28日発売の週刊誌「週刊女性・7/12号」によりますと、今年の1〜3月期
驚異的な視聴率で、日テレ土9枠に神風が吹いたと言われたオバケ番組
「ごくせん」のDVD化が、とある事情により難航しているとのコト。

記事によれば、どうやらDVD化の際に発生する「出演料」の再契約について
出演者側とDVD製作会社の間で条件が折り合わないのがネックなのだとか。

実はワタクシ、最近「人気アニメのDVD化で出演料を巡り裁判」という記事を
ぐうぜん何かで読んでおりまして「なるほど!」とナットクした次第なのですが
「DVD化するだけなのにナゼ出演料の交渉するの?」とお感じのムキも
あるかと思いますので、拙い知識ながら出演料について簡単にご説明をば。

最近では週刊誌上でも「女優のギャラランキング」なんて見出しが躍る事も
珍しくありませんが、実は、このギャラと呼ばれる「出演料」というものは
実際に撮影したり最初にテレビで放送された時だけ支払われる物ではなく
ビデオ化や再放送のたびに一定の金額が支払われ続けるものらしいのです。

これは漫画や小説の再録や、CDや出版物の再販などともほぼ同じ考え方で
ようするに、ドラマの出演料は「労働に対する報酬」ではなく、どちらかというと
「著作権」に近いものとみなされるようで、アニメの方で裁判を起こしている
声優さんでも洋画の吹替え作品が再放送される時はギャラが支払われるとか。

そんなワケで「2」が放送された途端、レンタルビデオ店から「1」のDVDが
消えたと言われる「ごくせん」のDVD化となれば、相当の売り上げになる事が
見込まれるので、なかなか条件面で折り合わなくて不思議ないワケです。

と、なると・・・

誰がゴネてんの?

なんて事が、どーしても気になってしまうワケですが(笑)

記事を読んだ限りでは、関係者の発言からそのような事実は出てませんので
真偽の程は定かではなく「ごくせん2のDVDはいつ出るの?」という疑問から
生まれた「ウワサ」程度の受け止め方で良いのではないかと思います。

【4〜7月期、民放連続ドラマの感想】

さて、すでに間もなく7〜9月期のドラマが始まってしまおうかという時期ですが
とりあえず、4〜7月期のドラマの感想をざっと書いてみたいと思います。

「冬のソナタ」の大ブレイクから始まった昨年の”韓流ドラマバブル”ですが
韓流ブームのコア層と見られたF2層を狙って鳴り物入りで放送された作品が
7月期「東京湾景」(CX:13.8%)、10月〜1月期「天国の階段」(CX:平均13.2%)
1月期「美しき日々」(NHK:11.8%)と、一部の例外を除き、放送枠のワリには
まずまず健闘しているものの、所詮”それなり”でしかなかったためか

4〜7月期の民放連続ドラマはプライムタイム、深夜帯ともに「アタックNO.1」
「あいくるしい」「瑠璃の島」「雨と夢のあとに」「夢で逢いましょう」などの
「ごくせん」で”当たればデカイ”事が証明された「ファミリー層」向け作品と

「30代・未婚・出産経験なし・恋人なし」の、いわゆる「負け犬層」を狙った
「anego〜アネゴ」「曲がり角の彼女」「離婚弁護士II」などに、ほぼ二分され
逆に、昨年同期に乱立した「病気・障碍モノ」も皆無といった状態。

相変わらず連ドラ界の”トレンド探し”は暗中模索といった雰囲気ですが
そんな中で、約一年ぶりに製作・放映されたキムタク主演作「エンジン」。
放送開始直前にホリエモン騒動が発生したため、タイトルや台本に関して
大幅な変更が行われたというウワサの「恋に落ちたら〜僕の成功の秘訣」。
飯島直子が久々の連ドラ主演作でエロスを追及するという「汚れた舌」。
古典落語と連ドラの融合という新スタイルを目指した「タイガー&ドラゴン」。
といった「話題作」「野心作」「寄作」なども放送されました。

今回は「ごくせん」のような平均視聴率25%を越える作品はなく、深夜枠にも
「只野仁」のようにプライムのドラマを食うような作品は現れませんでしたが
平均15%を越えた作品が3本あり、プライムで平均10%を切る作品は1本もなく
終わってみれば、視聴率的には思ったよりもソツのない成績を残しており
バラエティに富んだ作品が揃ったシーズンだったのではないかと思います。

月曜21時 「エンジン」(CX系)

全部通して見ていたワケではなく、途中で何話か見た事がある程度ですが
回を追う毎に「神崎次郎」が「キムタク様」にモードチェンジしていた印象。
養護施設を舞台にし、今回は”恋愛よりも家族愛”といったムードでしたが
けっきょく「キムタク様カッコいい!!」ドラマでしかなかった気がします。

スター俳優のキャスティングありきのシステムだと、どうしてもストーリーも
主役偏重になって周辺人物について深く描かれる事が少なくなりがちですね。
脇役が主役を食うくらいのドラマでないと、ストーリーに広がりが出来づらく
思い出してみたら「主人公の話ばっかり。」なんてケースも多いのですが
残念ながらこれまでのキムタク様のドラマは、ほとんどがこのパターンです。

「エンジン」は養護施設での心のふれあいがテーマになるようだったので
施設の子供たちやワケありの職員たちの隠された内面を丁寧に描きつつ
次郎との関わりの中で、それを解決するような話になるかと思ったのですが

次郎のライバルとなる後輩レーサー・菅原として登場した青木伸輔君なんか
「君といた未来のために」「ソムリエ」以来、久々にテレビで見たと思ったら
可哀想なくらいの単なる憎まれ役で「神様もう少しだけ」の仲間さんのよう。

施設の職員である水越朋美(小雪)にしても鳥居元一郎(堺雅人)にしても
物語のヒロインと、いつも敵対するライバルという以外にほとんど意味は無く
毎週のように施設に怒鳴り込んでくるPTA(って今でも言うのだろうか?)の
集団ヒステリーを絵に描いたようなオバハンたちにしても、キムタク様の
「ぶっちゃけ〜!」を発動させるための装置にしか見えませんでした。

やっぱり、レーサーと養護施設というのが欲張りすぎだった気がします。
もう少し登場人物を減らして設定を整理すれば、もっと良くなったかも。

火曜21時 「離婚弁護士II」(CX系)

1〜3話あたりから途中を、だいぶすっ飛ばして最終話だけ見ました。
前半から中盤の展開は若いライバルが出てきたり、恋にうつつをぬかしたり
正直、あまり前作の面白かったところを生かしていなかった気がしますが
最終エピソードは「離婚弁護士」らしいケリのつけ方だったと思います。

しかし最終エピソードのホリエモンがモデルとしか思えない社長(武田真治)を
間宮弁護士がやっつける!!って、シナリオは、話題になればなんでもする
テレビマンのしたたかさ。と好意的に解釈するべきなのかどうか?

