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2005年5月17日 今年で最後?
【2004年度高額納税者発表!!】

M次郎 ゆっき〜ファンのみんな!こんにちはー!!

Y紀恵 キモヲタの皆さん、こんばんはー!!

ミ博士 こんばんは、よい子の諸君。

M次郎 いや〜、今年もこの季節になりましたね!!

Y紀恵 ”人の財布の中身をアレコレ詮索するのはどうか?”と
     言いつつも、毎年毎年ネタにしているアレの事ね!!

ミ博士 ホッホッホ、高額所得者番付の事じゃな?

M次郎 うん!ゆっき〜の所得はどのくらい増えたのかな!?

Y紀恵 今年こそは期待できそうな気がするものね!!

M次郎 もう待ちきれないよ!!

ミ博士 ホッホッホ、それではさっそく発表しようかのぉ。 

仲間由紀恵(女優) 2,706万円(8,000万円)△1,459万円増
*数字は納税額、カッコ内は推定年収(給与所得として計算)
カッコの横の△は前年比増、▼は前年比減、−は初登場。

M次郎 おぉっ!!スッゲー!!1億にもう一息じゃん!!
     CMやドラマにたくさん出た甲斐があったんだね!!

ミ博士 ちなみに、2003年度納税額は1,247万円じゃから
     昨年度の所得は一昨年度の約2倍という事になる。

Y紀恵 働いて働いて働いた成果がようやく現れたわね!!

ミ博士 ついでに、由紀恵さんと関係のある方々のデータも
     発表されていたので参考までに下に書いておくぞい。

大島ミチル (作曲家) 1,971万円 (6,000万円)−

鬼束ちひろ (歌手) 1,983万円 (6,100万円)▼

オダギリジョー (俳優) 3,464万円 (10,100万円)△

野際 陽子 (女優) 3,852万円 (11,100万円)△

岡田 真澄 (俳優) 4,240万円 (12,200万円)△

阿部 寛  (俳優) 5,229万円 (14,800万円)△

M次郎 すごっ!!俳優陣は揃って年収1億を越えてる!?

Y紀恵 そうね、2004年といえば、オダギリさんも阿部寛さんも
     ドラマに映画にCMに舞台にと大活躍だったものね。

ミ博士 これで阿部ちゃんも億ションの借金は返済できたじゃろうな。

Y紀恵 マルチーズがドーベルマンになってるかもね(笑)

M次郎 ・・・・ところでファンファンは、なんでこんなに多いんだろう?

Y紀恵 着物のお見立て会とかかしら?

M次郎 ジュエリー販売とか?

Y紀恵 洗剤って可能性もあるけど・・・

M次郎 洗剤?

ミ博士 まぁ、ベテランじゃからギャラが高いのかもしれんし
      なんらかの事業収入があるのかもしれんのぉ!!

Y紀恵 実際、マネジメント会社を作ってるタレントさんは
     公示してる収入が収入の全てじゃないって言うしね。

ミ博士 うむ、だいたい事務所から支払われたギャラを、いったん
     マネジメント会社を通して、経費化したり分配したりしてから
     一部を給与として受け取る。というのが一般的なようじゃ。

Y紀恵 いわゆる”トンネル会社”と言われるものね。

ミ博士 うむ、活躍ぶりのワリに納税額が”アレ?”なんて感じの人は
     そんな形で上手に税金対策をしてる場合が多いようじゃの。

M次郎 他にも副業でレストラン経営とか不動産会社とかあるね。

Y紀恵 水道メーター会社の社長とかね。

ミ博士 ま、ややこしい話はこのくらいにして由紀恵ちゃんよりも
     上位にランクされているタレントさんを見てみよう。

Y紀恵 まぁ!!どんな人がいるのかしら!?

M次郎 どんなビッグネームが飛び出すのかな!?

磯野 貴理子 (タレント) 3,109万円 (9,100万円) △

細木 数子 (占い師) 3,423万円 (9,900万円)−

ピーコ (服飾評論家) 3,403万円 (9,900万円) ▼

おすぎ (映画評論家) 3,480万円 (10,100万円) △

デューク更家(ウォーキング指導者) 4,103万円(11,800万円)−

綾戸 智絵 (ジャズ歌手) 74,56万円 (20,800万円)△

假屋崎 省吾 (華道家) 13,419万円 (37,000万円)−

M次郎 えぇっ!!この人たちこんなに儲かってんの!?

Y紀恵 約一名、少なすぎる気のする人もいるけど。

M次郎 ・・・・ギャラ1本400万って豪語してる人ね。

Y紀恵 地獄に落ちると怖いから誰とは言わないけど。

ミ博士 うむ・・・しかし、こうして見ると由紀恵ちゃんは
     もっと貰ってても良さそうな気がしてくるのぉ(笑)

Y紀恵 ところで、仲間さん以外の若手の女優さんはどうなの?

M次郎 そうそう!!そこは気になるよね!!

ミ博士 ホッホッホ、やはりそこが気になるようじゃのぉ。
     では、まずは最近ケッコンが決まったアノ人からじゃ!!

竹内結子 (女優) 2,365万円 (7,100万円)△ 844万円増

M次郎 おぉっ!!今年はゆっき〜のが多いじゃん!!

Y紀恵 夏の月9の視聴率は勝てなかったけど所得は逆転ね!!

ミ博士 うむ、竹内さんも昨年より所得が減ってるワケじゃないから
     いかに、今年の由紀恵ちゃんの所得が一気に増えたか。
     という事を如実に物語っている感じじゃな。

M次郎 それじゃ、アノ人はどうなの!?