他局ならまだしも、当のフジテレビのドラマだけに、ホリエモン本人だったら
絶対しないような凡ミスで墓穴を掘らせておいて「お金が全てじゃない」とか
「お金で何でも買えると思ったら大間違い」なんてセリフを、勝ち誇ったように
言われると「ジサクジエンキタ━!!!」とか「江戸のカタキを長崎で?」という気がして
見ているコッチが恥ずかしくなってしまうのも事実であります。

火曜22時 「曲がり角の彼女」(CX系)

実は、女優としては決して好きではない稲森いずみさんの主演ドラマですが
ワタクシ的に今期では数少ない、ほとんど見逃す事のなかった作品です。

30代、未婚のキャリアウーマンが年上の恋人(伊原剛志)との不倫関係や
年下の副社長(要潤)との恋愛や年下のライバル(釈由美子)との対立に
悩みながらも成長していく物語。と基本設定があまりにもとソックリだったため

放送前から「負け犬ドラマ」として「anego〜アネゴ」と何かにつけて比較され
「曲がり角はウソくさい」だとか「現実離れしている」などと言われてましたが
ワタシが見た感じでは、人生訓みたいなものを手帳に箇条書きにしてるのが
「いかにも”キッパリ!”とか読んでそうでイヤだなぁ」とか、オフィスの会話が
「サークルの部室の会話みたいな雰囲気」だったりするのが気になったものの

千春がどんな仕事をして、どんな苦労をして、どんな事にやりがいを感じて
彼女のどんなところが評価されているのかもキチンと描かれておりまして
単なる「恋する負け犬」ではなく「働く女」としての側面も描かれていました。

ここらヘンは、何やってんだか良く分からなかった「アネゴ」とは対照的で
不倫の代償で恋を失いかけたり、仕事の事で悩んだり、友情に涙したりと
すくなくとも「負け犬女」の欲望や自尊心に媚を売るような作品ではなく
「負け犬」と呼ばれている女性に「がんばれ!」とエールを贈るような作品。

また、主人公:千春(稲森)以外の人物像も比較的しっかり描かれているので
それぞれのキャラクターとストーリーが有機的にリンクしていて不自然さがなく
道徳的で抑制の効いた”品の良いラブコメ”だったと思います。

水曜22時 「anego〜アネゴ」(NTV系)

一話を見損ねて以来、一回も見なかったが最終回だけ一念発起して視聴。

前述したように新聞やネットで「アネゴ派VS曲がり角派!!」みたいな事に
なっていたので「こっちも面白そうだし一回ぐらいは見ておきたいなぁ〜」と
思って、がんばって最終回だけ録画して見てみましたが・・・・・・

こんなヒドイの去年の夏以来。

最終話しか見ていないモノの、最近のドラマだけに最終話を見ただけでも
これまでの展開は、なんとなく理解できるような作りになっていましたが
念のためオフィシャルHPやレビュー系HPを見てみたらさらにビックリ。

勤続10年、商社のOL野田奈央子(篠原)は”オシャレでカッコいい”と
正社員、派遣社員を問わず女性の後輩社員からは慕われる存在。
イケメン新入社員・黒沢(赤西仁)からは「anego〜アネゴ」と名づけられる。

「不倫は絶対しない」がモットーだったが元後輩・絵里子(ともさかりえ)の
ダンナ(外資系投資会社社長)の相談に乗るうちにいつの間にか深い仲に。
そして、後輩社員・黒沢(赤西仁)ともふとしたきっかけでナニしてしまい
年上のヤンエグと年下のボクちゃん、二人のイケメンの間で思い悩むアネゴ。

アネゴとダンナの不倫に気づいた絵里子が会社に中傷FAXを大量送信攻撃。
なぜか「こんなイヤガラセに負けないで!」とアネゴを応援する女子社員たち。
いつのまにかアネゴが被害者みたいになってるYO!! 

そしてついに株主総会の日に会社に乗り込んできて、自殺を図る絵里子。
「死ぬ時は一緒だYO!!」などとワケの分からぬ説得で収めてしまうアネゴ。
なぜかOLの不倫騒動がテレビのワイドショーで話題になり社会問題に発展。

ワイドショーでは悪意丸出しのコメンテイターが低脳発言でアネゴバッシング!
別に人を殺したワケでもないのに極悪人扱いにされる単なる不倫OLのアネゴ。
アネゴの自宅には、なぜかワイドショーのレポーターが殺到!!スターアネゴ!

そして社内では「アネゴを辞めさせるな!」と女性社員が署名運動を開始。
なんとアネゴのために300人の署名を集める団結力を見せる女性社員一同。
就業時間中の社内でそんな私用メールを送りまくりな女性社員たち。
良く見てみたら、どんな仕事をしてるのか具体的に出てこないアネゴたち。

そんな中、イケメン後輩社員・黒沢からプロポーズされるanego〜アネゴ。

なぜか不倫関係の被害者である後輩が入院先の病院でアネゴに謝罪。
ダンナ(加藤雅也)に「幸せになって欲しい。」とアネゴにお願いする始末。
でもなぜかアネゴと絵里子の友情パワーが復活してめでたしめでたし。

300人の署名が集まったモノの責任を取るために退職するカッチョイイanego。
「ケイゾク」よろしく、会社のロビーに勢ぞろいしてanegoを見送る女性社員。
感動で画面が見えないYO!!てか、お前ら仕事はどうしたんだYO!!

結局、唐突にモンゴルに転勤する事になった後輩社員とも
離婚して身軽になった不倫相手ともくっつかないanego〜アネゴ。

会社を辞めて、今度は派遣社員として別の会社で頑張るanego〜アネゴ。
派遣先の会社でもエクセルの使えない女性事務員をカッコよく助け
ここでも、またまた”アネキ”と呼ばれてしまうデキマンなanego〜アネゴ。

後輩の結婚式で都合よく急にスピーチを頼まれてしまうアネゴ。
後輩を祝福するメッセージの半分以上が自分の事なアネゴ。

娘にプレゼントを買う、かつての不倫相手と街で偶然再会するアネゴ。
勘違いした挙句「不倫はいけない」と説教をたれそうになるアネゴ。
てか、オマエがえらそうに言うなYO!!オマエも同罪だYO!!

けっきょく、密かにモンゴル語を勉強したりして
イケメン後輩を追いかけて行く気満々なアネゴ。

でも、やっぱりみんなanego〜アネゴが大好き!!

アネゴのやる事はもう全肯定!!

ミンナアネゴノミカタ。ミンナアネゴノナカマ。ミンナミンナアネゴガダイスキ

・・・・・・・なんつーんでしょう?

年上のステキな彼に甘えたい、年下の可愛い彼と恋したい、尊敬されたい
誰からも愛されたい、注目を浴びたい、という負け犬の願望をストレートに
物語に織り込んだうえに、全肯定した”負け犬パラダイス”がそこにあります。

ファンシーな模様のラップで包まれた、なま暖かいストーリーの隙間から
様々なむき出しの欲望が放つ、生臭い腐敗臭が漏れてくるようなドラマで

1時間ちょっとの放映時間、延々ウンコの映像を
具材の解説つきで見せられたような不快さでした。

聞いた話では、原作は途中の流れがひっくり返るような衝撃のラストシーンが
印象的な、スティーヴン・キングばりのホラー小説になっているそうですが
ドラマは、そんなところはマルッと改竄して、生ぬるさと生臭さだけが目立つ
「負け犬女の妄想小説」のような気持ち悪いシロモノになっております。

あけすけな欲望を隠す素振りもなくぶちまけた「怪傑熟女」ばりの下品さで
「負け犬」って呼ばれている人たちが「曲がり角」よりも、こっちの方を喜んで
見ているのだとしたら「負け犬ってイヤだなぁ」と思ってしまうワタシでした。

木曜21時 「夢で逢いましょう」(TBS)

けっきょく第1回と最終回と、番宣SPをチラッと見ただけでしたが
印象としては、やっぱり「地味」のヒトコトという感じですかねぇ?

新橋で「息子の嫁にしたい女優」なんてアンケートしたらダントツ1位になりそうな
矢田亜希子さんを主役に起用して、愚直な父親と良く出来た娘の結婚を巡る
ハートフルストーリーでしたが、視聴率的には”惨敗”と言って良い惨状でした。

ま、どこにでもある平凡な家庭で起こる「結婚するのしないの」なんていうお話は
知人の結婚式で再現ビデオとして見せられたらホロッと来るかもしれませんが
10週以上テレビに齧りついて見る様なもんじゃないようないって事でしょうねぇ。

主役が矢田亜希子さんじゃなくても、たぶん結果は同じだったと思いますが
けっきょく、こういうドラマにしかならなかったのも、矢田さんのセールスポイント
「お嬢様っぽい」「上品」「まじめそう」なんてところが原因になっているのかも。

木曜21時 「アタックNO.1」(EX系)

途中から見るの止めましたので、どうなったのか知りません。
「エースをねらえ!」と比べて、原作に対する愛情が感じられませんでした。

木曜22時 「汚れた舌」(TBS)

最初から一度も見てないので「視聴率がヒドイ」事しか知りません。
なんか「エロ」としても「大映ドラマ風」としても「内館作品」としてもイマイチとかで
「ひと夏のパパへ」「愛するよりも愛されたい」級の失敗作として記憶されそう。

木曜22時 「恋におちたら〜僕の成功の秘訣」(CX系)

これも、見てなかったのをいちおう最終回だけ見てみる事にして録画しました。

物語は簡単に言うとIT業界の風雲児・高柳徹(堤真一)とひょんな形で出会って
彼の会社フロンティアに入社した借金まみれの冴えない鈴木島男(草なぎ)が
なんだかんだで、どういうワケかホリエモンなみの天才的な営業手腕を発揮して
買収・乗っ取りなどで大きな仕事を成功させてトントン拍子に出世していくうちに
自分を見失い、人としての良心や仲間も失い、ついでに地位も失ってしまい

全てを失った島男は、そこで自分を見つめなおし、父親の会社だった実家の
ネジ工場で、本当に自分がやりたかった仕事をする会社「鈴木ネジ」を起業。
彼の元に集まった仲間たちと力をあわせて、様々な妨害、障害を乗り越え
再びIT業界のトップに返り咲く。というお話で、設定を聞いた当初の想像通り
織田裕二君の「お金がない!」と非常に良く似たお話になっています。

まず、劇中で何度も登場した「エージェント機能つきのポータルサイト」という
「鈴木ネジ.COM」が売っているモノがなんなのか?が最終回を見ただけでは
分からなかったので、セリフに出てきた「エージェント機能」を調べてみました。

調べてみると、なるほど理念としては昔からあり、実現すればとてもありがたい
機能ではあるものの、完全な形で商業利用に成功した例は現時点ではない。
という、天才プログラマーが主人公のドラマの題材としてはうってつけの素材。

しかし、現実にその道のプロが作っても、いまだに実現していないシステムを
ドラマの脚本家や演出家に「的確に表現しろ」ってのも、とうてい無理な話。

したがって、そこらヘンの”島男がなんかスゴイモノを作っている感”は
「プログラム作業を始めると、他人の言葉がいっさい耳に入らない」だとか
「メシも食わずにプログラムに没頭」とかいった島男の奇行ですべて表現

こういう技術の開発ってプログラムの技術うんぬんより、発想の転換の方が
大事なような気がするんですが、正確にどういうものか描けないのだとすれば
分かりやすく表現するためには、ここらヘンが限界でしょうか?

また印象的だったのは、とある会社に「鈴木ネジ」を売り込みにいった高柳が
「プログラムが重いのでチョット修正して」「簡単に直るでしょ?」と言われて
「ふざけるな!!コイツがどれだけ苦労して作ったか判ってんのか!?」と
開発者である島男(草なぎ)をかばってクライアントにタンカを切るシーン。

バカじゃねぇの?

これ見て「スカッとした!」「ジーンとした!」なんて人がいるんでしょうかね?

仕事の苦労なんか威張ってお客さんにする話じゃないですよ。

てか仕事なんか苦労するのが当たり前でしょ?お客は無茶言うのが当たり前。
それに対してイチイチ切れて「黙ってこれを買え!」なんてのは押し売りですよ。
とても、やり手ビジネスマンの発想とは思えないし、ズバリ馬鹿っぽいです。

また、ソフトが重くて売れないのでセキュリティを落として動作を軽くしろと言う
営業に対して「セキュリティを落としたら違う物になってしまう」と譲らない島男。
「いいモノは絶対誰かが認めてくれるはず!!」なんて夢物語を語る島男。
狂乱のホリエモン期の反動か、妙に物作りに意固地になっている島男。

オマエは”作品”ではなくて”商品”を作ってる事を自覚しろ。

実は、堤さんが出演してた「恋ノチカラ」でも似たようなエピソードがありまして
その時は堤さんが天才的広告デザイナー役で、深津絵里さんが営業でしたが
やっぱり「アーティストのプライドを守るために仕事を断ってしまう」みたいな
営業としてもデザイナーとしても、とてもプロとは思えないエピソードでした。

ドラマ屋さんの仕事観って、こんなモンなんでしょうか?

あと、やっぱり堤真一さんや鶴見慎吾さんの演じるIT業界の旗手的な人が
どいつもこいつも”拝金主義者”といった描き方で、いかにもホリエモン風味。

汚いやりクチで強引にフロンティアを乗っ取ったリーマンロイドブラザースに
天才プログラマー・鈴木島男がそのウデ一本でリベンジするってストーリーも
その舞台となるのが「鈴木ネジ」っていう下町の工場てなところも象徴的。

ロイドブラザースが「金の力、個人主義、虚業、悪、ホリエモン」というイメージで
一方の鈴木ネジは「マンパワー、友情、実業、善、技術立国日本」と位置づけ
「乗っ取り屋なんかクソ食らえ!最後に勝つのは技術者だ!」みたいなムード。

そんな最終話は田口トモロヲのナレーションと
中島みゆきの歌が聞こえてきそうな展開でした。

また「離婚弁護士II」と同じく、最終的にはライバルであるロイドブラザースの
CEO・桜庭(鶴見)は、インサイダー取引だか粉飾決算だかがバレて失脚。
というあまりにご都合主義な展開に「離婚弁護士」でも聞かされたあのセリフ。

「お金で全てが買えると思ったら大間違いですよ!」

とか

「株や会社は買えるかもしれないが、人の心までは買えないぞ!」

とか

「大事なのはお金じゃない!!人だ!!人は会社なり!!
 人は宝なり!!人は国なり!!マンパワー!!みなぎっる!!
 
マンパワー!!ものごっつ!!

といったメッセージが頭の中でワンワンと響くような錯覚を覚えます(一部ウソ)

ま「ホリエモンなんかクソでも食らえ!!」ってのには別に反対しませんが(笑)
結局「離婚弁護士II」にしても、この「恋におちたら〜僕の成功の秘訣」にしても
フジテレビで放送されてしまったために、役者さんが熱演すればするほど
日枝会長の怨み日記を読んでるような気がしてくるのが寂しいところ。

金曜22時 「タイガー&ドラゴン」(TBS)

ジャンプ亭ジャンプの師匠、高田亭馬場彦役で出演していた放送作家であり
立川籐志楼(師匠・立川談志)というホンモノの落語家でもある高田文夫さんが
読売新聞で連載していたコラムの中で「ついに落語ブーム来る!!」てな事を
このドラマの放映中に何度も書いていたのを読みまして、ショージキなところ

ブームを捏造してんじゃねえよ。

てな事を考えていたんですが、最近の演芸場はホントに凄い事になってるそうで
テレビの影響力の凄まじさというものを、今さらながらに実感したものです(笑)

「エンジン」と同じジャニーズ事務所の、長瀬智也、岡田准一のダブル主演作で
同じように「家族愛」をテーマとしたドラマでありながら、全く違った趣の作品で
目をつぶってドラマの内容を思い出してみると、真っ先に瞼に浮かんでくるのが

阿部サダヲさんの「ハイ、どーんどーんどーーーーん!!」だったり
西田敏行さんの「フランシーヌの場合は〜♪」だったりします(笑)

そのため、どん兵衛(西田)やどん太(阿部)が、ときおり侠気を見せたりすると
「おっ?」なんて思ったりしてしまうくらい、登場人物一人一人のキャラクターが
しっかり描かれていた作品で、最後まで飽きる事なく見る事が出来ました。

今ではすでに文化の違いで予備知識無しには笑うどころか内容を理解する事
そのものが難しくなりつつある古典落語を大胆なアレンジで分かりやすく紹介し
落語の普及に努めた文化的貢献にも好感を・・・と言ったら言い過ぎでしょうか?