Y紀恵 あぁ、去年はCMと歌で大活躍だった・・・

ミ博士 ウム、柴咲コウさんは、こんな感じじゃな。

柴咲コウ (女優) 3,300万円(9,600万円)△ 1,000万円増

M次郎 ぐ・・・・・あいかわらず強いなぁ。

Y紀恵 去年は、ほとんどドラマも出てないのにね。

ミ博士 うむ、ほとんどドラマに出ずにCMだけでも商売になるとは
     すでに山口智子、松嶋菜々子クラスの貫禄じゃのぉ。

M次郎 ハッ!!・・・・博士!!大事な人を忘れてるよ!!

Y紀恵 わかった!!同期デビューにもかかわらず去年は
     所得ベースで3000万円の差をつけられたあの人ね!!

ミ博士 ハハァ、暮れの月9を締めくくったアノ人の事じゃな?

M次郎 そうそう!!もったいぶらないで教えてよ!!

Y紀恵 仲間さんの所得が倍増なら、今年は差が縮まるかもね!!

ミ博士 ウム、では矢田亜希子さんの納税額は↓この通りじゃ!!

矢田亜希子(女優) 4,363万円 (12,500万円)△ 2,021万円増

M次郎 ・・・・・・なにこれ?

ミ博士 見ての通り、矢田さんの納税額も約2倍増じゃ

Y紀恵  ・・・・・・仲間さんが2倍のスピードで追いかけたら
      さらに倍のスピードで逃げられた。というわけね。

ミ博士 さすがOLさんに絶大な人気を誇る矢田亜希子さん。
     納税額だけなら矢田さんが同世代トップ確定じゃな。

M次郎 ・・・・納得いかねぇ!!
     CM9社、月9の主演、おまけにミュージカルもやったのに
     なんで去年の2倍に差が広がってんのよ!?

     搾取だ・・・・事務所の搾取に決まってる!!

Y紀恵 まぁ、真っ先に思いつくのはそんなところよね。

ミ博士 ところが、そうでもないんじゃよ。ホレ↓。

尾木 徹(プロダクション尾木社長)3,477万円 (10,100万円)△

Y紀恵 ・・・・アラ、意外と。

M次郎 ・・・・ホントだ、ゆっき〜とあんまり変らないねぇ。

ミ博士 由紀恵ちゃんの他にも華原朋美さんとか布施明さんとか
     売れっ子のタレントさんが何人かおるワケじゃからな。
     社長がこのくらいの給料とってもバチはあたるまい。

M次郎 そうだねぇ・・・・もっと多いのかと思ってたよ。

ミ博士 ちなみに、昨年はハリウッド映画「ラストサムライ」の出演や
     ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」やCMで大活躍だった
     小雪さんの納税額と推定所得も発表されておったが・・・

小 雪 (女優) 1,336万円 (4,300万円)−

ミ博士 ・・・・・・↑こんなもんじゃよ。

Y紀恵 これは、去年の活躍ぶりと比較するとかなり低く感じるわね。

ミ博士 最初にも言ったとおり、公示された納税額が必ずしも
     タレントさんのギャラと直結するわけじゃないからのぉ。
     中には実際よりかなり低めになっている人もいるじゃろう。

Y紀恵 桂三枝さん(推定年収 3,600万円)とか泉ピン子さん
     (推定年収 3,700万円)なんて、まさにそんな感じね。

M次郎 ようするに”細かい事は良く分からん”って事だね!!

ミ博士 それにそんな事より、長者番付に載ったりするようになると
     会った事もない親戚から借金の保証人を頼まれたり
     殆ど面識のない知人から儲け話を持ち掛けられたり
     するようになるそうじゃから、ワシャそっちの方が心配じゃよ。

Y紀恵 空き巣が入ってノートパソコンを盗まれたりね。

M次郎 たしかにゆっき〜はお人よしそうだから心配だ!!

ミ博士 ま、そのあたりは事務所がガードしてくれるんじゃろ。

Y紀恵 そう願いたいわね。

M次郎 社長!!お願いしますよ!!

ミ博士 そうじゃ!!公示されていたその他の芸能プロ社長の
     納税額と推定所得も、いちおう参考までに書いておくぞ。

周防 郁雄 (バーニングプロ社長) 5,964万円(16,800万円)▼

川村 龍夫 (ケイダッシュ社長) 9,077万円(25,200万円)△

井澤 健 (イザワオフィス社長) 10,244万円(28,400万円)▼

古賀 誠一 (オスカープロ社長) 13,148万円(36,200万円)△

平 哲夫 (旧ライジングプロ社長) 15,149万円(41,600万円)▼

藤島ジェリー貴子(Jエンタ社長) 23,820万円 (65,100万円)△
メリー喜多川 (J事務所副社長) 32,967万円 (89,800万円)△
ジャニー喜多川 (J事務所社長) 33,126万円 (90,200万円)△

Y紀恵 さすがはジャニーズ事務所、納税額だけで10億近いわ。

M次郎 尾木プロとは規模が違うとはいえ、すごい儲けぶりだね。

ミ博士 しかも、この3人は親族じゃからなぁ。

Y紀恵 財布はひとつも同然ってワケね。

M次郎 推定所得の合計が約25億円か・・・毎年ビルが建つね。

Y紀恵 M次郎君のお父さんはマッチ箱みたいな家一軒に
     35年ローンで、ヒイヒイ言ってるのにね。

M次郎 ほっとけよ!!

Y紀恵 オマケに、最近家が傾いてる事が発覚して・・・

M次郎 それを言うなぁ!!

ミ博士 さて、そんなワケでまとめじゃが・・・・

M次郎 う〜ん、今年こそはゆっき〜がかなり上位に食い込むかと
     思ってたけど、やっぱり上には上がいるもんだねぇ。

Y紀恵 それでも、去年と比べたら倍増だからやっぱり凄いわよ。
     8年位前には”持ってるもので一番高いのはラジカセ”って
     答えてた事を考えれば”良かったね。”って感じじゃない?

ミ博士 ウム、”納税額=タレントのランク”ってワケじゃないから
     納税額ランクの上下にあまり一喜一憂せんことじゃな。
     まぁ、ネタにして楽しむぐらいがちょうどいいんじゃよ。

M次郎 別にボクたちの懐に入ってくるお金でもないしね。

ミ博士 ま、サラリーマンが一人で36億円も納税してる事を考えると
     アレだけ働いてもこんなもんか?って気もしてしまうがのぉ。

Y紀恵 いずれにしても私たちには一生縁が無さそうな金額よね。

M次郎 あ〜ぁ、サマージャンボ宝くじでも買いに行こうっと!!

ミ博士 ホッホッホ、しがない庶民が見られる夢はそんなモンじゃな。

Y紀恵 まぁ、宝くじが当たっても傾いた家は直らないけどね。

M次郎 だからそれを言うなぁ!!


2005年5月20日 仲間さんとは関係ありませんが・・・
【交渉人 真下正義の感想】

ハイ!というワケで2年以上この日記をご覧いただいている奇特な方なら
ご存知の事と思いますが、前回の「THE MOVIE2」を散々こき下ろした
このミラクル次郎が、またまた性懲りもなく観に行ってまいりました!!
「踊る大捜査線」のスピンオフムービー第一弾!「交渉人 真下正義」!!
(要は番外編っつーやつですね)

大まかなストーリーが東京で試作品の地下鉄を乗っ取ったテロリストと
警察や、鉄道会社との息詰る戦いを描いたパニックムービーだけに
公開直前にJR西日本・福知山線で、例の大事故が発生したために
公開中止になるのでは?と危惧されたようですが予定通り上映されました。
ま、内容的にまったく無関係なので当然だと思いますけどね。

さて、こっから先はネタバレが含まれているので、これからこの映画を
観る予定がある方は、念のため読まない事をお勧めしておきます。

去年公開された「THE MOVIE2」では、スーパーヒーロ化した青島刑事と
何かと言えば”現場現場!”と贔屓の引き倒しになってしまった物語に辟易し
”おそらく2度とこのシリーズの映画を見る事はないだろう”と思ってたのに
なぜかまたもや観に行ってしまった「交渉人 真下正義」ですが・・・・

一口に言って・・・・面白い!!

ナニさ!!やればできるんじゃない!!

青島が出て来ないだけで、こんなに面白くできるだったら
もう青島が出て来なくてもイイんじゃない!?(笑)

イヤ、ホントにですね。演出や脚本も”主役を立てないとならない”という
呪縛から解き放たれたように、前作よりはるかに自由にキャラクターを
動かしているような気がするのですよ。ユースケもイキイキとして見えます。

物語の重要人物だったいかりや長介さんが亡くなって間もないというのに
人気コンテンツだから続編を作ろう!」というのは、たしかにあまりにも
”商売っ気丸出し”という気はしますよね。ワタシも最初に話を聞いたときは
フ○テレビの銭ゲバ野郎め!!”なんて感想だったものです。

エェ、”作品を大事にする織田裕二さんが、出演しないのも当然だ!”と。

しかし完成した作品は、そんな思いを吹き飛ばすほど良いデキなのです!

・・・・と、ちょっと褒めすぎた気もしますが(笑)

この映画が、どんな風に”良いデキ”なのか、簡単にご紹介しますと

よく出来たハリウッド映画のパロディ

という良さなのです。

ハイ、あの「毒にも薬にもならないけど上映時間分だけは楽しませてくれる」
「作家性よりマーケットリサーチ」「感性よりも心理学」のハリウッド映画です。

どこらヘンがハリウッド映画っぽいか具体的にちょっと例を挙げてみますと

クリスマスイヴの夜に大都市の地下鉄を舞台に起る大事件という舞台設定。

職人気質の指令長(國村隼)や線引屋(金田龍之介)のキャラクター造形。

狂言回しの木島刑事(寺島進)や矢野広報主任(石井正則)の人物配置。

空撮や、クレーンカメラを多様した、カット割が多くダイナミックな画面構成。

上映時間目一杯に息をつく間もないほどに二転三転するめまぐるしい展開と
ワザとらしいほどに”シャレた”セリフが多く、ハッピーエンドなシナリオ。

そして、内外の名作映画からオイシイところをパクリまくった
スペクタクル感溢れるド派手なアクション盛りだくさんな演出(笑)と。

どこをとっても”ハリウッド的”としか言いようのないテイストに溢れています。
そして、これがヒジョーに上手に作られてるんですよ。キッチリと。

「踊るシリーズ」という予備知識がなくて、ストーリーや人物関係を知らずに
単純に一本の映画として見たとしても充分楽しめる映画になっております。

ウェットになり過ぎないカラッとした空気といい、畳み掛けるような展開といい
まるで「ハリウッド映画の作り方」という教本でもあって、その通りに作った
和製ハリウッド映画というような、そんなオモムキの映画なのですよ。

國村隼さんや金田龍之介さんや寺島進さんや石井正則さんの役なんか
「ハリウッドでキャスティングするなら、この役者さんで。」という想定が
すでにカントクやプロデューサーの頭の中にありそうな気さえします。

実際カンヌの見本市でも「忍」などと一緒に売り込みをかけていたようですが
地下鉄という舞台がニューヨーク、パリ、ロンドンにいつでも転用が利くのも
”海外○○カ国で上映!”とかいう話だけでなく「リング」や「呪怨」のように
ホンキで欧米に映画化権を売る”つもりだったような気がしてなりません。

また、先にもチラッと触れましたが、それに加えてこのカントクさんお得意の
ハイパーリンク(過去の作品とのリンク)”や”オマージュ(要はパクリ)”も
健在で、そこらヘンが「踊る」オタクをフォローする構造になっておりまして

映画化1作目のクライマックスで黒澤明の「天国と地獄」にオマージュを捧げ
今回も、ヒッチコックの「知りすぎていた男」やスピルバーグの「激突!」に
オマージュを捧げている事が、これ見よがしにアピールされております。