金曜23時15分 「雨と夢のあとに」(EX系)

柳美里さんの原作を劇団キャラメルボックスの座付き作家さんが脚本化。
これまた死んでしまったジャズベーシスト桜井朝晴(沢村一樹)が幽霊になって
娘・雨(黒川智花)のもとに戻って来るという筋だての「親子愛」を描いた作品で
深夜帯のドラマとしては珍しいハートウォーミングなファンタジー作品でしたね。

ま、最初は正直「エロかコメディしか当たった例の無い金曜ナイトドラマ枠で
そんなお涙頂戴モノなんかやってどーすんだ?枠を間違えてんじゃないの?」
ってな事を考えていたんですが、始まってみたらこれが地味に面白い作品で
ついつい、最終話まで欠かす事無く見てしまいました。

ドラマを単に「リアリティ」の有る無しで、良し悪しを決めるなら最悪の部類で
幽霊がフツーに生活に溶け込んでいる異常な状況が日常として描かれます。

しかし、そこらヘンが原作の力なのか脚本家の技術の巧みさゆえなのか
たった一人の家族である娘・雨を残して死ねない。という朝晴の強い思いや
雨がいかに、父・朝晴を大切に思っているか?という心情を丁寧に描く事で
非常にすんなりと、この非現実的極まりない状況を受け入れさせてくれました。

ドラマにおけるリアリティってのは、別に舞台設定や時代考証などだけでなく
登場人物の心の動きをいかに丁寧にしっかりと描ききるか?という事でも
あるのだなぁ。という事を強く感じさせてくれた作品でありまして「エンジン」でも
「セカチュー」でも鼻水一滴こぼさなかったワタクシが思わず落涙した作品。

木村多江さんの綺麗さや、ブラザートムさんと黒川智花ちゃんの演技に
ハッとさせられる事も多い作品でもありました。おじいちゃんは良すぎた。

金曜25時30分 「ホーリーランド」(TX系)

なんでもオーディションの募集要項に「格闘技経験者」って条件があったそうで
実際に出演したメンバーも、主演の石垣佑磨君(テコンドー経験者)を初め
ガチンコファイトクラブ出身者やインターハイ出場者、現役ボクサーなど多数。

監督は「ガメラ」の金子修介でアクション監修を原作者が務める熱の入れよう。
そのせいかアクションシーンの動きのリアルさは連ドラとしては異例のド迫力で
原作マンガの内容を、相当高いレベルで再現した稀有なテレビドラマでもある。

7キロも減量して役づくりに取り組んだという石垣君の変貌ぶりは必見で
「ごくせん」や「ヤンキー母校に帰る」や「ウォーターボーイズ」に出演していた
茶髪でロン毛の脂っこいヤンキー少年と同一人物とはとても思えません。

深夜帯、一話30分、テレ東系で放送と、悪条件だらけのドラマではありますが
逆に「ウチの○○はこういう事はしないんで」とか「出演時間が少ない」とかいう
作品の内容とは全く関係ない、というか、悪影響しか与えない下らない事情に
あまりとらわれずに作れたのか、脇役も非常にイキイキと描かれておりました。

個人的に2005年4〜7月期のナンバーワンドラマだと思っております。

土曜21時 「瑠璃の島」(NTV系)

景色は綺麗でしたね。
でも「実話を基にしている」というフレコミのワリにリアリティを感じませんでした。
プロデューサーは「ドラマに集中してもらうためにあえて方言は使いません」
なんつってましたが、だったらムリに舞台を沖縄にする必要もなかったような。

日曜21時 「あいくるしい」(TBS)

1回しか観てないので、特に感想も・・・そしてもう一度見る気にもならず・・・


2005年7月12日 南総里見八犬伝
【海フェスタ&「忍」先行上映会】

7月16日〜24日まで沖縄で開催されるイベント「海フェスタおきなわ」で
7月18日に仲間由紀恵さんのスペシャルステージが開催されるとか。
おそらく「忍」や「ハルとナツ」や「功名が辻」のPRもかねたトークショウに
なるのでしょうが地元沖縄でのイベントは「チャリティーゴルフ大会」以来。

コッチは仕方ないとしても、沖縄ではテレビ中継とかないんでしょうか?
久しぶりの凱旋ステージが、どんな内容になるのか興味は尽きません。

ついでに同18日、那覇市の映画館「シネマQ」で「忍」の先行上映会開催。
仲間由紀恵さんの舞台挨拶も予定されているそうですが、チケットは
すでに7月11日から発売されているので、もう残ってないでしょうね・・・・

沖縄の仲間由紀恵ファンの皆様!!

どうかレポートをお願いします!!(笑)

【TBSテレビ放送50周年記念ドラマ”里見八犬伝”公式発表】

少し前からチラホラ噂は聞いておりましたが、来年のお正月特別ドラマ
「里見八犬伝」【TBS】に仲間さんが出演する事が公式に発表されました。

原作「南総里見八犬伝」は江戸時代に書かれた滝沢馬琴の作品で
これまでNHKで人形劇、薬師丸ひろ子さん主演の映画などがあり

戦国時代の関八州(関東地方)を舞台に怨霊(玉梓)に取り付かれた
悲運の姫君(伏姫)と「仁・義・礼・智・忠・信・考・悌」の文字が浮き出る
不思議な玉を持つ八人の若者の活躍を描いたスペクタクル小説。

今回は初の実写ドラマ化という事で制作期間5ヶ月という超大作です。

主演の犬塚信乃役には大河ドラマ「義経」に出演中の滝沢秀明さん。
仲間さんの役どころは、里見家によって処刑された事を怨みに思う
妖女・玉梓(たまずさ)の呪いで自害し、後に里見家のために戦う
八人の若者(八犬士)に不思議な玉を残す布施伏姫(ふせひめ)。

予想通り「印象に残る重要な役でありながら出演時間は、そう長くない」
という感じの役になりそうで、仲間さんのオーバーワークをご心配の方も
そんなに神経質になる必要もないんじゃないかなぁ〜?という感じです。

後は、玉梓/妙椿(みょうちん)の二役で菅野美穂。伏姫の許婚で八犬士を
探し出すゝ大法師役には渡部篤郎、伏姫の父:里見義実役で長塚京三が
キャスティングされており、他にも大杉連、京本政樹、武田鉄矢、陣内孝則
佐野史郎、ともさかりえ、泉ピン子(敬称略)などの名前も挙がってまして
さすが”テレビ放送50周年記念ドラマ”という感じの超豪華キャストです。

また、一方でスタッフの方もスゴイ事になっておりまして

衣装には「ラストエンペラー」でアカデミー賞を受賞したワダエミさん!!
アクション指導にもハリウッドで活躍する若手ACT監督の坂口拓氏!!
演出は映画「いま、会いにいきます」を手がけたTBSの土井裕泰監督!

そして、脚本は

「不機嫌なジーン」(フジテレビ)で
向田邦子賞を受賞した大森美香さん!!

・・・と、とても豪華な布陣になっております。

放送は2006年1月(放送日未定)、5時間の予定だそうです。


2005年7月15日 いよいよあと3日です。
【7〜9月期・連続テレビドラマの展望】

「ごくせん」の一人勝ちだった1〜3月期、「負け犬」「家族」がキーワードだった
4〜6月期を経て、いよいよ後半戦に突入した2005年の連続テレビドラマ。

今期は夏ドラマという事もあり、キャスティングの方も例年通り10〜12月期なら
1,5列目といったポジションの役者さんが主役を張り、スタッフの項目を見ても
脚本、演出のところにあまり馴染みのない名前がチラホラと並んでいます。

また「がんばっていきまっしょい」「海猿」「菊次郎とさき」「電車男」「女系家族」
「ドラゴン桜」「はるか17」「いま、会いにいきます」など、原作モノが非常に多い
(続編、地域限定放送を入れても16本中9本と半数以上)のも今季の特徴。

そんな、悪くすれば”小粒な実験作”ぞろいになりかねない夏ドラでありますが
こんな時ほど、若手スタッフ、出演者の意外な拾い物が出てきたりするモノ。
思えば「金曜ナイトドラマ トリック」も2000年7月7日放送開始でございました・・・

月曜 20時 「こちら本池上署」(TBS)プロデュース:森下和清
脚本:宮村優子ほか 演出:池澤辰也 山内宗信 大久保智己
編成担当:寺島麻由 原作:たかもちげん やぶうちゆうき(講談社)
出演:高島政伸、松本明子、金子昇、知念里奈、小倉優子、加護亜依ほか

正直、今まで一度も見た事が無いので存在すら忘れていた続編モノ(笑)
石原プロ制作の”刑事アクション”とは違う「人情モノ」の警察ドラマのようですが
女性陣には佐藤藍子、知念里奈、野波麻帆、小倉優子、中澤裕子、加護亜依と
意外と充実のラインナップが用意されており、女優オタクとしては侮れないか?

月曜 21時 「スローダンス」(CX系) プロデュース:高井一郎、鹿内植
脚本:衛藤凛 演出:永山耕三 平野眞 成田岳 制作:フジテレビジョン
出演:深津絵里、妻夫木聡、広末涼子、藤木直人、小泉孝太郎ほか

意外な事にCX月9ドラマは初主演という深津絵里さんの主演作。
高井一郎Pと深津絵里さんといえば名作「彼女たちの時代」を思い出します。

高井Pは「ホーム&アウェイ」「僕だけのマドンナ」の失敗で深夜枠に飛ばされた。
なんていう口さがないウワサもありますが、今回の脚本、演出を手がけるのは
その深夜ドラマ「ディビジョン1」で、「ピンクヒップガール」(主演:須藤理彩)の
脚本を担当した衛藤凛さん、演出は「僕だけのマドンナ」の永山耕三さん「空から
降る一億の星」の平野眞さん「東京ラブシネマ」の成田岳さんとなっております。
ウワサが事実なら深夜からのリベンジマッチといったところでしょうか?(笑)

深津絵里主演作の3番手に広末涼子、という6〜7年前なら絶対に考えられない
キャスティングも話題にもなりましたが当の広末さんはいたって自然体な様子で
以前と比べて大きな変化があるわけじゃありませんが自然な演技は好印象。

また、主人公:牧野衣咲(深津)がアパレルメーカーで働く独身女性(30歳)という
これもいわゆる”負け犬”を主人公にしたF2層狙いの作品のようではありますが
今のところ衣咲の性格は”無神経””自己チュー”無鉄砲”というデタラメぶり(笑)

一方の芹沢理一(妻夫木聡)は、一口に言ってしまえば”優柔不断”な男で
衣咲とは正反対に情けないほど優しい性格で言いたい事もいえないタイプ。

そんな対照的な二人がぶつかり合ううちに・・・・という展開になるのでしょうが
衣咲のエキセントリックなキャラクターが序盤で視聴者にソッポを向かれて
しまうかどうかが、この作品の成否のカギを握る事でしょうね。

火曜 21時 「海 猿」(CX系) 原作:佐藤秀峰(小学館)
プロデュース:臼井裕詞 脚本:福田靖 演出:羽住英一郎ほか
出演:伊藤英明、加藤あい、時任三郎、中村トオル、伊武雅刀ほか

去年の夏に映画化された同名原作のテレビドラマ化で、来年のお正月には
また同じキャスティングで映画の続編が制作される事が決定しているという作品。
主人公:仙崎大輔役に伊藤英明さん、映画版にはカナヅチの潜水夫・工藤役で
伊藤淳史君も出ていますが「電車男」の主演だからかこちらには出ていません。

ハイビジョンで撮影されているのか、非常に細密で雄大な海の景色とともに
海上保安庁の全面協力を得て撮影されている各所の映像は迫力があります。
撮影用に巨大プールまで作ったという念の入れようは、同局の人気シリーズ
「救命病棟24時」なみで、原作もしっかりした作品なのでハズレは無いでしょう。

火曜 22時 「がんばっていきまっしょい」(CX系)制作:関西テレビ
原作:敷村良子(幻冬舎文庫刊) プロデュース:重松圭一
脚本:金子ありさ 演出:三宅喜重 南雲聖一 池添博
出演:鈴木杏、岩佐真悠子、相武紗季、佐津川愛美、藤本静ほか

原作は今から7年前にも田中麗奈主演で映画化された爽やか青春小説。
物語の舞台、四国(松山市、今治市)でドラマの8割を収録する徹底ぶりで
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」といった作品と同ライン上にある
フジテレビ「夏ドラ」では御馴染みとなった”夏の(地方)部活モノ”の最新作。

確かに「チョー性格がいい!」とか「とても礼儀正しい子」という評判は聞くものの
正直、成長するほどに「こんなハズでは・・・」という印象が強くなる鈴木杏ちゃん。
「なんだか今度は○球少女・○原○みたいになっちゃったなぁ」なんて思ったら
今回はいい意味でアカ抜けないところが作品の雰囲気と合っている気がします。

物語は、いつも通りの”苦難を乗り越えて仲間を増やし目的を達成する”という
「水滸伝」みたいなお話で、明るくめげない主人公の性格で爽やかさも五割増。
夏のうっとおしい暑さを吹き飛ばすにはうってつけの青春ドラマと言えましょう。

NEWSの錦戸亮クンや内博貴クンが出演しているのも注目でしょうね。
「スウィングガールズ」に一瞬だけ登場した岩佐真悠子タンもレギュラー出演。

・・・・なんて事を書いていたら内クンの方が大変なことに・・・・

水曜 21時 「刑事部屋(デカベヤ)−六本木おかしな捜査班」(EX系)
プロデュース:稲垣けんじ 脚本:田子明弘ほか 演出:阿部雄一ほか
出演:柴田恭平、大塚寧々、石原良純、生田斗真、寺尾聰ほか

「はぐれ刑事」や「相棒」や「京都迷宮案内」の続編を延々とやってる枠なので
普段はまったく見てないんですが、今回は新作らいしので、いちおうご紹介。
・・・とはいっても「スウィングガールズ」の貫地谷しほりが出演している事以外
これといった興味も沸かないってのが正直なところ。

水曜 22時 「おとなの夏休み」(NTV系)
プロデュース:田中芳樹 脚本:一色伸幸 演出:雨宮望、長沼誠ほか
出演:寺島しのぶ、中島知子、中越典子、石黒賢、宇津井健ほか