そして、ヒッチコックやスピルバーグ作品との関連性を指摘される事など
本広カントクにしてみれば、おそらく”想定の範囲内”の出来事でしかなく
ホンキでネタ探しを始めたら”シーン○○の、カット××のカメラワークは
実は、19XX年公開の△△のあのシーンと同じでして・・
”なんて答えが
返って来そうな気がする。というか、今までずーっとそうなのですが(笑)

そんな「オタクとオタクの対決」という、この作品のストーリーをなぞるような
映画オタクによる映画オタクへの挑戦状”的な性格も持っているのです。
また「ザクみたいなデザインの試作機」とか「ワキ線」だとか「335.2」とか
その他、各方面のマニア心もくすぐる要素が満載になっております。

ストーリーとは無関係の、いわゆる「小ネタ」でマニアを喜ばせるやり方は
メジャー作品では『新世紀エヴァンゲリオン』庵野監督あたりを起点として
洋画の世界なら大ヒットシリーズ「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟や
「パルプ・フィクション」「キルビル1.2」でお馴染みのタランティーノ監督。
ドラマ界では、この本広カントクや「ケイゾク」「トリック」の堤幸彦カントク。
または脚本家、宮藤官九郎さんあたりが好んで用いるスタイルと言えます。

しかし、おおむねこのテの作品は、作品自体も「分かってるワタシたち」や
「ちょっと違うオレたち」が「このセンスは一般ウケしないと思うけど・・・」とか
「分かる人だけには分かる面白さ!」だとか言いながらニヤリとするだけの
マニア好みのマイナードラマ”に終わってしまうパターンが多いのですが

この作品は大作娯楽映画としてもマニア向けの映画としても
一線級のクオリティをキープしている稀有な作品といえましょう。

前作はアレでしたが、この作品だったら金を払って見る価値はあります。
オマージュが「ただのパクリ」にしかなってない部分もあるにはありますが
このクオリティをキープ出来るならシリーズ化も「アリかな?」と思えます。

次回作「容疑者 室井慎次」は
すでにビミョ〜な雰囲気ですが(笑)


2005年5月27日 空中ブランコ
【疑惑の交渉人】

ハイ、というワケで掲示板の方でチラッとご紹介させていただきましたが
先日、この日記でベタ褒めした踊るTHE MOVIE「交渉人 真下正義」に

「機動警察パトレイバー THE MOVIE」から致命的なパクリがある。

との情報を2ちゃんねるで入手いたしましたので真偽の程を検証すべく
さっそく「機動警察パトレイバー」の映画「1」「2」を借りてきました!!

え〜、それではワタシもタイトルを聞いた事がある程度だったので
まず「機動警察パトレイバー」という作品について簡単にご紹介します。

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「機動警察パトレイバー」

近未来の東京を舞台にしたSF漫画・アニメ作品。
ロボットが活躍するSF作品ながら従来のロボットアニメ作品とは異なり
ロボット(作品中ではレイバー)そのものをヒーローとして扱うのではなく
完全に特殊車輌の一種とみなし、道具としてのロボットと人間の関わり
あるいは、レイバーの存在する社会環境、世界観を緻密に構築。

1988年17号から少年サンデー誌上でコミック版の連載がスタート。
それに続いて1988年4月〜1989年6月の間にOVA(全7巻)発売。
コミック版を手がけたのは劇場版でも原案としてクレジットされている
「究極超人あ〜る」のゆうきまさみ氏で、1994年まで掲載された。

1989年7月に「機動警察パトレイバー THE MOVIE」が劇場公開。
1993年8月には「機動警察パトレイバー2 THE MOVIE」が公開。
2003年には劇場版第3弾「WXIII 機動警察パトレイバー」が公開。

劇場版では、レイバーを巡って展開される陰謀や組織の対立などが
描かれ、アニメ映画ながら凡百の実写映画を越えるリアリティを表現。

また、劇場版「1」「2」は「うる星やつら〜ビューティフルドリーマー」
「ケルベロス」「攻殻機動隊」「イノセンス」など、アニメ、実写映画で
海外でも高い評価を得ている押井守が監督・脚本を手がけている。
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ワタシも実際にほとんど予備知識のない状態で劇場版の「1」「2」を
見ましたが、それでもそれなりに楽しめるくらい良く出来たアニメです。

・・・で、「1」と「2」をそれぞれ見たところ、アヤシイのは「1」の方。
「2」の方には「踊る大捜査線THE MOVIE」とほとんど類似性はなく
あえて挙げるならベイブリッジが爆破される事くらいです。

「1」の方も、そもそも「パトレイバー」自体が原作のあるお話なので
内容的には「パチリだ!!」というほどの類似点は見出せません。
しかし、犯人像に限ってみると、かなりの部分が似ています

ま、犯人の特徴をあまり具体的に指摘すると、ネタバレになるので
簡単に両方の作品に共通するキーワードだけ列挙してみますと・・・

1.カラスといっしょに登場

2.職業はコンピュータープログラマー

3.コンピューターウィルスを使ったサイバーテロ

4.周波数

5.すでに犯人は○○でいる。

と、いったような感じです。

・・・・え〜〜〜〜、実際に見てみると、アニメと実写というだけでなく
作品自体の雰囲気もかなり違うので、それほど強くは感じませんが
このように、キーワードだけを抜き出してみますとソックリです。

まぁ、そもそもテレビ版の「踊る大捜査線」のSP版を作ってる頃から
「パトレイバーを参考にしている」と公言していた本広カントクですから
犯人像の一部が似ている程度なら「リスペクト」でも許されますが

ここまで似てるのはさすがにどうかなぁ?

犯人が”映画に詳しい男”という伏線が張ってあって、最後のトリックが
ヒッチコックの「知りすぎていた男」からの引用ってのは”アリ”だと思うし
この犯人のキャラクターを考えると、数あるヒッチコック作品の中から
「知りすぎていた男」というタイトルの作品を選んだのもグーですが

このパトレイバーからの引用は、殆ど何の工夫も感じられない。ってか
「パトレイバーの犯人にちょっと手を加えて置き換えただけ」なんですよ。

これは「リスペクト」っちゅーよりドロボウに近いんじゃないかしら?