30代になって「自分の人生これでよかったの?」てな事を考え出した主婦が
ひょんな事から”海の家”の営業権を譲られて新しい自分に目覚めていくという
所謂”自分探しモノ”ですが、これも「負け犬」ドラマって事になるんでしょうか?
寺島しのぶって女優さんには、まったく興味が無いので見る気もしませんが。

木曜 20時 「新・科捜研の女」(EX系)
プロデュース:島川博篤 脚本:戸田山雅司ほか 演出:辻野正人ほか
出演:沢口靖子、内藤剛志、加藤貴子、田中健、丸山智己ほか

これは完全な続編なんですが、今まで紹介した事がないのでついでに(笑)
東宝シンデレラとして「刑事物語」でデビューして以来、”東宝の顔”として
20年以上、主に映画を舞台に活躍を続けてきた沢口靖子さんの看板ドラマ。
ワタシャほとんど見た事ありませんが続いてるって事は面白いんでしょうね。

木曜 21時 「幸せになりたい!」(TBS)制作協力:ダブルス
プロデュース:大賀文子、両沢和幸 加藤章一 脚本:両沢和幸
演出:両沢和幸 高野英治 松川嵩史 製作:ドリマックステレビジョン
出演:深田恭子、松下由樹、谷原章介、鶴見唇吾、伊藤かずえほか

「南君の恋人」「富豪刑事」では役にハマれば、まだ充分イケる事を証明した
深キョンの主演作。TBSでは「First Love」以来?の主演作だと思います。

父親の残した借金1000万円の返済と、病弱な母と二人の幼い弟を養うために
高校を中退した浅田ひかり(深田)は中学時代の先輩・長谷川(谷原)を頼って
長谷川の勤めるテレビ局(UBS)に、清掃員のアルバイトとして潜り込む。
そこでひかりは、担当ドラマ「愛の罪、恋の罰」の視聴率低迷に悩んでいた
女性プロデューサー永井雅子(松下)と出会う事で隠れた才能を見出され・・・・

という、つい最近まったく同じような展開のドラマを見たような気がする
人物設定や序盤の展開は、ほとんど「お金がない!」(CX)と同じ(笑)

前期の「恋におちたら」も、その類似性をたびたび指摘されていたようですが
あっちはフジテレビだし、企画が同じ人だったりしたのでまだ良かったものの
まさかかつては「ドラマのTBS」を自負し、フジテレビのドラマなんかハナにも
引っ掛けてなかったTBSが、フジテレビのドラマをパクってしまうとはねぇ。

・・・と、思ったら、なんと演出・脚本・プロデュースでクレジットされている
両沢和幸さんは「お金がない!」の脚本を書いてた人でした(笑)

編成会議の様子や脚本家・俳優との交渉、編集作業などドラマの内幕を描いた
業界モノでもありますが、昨年度の全日視聴率では、ついにテレ朝にも抜かれ
振り向けばテレビ東京」という、本気で笑えない状況になっているTBSだけに
UBSの設定には、妙なリアリティがあって素直に笑えなかったりします(笑)

ただ、今回も実年齢より年下の役を演じる深田恭子タンが相変わらず可愛らしく
本人的にどうかは別として一時期の”不思議ちゃん”路線よりはるかに魅力的。
津川雅彦や江守徹といった大御所のドーでも良いような使い方もTBSらしい
といえばTBSらしいので、そこらへんも含めて今後に期待といった感じ。

木曜 21時 「菊次郎とさき」(EX系)原作:ビートたけし
プロデュース:中込卓也 脚本:與水泰弘ほか 演出:石橋冠ほか
出演:陣内孝則、室井滋、西島秀俊、塚本高史、市川由衣ほか

「トリック」「南君の恋人」「エースをねらえ!」「富豪刑事」「アタックNO.1」と
ファミリー層をターゲットにした作品が続いているテレビ朝日・木9枠ですが
今回もファミリー層をターゲットにした人気シリーズの続編が登場。

しかし、北野武(塚本高史)北野安子(市川由衣)ってのがどうもねぇ。
それなら明石家さんま(亀梨和也)、島田紳介(小栗旬)ってのもアリか?(笑)

木曜 22時 「電車男」(CX系)原作:中野独人(新潮社)
プロデュース:若松央樹 川西琢 企画:鈴木吉弘 脚本:武藤将吾
演出:武内英樹 西浦正記 小林和宏 主題歌:サンボマスター
出演:伊東美咲、伊藤淳史、白石美帆、速水もこみち、須藤理彩ほか

原作は、まとめサイトのログを斜め読みした程度の知識しかありませんが
オタク男とセレブ女の出会いから交際に至るまでを描いたラブストーリーで
初めての経験にオタオタするオタク青年に対して、時に相談に乗り、時には
叱咤激励する掲示板の住人とのやりとりを中心に、巨大掲示板を舞台にした
見ず知らずの他人同士に芽生える友情や心の触れあいが感動を呼んだ作品。

そんな、普通に考えればどう考えてもありっこないファンタジーではありますが
たとえば、エルメスから住所を聞かれるところや、お礼が送られてくる 展開も
先にオバちゃん軍団に同じ事をさせることで ”わざとらしさ””出来すぎ感”を
緩和していたり、電車男が勇気を振り絞ってかけた最初の電話が留守電だった。
なんていう焦らしのテクニックを使ってみたり、原作の構成の上手さも光ります。

しかし、ドラマの原作となった「電車男」には調べるほどに不自然な部分があり
物語の真偽については”限りなく黒に近い灰色”という評価が妥当なようです。
ただ、この物語の面白さに関しては、電車男とエルメスのラブストーリーが
”事実か否か”はあまり関係なく、その”なりたち”こそが重要であると言えます。

そもそも電車男自体が、ほとんど謎のベールに包まれた存在であるうえに
ヒロインのエルメスさえも”お嬢様のハズなのに、時々すごく積極的”という
アニメやエロゲーのヒロインを絵に描いたようなウソ臭いキャラクターなので
電車男とエルメスのラブストーリーそのものは、この際、どーでもいいもので
なにより重要なのは、この爆発的なヒットを記録した”電車男”という物語が
書き手と読み手がリアルタイムで作り上げた共同作業”であるという事。

原文に描かれた徐々にレベルアップしていく電車男の描写のリアルさなどは
電車男の書き込みに、掲示板の住人たちのアドバイスや叱咤のレスがつき
それに触発された電車男がまた書き込み・・というジャムセッションのような
やり取りの中で形作られていった物であり、会話するように進行する物語は
ライブ感にあふれた”新しいタイプの読み物としての魅力”を感じさせます。

つまり、この物語の面白さの本質は、電車男の恋愛物語にあるのではなく
電車男と、本来は「ただの読者」であるハズの掲示板の住人”名無しさん”の
レスの応酬によって物語が形成されていく、ダイナミズムにあるのであって
そういう意味では今回、誇張や類型化が目立つものの”名無しさん”たちを
ちゃんと人格持った登場人物として登場させたのは正しい選択といえましょう。

また、映画版も好評のようですが、ドラマ版の演出もなかなか見事なもので
電車男の持った船の模型から船上パーティーの映像に切り替わるところとか
電車男とエルメスのあまりにも違う職場環境の映像を交互に見せるところとか
エルメスと電車男の友人(劇団ひとり)の全く違う話が繋がっていくところとか
対比によって住む世界の違いを明確にした演出は教科書どおりといった印象。

掲示板の描写には事実と異なる点が相当数見受けられますが、テレビという
メディアで放送する事を考慮して”分かりやすさ”を重視したのも正しい選択で
ちょっとワザとらしいくらい親切な演出ですが、これなら2ちゃんねるどころか
インターネットをした事が無い層にでもイメージがキッチリ伝わる事でしょう。