「交渉人 真下正義」の映画の中で、主人公:真下が犯人に向かって
「君は一線を越えてしまった」てな意味のセリフを言う場面があります。
過去の名画の良い所をコラージュして一線級の娯楽映画に仕上げた
本広カントクの手腕はさすがと言うほかありませんが、少なくとも、この
パトレイバーとの類似性に関しては「一線を越えてしまった」感じです。


2005年5月28日 スウィングガールズと下妻の感想
【スウィングガールズの感想】

「パトレイバー」を借りたついでに、前々から見たいと思っていた2作品。
「スウィングガールズ」と「下妻物語」も借りてきたので感想を書きます。

昨日、一気にこちらの感想まで書いてしまおうと思っておりましたが
途中で力尽きたので、2日に分けてアップさせていただく事にしました。
どちらも、とても可愛い青春映画で好感の持てる作品でした。

それでは、まず「スウィングガールズ」の感想から。

まず、見る前は映画「ウォーターボーイズ」の矢口史靖監督作品で
平凡な女子高生がジャズバンドを結成する話、と、聞いていたので

「ウォーターボーイズ」の後釜を狙ったイヤらしい企画モノ。

と、いう印象を持っていたのですが、見た人の評価が非常に高い事と
後々DVD発売記念で放送されたメイキングSP番組を偶然見た事で
ヒジョーに興味が沸きまして、いつか見よう!!と思うようになりました。

それでも、やはり「ウォーターボーイズ」のガールズ版企画という印象は
消えなかったので、物語が始まった直後の鈴木とも子(上野樹里)の
不真面目で可愛げのないクソガキぶりに、まず驚きました(笑)

序盤のとも子は「ウォーターボーイズ」の主人公の男子生徒たちと違い
全く無気力でいい加減、無責任なうえに屁理屈だけは人一倍という
なんかもう、イヤな女子高生の特徴を詰め込んだようなクソガキっぷりで
「こんな主人公にどうやって感情移入しろと!?」という感じなのですが

そのまま中盤あたりまで、やる気のないガールズたちの不真面目さに
イライラしながら見ていると、ある出来事をきっかけに状況が一変し
そこからは、ひたむきに音楽に取り組みだすガールズたちと一緒に
グイグイとビッグバンドジャズの魅力、楽しさに引き込まれていきます。

実はDVDに収められた音声解説で矢口史靖監督の解説を聞いてみると
”序盤のとも子は意図的に憎らしい性格に描いてある。”のだそうで
「ウォーターボーイズ」の時と同じやり口と言ってしまえばそれまでですが
このローギアから徐々にトップへ持っていく構成の上手さには脱帽。

方言の持つ、温かく、柔らかいニュアンスを作品に生かしたのも正解で
「この作品ではドラマに集中してもらうためにあえて方言は使いません」
なんつってるプロデューサーに「これを見ろ!!」と言いたい気分。

また、主演の上野樹里を初めとして、ほとんど無名の新人で構成された
ガールズのメンバーたちの”いかにも地方都市にいそうな”素朴な味は
あえて作品名を明かさずにオーディションを行った。という監督の意図が
見事にハマッた感じで、仮にフジテレビでドラマ版が制作されるとしても
映画と同じレベルの”ほのぼの感”を再現する事は不可能でしょう。

そして、何と言っても、この「スウィングガールズ」という作品の魅力は
一度でも楽器を持った事のある人なら分かる「少しずつ上達する喜び」や
「人前で演奏する緊張感や楽しさ」といった感覚が、実際にこの映画の
撮影が開始されるまで、楽器に触れた事すらなかったという彼女たちが
大観衆を前にホールで堂々と演奏を披露するまでになる過程を描いた
ドキュメント映像のように、丁寧に、かつビビッドに描かれている事。

おかげで、あんなに憎らしかったガールズたちが大観衆の前で演奏する
クライマックスの演奏会のシーンでは”まるで我が子の初の晴れ舞台を
見に来た親
”のような心境になって、画面を見つめるようになりますので
後半の約30分は、ほとんど演奏シーンだけなのに全く飽きません。

それどころか、いつの間にかガールズの演奏に合わせて
全身でリズムを取ってしまっている自分に気づくハズ。

「スウィングガールズ」という映画は「スウィングジャーナル」を読むよりも
ジャズという音楽の楽しさを、素人の私たちに体感させてくれます。

地方都市の田園風景の中で描かれる純朴な少年少女たちの物語。
一人として悪い人が登場しない、優しい人たちが紡ぎ出す優しい物語。
学園祭の高揚感を思い出させてくれる青春の1ページを描いた物語。

たしかに「こんなのリアルじゃない」と言ってしまえばそれまでですが
ジブリ作品以外にもこんなおとぎ話があっても良いんじゃないでしょうか?
安っぽい思想や聞き飽きた政治的主張を声高に唱えるような映画より
こんな風に素直に、心から楽しめる映画をワタシはもっと見たいです。

【下妻物語の感想】

さて、そんなワケで、今度は「下妻物語」の感想を書いてみましょう。
正直言って「スウィングガールズ」とはまったく毛色の違う作品ですが
こちらも女の子同士の友情を描いた甘酸っぱい青春映画になってます。

キャベツ畑と田んぼとジャスコしかない田舎町、茨城県下妻市を舞台に
ジャージ天国、兵庫県尼崎から引っ越してきたゴスロリ少女:竜ヶ崎桃子
(深田恭子)と地元のヤンキー娘:白百合いちご(土屋アンナ)の間に
芽生える友情を、スピード感溢れる映像とポップな感性で描いた作品で