また、肝心のオタクの描写についても非オタク層の描いたオタク描写としては
出色のデキで、電車男の友人(劇団ひとり)の会話の内容や行動パターンは
まさしく”アキバ系”のソレ(笑)、少なくとも過去にテレビの連続ドラマや映画
そしてコント(ドランクドラゴンと前田健を除く)などで描かれたオタク像の中では
トップクラスの再現度で、ドラマスタッフの”オタク研究”の跡を感じます。

オープニングの一見ムダにしか見えないアニメーションも、実は1983年に
開催された「DAICON4(日本SF大会)」のオープニングイベントで公開された
DAICON-FILM(後のガイナックス)制作によるアニメーションをモチーフに
今をときめくアニメ製作会社GONZOにリメイクさせたシロモノだとか。

BGMが「Twilight(E..L .O)」という曲になっているのもオリジナルと同じで
こちらに置いてある動画と比較すると「電車男」のOPアニメのオリジナルが
この、20年以上前に、当時まだアマチュアだった「新世紀エヴァンゲリオン」の
庵野秀明、貞本義行らが制作したアニメーションである事が良く分かります。

エルメスの同僚・裕子(須藤理彩)の落としのテクニックが彼女が出演していた
「やまとなでしこ」の桜子(松嶋菜々子)そのまんまで、果歩(佐藤江梨子)に
「古っ!!」とか言われているのもドラマオタク向けの小ネタと言えましょう(笑)

また、アキバのビルの屋上で(コンビニで買ったと思われる)ショートケーキを
泣きながら口いっぱいに頬張っているという、これ以上無いほど悲惨なOPや
電車男が仕事も出来ず、取り得も無く、彼女もいない「単なるダメ人間」として
描かれている辺りには「こんなのオタクじゃない!」というご不満もありましょうが

この作品は、最終的に電車男がエルメスさんとの恋を成就させるだけでなく
モテ男になり(おそらく)仕事もデキるようになり、さらに(たぶん)現在は天敵の
陣釜美鈴(白石美帆)からも告白されて困ってしまったりするアゲアゲ物語

だとすれば、冒頭のテンションを最低レベルまで下げておいて、後半にかけて
ダイナミックな盛り上がりを演出しようとするのは、セオリー通りの手法なので
そんな事に目くじら立ててるヒマがあったら、少なくとも非オタク層にとっての
オタクのイメージというのは”そういうものだ”という事をキチンと認識すべき。

少なくとも二話までを見たかぎりでは、非ネットワーカーにも非オタク層にも
じゅうぶん理解できるように咀嚼された、ていねいな演出には好感が持てるし
単にネタというだけでなくオタク文化をなるべく理解しようとしているのも好印象。
今後のストーリー展開というよりも、枝葉の演出が楽しみな作品と言えましょう。

ただ、電車男が店頭販売を断れないとか七夕の願い事に仕事の事を書くとか
カメラは”写ルンです”しか持ってないとか、子供に人気があるとかいう描写は
電車男が友人のような”完全にアッチ側の人間”ではない事を表現するための
演出のハズですが、それが”非オタク層”に通じているのかどうか?は疑問。

伊藤君も劇団ひとりも一緒くたに「キモイんですけどー」と言われてないかしら?

実のところ、この物語は”オタク青年とセレブお嬢様のラブストーリー”ではなく
セレブお嬢様に告白するために、掲示板の住人たちのアドバイスを受けながら
オタク青年がモテ男に変身する”脱オタク物語”であるだけに、そこらヘンが
上手く表現されていくかどうかは、今後の展開のカギを握りそうな予感。

あと、意図した演出かもしれませんがスレの住人を演じる役者さんの演技が
どれをとっても”声優風の大芝居”になっているのが少々気になります。
菊間アナの演技だけは”ラブシーン”を見ているような気分でしたが(笑)

・・・・てな事を書いていたら菊間さんも大変なことに・・・・・

木曜 22時 「女系家族」(TBS) 原作:山崎豊子(新潮文庫刊)
チーフプロデュース:貴島誠一郎 プロデュース:森川真行、荒井光明
脚本:清水曙美 演出:酒井聖博、竹村謙太郎、伊藤寿浩
製作協力:ファインエンターテイメント 制作:ドリマックステレビ、TBS
出演:米倉涼子、高島礼子、瀬戸朝香、香椎由宇、橋爪功ほか

「黒革の手帳」で新境地を開拓した米倉涼子が「白い巨塔」の山崎豊子の
小説を原作に迎え、遺産騒動に巻き込まれる和服の耐える女に挑戦!!
欲望渦巻く旧家の遺産相続争いの壮絶な戦いを文乃は勝ち抜けるのか!?

と、いう事で、ちょうど真裏でフジテレビの「電車男」が放送されている事もあり
若者層をバッサリ切り捨てたような原作の選定、ストーリー展開が小気味良く
第一話の視聴率が18.1%(電車男は18.3%)という好視聴率だったのも納得。

矢島家の三姉妹のキャスティングも絶妙で、女系家族の頂点に君臨する
傲慢で尊大な長女:藤代(高島)、派手好きで気性の激しい次女:千寿(瀬戸)
世間知らずで甘えっ子な三女:雛子(香椎)と見てみりゃ意外とハマっています。
特に往年の映画女優のような顔立ちの香椎はこれしかないくらいの適役。

また姉妹を取り巻く梅村(高橋克典)、大野専務(橋爪功)、芳子(浅田美代子)
良吉(沢村一樹)も、ヒトクセもフタクセもありそうな曲者ぞろいで今後が楽しみ。

大金を目の前にした人間の醜さ、おぞましさをイヤってほど見せてくれそうで
”若貴遺産相続騒動”の真っ最中に放送開始というタイミングもタイムリー。
色恋沙汰の”ドロドロ”を描いたドラマより、はるかに楽しめそうな作品です。

金曜 22時 「ドラゴン桜」(TBS) 制作:MMJ・TBS
プロデュース:遠田孝一、清水真由美 脚本:秦建日子
演出:塚本連平、唐木希浩 原作:三田紀房(講談社・モーニング)
出演:阿部寛、長谷川京子、山下智久、長澤まさみ、小池徹平ほか
 

原作は「週刊モーニング(講談社)」で連載されている人気コミック。
主演は、すっかりこのポジションが板に着いてきた感のある阿部寛さん。
脚本は「最後の弁護人(NTV)」でも一緒に仕事をしている秦健日子さん。

「ごくせん」大ヒットのおこぼれを狙って企画された「学園モノ」かと思いきや
「受験を制する者が人生を制する」とか「騙されないために勉強をしろ」とか
内容的には”真逆”と言っても良いテーマを持って来ているところが面白い。

「バカとブスほど東大へ行け!」とか「受験には学力よりもテクニックが重要」
という桜木健二(阿部)のセリフは「受験勉強トリビア」風の面白さがあるので
今後はストーリーの本筋以外の細かいネタでも充分に楽しめそうな作品。

変な服装に、変な髪形に、変なメガネという三重苦の女性教師役で登場した
ハセキョーこと長谷川京子が最終的にはどんな風に変るのかも注目ですね。
どうせ”バカでブスな女教師”のままじゃ終わらないでしょうし(笑)

金曜 23:15 「はるか17」(EX系) 制作:ホリプロ・テレビ朝日
プロデュース:桑田潔、平部隆明(ホリプロ) 脚本:永田優子
演出:片山修、常廣丈太、木村政和 原作:山崎さやか(講談社)
出演:平山あや、古田新太、金子貴俊、大島蓉子、深沢敦、富田翔ほか