極彩色の映像、頻繁にインサートされるアニメーションや特撮映像。
また、まともな人が一人として登場しない奇妙なキャラクター造形と
期せずして、似たような田園都市を舞台にした青春映画でありながら
どこをとっても「スウィングガールズ」とは真逆なスタイルの作品です。

10代の頃は「マリーアントワネットの生まれ変わり」と自ら公言していた
生粋のゴスロリ娘、深田恭子さんを桃子役にキャスティングする一方で
ヤンキーやジャージとは縁がなさそうな現役モデル、土屋アンナさんを
原チャリ暴走族のヤンキー娘、イチゴ役にキャスティングする意外性。

サポートメンバーには、樹木希林をはじめとして、生瀬勝久、荒川良々
阿部サダヲ、宮迫博之といった、ひとクセもふたクセもあるメンバー。と
いかにも一筋縄ではいかないエキセントリックな雰囲気が漂います。

しかし、バッタ物を売って生きてきたチンピラのダメ父親(宮迫博之)と
我が子を捨て女として生きる事を選んだ母親(篠原涼子)の間に生まれ
わずか10歳にして人生に絶望し、不幸な境遇から目を背けるように
幻想の世界に浸りながら、他人との関わりを避けて生きてきた桃子が
ちょっとバカで、お人良しで、強引なヤンキー娘イチゴと関わっていく事で
徐々に心を開き、堅い友情が芽生えていく過程は紛れもなく青春映画。

ありえないキャラクターが織り成すデタラメな世界のなかで展開される
堤監督やクドカン作品のようなハズシに満ちたギャグの合間に描かれる
桃子やイチゴの微妙な心の動きの描写は、とても繊細でリアルです。

特に、社会との関わりを拒絶してきた桃子がイチゴから特技の刺繍を
褒められた事をきっかけに、他人から認められ、求められる喜びを知り
やがてイチゴを”親友”として認め、自ら彼女を守ろうとするまでになる
桃子の内面の変化の描写は、嶽本野ばらさんの原作によるところが
大きいのかもしれませんが、実に理にかなった演出と言えましょう。

また、途中で明らかになる喧嘩上等娘:イチゴの意外な過去も
実際に身近でよく似た話を聞いた事があるだけに胸に迫りました。

このように、スラップスティックコメディ映画のようなデタラメさの中に
少女漫画のようにリリカルでビビッドな乙女の心情が描かれているという
イビツでアンバランスな危うさも、この映画の”青春っぽさ”なのかも。

と、「スウィングガールズ」にしても「下妻物語」にしても、全く違う意味で
現実にはちょっとありえない”ファンタジー”と言って良い作品なのですが
そんな「夢」を上手に見せてくれるのも映画ではないかと思うのです。

高い思想性や政治的主張、整合性やリアリティ、身を切るような悲恋など
映画やドラマで大事だとされる数多の要素がありますが、大事なのは
伝えたい事がキチンと伝わってるかどうか?って事じゃないでしょうか。

少なくとも、この「スウィングガールズ」と「下妻物語」という映画は
どんな”泣ける!!”映画よりも、ワタシの心に響いた作品でした。

そして仲間由紀恵さんが、このような素晴らしい企画に
巡り合われる事をファンとして切望してやみません。


2005年6月4日 トリック情報あれこれ
【トリックスペシャル版情報チラホラ】

ハイ、そんなワケで年内にはスペシャル版がテレビ朝日で放映予定。
来年には劇場版第二弾が公開予定。と発表された「トリック」ですが
先週のテレビライフ12号の記事に続きまして、水曜日に発売された
「ザ・テレビジョン」「テレビガイド」にも1ページの特集が組まれました。

今週発売の二誌ではすでに撮影現場の写真や大まかなストーリーも
公表され、いよいよ新作「トリック」が本格的に動き出した感じですが
とりあえず現在発表されているのは年内放送予定のスペシャル版の
情報の一部だけで、まだ予想とか何とかいう段階でもありませんので
とりあえず今まで明らかになった情報をまとめてみたいと思います。

「トリック」スペシャル版 【全国テレビ朝日系】 年内放送予定

トリックHP http://www.tv-asahi.co.jp/trick/

出演者:仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、野際陽子、大島蓉子ほか

ゲスト:小木茂光、大和田伸也、本田博太郎、西村雅彦ほか

(あらすじ)

驚異の的中率でマスコミを賑わす占い師、祥子のインチキを科学的に
検証しようとして見事に失敗した上田が、またもや奈緒子に泣きつき
祥子の占いのインチキを暴くため奈緒子が祥子に挑戦するハメに。
祥子が残した死の予言「ふるいけや かわず飛び込む 水の音」
というキーワードを元に行方不明になった学者を探しているうちに
二人は「古池屋」という雑貨店にたどり着くのだが・・・・・

(見どころ)

奈緒子 友情です。私に友達が出来るんです。
     また、私が生きていいく上で重要な展開も・・・!!

仲 間 すき焼きのシーンは必見!
     これを見逃すと先が分からなくなるので

上 田 俺と、過去最強の強敵とのアクション!!

阿 部 3人で謎解きをするんですけど、
     仲間に加わる人物は誰でしょう?

・・・と、ここまでが、これまで雑誌で明らかになった情報ですが
古池屋の写真を見ると、あの”つぼ八”があったり”千里眼の張り紙”が
あったりと、あいかわらず美術の稲垣サンもぶっ飛ばしているご様子。

あいかわらずバカバカしいダジャレがキーワードになっているあたりも
「トリック」らしいナンセンスと脱力感は健在といった感じでしょうか?