これもドラマ原作の宝庫「講談社・モーニング」で連載されている漫画が原作。
この枠では「ミステリー考古学者・八雲樹」に続いて再登板の平山あや主演。
「トリック」のプロデューサーとして一躍名を馳せた桑田プロデューサーの作品で
ホリプロ制作の桑田潔プロデュース作品といえば「富豪刑事」と同じ。

古田新太、佐藤二郎、深沢敦と、ひとクセもふたクセもある共演者に囲まれて
けなげに頑張る平山あやが主人公の宮前遥と重なって、なかなかの好印象。
普段の彼女の茶髪、マスカラ、ビューラーバリバリのケバいメイクを落とした
素顔に近いナチュラルなメイクも「こっちの方が可愛くね?」というくらいグッド。

こちらも「幸せになりたい!」と同じく芸能界を舞台にしたギョーカイモノですが
平山さんも「ホントにこんな世界だったら、とっくにこの仕事辞めてます(笑)」と
言ってるように”ギョーカイの内幕暴露モノ”というより、多少の誇張を含みつつ
芸能界という特殊な世界を面白おかしく描いたサクセスストーリーと言えましょう。

原作があるという事と、深夜枠のドラマという事で、ある程度自由が利くのか
社長の福原(古田)や事務員の洋子(大島)やメイクの尾倉(深沢)の方が
主役の遥より、あきらかに目立っている事があるのが面白いですね。

金曜 25:30 「30minutes-鬼」(TX系) 制作:オフィスクレッシェンド
プロデュース:??? 脚本:???演出:大根仁、岡宗 音楽:シンコ
出演:おぎやはぎ、バナナマン、荒川良々ほか

これも続編シリーズモノですが、オフィスクレッシェンドの制作ドラマという事と
荒川良々(劇団大人計画)も出演しているコメディという事でご紹介しときます。
毎回”不条理”というか”理不尽”な物語が展開するシチュエーションコメディで
週代わりでゲストで出演する女優さんも、けっこう豪華だったりします。

土曜 21時 「女王の教室」(NTV系) 制作:日活撮影所、日本テレビ
プロデュース:大平太 仲野尚之(日活撮影所) 脚本:遊川和彦
演出:大塚恭司、岩本仁志、渡辺智明 音楽:池頼広
出演:天海祐希、羽田美智子、原沙知絵、志田未来、福田麻由子ほか

なんといっても「ごくせん」と同枠、同局で放送される学園ドラマですから
今度こそ「ごくせん」の大ヒットを受けて制作された”柳の下のドジョウ企画”!!

・・・かと思いきや(笑)

こちらも「ドラゴン桜」と同じく「勉強はビリでも人として一番になれ!!」とか
「誰の人生にも同じだけ可能性がある!」てなこと言ってたヤンクミとは真逆の
恐怖で教室を支配する独裁者のような教師:阿久津真矢(天海)が主人公。

前クールの「離婚弁護士II」(CX)での、コミカルな演技とはガラリと変わって
足首から首までスッポリ覆う、拘束具のようにタイトな漆黒のスーツに身を包み
氷のような無表情で生徒を睥睨する姿は、まさしく「闇の女王」といった風情。
元宝塚男役トップスターだけあって背筋を伸ばした立ち姿の美しさもお見事。

生徒を成績で差別し、ルールを守らない生徒、反抗的な態度を取る生徒には
容赦なく罰を与えるという恐怖政治のような管理教育を実践する阿久津先生は
最初はナメていた生徒たちにとって”悪魔”のような存在になっていきます。

当然、教師の間でも反感を買い、生徒の父兄にも怒鳴り込まれたりしますが
実は、この悪魔のような先生こそが最も親身に生徒の将来を考えている。
という事が第二話の防犯訓練のシーンではハッキリと表現されておりました。

生徒が怯えているのもお構い無しに型通りの防犯訓練を続行する校長たちや
ロクに訓練をした事も無いので、暴漢役の並木先生(内藤)を撃退するどころか
あべこべにやられそうになる天童先生(原)の様子を見かねた阿久津先生。
自ら暴漢撃退役を買って出て、襲い掛かる並木先生を本気モードで投げ飛ばし
ついでに常時携帯していると思われる護身用の小型ナイフまでちらつかせます。

このシーンから、本当に暴漢が校内に侵入したときに、自分で生徒を守ろうと
本気で考え、実践しているのが阿久津先生一人だった。事が理解できますが
今のところ演出では、そういう部分はあえてサラッと流している感じ。

そう考えると阿久津先生の”悪魔”たる所以は、実は”体罰”や”差別”ではなく
”権力者たる自分に取り入ろうとしたり”、”事なかれ主義を決め込もう”とする
生徒に対して、甘い誘惑の果実を用意しているところにあることが分かります。

第一話を見た時は「ごくせん」タイプの型破り教師モノだろうと思っていたので
「アノ性格の先生で、どうやって感動のフィナーレを迎えるのだろう?」などと
思っていたのですが、どうやらこの作品はソッチに進むつもりはないようですね。
おそらくこの先生の生徒に対する非情ぶりは最後まで変わる事が無いでしょう。

小学校の教師というものは、子供が最初にぶちあたる”大人”という壁であり
それを自らの頭で考え、挑戦し続け、乗り越える事で子供は成長していくのだ。
それを教師が勝手に辞めてしまったら、子供はいつ大人になるのか?と。
そんな骨太なテーマが、第二話で明確になってきた(気がする)この作品。

独裁者のような阿久津先生と、狡猾で時にずるがしこく身勝手な生徒たち
そして、利己的で無責任な親たちに、責任逃れの保身に終始する教師たちが
ぶつかり合う事によって、今後どんな問題が起こり、子供達が変っていくのか?
阿久津先生の真意がどのように明かされていくのかも興味の尽きないところ。

異論もありましょうが「子供部屋」というぬるま湯から一歩も踏み出す事無く
「監獄」という現実に放り込まれる王子若者のニュースを聞く事が増えた昨今。
こんなドラマをきっかけに、何かを考え直すなんて事があっても良いのかも。

日曜 21時 「いま、会いにいきます」(TBS) 原作:市川拓司
プロデュース:伊與田英徳 脚本:飯野陽子 篠崎絵里子
潤色:岡田惠和 演出:平野俊一、山室大輔、大岡進 製作:TBS
出演:ミムラ、成宮寛貴、武井証、岡本綾、生瀬勝久、三田佳子ほか

竹内結子、中村獅童の共演で映画化され結婚のきっかけにもなった作品。
ここのところ連ドラの定番モノとして定着しつつある「愛と死の感動路線」ですが
今期は同系統の作品は皆無と言ってよく、来期には絶滅してしまうかも?

死んだ女房が梅雨の季節になると帰ってくるという前期の「雨と夢のあとに」と
よく似た設定ですが、アチラほどホラーっぽい物語ではなく、しっとり系のお話。

とりあえず1、2話を見た限りは、なかなかのデキで特に不満はありません。
気になる所といえば、ながら見で見ているといつの間にか終わってしまうほど
淡々と進む、絵的にも内容的にも地味〜なドラマであるというところでしょうか?
あと、成宮寛貴君の”よきパパ”ぶりも慣れるまでに時間がかかりそう(笑)

日曜 26時 「いちばん暗いのは夜明け前」(TX:関東地方のみ)
プロデュース:???? 脚本・演出:及川中ほか
出演:熊田曜子、安田美紗子、長澤奈央、夏川純、ソニンほか

第一話は見てませんが、一話完結のオムニバスホラーということらしく
「世にも奇妙な物語」とか「ほんとうにあった怖い話」みたいなものかと。
若手のグラビアアイドルを主演に抜擢しているので、そこら辺が見どころか?


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