「ザテレビジョン」によりますと、ゲストとして出演する予定の
大和田伸也さん、本田博太郎さんは、学者として登場される模様。

また、写真の上田と奈緒子の服装(上田:ジャケットにウールのベスト
奈緒子:薄手のカーディガンにロングスカート)が、ワリと軽装なので
放送時期は、意外と早く10月の改変期あたりになるかもしれません。

さらに、謎の占い師・祥子を誰が演じるのかは今のところ不明。
女性である事は間違いないでしょうが、どんな女優さんになるのやら。

堤カントクのblogによれば、「トリック」の撮影はいよいよ終盤を迎えて
いるようですし、8日に発売される「TV-LIFE 13号」にはさらに詳しい
情報が掲載されるそうですので、今後の展開に注目しましょう!!


2005年6月21日  「功名が辻」
大河ドラマ「功名が辻」キャスティング発表!

ハイ、そんなワケで、ついに昨日、来年のNHK大河ドラマ「功名が辻」の
詳細なキャスティングが東京、渋谷のNHKで記者発表されました!!
例年恒例ではありますが、民放では年に一度あるかないかの顔ぶれが
ひな壇にズラリと並んでいるのを見ると「さすが大河ドラマ」という感じ。

なにより来年の大河ドラマ「功名が辻」は、仲間由紀恵さんの主演作。
ふるさと沖縄から上京して10年、ついにNHK大河ドラマの主役を張る
までになった彼女をサポートしてくれるのはどんなメンバーでしょうか?

山内千代(やまうちちよ)… 仲間由紀恵

山内一豊(やまうちかずとよ)… 上川隆也

五藤吉兵衛(ごとうきちべえ)…武田鉄矢

祖父江新右衛門(そふえしんえもん)…前田 吟

法秀尼(ほうしゅうに)…佐久間良子

きぬ…多岐川裕美

不破市之丞(ふわいちのじょう)…津川雅彦

堀尾吉晴(ほりおよしはる)…生瀬勝久

いと…杉田かおる 

中村一氏(なかむらかずうじ)…田村 淳〈ロンドンブーツ1号2号〉 

とし…乙葉

小りん(こりん)…長澤まさみ 

山内康豊(やまうちやすとよ)…玉木 宏 

祖父江新一郎(そふえしんいちろう)…浜田 学

豊臣秀吉(とよとみひでよし)…柄本 明

おね…浅野ゆう子 

旭(あさひ)…松本明子 

豊臣秀次(とよとみひでつぐ)…成宮寛貴

竹中半兵衛(たけなかはんべえ)…筒井道隆

前野将右衛門(まえのしょうえもん)…石倉三郎

蜂須賀小六(はちすかころく)…高山善廣〈プロレスラー〉 

福島正則(ふくしままさのり)…嵐 広也 

織田信長(おだのぶなが)…後日発表

お市(おいち)…大地真央

お濃(おのう)…和久井映見

淀(よど)…永作博美 

柴田勝家(しばたかついえ)…勝野 洋

林 通勝(はやしみちかつ)…苅谷俊介

佐久間信盛(さくまのぶもり)…俵木藤太 

丹羽長秀(にわながひで)…名高達男

石田三成(いしだみつなり)…中村橋之助

浅井長政(あざいながまさ)…榎木孝明

浅井久政(あざいひさまさ)…山本 圭

今川義元(いまがわよしもと)…江守 徹

明智光秀(あけちみつひで)…後日発表

徳川家康(とくがわいえやす)…後日発表

・・・と、以上が現時点で発表されている出演予定の方々です。
(*と書いてあるのは大河ドラマ初出演の方。)

まぁ、今、ちょうどCSで再放送してる「太平記」(1991年)に出演していた
武田鉄矢さん、柄本明さん、勝野洋さん、といったベテラン男性陣と
佐久間良子さん、多岐川裕美さんといったお懐かしい女優陣の皆様が
大河ドラマ感ってヤツを盛り上げてくれそうな雰囲気でありますね。

「中村一氏がロンブーの淳ぃ!?」

とか

「竹中半兵衛が筒井道隆ぁ!?」

とか

「高山善廣って・・・・大丈夫なのかぁ?!」

とか、個人的に「?」な部分があるのも例年通りと言えば例年通り(笑)

他にも、いつの間にか尾木プロ所属になっていた名高達男さんが
ちゃっかり丹羽長秀役でキャスティングされていたり(笑)

「新選組」「義経」と二年連続で主役の座を射止めたジャニーズ事務所の
所属タレントさんの名前が今回発表された出演者の中に一人もないとか
「そういや、今回はオスカーも研音もひとりもいねぇんじゃねぇか?」とか
邪推ネタの方も例年通りと言えば例年通りなワケですが(笑)

しかしなんつーか、上川さん、仲間さんの年齢から逆算したせいなのか
史実の山内一豊との年齢差を考えたらこうなったのかは知りませんが
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、といった三大武将周辺の人々が

本人も含めて超高齢。

一応、信長、光秀、家康のキャスティングは公式発表では「未定」って事に
なってるようですが、一昨年の「武蔵」の時も小次郎のキャスティングが
ギリギリまで伏せられていたように、これも恒例行事のようなものなので
とっくに誰が演じるのか決まっているのは、まぁ間違いないでしょうが

秀吉が柄本明さんで、その妻「おね」が浅野ゆう子さんと来て、信長の妹
お市の方が大地真央さんと来れば、いくらなんでも織田信長を演じるのが
近藤マッチ(ジャニーズ枠)や緒方直人(NHK功労者枠)とは考えられず
過去に大河ドラマ出演経験のあるベテラン俳優さんになるでしょうね。

個人的には真田広之さん、柳葉敏郎さん、西村雅彦さん、陣内孝則さん
といった40代後半〜50代前半ぐらいの人達がクサイと思っております。

それに対して、現時点で発表されている一豊、千代周辺のメンバーは
杉田かおる、田村淳、長澤まさみ、玉木宏、乙葉、と、いった超若手で
ほとんどが大河ドラマ初出演のメンバーで構成されております。

杉田さんに関しては大河初出演だった。って事の方が驚きですが(笑)
なんだか来年も凄いコントラストになりそうです。

今年の「義経」も似たような傾向にある事は確かですが「功名が辻」も
ザ・時代劇!!なベテラン勢と、トレンディ〜な若手俳優がかもし出す
ビミョウな温度差だとか、演技の質的な違いが出てきそうな気配。

この一豊、千代周辺のメンバーとベテラン勢の間にある様々な差異を
民放の連ドラでも活躍している武田鉄矢さん、生瀬勝久さんあたりが
いかにしてグラデーションのように埋めていけるかがカギになるでしょう。

【「功名が辻」って、どんなお話?】

ま、ワタシは原作本を読んでないんで偉そうな事は言えないんですが(笑)

日本史に詳しい人に聞いてみたところ、そもそもこの山内一豊というお方
ほぼ無一文の状態から、土佐(二十四万石)の大大名にまで登りつめた
立身出世物語の主人公ではあるものの、百姓の小倅から太閤になった
豊臣秀吉と比べてしまうとスケールが小さく、戦国時代の武将としては
ドラマになるような武勲も少なく、イマイチ面白みに欠ける素材なのだとか。

少なくとも山内一豊単体のエピソードだけでは、とても60話を越える
大河ドラマを持たせるほどのエピソードがあるとは思えないそうです。

とはいえ、全篇が千代と一豊の夫婦話では大河ドラマとして成立するとも
思えないため、おそらく「功名が辻〜山内一豊の妻」とは言いながらも
夏ぐらいまでのストーリーは、一豊が流浪の生活をしていた時期の話で
前半の物語は信長、秀吉、家康絡みの話がメインになるだろうと考えられ
今川義元役で江守徹さんの名前が挙がっている事からも青年期の信長が
桶狭間で今川義元を破る逸話が描かれるのは、まず確実なのだとか。

と、なると前半は政治の表舞台とはあまり関わりの無いところにいる一豊と
千代の地味な放浪生活と、信長、秀吉、家康、光秀あたりの表の動きを
創作も交えながらリンクさせて描く事になると考えられ、ちょうど4年前の
「利家とまつ」のような構成になるのではないか?という事だそうです。

また、原作のタイトルが「功名が辻」であるように、山内一豊という人物は
”内助の功”の代名詞でもある妻”千代”とセットで語られる事が多いそうで
山内一豊物語=千代の内助の功の物語と言ってもイイくらいなのだとか。

では、夫の出世を陰で支えた賢婦の物語を描いていけば良いのかというと
そもそも、山内一豊という人の立身出世物語自体がビミョウなものらしく
その足跡は、かならずしも栄光に満ちたものではなかったようです。

そもそも山内一豊は土佐ではなく尾張の出身で、彼の父、盛豊は信長が
尾張統一を目指す戦いの中で、対抗勢力の家老として信長と戦って戦死。
そこから親と家を失った一豊の苦難の生活が始まったそうですが、長じて
信長と対面した一豊は、ひと目で信長の「王となるべき資質」に惚れ込み
親の敵討ちどころか信長に仕官、以降、信長を主君と仰ぐ事になります。

また信長の死後は、柴田勝家と豊臣秀吉が後継者の地位を巡って争う中
当時、羽柴秀吉配下の一武将として着実に功績を積み重ねていた一豊は
秀吉の厚い信任を受けて、それ以前に伏見城の普請に携わった経歴から
掛川城の整備を任され、掛川五万石の領地を任される大名となりますが

後に一豊が土佐二十四万石を得たのは、主君、秀吉の死後、石田三成と
徳川家康の対立がいよいよ明確になった際に、いち早く家康側にすり寄り
西進を目指す家康に対して東海道上の重要拠点であった居城(掛川城)を
「兵糧ごと明け渡す」と真っ先に表明した事が高く評価されたものだそうで

その掛川城は、豊臣秀吉から徳川家康が江戸から大阪に進軍する際に
徳川の軍勢を足止めするために、山内一豊に任せられていたものであり
それをアッサリ裏切った事で、家康の信頼を勝ち取ったのだそうです(笑)

領地が土佐藩になったのも、それまで土佐を支配していた長宗我部家が
関が原の合戦で西軍(豊臣方)として参戦した事で後に取り潰されたため
浮いた領地をタナボタ式にいただいちゃった。といった按配なのだとか。

また、土佐二十四万石の藩主になり旧長宗我部家の抵抗を鎮圧した後は
彼らを”郷士”とし、直属の家臣を上士とする、独特の身分制度を作り上げ
郷士を徹底的に要職から排除して体制を維持する事に努めた。との事で

結局、この郷士に対する徹底した冷遇が「徳川憎し」の感情をくすぶらせ
後の討幕運動に発展する大きな要因になったうえ、一豊の末裔である
幕末の藩主・山内容堂も、当初は大恩ある徳川家に対する恭順を示して
藩内の討幕派を取り締まっていたものの、幕府の情勢が不利と見るや
一転して藩論を倒幕に転換し、最後には徳川幕府さえも裏切っています。

どうでしょう?この裏切り人生(笑)

たぶん原作小説や伝記物語では、さぞかし美化されているんでしょうが
概略を見ると、この人の栄達の背後には「忠義」とか「武士道」ではなく
「コウモリ」とか「スネオ」とか「想定の範囲内」なんて言葉がチラつきます。

この数々の裏切りのカゲに”千代の助言アリ”なんつってもなんだかなぁ。
なんか、やってる事に全然シンパシーが感じられないんですけど。

ま、もちろん土佐藩の内政なんかに関しては、功績もあるんでしょうけど
出世のためならいかなる犠牲を払う事になっても構わない。って生き方は
下克上の時代の生き方としては別に間違っている訳じゃないんでしょうが
現代の価値観で言うところの「美談」とは、あまり縁がなさそうですしねぇ。

ざっと見た感じ、この「功名が辻」が面白くなるのかどうかは、今年以上に
脚本の大石静センセーの手腕によるところが大きいような気がします。


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